「セラフィム・スパイラル―少年の檻― プラスエディション」ゲーム感想



セラフィム・スパイラル 少年の檻セラフィム・スパイラル 少年の檻

b_works 2006-11-24
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気になりつつも、未プレイだった、セラスパ。
体験版の感触がよかったので、廉価版をプレイしてみました!


前の学校を不本意な理由で退学になった久神暁人は、幼い頃住んでいた町の私立八尋学園へ転入する。
そこで暁人は、平穏なはずの学園で起こる奇怪な事件に巻き込まれることに。
暁人を狙う謎の少年に、異形の影。
次第に姿を現していく真実に、暁人の運命は……?



オリジナル版は01年に発売されました。
廉価版で追加された要素は、

●イベントCG
●BGMと効果音
●システム(「ひとつ前の選択肢に戻る」「メッセージ読み返し」「オートモード」)

○設定資料本 「SERAPHIM SPIRAL OFFICIAL BOOK」のデータ

となっております。
設定資料本のデータは、CDロムから直接開いてみるようになっています。
(起動させたゲームからは見られません)
紙媒体で別売りしていて、完売になったものを再録したもののようです。
BGMと効果音は、確かオリジナル版では無音状態の場面があったとかよそ様のレビューで目にしたので、曲の種類が増えたのではなくて、曲無し場面が無くなった、ということなのではないかと思います。
メッセージ読み返し機能は個人的によく使うので、これがないのは痛いですね、オリジナル版…。
一つ前の選択肢に戻ると、オートはあんまり使わないのであったら便利かな、くらいなのですが。
画面サイズ、ウインドウサイズは、最近のゲームでおなじみの800×600よりも一回り小さい640×480(かな?)です。
久々にこのサイズでプレイすると、ちっちゃく感じますね。
(フルスクリーンではプレイしませんので)
台詞が表示されるウインドウ枠なんかも、今見るとやや素っ気無く感じます。
システム面は追加されたこともあり、特に問題もなくスムースでした。

ジャンルは学園伝奇ドラマティックAVGとあるように、学校を舞台に、転校してきた主人公・久神暁人の周囲で起こる不可思議な出来事をメインに進んでいきます。
後半は学園はあんまり関係なくなっていきますが。
三人称で、これといった文章の癖もなく、さくさく読めます。
ちなみにボイスはありません。
攻略対象は9人で、内、女性が2人です。
ボーイズラブですが、全年齢向けなので直接的なシーンはありません。ですがキャラによっては匂わすような描写もあり。
全体的に、

伝奇ストーリー>ラブ

といった印象でしょうか。
真相はどのルートでも共通ですが、そこに至る経緯がそれぞれ違うので繰り返しプレイでも、飽きずに楽しめます。
シナリオの総量に対してCGが少なく感じたのですが(60枚)、追加されてそう思ったってことは、オリジナル版はどれだけ……?
キャラの単品スチルが多く、カップリング絵が少なめなのもちょっと残念でした。
動きのあるスチルが少なく、バストアップ絵が多いのも残念。
ここ!ここにスチル!
という場面ににあんまりスチルが来なくて、
ここに単品スチル?
という感じの入り方をしているせいか、余計少なく感じるのかもしれません。

先に、今はなきビブロスから発行された小説版(兄ルートでした)を読み、その時は主人公・暁人の印象が薄く、どうにも主体性がなく感じられて気になったのですが、ゲームでは特に気になりませんでした。
同じライターが書いていてそう思ったので、小説とゲームの媒体による違い、というのがあるのかもしれません。
主人公が総受けなこともあって、昔風なヒロイン気質なのですが、ゲームでプレイする分には、気にならないんですよね。
この辺は、好みが別れるところではないかと思われますが。
敵味方問わず、暁人に対して皆優しいので、もう少し、主人公に対してツンデレな攻略キャラがいても面白かったのではないかと思います。
01年にはまだツンデレはなかったかもしれませんが(笑)
不良の黒田が落とせたらいいツンデレになったんじゃないかなー。
嘉上も変化球なツンデレになった気がします。
惜しい!

真相に、各攻略キャラとそれぞれ違ったアプローチから迫っていくので、たどり着く真相は同じでも見えてくるものが少しずつ違ってきて、どの攻略キャラのルートも楽しめました。
恋愛要素はやや薄いかなと思いましたが、伝奇ストーリーである本作にはこのくらいが全体の雰囲気を壊さなくてちょうどいいのかな、とも。
少女向けライトノベルレーベルでいうなら、講談社X文庫ホワイトハートの伝奇モノのような印象でした。
お気に入りルートは、須王、御神薙、諒、それに個人的に一番BL度が高く感じられた夜刀彦です。
オリジナルは01年に発売されたゲームですが、今プレイしても物語的に古さを感じさせる事無く、楽しめる作品だったと思います。

『セラフィム・スパイラル』応援中!


2007/7/8




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