● 「三国恋戦記〜オトメの兵法!〜」ゲーム感想  ●

三国恋戦記 ~オトメの兵法!~ 通常版 (Windows7対応)三国恋戦記 ~オトメの兵法!~ 通常版 (Windows7対応)

Daisy2 2010-05-28
売り上げランキング : 406

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



Daisy2のデビュー作、満を持しての発売です!
発表から発売まで、2年くらいかかったので、無事発売された時は、ようやく……という感じだったのですが、予約購入の後、1年近く積んでました(^_^;)
ドラマCD付きの初回限定版は早期に売り切れ、コンシューマー(PS2)移植も決定。
移植版が発売される前にはプレイしなくちゃ!ということで、やっとプレイしました〜!


平凡な女子高生の、山田花(名前変更可)。
学校の歴史の授業で、三国志についてのレポートを書く事になり、親しい友人らと図書室で資料を探していた。
そこで彼女は、兵士の駒が入った、不思議な本を見つける。
興味本位で駒を動かしてみると、文字が変化し、真っ白な光が現れ、意識を失ってしまう。
目が覚めると、そこは見知らぬ山中だった。
携帯も通じない場所に戸惑う花だったが、「孔明」と名乗る男が、自分の使いだと言って、「玄徳」と言う男に、自分の不在を伝えるようにと告げられる。
何が何だか分からないまま、その通りにした花は、そのまま玄徳たちの軍に向かう事になる。
そして、「孔明の弟子なら」ということで、軍師として扱われる事に。
「三国志」とよく似た世界で、花は、戦国渦中に巻き込まれる事になるが……。



ありそうでまだなかった、「三国志」の世界を舞台にした、乙女ゲーです。
ギャルゲーではあるので(武将はすべて女になってますが)、乙女ゲーにもようやく来たな、と言う感じですね!
(これで、BLゲで三国志ものが出たら言うことないのですが……どこか作ってください)
主人公の花ちゃんは、普通の女子高生。
ゲーム盤のような、三国志の本を見ている内に、本の世界へと入って行ってしまいます。
この辺の設定は、漫画「ふしぎ遊戯」(中華風な本の中に入ってしまう少女漫画)や、映画の「ジュマンジ」(ゲーム盤の目にある事が本当に起きてしまうSF映画)のような感じですね。
「三国志」は中国での史実をもとに書かれた有名な歴史物語なので、知ってる方はよく知ってますが、知らない方には馴染みのない物語(って、当たり前だ)なので、やはりプレイヤーキャラは、同じ時代の少女ではなく、現代女子高生の方が入りやすいんでしょうね。
花ちゃんは実際、今回のレポートで調べるまでは、三国志についてはどうも、名前くらいしか知らない、という知識のようです。
なので、プレイヤーも、三国志の知識は特になくても、問題なく楽しめますよ!
ですが、映画の「レッドクリフ」とか、何かちょっとでも三国志物を見ていると、この出来事はあれか、と言う風にわかるので、より楽しめると思います。
攻略できる三国志の英雄たちも、乙女ゲーのヒーローらしくアレンジされていますので、このキャラがこんな風にキャラ造形されてる!とかいう風にも楽しめるのではないかと。
個人的には、子龍、仲謀、孟徳あたりのキャラ造詣が面白かったですね。
ちなみに、私の三国志イメージは、横山版「三国志」漫画です(笑)

HDDの空き容量が6Gも必要で、DVDディスク2枚組、という乙女ゲーとしては容量の大きなゲームですので、インストール前にはパソコンの空き容量のチェックをお忘れなく。
ディスクレスプレイは不可です。
起動時にのみ、ディスクを必要とされるので、ゲーム開始後は、ディスクを抜いても大丈夫です。
アドベンチャーゲームとして必要な機能は一通り揃っており、快適にプレイができました。
クイックセーブ&ロードの他に、「ひとつ前の選択肢に戻る」があるので、間違えてもやり直しがすぐにできて便利です。
好きなボイスを保存できる機能もあります。
エクストラには、CG鑑賞、シーン鑑賞、音楽鑑賞、ムービー鑑賞(OPムービー、キャラ別のエンドロールムービー)があります。
ただし、エンドリストはありません……。
シーン鑑賞は、キャラ別にはなっているのですが、ノーマルルートに関するシーンは回収してくれないのが残念でした。
ノーマルルート用に、キャラ別に「花ちゃん(主人公)」の枠を作って欲しかったですね。

