「貴方日記 ユーフォリア」ゲーム感想
貴方日記〜ユーフォリア〜 PCパッケージ 初回生産限定版
ビジュアルワークス
by
G-Tools
PCと携帯電話(スマホ、ガラケー)でプレイできるオンラインソーシャルゲーム「貴方日記 ユーフォリア」のPCパッケージ版です。
ソシャゲの存在は一応チラッと知っていたのですが、ソシャゲはプレイしないのでそのままになっていたところ、パッケージ版として移植されたので購入してみました。
華族の血統にだけ発症する病、ユーフォリア。
エリートサラリーマンとして人生を歩んでいる主人公、久世貴裕(くぜ たかひろ)の父親も、彼が子供の頃に発症した。
ユーフォリアにり患すると、他人の心の声が聞こえるようになり、病が進行するとやがて心を喪って、廃人同然になってしまう。
治療法も確立していないその病から逃れる術が、ひとつだけある。
ユーフォリアにかかってから、夢にあらわれるようになる人物「無限伴侶」と真実の愛で結ばれること。
しかし15年経っても、真実の愛にたどり着けない場合は、例外なく気が狂ってしまう。
ある日貴裕もついにユーフォリアの症状が出てしまう。
そして夢に、繰り返し同じ人物があらわれるようになる。
その人物は同じ会社にいる、男だった―――。
プロローグ部分を読んでから、キャラクターを選択してゲームを進めていきます。
章仕立てになっていて、第一部から始まり、第六部で終わります。
各章にはそれぞれ、GOOD END と BEST END、またはBLACK END と BESTエンドがあります。
基本、ベストエンドを読み進めてゲームを進行して行くことをお勧めします。
グッドエンドやブラックエンドで終わっても、次の章が開くようになっていて、そうすると話のつじつまが合わなくなってしまうので……。
ブラックエンドで終わったら、次の章は開かない(ベストエンドの時だけ、次の章が開通する)ようにしてくれるとよかったんですけどね〜。
ゲームシステム上不可能だったんでしょうか…?
画面サイズは、ワイド画面を見慣れた今となっては少々懐かしい、800×600です。
以前はこれがスタンダードだったのに、今見るとちょっと小さく見えてしまいますね。
ボイスはついてますが、フルボイスではなく、パートボイスです。
スチルのあるシーンで必ずしゃべるとかの規則性はなく、思い出したように時々しゃべる、謎パートボイスです。
せめてエロシーンはフルボイスにしてほしかった〜!
そしてこのゲーム、エロはありますが
18禁ではなく、17歳以上推奨
です。
エロはがっつりしっかりテキスト上はあるのですが、スチルがないんです。
私も軽く10年以上18禁BLゲームをプレイしてきましたが、18禁というレーティングが、文章じゃなく、絵に関わってくるのだという事実を初めて知りました!(驚愕)
なので、結構エロいにも関わらず、18禁ではありません。
本音を言えばエロにスチルも付けて18禁として売ってほしかった……!
この辺、ソシャゲの移植版だからなのでしょうか。
ソシャゲには特に年齢制限ないですからね。年齢制限しちゃうとプレイできない人が出てきちゃうし。
攻略キャラは、主人公の従弟でインターンとして主人公の会社にきている大学生の由利大輔(ゆり だいすけ)と、主人公を嫌っている同僚の刑部優心(おさかべ こころ)と、主人公が尊敬する年上の上司の神尾征司(かみお せいじ)の三人です。
タイトル画面にはあと三人ほど写ってますが、残念ながらちょっとしたあて馬として出てくるだけで、攻略対象外です。残念!
でも、初回生産限定版を買うと、おまけシナリオに、非攻略キャラ三人のifのラブエンドが1分くらいと短いですが見ることができます。
甘々で美味しかったので、まだ入手できるようなら、初回限定版の攻略をお勧めします!
