● 「籠の中のアリシス」ゲーム感想  ●

籠の中のアリシス
籠の中のアリシス
icingCandy 2011-04-22
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PC全年齢乙女ゲームブランド、icingCandyの第2作です。
前作を未プレイなので、このブランドのゲームは初プレイ。
Will系ブランド(18禁乙女ゲームのシュガービーンズや、18禁BLゲームの郎猫儿など)ですので、システム周りなどは初めてのブランドでも問題なく楽しめました。(一応、体験版はプレイ済)


17歳の皇瑠奈(名前変更可)は、生まれた時から持っている、ハートの半分のような石をペンダントにしてお守りとして、肌身離さず身につけている。
不思議な樹の夢をよく見ている事以外は、ごく普通の女子高生。
いつものように学校へ登校している時、どこからか声が聞こえてきて、気がつけば、夢で見ていた樹のある場所へときていた。
目の前には、双子の男の子と女の子が居て、瑠奈に、この世界、「ルーチェ」を存在させている「樹」が枯れかけていて、それを助けるために、「アリシス」になって欲しい、と言われる。
しかし、「アリシス」になるためには、瑠奈の魂はこの世界でタブーとされている「ノワール」(マイナス感情)におかされていて、それを浄化しないと「アリシス」にはなれない。
そのために瑠奈は、「ロアクリスト」と呼ばれる、「アリシス」の護衛の男性たちから心の教育を受けることに。
元の世界に戻りたい瑠奈だが、「ルーチェ」には「アリシス」が必要なため、帰してもらえそうになく、帰るチャンスをつかむためにも、心の教育を受けることにするが……。


異世界ダイブ系のファンタジー乙女ゲームです。
『フツーの女の子が、異世界に飛ばされて、その世界を救う存在になる』
……という設定は、少女漫画や少女小説でもおなじみですね。
(別ブランドの乙女ゲームですが、「三国恋戦記」もその系統でしたね)
ベタですが、結構好きな設定ですv
モニター応募して落札できたので、プレイしてみました。

初めてプレイするブランドでしたが、PCゲームブランドとしてお兄さん向けお姉さん向け腐女子向け(笑)として、数々のブランドを持っている、Will系の乙女ゲームなので、システム周りはAVGとしてプレイする分には問題なく、快適にプレイできました。
DVD1枚組で、ディスクレスプレイも可能でした。
主人公の名前は変更可能ですが、デフォルトネームの「皇瑠奈」(すめらぎるな)でプレイすると、キャラクターから名前を呼んでもらえます!
これは前作でもそうだったらしいのですが、デフォルトネーム呼びは私が毎回乙女ゲームに切望している機能なので、嬉しかったです!
名前を変更した場合は確認していないのですが、おそらく「君」「お前」等に呼び変えられるのではないかと思います……。

初回プレイは、文字速度ノーウェイトでボイスをほぼ飛ばさず聞いて、ハーヴェイ狙いでノーマル残留エンドになって、3時間40分弱くらいかかりました。
2周目のハーヴェイ帰還エンドを見るまでに2時間半ほど、ハーヴェイルートコンプに3時間15分ほどかかりました。
3周目以降は、キャラによって多少長さが異なりましたが、だいたい、1キャラルートコンプするのに、3時間20分〜4時間ほどかかりました。
フルコンプまでにかかった時間は、およそ26時間くらいです。
攻略キャラは6名、1キャラにつき3エンドあります。
ベストエンドが2種類あり、元の世界に帰還するベストエンドと、ルーチェ世界に残留するベストエンドがあります。
もう1つのエンドは、バットエンドです。
その他のエンドとして、ストーリーエンドがノーマルエンド2つ(誰ともくっつかないエンド)にバッドエンド(強制帰還エンド)が1つ。
エンド数は全部で21エンドありました。

ボイスは、主人公以外はサブキャラ・ちょい役に至るまでフルボイスです。
攻略キャラには、乙女ゲームではおなじみの声優さんが採用されているので、乙女ゲー慣れしてる方には新鮮味はないかもですが、安心して聞ける面子でした。

スチルコンプ、シーンコンプをすると、スチルコンプおまけ絵、シーンコンプおまけ絵が1枚ずつ開きます。
オールキャラ絵で、ラフっぽい絵です。
スチル枚数は1キャラにつき15〜17枚ほどで、全部で109枚(コンプオマケ絵2枚を含む)です。
スチルは、世界観や話の雰囲気にもあって可愛らしくかっこよく、おおむねどれも綺麗なイラストでした。
たま〜に、手が大きすぎるように見えるものがあって、そこがちょっと気になりました。
それと、テキストと、スチルの内容が合っていなかったものが若干あったのも気になりましたね。
頬にキス、と文章にはあるのに、スチルは額にキスしてたり、額にキス、と文章にはあるのに、スチルは頬にキスしてたものがあったので……。

エクストラ(おまけ)にあるのは、スチル、シーン、音楽鑑賞と、エンドリストです。
音楽鑑賞でOPとEDの歌が聞けなかったのは残念でした……。
エンド数や、1キャラルートのボリュームはちょうどいい感じでしたが、サブキャラも魅力的だったので、サブキャラとの友情エンドのようなのも欲しかったですね。

