● 「赤ずきんと迷いの森」ゲーム感想  ●

赤ずきんと迷いの森赤ずきんと迷いの森

キャラメリアトルテ 2011-05-20
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18禁乙女ゲームブランド、キャラメリアの姉妹ブランド、キャラメリアトルテの第一弾です。
何故わざわざ同じオリジナル18禁乙女ゲームなのにブランド分けたんだろう……?
シナリオもキャラメリアと同じくひよさんですが、原画は新しい方です。
さかなさん以外のひよさんゲーは、デビュー作以来なので、新鮮でした!

新しく出来たママと、上手くいっていない主人公、ティアナ。(名前変更可)
ママから叔父さんへのお使いを頼まれ、迷いの森に向かうが、そこに叔父さんの家は無く、崖から落ちそうに……。
『ママは自分を殺そうとしている』
半ばやけになったティアナは、ママなんかにマネの出来ない死に方をしよう、と思いつく。
『森の狼さんに、食べてもらおう』
迷いの森で出会った狼さんに、自分を食べてもらうために話しかけるが、狼さんは自分のような子供には興味がないと言う。
狼さんは大人になってから主人公を食べると言い、しばらくの間、ティアナは狼さんの家で暮らす事になるが……。


基本的なシステム周りは、姉妹ブランド・キャラメリアの「Riddle Garden」とほぼ同じですが、今作ではゲーム上部のツールバーからも操作可能な機能がついています。
便利だったのが、「進行制御」という項目から「次の選択肢に進む」「前の選択肢に戻る」が仕様で来たこと。
既読スキップも早いのですが、「次の選択肢に進む」だと、ダイレクトにジャンプし、選択肢までの間に未読部分があると、ちゃんとそこでストップしてくれるので、既読部分を飛ばす時に大活躍でした!
ディスクレスプレイ可能で、今作ではシリアルコードの入力等は必要ありませんでした。
ボイスは、主人公含めてすべてのキャラがフルボイスです。
デフォルトネームでプレイしても、デフォルトネームでは呼んでくれません……。
今回は、メッセージ枠左に、主人公の顔グラフィックもありませんでした。
主人公は立ち絵もありませんが、スチルでは主人公の顔が見える構図のものは多数ありました。
立ち絵があるのは、メインの攻略キャラと、一部のサブキャラのみです。
主人公のママや、ちょっとしか出てこない村人などのちょい役には立ち絵はありません。


初回プレイ時間は、文字速度ノーウェイトでボイスをほぼ飛ばさずちゃんと聞いて、狼さんのベストエンドで5時間半ほどでした。
2周目以降は、キャラによって違いますが、3時間40分〜5時間20分くらいで、大体4時間前後でしょうか。
キャラルートコンプはそれぞれ4時間半〜6時間半ほど。
フルコンプまでにかかった時間は、28時間弱程度でした。
1キャラにつき2ルートあった「Riddle Garden」と比べると、実質1キャラ1ルートだった赤ずきんはボリュームがありませんが、それでも内容はエロ含め充実していたので、プレイし応えは結構ありました。


スチル枚数は、差分抜きで111枚。(フルコンプおまけの1枚を含む)
各キャラ19〜21枚で、キャラによって大きな偏りはありません。
エンド数は、キャラエンド各5つずつ、ストーリーエンド(共通バッドエンド)1つの、合計26個です。
キャラエンド数は5つずつと書きましたが、グッドエンドを見てキャラクターの『真実の扉』が開いて、ベストエンドが見られる……という作りになっているので、ゲームプレイ時に見られるキャラエンド数は、実際のところは4つです。
キャラベストエンドを見ると、ひみつメモ(プロフィールメモ・本名、年齢、身長、好きな食べ物、好きな色、趣味、一言所感)と、ラブレター(2分程のラブメッセージ)が開きます。
フルコンプすると、おまけスチルが1枚と、おまけボイス(主人公、攻略キャラ+αのシステムボイス)が開きます。


お話は、グリム童話の『赤ずきん』をモチーフに作られていますが、細部はだいぶアレンジされています。
そもそも、主人公、赤ずきんをあんまり被っておらず、スチルでも大抵脱いでいます(笑)
赤ずきんというより、フード付きのケープって感じでしょうか。
共通ルートは割と短めで、比較的早く攻略キャラルートに入れます。
森の住人、人間の姿に動物の耳としっぽがついた青年たちと、猟師、半透明の不思議な仮面の青年と、5人のキャラを攻略できます。
各キャラルートに、別の1人が関わってくる三角関係っぽいルートがあり、個別では攻略できませんが、三角関係ルート絡みでもう1人、エンドを見られるキャラがいます。
(スチルやシーンも、別枠で取られています)
ラスボスとか、ゲーム全体での真相などは、特にありません。
しいて言うなら、主人公の亡くなった実の母親が真相っぽいポジションですが、キャラエンドの真相そのものではありません。
どのキャラもそれぞれに違うストーリー展開で、楽しめました。
キャラエンドは、ベストエンドが1つで、それ以外はバッドエンドにあたります。
バッドエンドが後味が悪いものが多かったので、プレイしていてちょっと鬱になりました。
バッドエンドだからそういうもの、なのかもしれませんが、もうちょっと切な系のエンドとかを多めにして欲しかったですね……。
誰ともくっつかないノーマルエンドも、ノーマルと言うより思い切りバッドエンドなので、もうちょっと平和な、継母と和解して元の家で暮らす、みたいなほのぼのノーマルエンドも欲しかったです。
森での暮らしぶりは、お菓子作りやピクニックなど、可愛らしい感じのイベントが続いて、メルヘンでよかったです。
サブキャラのウサギさんや、小人さんたちとの交流イベントも微笑ましく楽しかったですv


