● 「ハートの国のアリス」ゲーム感想  ●

ハートの国のアリス 〜Wonderful Wonder World〜ハートの国のアリス 〜Wonderful Wonder World〜

QuinRose~クインロゼ~ 2007-02-14
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ファンタジーな世界観の乙女ゲーブランド、クインロゼの3作目です。
1作目の『魔法使いとご主人様』も、持っているのですがまだ1人しかクリアしてません……。
2作目の『アラビアンズ・ロスト』は、PS2化したので、いずれそちらの方をプレイしたいな〜と思ってます。
『不思議の国のアリス』をモチーフにした設定に惹かれて購入しましたv


現実主義で、夢見がちなところが皆無の主人公、アリス(名前変更可)。
そんな彼女がムリヤリ引っ張り込まれた世界は、見た目はメルヘンなのにやたらと物騒な、ハートの国。
銃携帯は当たり前、すぐ乱闘騒ぎが起こり、領土争いまで行われていて、主要な住人は皆危険人物。
おかしな薬を飲まされて、帰るに帰れなくなったアリスは、『これは夢オチだ』と割り切って、非日常を楽しむ事にするが……?
『不思議の国のアリス』を踏まえつつ、オリジナルストーリーで贈る恋愛アドベンチャーゲーム。



白ウサギを追いかけて……、というより、白ウサギに拉致されてハートの国に連れてこられた主人公が、「これは夢オチだ!」と割り切って、ハートの国での生活をエンジョイし、住人と恋に落ちるお話です。
ご存知、「不思議の国のアリス」がモチーフになっています。
登場人物も、ハートの女王とか、帽子屋とか、チェシャ猫とか、原作にちなんだキャラが出てきます。
このゲームのオリジナルキャラももちろん登場します。


アドベンチャーゲームですが、会話での選択肢を選ぶよりも、キャラの居場所を選ぶ行動選択肢の方をメインに進んでいきます。
イベントの発生条件は、キャラの居場所にプラスして、時間帯でも左右されます。
時間帯は、アイテムでも変動できますが、セーブ&ロードで変えることの方が多いのではないかと……。
割と作業ゲームな一面がありますので、その辺、プレイは向き不向きがあるかと思います。
私はやってるうちに、結構ハマってきましたが。
基本は、目当ての攻略キャラの居場所に通い続けてイベントを起こす事です。
目当てのキャラ以外にも、好感度を操作しないといけなかったり、シナリオ展開上会っておかなければいけなかったりするキャラがいるので、ただキャラエンドを見る分には通い詰めればいけると思うのですが、他キャラとの兼ね合いで起こるイベントもあるので、コンプしようと思えば難易度は高くなると思います。
もちろん、私はガッツリ攻略サイト様をたよってプレイしました(感謝!)

攻略キャラとのグッドエンドを見るまでに、ターン数(居場所選択したりしてゲームを進める日数)が300もあるので、スキップで飛ばせる部分はあれども、長いと思います。
先程、割と、と書きましたが、やっぱりこれ、結構な作業ゲームになってくるので、一気にプレイするのは無理ですね。
エフェクトがスキップできないのもイタイ。
延々、居場所選択しなきゃいけないんだから、時計画面はクリック一つで飛ばせるようにして欲しかったです。

話の方は、先にも書きましたが、不思議の国のアリスをアレンジしたものなので、入っていきやすい世界観なのではないかと思います。
話自体は、元祖アリスとそう似てはいないのですが。
主人公は、ドライで、やや冷めた感じの、ちょっと後ろ向きな性格です。ベタベタしたところのない、可愛らしい女の子らしさからあえて外した雰囲気に主人公の性格を設定しているところは、ココのメーカというか、ライターさんの特徴だと思います。
これも、人によっては趣味が分かれるところなのではないかと思いますが、私は結構好きですね。
主人公に感情移入して、一体化するようにプレイする時期を通り過ぎてしまったため、よっぽどな事がない限り、どんな性格の主人公でもオッケーです(笑)
見た目に反して、意外に手が早いところもお気に入りです、この主人公。
色っぽい意味じゃなくて、ランボー者ってことです>手が早い。
シナリオは、主人公一人称で、個人的には読みやすかったです。
スチル枚数は多いです。これもクインロゼの特徴ですね。
差分も多いです。
差分入れて710枚、差分ぬかすと429枚(← 一応、カウントしたのですが数え間違ってるかもしれません)
絵は、ゲーム進行中に見た感じは、雑誌で見たときよりも感じがいいと思いました。
ちょっとこう、素人っぽく感じない事もないのですが、好きな絵です。
立ち絵も綺麗だと思います。
メッセージウインドウ横に表示される、主人公の表情差分も豊富でよかったと思います。
背景は、メルヘンな世界観をよく表していて、いいんじゃないかと。
ボイスは、乙女ゲー御馴染みな有名どころなキャストなので、どのキャラも安心して聴けます。
BGMもゲームによく合ってるんじゃないでしょうか。
全体的な印象は、「アリス」をテーマにまとまっていて、かなりいいです。
操作性がもう少しよくなると更にいいんですけどね。
あと、ウィンドウモードが昨今のゲームの標準サイズよりも小さいので、800×600サイズにして欲しいな〜と。


『ハートの国』に『異世界』からやってくる『余所者』は、住人から好かれやすい、というルールがあって、どのキャラも最初から比較的フレンドリーに接してくれます。
個別イベントでは、物珍しいが親しみが持てる『余所者』から、アリス個人として好きになっていく過程が、イベントごとにわかるようになっていて、よかったと思います。
友達の好きが、恋人の好きに変わっていく……といった感じでしょうか。
全年齢ゲームですが、ちょっとアダルトな展開も匂わせてあります。
嫉妬イベントなど、甘いだけじゃない恋愛イベントが盛り込まれていたのも好印象でした。
あと個人的に、キスシーンが多かったのが嬉しかった!です。
お気に入りルートは、ブラッド、エリオット、ペーター、ボリス、ユリウスですv
特にブラッドは、主人公が元の世界で別れた恋人と顔がそっくり、という美味しい設定があるので、お薦めです!
世界観についての謎は、ユリウスルートで判明しました。
なので、時間のない方は、ブラッド、エース(ユリウス攻略の条件)、ユリウス、のあとにバッドエンド2(真相エンド・ユリウス攻略後が条件)を見ると、大体のことが分かると思います。
(バッドエンド2を見ると、バッドエンド1が見られなくなるそうなので、その点、要注意です)


フルコンプまでは大変でしたが、どのキャラも個性的で、イベントは甘く、エピローグは長く、やり応えは十分でした!
時間がない方にはちょっと厳しいと思いますが、時間をかけてゆっくりプレイして欲しいゲームです。
次回作、『クローバーの国のアリス』も楽しみにしていますv




2007/9/16
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