● 「Riddle Garden」ゲーム感想  ●

Riddle GardenRiddle Garden

キャラメリア 2010-03-26
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「Under the Moon」などの18禁乙女ゲームでおなじみの、元シュガービーンズライターのひよさんによる、18禁乙女ゲーム新ブランド「キャラメリア」第一作です。
原画もシュガービーンズ時代と同じ、東条さかなさんです。
なので、ブランドが違うだけで、デビュー作って言うよりかはニューアルオープン(?)って感じでした。


人里離れた白亜の城に、使用人たちに囲まれて、コレット(名前変更可)は、何不自由なく育って来た。
ただひとつ、城を取り囲む、高い塀の向こうへは出られないという点を除いて……。
ずっとこの暮らしが続いていくものと思っていたコレットに、ある嵐の晩、変化が訪れる。
5人の男性が、客人としてやってきたのだ。
彼らは、コレットに結婚相手として選ばれるためにやってきたのだという。
戸惑う彼女の元に、一通の手紙が届けられる。
本来なら来る予定だった一人が、暴漢に襲われ、来られなくなったというのだ。
だが、屋敷には予定通りの5人の招待客が訪れている。
この中には、誰か一人、『招かれざる客』がいるのだ―――。



ブランドは違えども、内容はいつものひよさんって感じの雰囲気でしょうか。
エロもばっちり濃い目です!(笑)
ただ、東条さんの絵は、シュガービーンズの頃とは絵柄の変化が。
ちょっと落ち着いた(?)感じになったと言うか。
塗りもシュガービーンズのはっきりした色調とは違って、ちょっと淡い感じなので、結構印象が変わりました。
シュガービーンズ時代も好きでしたが、今の雰囲気も好きです〜!


新ブランドなので体験版(公式からDL可)でも確認してみましたが、システム周りは特に問題なく、快適にプレイできました。
クイックセーブ等、AVGとして必要な機能は一通りそろっています。
インストール時にシリアルナンバーを打ちこむ方式で、ディスクレスプレイも可能です。
おまけも、ギャラリー、シーンがキャラ別で表示され、エンドリスト、音楽鑑賞と、一通りありました。
キャラエンドをすべて見ると、そのキャラのメッセージが聞けるおまけもありました。
オープニングとエンディングはそれぞれキャラクターの歌つきですが、音楽鑑賞からその歌が聞けないのはちょっと残念でした……。
(OPとEDの歌はマキシシングルが出ているので、聞きたい人は買ってね!ってことなのでしょう……)
ボイスは、主人公含めてサブキャラまでフルボイスで、個別キャラごとにボイスのオン・オフもあります。
主人公は、お屋敷の箱入りお嬢様っぽく、最初はツンとした感じなのですが、攻略キャラとの関係が進展するに従って、次第に柔らかい印象になっていくのが、声の演技でも確認できて、いい感じでした〜!
攻略キャラは、やっぱり女性向けゲームではおなじみの声優さんぞろいだったので、安心して聞けました。
(偽名ですが、乙女ゲ慣れしている方が聞けば、大体予想がつく声優さんが出演してます。毎回偽名変えてる?方もいますね〜)


攻略キャラは、お嬢様の結婚相手として招待された客の5人と、お屋敷の執事のエリックで、合計6人です。
隠しキャラなどはいません。
エリックのみ、攻略制限(誰も落とさないバッドエンドを見た後、スタートからプレイ)がありますが、招待客は初回からプレイ可能です。
1周目は、しょっぱなから甘〜い言葉で口説いてくる王子様タイプなキースをプレイしましたが、かかった時間は約5時間ほどでした。
選択肢によって、ろうそくの灯りがともる「開くルート」と、灯りが消える「閉じるルート」があり、それぞれにベストエンドが1つずつ、バッドエンドが複数あります。
前向きな選択肢だと「開くルート」、後ろ向きな選択肢だと「閉じるルート」という感じです。
「Under the Moon」の純愛ルートと愛憎ルートのようですが、それとはちょっと違って、攻略キャラに焦点を当てたルートと、主人公の背景、生い立ちなどに焦点を当てたルートに、分かれていくと言う感じでしょうか。
とはいえ、それも大まかな感じで、キャラによっては、どちらのルートを選んでも、主人公の生い立ちにはそれほど触れずに進んでいくものもありました。
執事のエリックは、位置づけ(時間軸)がちょっと特殊で、開くルート、閉じるルートはありませんが、ベストエンドは招待客キャラと同じように2つあります。
バッドエンドは他キャラより1つ少ないですが、1ルートのボリュームは他キャラと同じくらいです。
2周目以降の、1ルート(開く、または閉じるルート)にかかった時間は、2時間半〜3時間半くらいで、フルコンプまでにかかった時間は、約36時間半くらいでした。
1キャラにつき2ルートあったので、全体的なボリュームはかなりあって、プレイし甲斐がありました!


