「冬のお伽ばなし」ゲーム感想



こちらも、よそ様のブログで紹介されているのを見て興味を持ち、体験版をプレイしてみたら面白そうだったので、購入しました!
サークル「シモメマイ」さん制作、18禁和風ケモノBL同人ゲームです。
修正パッチが出ていますので、プレイ前にパッチを当てるのをお忘れなく〜。


山道で迷い、雪に路を失った男がやみくもに歩いていた時、凍えていた一羽の鶴と出会う。
あわれに思って、鶴をかき抱くと、あたりがにわかに晴れ、村が現れる。
その村は、村人が皆けものの形をし、ひとの言葉を解す、不思議な村だった……。



オフィシャル通販は、期間限定で行っているようです。
いくつかのショップでも販売されています。DL販売もあり。
オフィシャル価格は1900円ですが、ショップ売りでもそう変わらない価格(ちょっとだけ高め)で販売されています。


システムは吉里吉里で、快適にプレイできます。
既読スキップが、通常のスキップ「駆け足」の他に、シナリオを一気に未読部分までジャンプできる「跳躍」があったのが便利でした。
ただし「跳躍」はシナリオによっては途中の選択肢も飛ばしてしまう時があるので、使いどころに要注意です。
セーブ数は50個と、多くもなく少なくもなくと言ったところ。
メモを記入することも出来ます。
おまけ機能も充実していて、止め絵鑑賞(スチル)、物語回想(シーン)、音楽鑑賞などの基本のおまけの他に、「おまけのおまけ」として、このゲームならではのちょっとした設定変更や、狐の朧によるゲームチュートリアル、右クリック設定変更(通常はウインドウ枠消去ですが、いきなり家族がやってきた時などの対処として、何気ない写真を表示する「画面を隠す」モードが選択できる)があります。
ゲームを一周すると、メインスタッフによるあとがきと、お手伝いスタッフによるメッセージを読むことが出来ます。
スチルは、差分抜きで110枚とかなり多いのではないでしょうか。
シーン回想は、恋愛エンドだけではなく、過去の記憶に関するメインイベント、ミニイベントなどスチルがないイベントや、季節行事を描いた時期イベントなども収録されるので、かなり細かく収録されています。


主人公は、デフォルトネームで今淵辰四郎(いまぶち たつしろう)で、ニックネームがタツです。
BLなんで別に名前変えなくてもいいや〜と、デフォネームでプレイしました。
名前変更は、本名とニックネームを変更できます。
せっかくニックネームがあるので、仲良くなってきたら変わるのかな〜と思ったら、結構皆最初っから「タツ」とフレンドリーに呼んでくれました。
せっかくの愛称なので、恋愛段階に絡めて呼び方を変えて欲しかったかな。


主人公は、過去の記憶を失い、存在そのものも希薄で、このままでは、人の現世には戻れません。
そのため、春までに、過去の記憶を取り戻さなければなりません。
記憶を取り戻し、元の世界に戻るために、村の住人(主に攻略キャラ)に会って、「お手伝い」や「おはなし」をすることによって、主人公に欠けている『魂魄』を満たす必要があります。
ゲームパッケージには『和風ケモノボーイズラブアドベンチャー』とありますが、育成パートというかシミュレーション要素もあり、SLG+AVGと言った感じですね。
魂魄値は、マップ画面の右上部に表示され、片寄りなく溜めていきます。
『魂』と『魄』の溜まり方に偏りがあると、倒れて、少ないほうのパラメーターの方に合わせて、多い方が減らされます。
1周目では倒れまくりでしたが、一応グッドエンドまで到達できました。
倒れても気にせず「お手伝い」しててオッケーでした。
魂魄値がUPしていくと、過去の記憶が夢となって現れ、シナリオが進み、攻略キャラとの恋愛イベントも進んで行きます。
三段階ある恋愛イベントを全て成功させ、魂魄値を必要数値(800以上)まで溜めると、グッドエンド(2種類)見られます。
主人公固定の総リバゲームなので、恋愛イベントなどの選択肢によって、主人公受け・攻めが決まります。
恋愛パラメーターがチェックできる「手帳」で受け攻め度(想いの偏り)を確認できます。
受け攻め度は、恋愛段階3になるまで『0』に保っておくと、恋愛段階3イベントで受け攻めを変化させることが出来て、逆を見る時に便利です。