このゲームの特色として、主人公の衣装を選べるようになっていて、キャラ攻略にも関わっています。
基本のピンクワンピースと、もう1着、攻略キャラ好みの衣裳を着て、攻略キャラを選ぶと、キャライベントが起こるようになっています。
1周目ではこれを理解してなくて、色んな服を選んだので、キャライベントが起きなくてノーマルエンドになってしまったようです……。
その他に、画面右上に、ハートのゲージが表示され、ルーチェ寄りの選択肢を選ぶとゲージがたまっていき、ノワール寄りの選択肢を選ぶと減っていきます。
ハートのゲージの増減によって、ベストエンドの種類が、ルーチェに残留するエンドか、元の世界に帰還するエンドかに分岐します。
ハートゲージを溜めると残留、だいたい半分くらいにキープすると帰還エンドになります。
単純に、キャラの好感度の高そうな選択肢を選び続けていると、ルーチェ残留ベストエンドになるようです。
目で見て、エンド条件を確認できるので、攻略自体はそう難しくないと思います。
元・ロアクリストで、双子ちゃんやロアクリストとは敵対する、でもどちらかといえば主人公にとっては味方であるキャラ、マクシミリアンは、2周目以降、誰かのエンドを見た後に攻略できるようになります。
その他のキャラには攻略制限はありません。
ところで、このお洋服チェンジ。
スチルに洋服差分があるのは嬉しいのですが、特に攻略キャラからの反応がなかったのは寂しかったです……。
もっとこう、「似合うね」「可愛いね」とか、一言でいいので、攻略キャラからの反応が欲しかったです〜!

お話は、先にも行ったように、「異世界に飛ばされた女の子が、その世界を救うことになるファンタジー」です。
ただ、異世界を救う方法には、縛りがあります。
主人公はその世界で言う巫女のような者にならなければならないのですが、『ブロキュスの籠』という場所に入り、『ゲミュートの樹』という世界を存続させるための樹への栄養を生みださなければなりません。
だけど、その籠に入ったら、二度と出られず、双子ちゃん以外とは喋れず、籠から出たら死んでしまうと言う……。
ほとんど、人身御供と言って差し支えありません。
元の世界に帰れないにしても、この世界にとどまるにしてもあまりにも自由がない、「籠の鳥」状態……。
それでも、一部のキャラを除いて大半が、「世界のためならしょうがない」と思っているのが、ちょっと気になりました。
世界の番人たる双子ちゃんはともかく、他のキャラは、一人の少女の肩に世界を担わせることに、何も疑問はもたないのか、と突っ込みたくなったというか……。
そういう世界だから、と言われてしまえば、それまでですが……。
主人公も、この世界のために人身御供になれ、と言われて、そのために親切にしてもらっている事がわかっているのに、それで、この世界やここに住む人たちが大事になってきたから、『アリシス』になる、と決意できるものなのかなあ、と疑問に感じました。
攻略キャラルートの場合は、「好きな人のためにアリシスになる」という流れになるので、一応納得はできるのですが、それだと、「好きな人が世界はどうでもいい、アリシスになんかならなくてもいいよ」と言えばそれまでになってしまうので、「好きな人のため」と、それ以外の、この世界をどうしても存続させたい理由、そう決意するに至るまでの説得力のあるエピソードが何か1つ欲しかったですね。
その辺が多少ひっかかりましたが、恋愛部分はどのキャラも、特に後半部分が盛り上がっていたので、どのルートも結構楽しめました。
普段は主人公視点で話が進みますが、時々攻略キャラ視点が入ります。
後半になると、攻略キャラの恋愛状態に入っているために切々とした視点が見られるので、そこはとても美味しかったです!
攻略キャラ視点のバランスは、ちょうど良かったと思いました。
攻略キャラ視点、声優さんのファンには特に美味しいと思います〜!

プレイしてみて面白かったルートは、キラキラ王子様なロアクリストのウィリアムです。
ウィリアムは、アリシス制度をなくしたい、と思っている少数派なキャラなので、その点も共感しやすかったと言うか。
一粒で二度おいしいフランシスルートも面白かったです。
キャラクター的には、ハーヴェイやカイトも好きでした。
どのルートも、基本は『アリシス』絡みで話が進みますが、いったんキャラルートに入るとかぶるところはないので、それぞれ楽しめました。
お花畑とか湖とか、ロマンチックかつ乙女チックなデートシチュエーションが、糖度たっぷりに描かれていたのも、とてもよかったです!


全体的なストーリーを見れば、いまひとつ設定を活かしきれていないように思う部分もありましたが(特に立場がロアクリストとは違うマクシミリアン)、絵も綺麗で、恋愛イベントは甘く、特にベストエンドが2種類あってそのどちらもすごく甘々だったので、キャラルート自体はどれも楽しくプレイできました。
「異世界ダイブファンタジー」としての設定や、ストーリー展開を重視する方には、ちょっと物足りない部分があるとは思うのですが、ファンタジー系の甘い乙女ゲームがやりたい!という方には、お薦めの乙女ゲームだと思います。
キスシーンとか、すごく甘くてロマンチックでしたよv


「籠の中のアリシス」応援中!

2011/4/29
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