● 「神様を殺す102の方式」ゲーム感想  ●

同人ゲームブランド『ONE'S BRAND』新作は、前作『イノセントリア』とはがらっと雰囲気が変わって和風アドベンチャー乙女ゲームです。
オフィシャルサイトからDLできる体験版をプレイしてみて、面白そうだったので購入してみました。


田舎町に暮らす平凡な女子高生、理瀬(名前変更可)は、神社で巫女さんのアルバイトをしている最中、何かを壊してしまう。
そして現れたのは、昔風の着物を着た銀髪の美しい青年。
彼女にしか見えないその男は、自分のことを『山神』だと名乗り、理瀬に八体の鬼を退治しろと迫ってきて――。



システムは同人ゲームでは吉里吉里についでおなじみの、NScripter。
セーブ数も72個あり、既読スキップ、バッグログ等基本的なシステム周りはそろっているので快適でした。
音量調整(BGM、効果音)、文字速度、オート設定速度、ウインドウサイズの切り替えが設定画面から変更できます。
付録に、CG閲覧、エンディングリストはありますが、シーン回想がないのが惜しいかな。
GOOD ENDが8つ、BAD ENDが15で、エンド合計数は23個。
難易度はそう高くないと思いますが、バッドエンドを回収するのに多少手こずるかも。こまめにセーブするのをお薦めします。
CG枚数は差分無しで58枚。
キャラエンドのベストを誰か一人でも見たあとに、クリアおまけのシナリオと攻略と作者後記(制作後記と攻略ヘルプ部屋)が、フルコンプすると、ネタバレあり後記と音楽鑑賞室が開きます。

思ってた以上のボリュームがあり、遊び甲斐がありました!
ちょっとした商業ゲームくらいの尺はあったんじゃないでしょうか。
攻略キャラにルート制限があり、『好きなキャラだけ落とせればいい』という作りの乙女ゲーではない為、必然的にメインの3人(攻略できるのは5人)は攻略しないと話のカラクリが判明しないようになっています。
ですがその分、シナリオに読み応えがありました。
一人のキャラを落とすだけでは判らなかった伏線も、他のキャラを落とす事で判るようになり、真相ルートでは山神の真意や、過去の因縁から現在に至るまでの道筋が明らかになり、読後感良くすっきりとまとまっています。
このゲーム用に作られたBGMも豊富で、各シーンで雰囲気を盛り上げてました。
フルコンプするとおまけからBGMも聴けますが、サントラも発売されています。
OPとEDに使用された歌もフルバージョンで収録されているので、BGMが気に入った方はサントラも一緒にいかがでしょうか。
(私は今回もゲームとサントラ一緒に買いましたv)
スチル枚数や立ち絵の種類も多く、コンプおまけもあってこのボリューム。
和風乙女ゲー好きなら、買って損ナシ、コストパフォーマンスも高いと思いますよv

攻略キャラは全部で5人、全体的に俺様ゴーイングマイウェイなキャラが多めになっております。
さり気なく眼鏡キャラが多いのもポイントです。(攻略キャラに二人、非攻略キャラに二人、合計四名の眼鏡キャラが登場)
俺様相手に主人公は振り回されっぱなし…と思いきや、さり気なく天然だったり、意外に向こう見ずだったりして、ばっちり相手も振り回しているので、おあいこ?
エラそうなキャラはちょっとね……、とお思いの方も大丈夫!
最初の印象が多少アレってことは、必然的に後は良くなる一方(?)ですよ……!
次第にカワイイ一面が見えてくる俺様山神や、ちょっぴりツンデレ(?)な先輩らとのラブを堪能できます。
デート時の甘酸っぱいやり取りは必見ですよv


長い髪を翻し日本刀を振るう主人公が凛々しいバトルシーン、日常のコミカルなシーン、意中の彼との甘酸っぱ〜いやりとり、とメリハリのあるストーリー展開で、フルコンプまで飽きずに楽しめました。
最後に随所でナイスアドバイスをくれた、黒猫(猫又)の依灯(いとう)さんに心からのグッジョブ!を(笑)

神様を殺す102の方式
2007/6/10