● 「ライブネス」ゲーム感想  ●

前作を出した後から動きがなかったので、ゲーム制作を止めたのかなあと思っていた、『ONE'S BRAND』さん。
2010年の4月1日に新作「ライブネス」の発表後からすぐ、5月2日に発売されました。
完成の目処が立ってから告知することにしていたそうで(『ライブネスPuchi攻略読本』参照)、動きのない期間も、水面下で作っていたんですね。
嬉しいサプライズでした〜!

今回、攻略本同人誌『ライブネスPuchi攻略読本』も同時発売で、ゲームと一緒に購入し、見ながらフルコンプしたので、攻略ページの作成はナシです〜。
攻略本は2011年1月現在、まだ公式サイト通販&メッセサンオー通販で入手できますので、今から購入予定の方は、ゲームと一緒に購入するのをお薦めします。
攻略の他にオマケ的なギャグ漫画が4ページ、フルコンプ後に参照な主要キャラクターの詳細な紹介ページが9ページ掲載されています。
キャラ紹介は、裏話的な事や、エンド後のちょっとした事にも触れられているネタバレ満載なページでした。

祖父から相続した、瀟洒なアパートメント『サウスガーテンハイツ』の管理人として、町にやってきたシア。(名前変更可)
平和な田舎町で、安楽な生活を満喫するつもりでやってきた彼女は、個性豊かなハイツや町の住人たちに振り回されつつも、おおむね、望み通りの暮らしを送っていた。
だが、それもしだいに、不穏な出来事によって、失われて行って……。

変わらないものなんてない、そう知っていながら、彼女は願う。
もしも、こんな結末を迎えずにいられたなら、と―――。



システム周りは、今回もおなじみのNScripter。
アドベンチャーゲームとして必要な機能は一通りそろっています。
バッグログが、前面表示じゃなくて、台詞ウインドウ枠表示なのがちょっと不便かな……。
スチルが表示された時、台詞ウインドウ枠を消したかったのですが、その機能がなかったのが残念でした。
エクストラ(おまけ)のCG閲覧で確認はできますが。
(それとも、私が気付かなかっただけで、あったんだろうか。台詞ウインドウ枠消す方法)
(追記@修正)
右クリック→ウインドウで台詞ウインドウ枠、消せました。
バックログも、右クリックでログを見れば全画面表示でしたが、マウスホイールで見ているので気付きませんでした。
マウスホイールでのバックログも全画面表示対応だとよかったなあ。

そのエクストラには、CG閲覧の他、ENDリスト、エピローグ、OPムービー、マニュアルが確認できます。
今回のパッケージは、DVDケースじゃなく、紙を3つ折りする形のパッケージなので、紙マニュアルはありません。
初回版を購入すると(通常版に切り替わるまでは初回版が販売されていると思います)パッケージに、初回版御礼追加パッチの案内があり、パッチをあてると、追加シナリオと、音楽鑑賞が追加されます。
CGは、差分抜き、コンプおまけ等2枚を含めて、全部で43枚。
シーン回想はありませんが、「エピローグ」にて、各エンドのエピローグを参照できます。
よっちのエピローグは、ここで確認できます。(他は、ゲームプレイ中に確認できるものの回想です)
ちょっと目立たない場所にあるので見落としてしまうかもしれませんが、エクストラページの枠外には『攻略ヒント』もあります。
某キャラが、ゲーム進行度によって、攻略を教えてくれます。
途中を見落としても、フルコンプ後に全部参照してくれる親切設定です。

プレイ時間は、最初の1周目にかかった時間が、1時間半ほど。
2周目以降にかかる時間は1周、1時間半〜3時間くらいでしょうか。
バッドエンド含めたすべてのエンド、全9エンドをフルコンプするまでにかかった時間は、13時間半くらいでした。
ボイス無しのゲームとしては、結構なボリュームだと思います。
前作の「神様を殺す102の方式」でも、恋愛描写はあるけど攻略対象を『落とす』ことが目的の乙女ゲームではない、とサイトに注釈がありましたが、今回もそういう感じで、誰かを落とすことではなく、主人公に何が起きているのか、何に巻き込まれているのか、真相を知るのが目的、という雰囲気のゲームでした。
乙女ゲーム度は、前作より低めで、より、ゲーム世界の謎を解く事の方にシナリオが割かれていました。
とはいえ、ちゃんと恋愛要素もあります。
前半に見られるエンドだけだと、ハイツの住人たちとほのぼのしてる内に話が終わっていまい、
「え!これで終わり?」
という、唐突感が否めませんが、いったんそこを過ぎると、怒涛の展開が始まり、その過程で、一部のキャラとの恋愛関係が深まります。
恋愛がメインではないためか、攻略キャラらしきキャラも今回は少なめで、3人です。
内訳はこちら。

    
(c) ONE’S

左から、幼なじみでわんこな役人のよっち、ちょっと(?)毒舌な騎士のリュート、ドSな研究者のアラトネ先生です。
右端は、ハイツ管理人、主人公のシアです。
襲撃されたり、流血騒動になったりと、前半のまったり管理人暮らしっぷりとは打って変わって物騒に展開していく中で、ちょっとずつ展開していく恋愛関係は、段々糖度も高くなっていって、物語の展開ともども、見ごたえがありました!
特にアラトネ先生。
前半では先生とラブが芽生えるとは思ってなかったので、エピローグでのラブラブっぷりには倒れそうでした!

眼中にないといわんばかりのアラトネ先生とのスチル。この状態からでも愛は芽生えるのでくじけないで!(笑)

でも、個人的に一番お気に入りは、ジョブが騎士のリュートです。

リュート前半イベントスチル。怒ってるのも心配ゆえです。多少毒舌でも基本は優しいリュート。流石ジョブ・騎士!

出会いはものすごく険悪なんですが、言いあう姿はどっちかというと、猫がじゃれ合っているようにもみえなくもない(笑)
それに、前半部分での衝撃の展開と、遅れてきたヒーローと言わんばかりの後半での活躍っぷりが大変良かったので。
さり気なく衣装チェンジがある辺りも美味しかったです!
エピローグ部分も甘かった……!激甘でした。ご馳走様でした。

よっちは、色々語るとネタバレになるのであまり語れませんが、口調や雰囲気が、今までの同サークルさんのゲームには出てこない、おっとりした風なのが新鮮でした。

よっち後半序盤スチル。大型ワンコに懐かれてる感じ?

恋愛と言うよりはなんかもう、家族愛って雰囲気を醸していたので、ときめきはなかったのですが、ほのぼのと和みました〜。
でも、エピローグではちょっと初々しい恋人っぽい雰囲気だったのが、微笑ましかったです。
よっち頑張れ!応援してるぞ!(笑)
真相ルート解明ともいうべき、一番最後に見られるエンドは、エピローグがとてもシアらしく前向きで、ホッとするもので、よかったです。


前半は、ほのぼの管理人ライフ、途中で流血騒動を経つつも、後半ではお目当ての人や、他の住人たちとの交流をより深めつつ真相に迫り、ラストはめでたしめでたし。
読後感の良い、SFファンタジーライトノベル風なハイツ管理人さん物語でした。



2011/1/22