背景スチルが可愛らしくて、それぞれの住人の部屋の内装もさることながら、外観もメルヘンチックに統一されていたのが印象に残りました。
背景一覧もスチル鑑賞に欲しかったくらい。
立ち絵は、ロングバージョンとアップバージョンがあるのですが、ケモ耳な青年たちは、立ち絵のお耳が、差分でぴくぴく動いていたのが、とっても可愛かったです!
狐さんはその場でぴょんぴょん跳ねたりもして、さらにラブリーでしたv
狼さんが、腰に手を当てて、こっちを覗き込むようにかがんでいる立ち絵が、主人公との身長差を感じられて、お気に入りでした!
立ち絵もスチルも、お話の雰囲気にあって、とっても可愛らしかったのですが、一部、立ち絵とスチルの顔が違う……?と感じられるものもありました。
が、おおむねどれも綺麗なスチルでした。


バッドエンドは鬱でしたが、キャラベストエンドはどれも、ほのぼのと和む、ほっとするものが多くてよかったです。
キャラエンド後に開く、ラブレターボイスを聴くと、更に甘々で、いい感じでした!
メルヘンで、全体的に可愛らしいお話ですが、主人公が誰かを殺害している?かもしれない、夢のシーンなども途中途中で挿入され、その効果音は結構怖かったです……。
そのものずばり、というスチルはないんですけど、ザシュ!っていう効果音が……とはいえ、グロ注意、とまではいきませんのでご安心を。
どのキャラもそれぞれカッコ良かったり可愛かったりちょっぴり怖かったりで良かったのですが、個人的にお気に入りなキャラは、狼さんときつねさんでしょうか。
狼さんは、本人(狼)ルートも、もちろんいいのですが、他キャラルートでの保護者っぷりに萌えました!
こんなお兄さんがいたらいいだろうなあ……というキャラです、狼さん。
きつねさんは、ちょっぴりオーバーなアクションが可愛いのと、飼ってる鹿(?)に乗ってるとこが何とも言えず愛らしくて撃ち抜かれました(笑)
あれ、鹿(?)って言うより、どう見てもアルパカなんですけどww
きつねさんは、素直で明るいところと、過去の出来事に起因する不安定さのギャップもよかったです。


フルコンプすると、おまけボイスがきけて、システムボイス集になっているのですが……保存できません。
これは各自で録音しろと言うことですか……?
ここはせひ、パッチ出して、保存出来るようにして欲しいですね。


封入特典として、ドラマ&サントラCDもついています。
これは初回版の特典ではなく、いつでもついている特典だそうです。
(初回版には、りんごの形のプレートに小人さんの絵が描かれたストラップがついています)
ドラマは、雨上がりに小人さんと遊んでいた主人公が泥だらけになって、その後にトラック別に分かれてそれぞれの攻略キャラとお風呂に入る、という内容のものです。
タイトルもずばり、「一緒にはいろ?」です。
最初にネタバレ注意、とのアナウンスがありますが、実際には特にネタバレはありませんでした。
文字通り一緒にお風呂に入るのですが、思ったよりもエッチな展開ありでしたので、必ずヘッドフォン着用でお聴きください!
サントラは、全部じゃなくて、8曲だけ収録されていました。
各キャラのテーマ曲が7曲と、タイトル画面で流れる全体のテーマ曲(?)が1曲です。


ちょっぴり(?)残酷なシーンも含みつつ、基本メルヘンで可愛らしい世界観でのラブストーリーで、ひよさんの18禁乙女ゲーらしく、エロシーンもたっぷり。
各キャラ、少なくとも3回はあって、1回1回が濃くて長いです。
エッチさ加減と可愛さのギャップもいい感じでした!
絵的にも、いままでのひよさんシナリオのゲームの中では、とっつきやすいんじゃないかな、と思います。
(さかなさんの絵も好きですが、さかなさんの絵はどっちかというとロリ寄りだと思うんで…)
可愛らしくメルヘンな、だけどちょっぴり残酷でダークなお伽話。
少しだけ、はっきり判明しない不思議も残っているので(狼さんと森の関係とか…)、その辺含めて、後日談を描いたFDが出ると良いなあと思います♪




2011/6/7


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