「そして僕らは、Mixed Edition」ゲーム感想



そして僕らは、 Mixed Editionそして僕らは、 Mixed Edition

SPRAY 2011-03-04
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2004年にSprayから発売された18禁BLゲーム「そして僕らは、」に、PS2移植の際に追加されたシナリオを足し、システム面も刷新したリニューアル版「そして僕らは、Mixed Edition」がお買い得価格で発売されました。
オリジナル版は実は予約購入したのですが、栗栖しかプレイせず仕舞いで手放してしまいました……。
PS2版も未プレイだし、お値段も安いし、パッケージ版(DL版も発売されています)の初回版にのみ封入される、書き下ろしSSが掲載された小冊子が残りわずかだという公式ブログが最後の決め手になって、結構ギリギリな日に予約購入しました。


大学の映画サークルで監督をしている赤井瞭は、コンペに参加する映画を撮るため、古くからの伝承の残る島へと仲間たちと共に訪れた。
同じ映画サークルでカメラを担当する、高校時代からの親友の蒼山。
今回の映画のために募集した、大道具と照明を担当する、寡黙な森本。
高価な音響機材を持っていると聞き、協力してもらう事になった他大学の大学院生で皮肉屋な藤堂。
映画の主演俳優を務める、明るく騒がしい、俳優の卵の栗栖。
同じ映画サークルに所属する、女優として紅一点で参加する、佐倉。
雰囲気のある島でさっそく撮影を始めようとするが、機材の調子が何故かおかしい。
しかも、撮影予定地の神社が、何者かによって手ひどく壊されているのを発見する。
やがて、彼らの周囲で、不可解な出来事が次々に起こり始めて……。


ディスクレスプレイ可で、ボイスはありません。
システム面は、2004年のオリジナル版をリニューアルして、だいぶ使いやすくなっていました。
一番変わったのが、テキスト表示画面。
以前のものは、通常時は左半分に立ち絵表示、右半分にテキスト表示されていました。
スチル(1枚絵)が表示されている時のみ、下部のメッセージ枠にテキストが表示されているという、変わった形式だったのですが、今回のリニューアル版では、どの場面でも、普通に、下部のメッセージ枠にテキスト表示になっていました。
見なれたテキスト表示形式が、やっぱり、読みやすいですよね!
フローチャートも便利にになっています。
プレイ中(通過中)のルートに限り、フローチャート画面から、ロードして選択肢をやり直すことができます。
プレイしてない(通過してない)ルートや、タイトル画面のフローチャートからは、ロードできません。
クイックロード&セーブも使用できるようになりました。(タイトル画面からは使えません)


内容は、先にも書きましたが、元のPC版(18禁要素あり)に、PS2版で追加された内容(18禁要素なし)を新たに組み込んで再編集されています。
エクストラ(おまけ)では、攻略キャラのベストエンドをみた後、そのキャラのアフターエピソードが開くようになっています。
全キャラのベストエンドをコンプすると、Blackというサブキャラのアフターエピソードも見られるようになります。
スチル、シーンをコンプすると、雑誌などに掲載されたSSが4編、ゲームと同じ形式で読めるようになります。
スチル、シーンコンプで、画集ページも見られるようになります。
こちらは、オリジナル版やPS2判のパッケージ絵や、特典絵、雑誌掲載絵や、ファンブックに描きおろされた絵等を見ることができます。

ちなみにフルコンプすると、タイトル画像が、夜の神社の境内画像に変わります。
クリックすると、夜の神社の背景画像がおどろおどろしいBGMと共に乱れた感じで表示され、しばらくそのままにしていると、「好きだよ」(?)というボイスがうっすらと聞こえ、しばらくするとまた元のタイトル画像に戻ると言う、プチホラー演出がさりげなくほどこされています……。


