「暗夜-ヴェンデハルスの番う森-」ゲーム感想
宙出版発行の、BL&乙女ゲーム情報誌『Cool-b』2008年月9号付録のDVDに収録された全年齢のBLゲームです。
画像は、収録された雑誌の表紙で、付録ゲームとは関係ありませんのでご注意ください。(このゲームが収録されている雑誌を探す時の、目印として雑誌表紙画像をリンクしてみました)
ついでに、雑誌の公式サイトへのリンクは以下からどうぞ〜。
'80年代のドイツ郊外。
文明を拒絶した町に数百年以上続く秘祭=フェストの儀式を担うのは、若い城主・ルドガーだった。
やがて祭りが近付くにつれ、不穏な出来事が起こり出す。
(Cool-b 2008年9月号70ページより引用
Cool-bの付録オリジナルBLゲーム、第3弾です。
第2弾の「CRAZY MIXed UP!」が出たのが、06年11月号なので、約2年ぶりです。
システム面は「CRAZY MIXed UP!」と大体同じで、とても使いやすく、他の商業ゲームと比較しても遜色ありません。
既読スキップも超高速でした!
クイックセーブ&ロードもあり、セーブ数は150個、日付と時間が自動で入り、コメントを自分でつけることもできます。
Extra(おまけ)で見られるのは、スチルだけですが、自分で細かくセーブしてコメント記入すれば、シーン回想代わりになりそうです。
攻略キャラは、幼馴染で従兄のテオ・コルネリウスと、フェストで閉ざされていた町に忍び込んできた、民俗学を研究している日本の大学生の、千倉宗助(ちくら そうすけ)の、2人です。
ジャンルは、ドイツ古城が舞台の伝奇ホラー。(雑誌参照)
今まで出たCool-b付録ゲームの中では、一番、BL度は低め……だと思います。
どちらかといえば、
現代においてもまだなお、中世の雰囲気を感じさせる、閉ざされた、ドイツのとある町の古城で、毎年行われている、謎めいた祭りの真実とは……!?
……という、伝奇ホラーなストーリー部分を楽しむゲームだと思います。
BLとしてじゃなくて。
一体、この町では、何が行われているんだろう!?と、その部分が気になって、一気に読みましたが、BL的な部分は、ラストにほんのり、あるようなないような……。
若き城主のルドガーは、今回初めて、秘祭・フェストに重要な役どころとして参加するのですが、それが一体どういう祭りなのかは、プレイヤーと同様、何も知りません。
城主にさえ詳細が秘められた祭りで、祭りを取り仕切っている(?)街の住人たち(オヤジ3人)も何だか胡散臭く、そんな祭りに参加するルドガーは、果たして大丈夫なのか!?と、とにかくラストが気になりました。
次第に祭りの真相が明らかになっていく、後半の展開は面白かったです!
BL的には……先に書いたように、ほんのり、としかないのでコメントしづらいのですが、後半、秘められていた祭りの実態を知り、そこから脱出しようとする過程で、二人の間に絆が芽生える……といった感じでしょうか。
従兄のテオは、まだしも今までの幼馴染として過ごしてきた積み重ねがあるからいいとしても、フェストを探るために忍び込んできた宗助とは、出会ったばかり、かつ、悠長にラブがどうのとか言ってる状況下じゃない(早く逃げなきゃ!みたいな)ので、恋愛(?)面は、エッセンスくらいなのね……と、受け止めました。
ハリウッド映画チックな『危機的状況下の恋愛』って言ってもいいかな〜とも思いますが。
エンドは、テオエンドも宗助エンドも、ほぼ同じだったりするのですが、ホラーもののエンディングらしくて、よかったです。
ハッピーエンド、と言っていいのかどうかは微妙ですが、このお話のラストとしてはしっくりくるなあと。
キャラ的な感想では、明るく気さくな良きお兄さんな従兄のテオが、屈折している一面を抱えていたり、閉ざされた街に単身乗り込んできた、マイペースで図々しい?宗助が、結構気配りの人だったり、と最初に感じた印象とは違う面が、話が進んでくるにつれて見えてくるのが、興味深かったです。
主人公のルドガーは、まじめで素直な天然(笑)領主さんで、可愛かったです。
純粋培養なの箱入り公爵なので、宗助のすぐわかるようなホラもあっさり信じちゃうところが、微笑ましかったです。
きっとそんな感じで、テオからも、ルドガー自身は気づいてないだけで、今までにからかわれまくって過ごしてきたんだろうなあ。
カプ的には、従兄のテオには子供のころからの親愛の情を、異邦人である宗助には、閉ざされた場所に新しい風を運んでくれた人として興味を持った、という感じなのかな?
原画は吉田誠治さんで、シナリオは宙地さんです。
宙地さんは「Live×Evil」のライターさんです。
思わぬところで宙地さんのシナリオのゲームができたのも、嬉しかったです〜!
基本一人称で、読みやすい文章でしたv
原画さんはよく知らないのですが、やや地味な印象ながらも、このお話の雰囲気によくあっていたと思います。
スチル枚数は、差分抜きで11枚。
背景画も含まれているので、キャラ絵だけだと6枚です。
お話の中で、BL度が、おそらく一番高まった唯一のシーンであろう箇所に使われたスチルは、ロマンチックで好きでした!
BGMも、ロマンホラーな作風に合っていて、よかったと思います。
フルコンプまでにかかる時間が約4時間前後と、付録ゲームらしくコンパクトな作品ですが、暗い森に囲まれた閉ざされた古城でひっそり行われている、謎の祭の真実は……という、雰囲気たっぷりな伝奇ホラーで、面白かったです!
ちょっとした洋画を見ているような気分で、プレイできました。
脇役に素敵なおじさまが3人も出てくるのですが、ちょっとだけ、町長のライヒハルトは、攻略してみたかったかも(笑)
2008/8/11
Copyright(c) 2008 all rights reserved.