初回版にしかはいっていない攻略キャラとのおまけシナリオもありますよ〜。
プレイ時間は、ベストエンドのみで読み進めていってハッピーエンドまでたどり着くのに、5時間〜5時間半くらいでしょうか。
各章のブラックエンドや、おまけの後日談シナリオ(ベストエンドの後日談やブラックエンドの後日談など)も合わせてプレイして、トータルで17時間半くらいでしょうか。
攻略キャラ3人なのを思えば、割とプレイし甲斐があったと思います。
あらすじにも書きましたが、主人公が、遠くない未来に発狂しちゃう病気にかかって、それを回避するために夢に出てきた相手と結ばれなきゃいけない、無茶ぶりにもほどがあるだろ、というのがメインのお話です。
しかも貴裕が男なのに、夢に出てきたのも男(ちなみに貴裕のお父さんの場合は後に妻になる女性でした)という、性別も気にしないフリーダムな病です。
もともとゲイってわけでもない主人公、「え!? 男!!」って感じで、夢を見始めた時こそ戸惑うのですが、割と柔軟なのか自分の人生がかかっているからなのか、無限伴侶が男なのを受け入れ、少しずつ相手を意識していくようになります。
病気が関係なかったら、「この人と結ばれなさい〜」と夢がお告げしてるようなものですものね。
そりゃ気にならないほうが嘘でしょう……。
そんなわけで、迷いつつも相手との距離を詰めていくのですが、そうそう思ったように事が運ぶはずもなく、決定的に相手と亀裂が入る出来事が起きてしまいます。
そして思いつめた貴裕は、「それ、犯罪だよ!」という思い切った行動に出てしまうのです。
攻略キャラ三人とも、基本のストーリー展開は同じなので、残念ながら普通にラブラブな展開は望めません。
でも、その犯罪チック(というか、ほぼ犯罪)な貴裕の行動に、このゲームの美味しさが凝縮されています。
どんな行動をとったかまで書くと、ネタばれすぎかな〜と思うので、あえてここでは書きませんので、ぜひプレイして確認してほしいです。
エロもそこに詰まっています。
ちなみに、主人公攻めです。リバなし。(あってもよかったけど……!)
主人公のやったことは決して褒められたことではありませんが、自分の人生というかほぼ命に関わってくるのなら、切羽詰まって極端な行動に走るのも無理ないのかな〜と思います。
そしてそんな行動に走るのも、まあしょうがないかな……と思えるくらいの言動を攻略キャラが貴裕に対してとってくるので、この辺、ユーザーがあまり罪悪感を持たずにプレイできるようになっていていいなと思いました。
攻略キャラは、貴裕に対してわがまま三昧な従弟の大輔、エリート人生まっしぐらな貴裕が大嫌いな同僚の刑部、貴裕が尊敬してやまない上司の神尾と、見た目も性格も全然違う三人で、ストーリー展開はどれも一緒でも、キャラのタイプが違うので、どのルートも楽しくプレイできました。
プレイしている途中は、貴裕こんなことしでかしちゃって、そんな相手と真実の愛を結ぶなんて無理なんじゃ……と、少なからず思うのですが、後半ちゃんと挽回するシーンがあって、無事真実の愛にたどり着けるようになっています。
攻略キャラも、貴裕にあんなことされて、好きになってくれるのかな〜と不安に駆られますが、おそらくもともと貴裕のことが無意識に好きな人ばっかなので問題なしです!
あからさまに貴裕を嫌っている同僚の刑部も、実は気になるからこそ大嫌いっていう感じですね。
ちなみに刑部はメンタルを病んでるのですが、BLゲームでこうもはっきりメンタル病んでるキャラ(病院でカウンセリングするような)のは意外といないので、新鮮でした。
わがままやんちゃな従弟の大輔や、クールかつエロい上司の神尾さんも、もちろん美味しいのですが、主人公とくっつかないと将来が心配だ……という意味で、久世はこころちゃんとくっついてくれると個人的に安心です……!
絵関連は、立ち絵もスチルも崩れた所なく、ほぼご褒美って感じで眼福でした!
エロにスチルはありませんが、事後のきわどいシーンにはスチルがあって、「こ、これはいいのか……!」と散々18禁ゲームプレイしてきたくせに、なんとなくドギマギしてしまいました(笑)
ブラックエンドの事後スチルはどのキャラもエロかったです!
ボイスは、なぜ、なぜパートボイス……!! と思いましたが、さくさく進めたい人には、たまに声を確認できるくらいのパートボイスでよかったのかもしれません。
でもやっぱりフルボイス版ほしい……!
今回、攻略できるのは三人だけでしたが、初回版のおまけシナリオにifエンドがあった非攻略キャラの三人も攻略できるゲームをいつか発売してほしいですね。
ソシャゲ版が先に出るとしたなら、パッケージ版はだいぶ先になるでしょうけど、待ってますから……!
初回版には、小冊子も付いていて、キャラの詳細プロフィールやラフイラストなどのほかに、SSも収録されています。
そのSSのカップルが、主人公の父親と某キャラなのですが、最初これを見たときは「えー主人公じゃないの?」と思ったものですが、コンプリートした後に見れば、確かにここに収録すべきカップルだな……と思えたので、やはりできれば初回版をプレイしてほしいゲームですね。
2017/1/11