Close encounter―real blade―


chapter3-4a-2.Student Council Room


 すると、突然、真っ暗だった画面が切り替わった。
 部室ではなく、元いた生徒会室に戻っている。
 何だ、これ? どう言う事なんだ……!?
 戸惑う僕に、ハクは種明かしをした。

「5回。1回。2回。壁を叩いてみた」
「それだけ……!?」
「ああ。ふざけてるな。こんなの、謎解きでも何でもない」

『GAME CLEAR』 

 効果音が鳴ったので振り向いてみると、先程ナンプレを表示させていたパソコンのモニターに文字が表示されている。
 どうやら、これでこのイベントは終了らしい。

「振りだしに戻る、か。意味深だな」
「どこが。このイベントが手抜きなだけだよ。学校を作り上げるだけで、力尽きたんだろ」

 僕はわざと、ハクの意図から外した受け答えをした。
 クリアしても、結局、最初に戻っている、だって?
 そんなの、冗談じゃない……!! 
 進めたその分だけ、先に進む。
 そうじゃなきゃ、おかしいだろ?

「まあ、イベントはしょうもなかったが、お前と組めたのは悪くなかった。マコトに言ったら、泣いて悔しがるな」
「そんなの、わざわざ言わなくても……」
「もちろん。言うわけないだろう?」

 どこまで本気で、どこから冗談なのか。
 ハクだったら、全部冗談、って言うのもあるのか。
 逆に、全部本当だってことも……?
 よそう。深く考えるのは。

「そろそろ、時間だな」
「そうだね。あの……今日は、ありがとう」

 一応、イベントはクリアできだし。
 ナンプレなんかやった事なかったから、僕1人だったら、きっとお手上げだった。
 ハクは、表情アイコンを笑顔に切り替えた。

「どういたしまして。じゃあ、また……」


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