スチルは、一枚絵も立ち絵も背景も、水彩調で、お話の雰囲気に合っていてよかったと思います。
立ち絵と一枚絵で人(ケモノ)が違って見えるキャラも若干あり……。
(犬のタロは、立ち絵と一枚絵で何だか感じが違って見えました)
BGMも和風っぽくってよかったです。
EDロールで流れる曲(歌付きもあり)が特に素敵でした。
18禁ゲームですが、18禁スチルは割りと控えめな感じ。
そんなにエロくはありません。(モザイクもほとんどなかったような)
むしろ絵よりも効果音がエロく感じました!
効果音はフリーのものだと思うのですが、水音とかきしむ音とか、大きすぎず小さすぎずいい感じでしたよ!
(商業ゲームだとこの手の効果音が大きすぎて、何の音だコレ!ってなりがちなので)


お話は、メインイベントや恋愛イベントだけではなく、通常の会話シーンから、サブイベントまで、丁寧に作られているな、というのが感じられるシナリオだったと思います。
製作期間が10年かかったとかで、作りこまれているなあといった感じ。
グッドエンドは各キャラ2種類あるのですが、思わず他に真のハッピーエンドがあるのではないかと探したくなるくらいには、どれも切ない系のエンドでした。
グッドエンドといえばグッドエンドなのですが、どっちかと言うと、悲恋エンドに近いものがあります。
ので、ラブラブでハッピーなのがいい!という方にはちょっとお薦めできないかも……。
切なくても、しみじみと、胸に染み渡るような、そんなお話を堪能したい、という方には文句なしにお薦めです!
主人公固定の総リバなので、主人公のタツ(デフォネーム)は、どっちでもいけそうなニュートラルな雰囲気のキャラでした。
記憶喪失だからなのかもしれませんが、案外順応性も高いです。(だから両方対応できるのかも・笑)
村人たちともすぐに仲良くなれました。
攻略キャラだけではなく、そのほかの村人との交流も楽しく、素朴な村での生活を堪能できました。


エンドは、キャラグッドエンドだけではなく、主人公の失われた過去がよく分かるルート(誰とも好感度を上げずに魂魄値をMAXまで溜める)と、全く魂魄値を溜めず誰とも仲良くならずにいる(行動ターンでひたすら「寝る」)と突入する裏ルートエンドもありました。
個人的に、主人公の過去が詳しく分かるルートは、一番最後に攻略するのをお薦めします〜!
裏ルートは、一通りキャラ攻略したあとがいいかな。
(どの道、裏ルートのキャラエンドは、朧を除いて、キャラエンド攻略後でないと見られませんが)
キャラグッドエンドでは、ほぼ朝チュンに近いようなぬるいエロのキャラもいたのですが(むろん、ばっちりHしてたキャラもいますよ)、裏エンドはサービスシーン満載です。
ダークルートって感じかなあ……。
テキストはばっちりエロいです。濃ゆいです。でもやっぱりスチルは大人しめ。
せっかく3Pとかあったのに、そのスチルがないなんて!絶望した!(笑)
裏ルートがなかったら、このゲーム別に全年齢でもよかったんじゃないかなあと思ったのですが、この裏ルートがあるのでやはり18禁じゃなきゃ!という感じですね。
中々見ごたえがありました!


作りこまれた世界観で、胸に染み入るようなお話が展開される、とても雰囲気のいいやり応えのあるゲームでした。
どのキャラルートもとてもよかったのですが、狼の雪牙ルートが特に好きでした。
18禁的な意味で好きなのは、主人公受けの猫の三家ルートです(笑)
グッドエンドが泣けるような切ないものでも大丈夫!な方なら、ケモノ属性がない方にもお薦めですv


[シモメマイ] の【冬のお伽ばなし】
[シモメマイ] の【冬のお伽ばなし副読攻略之書】


2008/1/20




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