攻略キャラは、全部で4人。
落せない仲間は、女の子の佐倉のみです(笑)
ルートは、「過去編」「同調編」「策略編」「伝承編」「悪霊編」の5つ。
ですが、「同調編」「策略編」「伝承編」の展開は、途中までは同じです。
(結末に至る展開がそれぞれ違ってくる感じです)
各ルートには、ベストエンドのほかに、バッドエンド、ノーマルエンドが3〜5つほどあり、全部で25のエンドがあります。
蒼山が過去編と同調編の2ルートある他は、それほどキャラによる偏り(プレイ時間やスチル枚数など)はなかったように思います。
スチル枚数は、差分こみで84枚です。(エクストラのアフターエピソードのスチルも含む)
プレイ時間は、1周目にかかった時間は3時間半程度で、2周目からは既読スキップを使って1時間半程度でした。
バッドエンドなどのエンド回収に、それぞれ5〜10分くらい。
フルコンプまでにかかった時間は、12時間半ほどでした。
ボイス無しである事を考えると、そこそこボリュームがある方だと思います。
(もしボイスありだったら、プレイ時間20時間くらいかな?)


話の内容は、全体的にオカルトチックな展開が多めですが、「怖い!」という印象ではありません。
実際に体験したら、それなりに恐怖体験何だろうなあ、と思うルートもありますが、プレイしている方は、それほど怖いと思うほどのものではなかったので。
あくまでホラーBLではなく、オカルトチックBL、ですね。
閉ざされた島で起こる、不可思議な出来事を体験し、解決に導いて行く過程で、徐々にパートナーと絆を深めていく物語です。
不可解な出来事に陥って、命の危険に見舞われたりしたので、危機的状況で恋に落ちるのかな(吊り橋効果的な)と思っていたのですが、事件に遭遇することで、主人公や攻略キャラが自分の事やお互いの関係を見つめ直し、その途中で、恋心に気付く……と言うような、思ったよりも堅実な流れでした。
なので、18禁要素はなくても十分楽しめる内容でしたが、そうは言ってもあった方がやっぱり、結ばれた!っていうのが目に見えてわかりやすくていいですよね。
身体の関係を通した方が、事前事後により甘い雰囲気が漂いますし!
そして事後での、他キャラの反応が見られるカプもあったりして、それがなんだか楽しかったです。
やっぱそういうのは、見てればわかっちゃうものなんでしょうね〜(笑)
ものすごく萌える!という感じではありませんが、じわじわ沁み入るような雰囲気で、これはこれで、好きな展開でした〜!
エクストラのアフターエピソードで、島から戻った後の、その後の2人の様子が見られるのが、まさにかゆい所に手が届く、といった感じで、実によかったです……!

ちょっぴり残念だったのが、Hシーンのスチルが1枚だけだったこと。
せめてあと1枚くらい差分が欲しかったですね。
立ち絵と、スチルでは、なんだかちょっと顔が違う?ように思える時があった(特に青山)のが、少し気になりましたが、おおむね綺麗なスチルで、塗りも淡い水彩調が絵柄にあっていて、よかったです。


ところで、撮っていた自主映画の内容が、本筋には関係ないから仕方ないとはいえ、ほとんど触れられなかったので、どんな映画だったのか、ちょっと気になりました。
「そして僕らは、」というのが、映画のタイトルである、ということしかわからないので。
それこそ、エクストラで映画の内容が見られたらよかったんですけどね!


2004年発売のオリジナル版はフルコンプせずに終わってしまいましたが、今回はばっちり、あますところなく、フローチャートまできちんとフルコンプしました!
当時は何故コンプしなかったんだろう……?と、思うくらいには、面白かったです!
派手な話ではありませんが、事件を通して、少しずつ相手を意識していく過程が、丁寧に描かれていた良作だと思います。
オマケも充実していて、この値段で、このボリュームはお買い得だと思うので、そし僕を全く未プレイの方はもちろん、オリジナル版やPS2版をプレイしている方も、購入して損はないと思いますよ。
お薦めです!

[Spray] の【[BL]そして僕らは、 Mixed Edition】

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2011/3/12





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