嵐の晩、人里離れた城に、居ないはずの人間が1人いる……!?
11人いる!?(違います)
……という、ミステリーな出だしで始まる、館モノな乙女ゲーです。
冒頭はサスペンスっぽく、ルートによっては命の危険もありますが、基本的には、城の人間以外とは交流のなかった、感情の起伏の少ないお嬢様が、『結婚を前提に』攻略キャラと徐々に親しくなっていくラブロマンスです。
このままずっと、城で一生を終えていくものとばかりおもっていた主人公。
それが、誰か一人を伴侶に選んで城からでなければならい、しかも拒否権はない、と理不尽な状況に陥り、戸惑いつつも、招待客と交流を持ち、今まで知らなかった新しい感情を知っていく様子が、初々しくて微笑ましかったです〜。
拗ねたり、怒ったり、はじらったりと、感情を揺らす様が可愛いと言うか、主人公萌えでした!
気持ちは攻略キャラと言うか(笑)
「お嬢様の意にそわない事をするのはご法度」という規則があるので(何せ、お嬢様のための花婿選びなので)、ムリヤリ系な展開はありません。
マメなキャラも、そうでもない(笑)キャラも、お茶をしてお話しする段階からのスタートです!
そんなんでエロまで到達するの?と不安に思われるかもしれませんが、そこはひよさんシナリオの18禁乙女ゲーですので、ご安心を。
ひとたび想いが通じ合えば、きちんと婚前交渉が始まりますよ!
その手のシーンは、1ルートにつき2回以上あります。
ムリヤリ系ではなくとも、エロ自体はそれぞれ尺もあって、前半・後半でスチルも切り替わり差分もそれなりにあって、濃い目でした。
この辺はいつも通りのひよさんで、安心!期待どおりです!
素敵な内装のお城&水車小屋付きな花園を持つお嬢様なだけあって、エロ以外の恋愛イベントは、それぞれロマンチック&乙女チックです。
花園でピクニックしたり、噴水ではしゃいだり、バルコニーから星空を眺めて語り合ったり……。
招待客も、お金持ちのお嬢様を結婚相手に何が何でもしたい!とガツガツした感じはなく、素敵な別荘で休暇を楽しみつつ、女の子と楽しいひと時を過ごす……というリラックスした雰囲気で、こちらもお屋敷バカンス気分でプレイできて、楽しかったです〜。
天蓋付きのお姫様ベッドで、私も一度くらいは寝てみたいです(笑)
主人公がお城を出ることなく暮らしていた秘密と言うのは、わかってしまえば、それほど目新しくない……というよりも、どちらかと言うと王道路線でしたが、作品の雰囲気とマッチしていて、よかったと思います。
主人公の背景がわからないまま進むルートでも、わからない故の違和感はなく、知らないままでもちゃんと攻略キャラと幸せになれて、それはそれでよかったです〜!
それぞれに、胸に秘めた目的を抱えた攻略キャラたちですが、ベストエンドを迎える頃には、各々の事情と折り合いがつき、主人公との幸せな未来を選びとることができ、ほっとしました。
バッドエンドには後味の悪いものもありますが、ベストエンドはそれを十分払しょくできるくらいの、甘さがあって、満足でした!


素敵なお城で、素敵な殿方と、ロマンチックなひと時を堪能できる、館ミステリー風味な18禁乙女ゲーです。
ラブとロマンスとエロが十分に、スパイスとしてサスペンスがほんのり楽しめました。
執事のエリックを最後に攻略しましたが、エリックはラストに落とした方が感慨深い(?)と思うので、最後のお楽しみに取っておくのをお薦めしますv



2011/1/16

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