「私と、そして誰かの記録。」ゲーム感想



『机の上に日記が置いてある』


公式サイトの作品のストーリー紹介には、その一文しか掲載されていないと言う、ちょっとミステリアスな同人ゲームです。
同人ゲームとしてはめずらしく(一部の例外はありますが)フルボイスです。
商業で活躍されてるプロの声優さんも出演されていますよ!(臨海合宿や紅天に出演されていた古河徹人さんが主人公の声をあてています)


全年齢向けのBLゲームですが、特定の誰かを攻略するタイプのAVGではありません。
作品バナーについているキャッチコピーに、『日記介入型BLアドベンチャーゲーム』とありますが、主人公の日記をめぐる微ホラー風味のマルチエンディングなストーリー展開に、大学生の友人同士のいちゃいちゃ日常風景もついてくるという、ほんのりBLテイストな日記ミステリー、という感じでしょうか。
選択肢も、キャラを攻略するタイプのAVGにあるような『主人公の言動』を選択する形式ではなく、まさに『日記に介入するか否か』でストーリーが分岐していきます。
言葉でぐだぐだ説明するよりも(笑)、実際にプレイしてみた方が分かりやすいので、一体どんなゲームなの?と思った方は、ぜひ体験版をプレイしてみてください。
体験版で見られるエンドは4つ(+アナザーストーリー1つ)で、体験版だけでも話が完結しているので、これだけでも十分楽しめます。
YOU TUBEにUPされている、オープニングムービー(歌付き)も雰囲気があってカッコいいですよ〜!


製品版で見られるエンドは全部で14個。
エンド到達度によって、アナザーストーリーが開き、それを読むことで選択肢が増えていきます。
ゲーム本編→アナザーストーリー→ゲーム本編→アナザーストーリー……って感じですね。
アナザーストーリーは全部で10話、タイトル画面から閲覧できます。
おまけじゃなくて、本編の進行に関係しますので、コンプしたら見よう!と思って後回しにしないで開いたらすぐ読んでくださいね〜。
フルコンプ(本編+アナザーストーリー)にかかった時間は、ボイス飛ばさずにプレイして、3時間弱くらいでしょうか。
スチルは差分抜きで21枚です。
絵柄は可愛らしく、淡い感じの塗りが作品の雰囲気ともあってました。
スチルのポーズはちょっとぎこちないかな?と思うものもありましたが、表情差分やカットイン表示の見せ方が良かったです。
あと個人的に主人公と友人の立ち絵の身長差がツボでしたv


作品のおおまかな内容は、一人暮らしをしている大学生の『主人公』の部屋に、最初の方を破られた日記帳が出てきて、ちょっとした気まぐれから日記をつけることにしたが、いつのまにか主人公に覚えのない記述が現れて……というものです。
この『見覚えのない記述』を出現させるかどうかを、プレイヤーが選択していくわけです。
まさに、日記介入!って感じです。
もちろん、まったく介入しないで進むのもありです。(でもそれだと、話がすぐ終わっちゃいますが)
面白いのは、日記に介入することで、主人公の未来が変化していくと言うよりも、主人公の過去がだんだん明らかになって行くところです。
もちろん、主人公の未来もエンドによって変化しているのですが、フルコンプ(一番最後に開いたアナザーストーリーを閲覧)してみて、日記は主人公が過去と向き合い、乗り越えるために贈られたアイテムだったのかもしれない……と、感じました。


そして大事なボーイズラブ展開ですが。
エンドによっては、ほんとどBL要素がないものもあるので、前述しましたがほんのりBLテイストという程度ですね。
が、萌えはあります!
ほとんど主人公の部屋の中から動かない、ちょっとした密室劇状態で展開するストーリーだから(?)なのか、部屋を訪れる『友人』と結構ナチュラルにいちゃついています。
私は恋人未満友人以上な、甘酸っぱい関係にときめく親友萌え体質(笑)なので、それはもう堪能させていただきました。
いいよねえ、ふたりだけでDVD鑑賞会とか、膝枕とか、そのまま眠っちゃったりとか!
YOUそこで押し倒しちゃいなYO!(いけません)
そんなわけで、私の好きなアナザーストーリーは「数日前」、好きなエンドは断然エンド12です。
エンド12の主人公は可愛い顔してさらっとフラグを立てておきながら、時間差で慌てているのが美味しすぎました!
あの友人はおそらく、自分から積極的に関係を変化させるのは無理そうなので、主人公が気付かなかったら、永遠にそのままって感じがひしひしと……! かっこいいのにその辺微妙にヘタレっていうか。でもそこが友人萌えポイントですよ!(笑)
体験版でも見ることができるエンド4もほのぼのしていて好きでした。
オチはちょっと怖いんですがエンド7で見られる、友人の葛藤っぷりにもときめきました。
いいじゃんつけこんじゃいなよ!って思いました。(いけません)


攻略は選択肢をしらみつぶしに選んで行けばOKなので、さして難しくありません。
更に親切な事に、タイトル画面でシーン回想を兼ねたルート分岐が確認できるので、ゲーム初心者さんな方も問題なくフルコンプ出来ると思います。
フルコンプすると、タイトル画面の主人公の画像にちょっとした変化が起きます。
びっくりしました!(笑)
ミステリアスなお話が好きな方や、絶賛片思い中な友人萌えな方(私)にお薦めです。
エンド12の続きが詳しく知りたい……!


現在(2010年6月)公式サイトで開催中の応援バナーキャンペーンで、ボイス無のお礼ソフトがDLできます。(詳しくは公式サイトをご参照ください)
テイストが全然違う2つのエンドが見られます。
製品版をプレイした人はもちろん、体験版のみをプレイした人も、ぜひゲットしてみてくださいね。
ボイスがなくても十分萌えますよ〜!


a.m. 00:00

[a.m.] の【私と、そして誰かの記録。】
※画像サンプルはデジケットコムのアフィリエイトを利用しています。
2010/6/17