● 「蒼天の彼方」ゲーム感想  ●

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澪(MIO) 2009-07-24
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幼いころ両親を亡くした愛麗(あいれい)は機織りをしながら、荒れゆく昊(こう)の国の都でひとり暮らしていた。
そんなある日、彼女は国を平穏に導くと伝えられている瑞獣、『羽兎(うと)』を見つける。
愛麗こそ「国の天命を見極める」ことができると言い、羽兎は彼女の中に姿を消してしまう。
羽兎に選ばれたことにより、彼女の運命が大きく動き出す。



澪の第2作品目は、大河ロマン中華ファンタジー。
チャートマップ画面でストーリーボックスを選択して進むという、ちょっとめずらしい形式のAVGです。
話が分岐する選択肢的なボックス以外も、細かくシーンごとにボックスが用意されているため、シナリオがややブツ切れに感じる個所もありました。
もう少しストーリーボックスをまとめてくれるか、選択肢的なボックスのみでチャートマップ画面を表示させるとかしてくれた方が話に集中しやすくてよかったかも。
私の場合、慣れたらあんまり気にならなくなったというか、そろそろチャートマップ画面くるな!と予想しながらプレイするようになったのですが(笑)
『チャートマップ』というシステムそのものは、便利でよかったです。
ゲームの進行度もわかるし、間違えてもすぐ選択肢さかのぼれるし、自分でお気に入りシーンセーブしなくてもいいですしね。
何よりストーリーボックスが埋まってチャートが完成していくのが楽しいv
ストーリーの進み具合によって、画廊(おまけ)の年表も埋まっていきます。


チャートマップ画面以外のシステム周りは、前作の「あさき、ゆめみし」と大体同じで、使いやすかったです。
ディスクレスプレイ可、主人公の名前の変更も可能です。
デフォルトネームでプレイしても名前は呼んでもらえません〜。
セーブ数は1画面に12個×10ページの120個。
今作では最新データにチェックがつくようになり、クイックセーブも用意されてました。
(チャートマップ画面でさっくりさかのぼれるのでクイックセーブはほとんど使わなかったんですけどね)
メッセージウインドウ枠が、デフォルトはでピンク背景に白字でちょっと見づらいのですが、設定でウインドウの透明度と、デザイン(背景がピンク、薄緑、青)が変更できます。
透明度をちょっとあげて、デザインは青背景に変更してプレイしました。


1周目にかかった時間は、ボイスを飛ばさず聞いて9時間程でした。
2周目以降は、共通ルートをスキップして1キャラ攻略4時間〜5時間くらいでしょうか。
フルコンプまでにかかった時間は35時間くらい。
攻略キャラはメイン5人、隠し(?)キャラが1人、サブキャラ3人の合計9人です。
スチル枚数は差分抜かして81枚、シーン回想(エンド数)は40個です。
原画さんが2人いらっしゃるのですが、愛麗の顔が原画さんによって違って見えるのがちょっと残念でした。
ボイスは主人公以外脇役までフルボイスです。
どのキャラもぴったりなキャスティングだったと思います〜!
システム設定で、ボイスの音量を上げたり、画面サイズをウインドウサイズからフルサイズにしたりすると聞けるキャラのコメントが大変愉快なので、一通り変更してみることをお薦めしますv


私は、
商人の太星(たいしん)→幼馴染の武官の呂雄(りょゆう)→謎の人・慧(けい)→武官を志す少年・朱偉(しゅい)→宮廷貴族の劉瑯(りゅうろう)
……の順番で攻略しましたが、今からプレイする方には、
劉瑯→慧→朱偉→太星→呂雄の順番をお薦めします。
どのキャラから攻略しても問題のない作りなのですが、この順番だと主人公の背景や、昊の国の歴史の流れがわかりやすいんじゃないかなーと思うので。
攻略に制限の掛かっている呂雄は5番目に攻略するのを激しくお薦めします。
隠れきれていない隠しキャラ(?)の泰斗(たいと)のルートは、メイン5人をクリアすると解放されます。


内容は、うさぎを助けた主人公が恩返し……されるのではなく、国の動乱に巻き込まれていく波乱万丈ストーリーです。
おめでたいうさぎなのに、愛麗にとっては全然ありがたくないという(笑)
まあ、広い意味で考えれば(?)ある意味縁結びをしてくれたわけですが、羽兎様。
前半の共通ルートでは、攻略キャラたちのにぎやかなやり取りが楽しめます。
こういうのもチーム男子萌えっていうのかな。
って、チームとしては全然まとまっていませんでしたが(笑)
個別ルートに入ると、前半でのほのぼのぶりとは一転して一気に話が動き出します。
キャラによって話が全然違ってくるのも前作同様です。
国の歴史に関わっていくという展開なので、ゲーム内の時間経過が長く、それに合わせて立ち絵が変化するのが新鮮でした。
変化後の立ち絵が皆カッコよく眼福でした!
少年や青年が成長するのっていいですね……!
太星は見た目だけじゃなく、ボイスまで低めになっていて、おおっ!と思いましたv
肝心の『激動の歴史』の部分は、

「ちょ、待って羽兎様……!そこはすっ飛ばさないでください……!」

と画面に向かって突っ込みたくなるくらい、羽兎様による清々しいほどのナレーションで済まされ、「あれから○年後」状態だったので驚きました。
初回に歳月が一番経過する太星をプレイしちゃったってのもありますが(^_^;)
とは言え、歴史が大きくうねり『会えない期間』(キャラによってその期間の幅がずいぶん違います)を挟んでから再び物語が展開していくのは面白かったです。
クリアするごとにどのキャラにも愛着がわきましたv
サブエンド扱いですが、文官志望の幼馴染・樂芳(がくほう)と、脇腹を大胆にさらしていて心配になった(槍や刀で狙われないのか!?)眼帯の武官・燕尭のエンド(慧とセットのエンドも美味しいv)もちゃんとあったのも嬉しかったです。
お気に入りは、恋愛面では意外に奥ゆかしかった太星と、紆余曲折あってエンドスチルでさわやかな笑顔が見られた樂芳(気弱な幼馴染は常に全力で応援)です。
羽兎様の思惑はここにあったのね……!と納得のルート制限解除後に見られる泰斗エンドは燃えて萌えました〜!


1作目、2作目と澪ブランドのゲームをプレイしてみて、ここのブランドカラーは、バッドエンドの豊富さだ!と思いました。
生命の危機に関わる系のバッドエンドが多いのは前作同様ですが、今作ではさらにバリエーションが増えていました。
切なくてやり切れないもの。
ちょっと淫靡なもの。
思わず突っ込みを入れたくなるもの。
いっそ潔くて(?)主人公素敵!なもの。
……と、シチュエーションがさまざまだったので、バッドエンド回収するのが楽しかったです。
もちろん、どのキャラにもきちんとグッドエンドはあります。

数々のバッドな分岐を避けてたどり着いた結末……!

と思うと感慨もひとしおでした。
グッドエンドを見た後、画廊(おまけ)のグラフィックで、ちょっとしたエピローグ的なボイスが聞けるのも嬉しかったですv


[MIO] の【[一般乙女]蒼天の彼方】

蒼天の彼方


2009/8/18
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