プレイ時間は、最初の1周目(玄徳エンド)にかかった時間が、メインキャラのボイスはちゃんと聴いて、サブキャラボイスはちょこちょこ飛ばしつつ、文字送りはノーウェイトで読んで、6時間半ほどでした。
2周目以降は、大将格の孟徳、仲謀が3〜4時間ほど、各軍の部下が、2時間前後ほどでした。
隠しキャラ合わせて攻略キャラ全10名+ノーマルエンドを見て、フルコンプするまでにかかった時間は、約29時間ほどでした。
ボイスは、主人公の花ちゃん以外、サブキャラに至るまでフルボイスです。
メインキャラは、乙女ゲーではおなじみの声優さんばかりなので、声目当ての方はもちろん、そうでなくても、安心してプレイできる顔ぶれでした。
ちなみに、パッケージの説明によると、サブキャラは280名以上いるらしいです。
そんなにいたのか!
名前のあるサブキャラだけじゃなく、武将1とか兵士1とか町民1とか入れると、確かにかなりのキャラが出ていた気がします。
ちなみに、メインの攻略キャラと、そこそこ出番の多い名前のあるサブキャラには立ち絵と、メッセージ枠横の顔グラフィックが、主人公とその他大勢のサブキャラ達には、メッセージ枠横の顔グラフィックがあります。
主人公の顔グラフィックは、設定で消す事も出来ますが、私は表示させたままプレイしました。
結構、細かく顔差分が作られているので、主人公の表情変化も楽しんでプレイしました。
CG枚数は、差分抜きで、全部で130枚。
1枚はパッケージ絵で、もう1枚はフルコンプ絵です。
1キャラにつき、多少のばらつきはありますが、11〜12枚くらいでした。
キャラによって極端に差がないのがいいですね。
どの攻略キャラにも、必ずキススチルがあるのが嬉しかったです!
が、キャラによっては、構図の関係ではっきり見えないものもあったり……。
特に孟徳と子龍。
ちゃんと見せて!と思いました……よね!?

内容は、先に書いたように、ズバリ「三国志」で、有名なシーンをチョイスしてあります。
知ってる方はニヤリと出来るシーンばかりですよ!
とはいえ、知らない方でもちゃんと楽しめる展開で、地名や人物名などは、用語辞典で説明をチェックする事も出来ます。
さり気なく親切だな〜と思ったのは、人物名に、必ず毎回ルビが入っていたこと。
1回だけだと、後に出てきた時、忘れちゃうんですよね……。
流石に攻略キャラは覚えますが、その攻略キャラ名にも毎回ルビが入っている親切仕様でした。

普通のストーリー展開の他に、このゲームの特色として「軍議」シーンがあります。
主人公の花ちゃんは軍師なので、策を披露しなきゃいけないわけですね。
その策は、選択肢で選ぶのですが、2周目以降、別のキャラを攻略する時も同じ軍議を繰り返さないといけない時があって、それがちょっと面倒でした。
軍議そのものをスキップ出来ればな〜と思いました。
攻略中のキャラが、軍議の質問の度に声をかけてくれるので、まるっと既読スキップ出来ないのも分かるのですが……。
ちなみに、この軍議は、タイトル画面でEASY MODEを選択すると、選択肢にあらかじめ正解アイコンが表示されるようになります。
私は当然(笑)、このEASY MODEを選択したのですが、正解アイコンの存在にしばらく気付いてなくて、正答を選ぶと鳴る音で判断してました……(^_^;)
好感度が左右される選択肢にも、正答を選ぶと音が鳴るようになっているので、攻略は比較的簡単だと思われます。
(って、私は思いっきり攻略サイト見ながらプレイしましたが……)

花ちゃんは最初は玄徳軍に所属し、玄徳軍の軍師としてスタートしますが、その後の展開によっては、他の軍に行くことも可能です。
(でなきゃ、キャラ攻略できませんからね・笑)
他の軍に行く(とどまる)展開も、無理なくスムースに進むので、違和感なく楽しめました。
プレイヤーキャラである、花ちゃんの性格も、自己主張が強すぎることなく、でも芯が強い事は伺わせる、好感のもてるキャラで、感情移入しやすい、可愛い主人公だったと思います。
どのキャラを攻略しても、とってもお似合いのカップルに見えました〜!
そしてどのキャラルートでも、「三国志」のストーリーを進めて行く中で、無理なく恋愛感情が芽生えていき、ラストで結ばれて行く流れになっていたので、お話としても、乙女ゲーとしても、大変楽しめました。
特に、後半では怒涛の展開になだれ込んでいき、盛り上がって、目が離せませんでした。
前半では、戦いが続く展開で、それほど糖度はないのかな……?
と、思いましたが、後半でおつりがくるくらい甘くなるので、結果的には問題なし!でした。


ボリュームもあって、「三国志」を知ってる方はもちろん、知らない方にも楽しめる、中華大河ラブロマンス乙女ゲームです。
文句なしの、お薦め作品ですよ!
どのキャラも甲乙つけがたくよかったのですが、特にお気に入りなのは、大将格の、玄徳、孟徳、仲謀でした。
後半の盛り上がりが、ドラマティックで本当によかったです〜vv



2011/2/22

Copyright (c) 2011 All rights reserved.