18禁乙女ゲー新ブランド、 little cheese(リトルチーズ)のデビュー作です。
デモムービーの雰囲気が良く、義弟が落とせるとあって、モニター購入枠に応募したら入札出来たので、プレイしました。
家に引きこもって、不登校だった主人公の片桐奏(かたぎり かなで/名前変更可)。
両親は仕事の都合で留守がちで、義理の弟の園村郁人とマンションで実質ふたり暮らし状態で過ごしている。
ある日、不思議な夢を見た主人公は、夢が告げるままに家の外に出る。
公園で見知らぬ美容師・蓮井智臣から髪を切ってもらった帰り、駅前でナンパされる。
それは、昔好意を抱いていた、元・同級生の須藤透央だった。
透央は違う学園に通っていたが、朝、迎えに来てもらい、再び学園へ行くことになったが……。
新ブランドから出る1作目なので、出来れば体験版をプレイしたかったのですが、何故か発売前には体験版が配布されませんでした。
今は体験版が配布されてます〜。
そんなわけで、動作とかちょっと不安でしたが、特に問題なくプレイできました!
修正パッチが出てますので(当てなくてもとりあえずのプレイに支障はないです)、今からプレイする方は修正パッチを当ててからどうぞ!
でも、パッチ当てても誤字は潰し切れていないという……(頑張れ公式!)
ディスクレスプレイ可。
主人公、脇役含めてのフルボイスです。
メインの攻略キャラの声優さんは、女性向けゲームではおなじみの方たちがあてていますので、安心して聞けました。
主人公のボイスも可愛くて個人的には好みでした。
主人公の名前は変更可能。
デフォルトネームでプレイしても、攻略キャラからのデフォルトネーム呼びはありません。
これが完備されたゲーム、ありそうでないですよね……。
システムは、言動を選択して物語が分岐する形式の、普通のアドベンチャーゲームです。
マウスホイール一発でバッグログが見られず、台詞ウインドウ枠外のバックログのボタンをクリックしないと見られない仕様なのが、地味に不便でした。
セーブ&ロードも、一度メニューをクリックしてからセーブ&ロードを開くという、クリック1つ余計にしないといけない仕様でした。
セーブ数ももう少し欲しかったかな……。
おまけで見られる、CGとリストはキャラ別で表示して欲しかったです〜!
そしてリストが、エッチシーンしか見られないのが切ない……。
エンド数が多い割に、エンドリストが用意されていないのも不親切だと思いました。
と、システム面ではいくつか不満点がありましたが、普通にプレイする分には特に問題なくプレイできました。
(2010/12/24追記@新しい修正パッチの配布により、マウスホイールの上方向操作で[BackLog]の表示と、エンドリストが追加されました!)
1周目(弟ベストエンドまで)にかかった時間は、文字速度ノーウェイトで、ボイススキップせずにプレイして、9時間40分ほどでした。
2周目からは既読スキップが使えるので共通ルートはスキップして、1キャラの1周目(ベストエンド)までにかかる時間は、5〜6時間くらいでしょうか。
ちなみに、初期設定で、スキップが「すべて」になってると思うので、「既読のみ」に変更してくださいね。
普通は初期設定で「既読のみ」スキップの場合が多いためか、アマゾンレビューを見たら気付いてない人もいたみたいなので、念のため。
フルコンプまでにかかった時間は、全キャラの『鍵』を集めたら見られるおまけシナリオも含めて、29時間25分くらいでした。
攻略キャラが4人しかいないことを思えば、思ったよりボリュームがあって、プレイしごたえがありました!
1キャラに付き、ベストエンドは2つ(弟だけ、おまけっぽく3つ目のエンドがあります)。
2つめのエンドは、1つめのベストエンドを見た後、攻略キャラの『鍵』を入手して、「スタート」からやり直すと、攻略キャラ視点が時々見られるようになるルート(基本的に1つめのベストエンドを見たルートと同じ話)になります。
バッドエンドは、弟だけ少なくて3つ、他3人は6〜7つあります。
攻略キャラ+サブキャラ2名の『鍵』を入手すると、おまけシナリオ(スチル付き)が見られ、それを見ると、すべてのCG、リストが埋まります。
CGは差分抜きで72枚でした。
内容は、公式いわく、
『嫉妬や、束縛、独占という名の鍵がヒロインに幾重にもかかり、身動きできず逃れられなくなっていく。
愛され過ぎるヒロインの物語です。』
……と、あるように、主人公からも攻略キャラを好きになりますが、攻略キャラ→ヒロインというベクトルが見どころといった雰囲気の乙女ゲーです。
共通ルートで、主人公が久々の学園生活になじみつつ、少しずつ恋をはぐくんでいく……というのが、学校行事を絡めて描かれていて、ラブストーリーとしても面白かったと思います。
付き合いだしてからの、その後が描かれているのが、特に好印象でした。
前半部分では「あれ?これって全年齢向きだっけ?」という感じで健全に進んでいきますが、イザ告白され、付き合いだしてからは、徐々に暗雲が立ち込めてきます……。
というか、義弟以外は、付き合いだすと、大なり小なり、病んでくるという……。
主人公、男運が一見、良さそうに見えて実は悪いよね!
義弟以外は、付き合う前は見せていなかった、ダークな内面を、これでもか!と見せてくるようになります。
めげずに立ち向かい、時には発破をかけ、時にはカウンセリングをしながら、ハッピーなエンドを目指しましょう!
バッドエンドはどれもブラックだったりフェードアウトだったりと、中々バラエティに富んでいて、メリハリがあってよかったと思います。
その分、ちゃんとハッピーエンド(2種)は、ラブラブで甘いので、安心して下さい。
エッチシーンは、キャラによって回数が違いますが、基本的にベストエンドルートで1〜2回。
バッドエンド系でも1〜2回でしょうか。
モザイク要らずの構図で、尺はそこそこ長いですが、その割には何故かそれほど濃い印象がなかったのは何故だろう……(笑)
そしてエロスチルは、攻略キャラの顔が隠れる構図が半分くらい?
どのキャラにも、キススチルが必ず用意されていたのが嬉しかったですv
デートイベントのスチルも可愛くてよかったです。
塗りも綺麗で、スチルは枚数はシナリオの尺に比しても十分あって、満足でした!
攻略キャラは、義弟・元同級生・先生・美容師の4人なのですが、個人的にはこのゲームは、ズバリ、
弟を堪能するゲーム
だったと思います!
弟本人のルートは言わずもがなですが、他の攻略キャラのルートでも、影に日向に、なにくれとなく力になってくれる弟。
迷った時は背中を押してくれ、ピンチの時は助けに来てくれる弟。
プレイしながら、何度、
「ごめんね弟!君の大事な姉貴を、君じゃなく、他の男を選ばせるような選択をしちゃって……!!」
と、思った事でしょう。
ホント、マジ、ゴメン!
プレイすれば、きっと貴女もそんな気分に陥る(?)ハズのこの18禁乙女ゲーム。
弟好きもそうじゃない方にも、お値段・ボリューム共にお薦めのゲームですよ!
もちろん、弟以外の攻略キャラもそれぞれにいいですよ。
付き合いだしたらちょっと(?)病みますが、それも個性です(たぶん)!
2010/12/20