「ROOM No.9」ゲーム感想

B01HE6VQI2Room No.9
パレード 2016-09-30

by G-Tools



parade作品第2弾ですが、私にとっては初parade作品です。
「セックスしないと出られない部屋」というのは同人ネタとかではあるある設定(?)ですが、商業BLゲームで初めてだなと思ってプレイしてみました!
ちなみに公式によるキャッチコピーは「密室監禁凌辱強制ADV」です。


沖縄旅行の直前に彼女に振られた小林大地は、親友の安曇誠二を誘って沖縄へ向かった。
楽しい夏休みになるはずだったが、気がつくと謎の部屋に誠二と二人で閉じ込められていた。
この部屋から生きて出ていくためには、『課題』をこなし、100ポイントを貯め、実験を終了させなければならないというのだが……。



登場人物二名、カップリング固定、受け攻め固定のミドルプライス作品です。
主人公の大地が親友の誠二にエロいことをする担当で、親友の誠二は大地を肉体的に傷つけるのが謎の組織が出す『課題』になっています。
一日一回『課題』を出されますが、誠二へのエロか、大地への傷害か選べるようになっていて、クリアするとポイントをもらえて、100ポイント貯まると無事閉じ込められた部屋から出られるようになる……という、わかりやすいテーマのゲームです。
私が一つ、謎の組織にどうしても言いたいことは、なぜエロと傷害の役割を固定させたのかということです……!!
この設定なら、どっちにエロいことするかまで選ばせてもいいと思うんですけど!!
そうするとエロパターンが増えすぎてミドルプライスに収まりきらなくなるから……?
それとも今の時代、総リバはあまり広いとは思えないBLゲーム市場の需要に合わないからでしょうか。
なんにせよ、気が利かねえな、この組織……! と思いながら、エロが誠二オンリーなのを見ながら、きりきりハンカチを噛みしめる思いでした……!!


プレイ時間は、二人のボイスをほぼ聞いて、ベストエンドまで3時間45分くらい。
そのほかのエンドも全部見て、フルコンプまでにかかった時間は約5時間半くらいでしょうか。
一日あればさくっとプレイできるコンパクトさですが、エロは結構濃く、普段なかなか見ない特殊なシチュエーションもありますので(器具を使ったりとか、スカとか)、プレイ時間の短さに反して、プレイしごたえはあると思います。
親友の誠二は眼鏡をかけているのですが、スチルで眼鏡のオンオフを選べるのがちょっと気が利いて美味しいなと思いました。
ほぼエロなスチルも、二人でやれるバリエーション値段の許す限り詰め込んでみました! という気合の入ったもので、堪能できました〜。
スチルは差分抜きで39枚。他に課題指定PC画面差分と大地と誠二の立ち絵差分がありました。
エロスチルだけカウントすると、差分抜きで(たぶん)28枚。
エロスチルの差分が、眼鏡ありなしがあるため1枚のスチルにつき20〜30枚くらいあって(60枚とか、80枚のもある)、差分含めるとスチル総数2264枚もあります。
もちろん自力で数えたわけではなく、CG観賞モードの左下にCG枚数の総数が表示してあります。
そんなにあったのか……! とびっくりしました。
前作から引き続いての機能のようですが、エロシーンにはBGV(バックグラウンドボイス)があり、セリフがない場面でも終始喘いでくれます。
この機能はBLゲームでは初体験だったので、楽しかったです。コレ、他のBLゲームでもつけてほしい機能です!
ゲームを起動するときと終了するときにボイスがつくのですが、攻略キャラの誕生日や、クリスマスやお正月などのイベント時にはそれに合わせたいつもと違うボイスがつくのが、サービス精神旺盛で嬉しかったです。
イベント日までチェックできないよ、という方はPCの日付設定を変更してゲームを起動させるといいですよ。


こういうシチュエーションの常だと思いますが、大地への傷害も、誠二へのエロも、ひとつクリアするたびに段々エスカレートしていきます。
傷害のほうはエスカレートしていくと洒落にならないので、後半になるにつれて、断腸の思いで誠二へのエロを選択するようになっていきます。
この辺の大地と誠二の葛藤や、やるせなさ、あきらめの心境は見ていて辛いものがありました。
好き好んでBLゲームやってる自分が言うのもアレですが、なんてヒドイことをするんだ……!! と憤慨しつつ、エロはエロとして、これは……! いいね!! と思いながらプレイするという……。
人とはなんて矛盾した生き物なんでしょうね!!(どんな言いわけだ)
傷害があるので多少のスプラッタ表現もありますが、一応タイトル画面でその辺の表示オンオフが設定できます。
個人的にはそこまで血みどろのヤバイ描写はなかったので、血はどうしてもダメ、という人以外は表示してプレイしてもたぶん大丈夫じゃないかと。
エロにスカ(大)描写があり、その表示のオンオフもタイトル画面にあります。
こちらは結構がっつり描写だったので、気になる方は忘れずオフにしてください。
私は最初は一応見ましたが、エンド回収でスカ描写再び、の時はそっと目をそらしつつプレイしました(笑)


見どころの一番は少しずつエスカレートしていくエロだと思いますが、その中で親友の二人の関係が微妙に変わっていくところも見どころの一つで、興味深かったです。
BLゲームなので、ここで二人に愛が芽生え……と思いたいところですが、このゲームでは、親友のまま無事に部屋から脱出するのが至上の目的になるのが意外でした。
そういう意味では、このゲームは厳密にはBLゲームではないのかも。
バッドエンドでも愛が芽生えるというものはなくて、お互いがエロに依存するようになったり、一方が搾取する形になったりと、愛とは遠い関係でした。
ベストエンドも、部屋を出た後の選択を間違うと、親友としての誠二と疎遠になったりするので、エロいことを乗り越えいかに親友としてこれからもやっていくか……というのが、主軸のゲームだと思います。
しかしこれ、ベストエンド迎えた後も、しばらくは気まずいだろうなあ。
おそらく今までは、学生らしく、大地のアパートの部屋で二人だけでいっしょに飲んだりとかしてたと思うんですが、これからはしばらく一つの部屋で二人っきりになるのは避けたいですよね。
いつか二人が、また元通りの親友同士になれたらいいなと思います。
BLゲームですが、この二人は、いつまでも友達のままでいてくれたらいいなあ。
途中で語られる中学の頃のエピソードがじんわりくるいいものだっただけに、何があっても親友でいられる二人だったらいいのになと。
エロいことをしても友達でいられる二人でいてほしいという、BLゲームなのに、まさかの友情推しなプレイ読後感の作品でした。




2017/1/16