水晶振動子 (Xtal 1-a)

自己満足の ガラクタ 博物館  (0608)

【 何とも 珍しくない ガラクタたち! ラジオパーツに 留まらないのが 珍しい 】 

 

初期の水晶振動子 圧接電極(プレッシャマウント)型
初期の製品は各社バラバラの製品を作っていたように思います。
陶器のケースは今風のタイト、セラミックと云うより瀬戸物の感触なので敢えて陶器と表記しました。
(0606)(0810)

初期の製品は発信周波数がケースの機械的安定度*に左右されることを意識してか、 高価な特殊部品であったためか想像以上に強固な造りになっています。
また、真空管時代の製品は回路電流も多くすべてが大きく出来ています。
ここに展示したモノは電気的絶縁性が良く自由な形に作れる陶器で出来ています。 銘板中央に周波数微調整ネジ*が有ります。
【FT-164 480KC size58φ(84)X31】(上段-上)

上段-下 は同じ形式ですがケースはベークライト製です。 使用温度50℃となっていますので恒温槽に入れて使用したモノと思います。米海軍の刻印が押されています。
【GE-48 3198.75KC temp50℃ size58φ(83)X26】

下段 同じ形式で一回り小さい製品もあります。
49φ(64)X23
NAVY TYPE CG-40024A 2716KC
これも米海軍で使用されたモノでGEのマークが入っています。しかしGAROD RADIO contractorの文字が入ってますのでOEMと云うことになるのでしょう。(0810追記)

 

*周波数が機械的安定度に左右されることから電極の圧接力を調整して周波数の微調整をしたり、 これをさらに積極的に利用して周波数可変型とした製品も作られたことがあります。
【APPENDIX・関連記事参照】

44(65)X30 RCA
QC-12 4285.7KC
TEMP 50℃

円筒型ですが取付方法はラグ板でネジ止になっています。
ラグ板には突起が付いていますのでリード線を直接付けた可能性も有ります。
端子にはG,P,,の刻印があり真空管回路で使われたことを彷彿とさせます。(0810追記)

初期の製品は円形のカップに入れ上下から電極で挟んだ構造が多く見られます。

左から
MONITOR(USA) 1926KC size35φX16(28) 陶器ケース typeATとなっていますがATカットを意味するモノかは不明です。
KAAR ENGINEERING(USA) 8025.0KC(原発振1/3) size38φX21(38) ベークライトケース。
GROSS RADIO(USA) 466KC size48φX18(49) 陶器ケース
VALPEY CRYSTAL(USA) 93.11KC temp28℃ size45φx29(42) 金属キャップ型

右2ヶは RADIO A.G.D.S.LOEWE BERULIN 530.0KC size38φX35(54) ベークライトケース
メーカ不詳・ドイツで入手したもの  9.47MC size40φX31(55)ベークライトケース これは基本波でこの周波数を発振します。 正確な時代背景が不明ですが見かけより新しい製品と思われます。

これも円形カップです。メーカによって大きさはマチマチですがWWU前後のスタンダードだったようです。正確な製造時期は不明です。

左から
PREMIER CRYSTAL これは上の箱に入っていました。箱の造りを見ればとても高価なモノであったことが判ります。   TYPE 400 7245KC  40φX20(34) ベークライトケース
HIPOWER アメリカ人の好きそうな名前です。 CF-5 5000KC 34φX18(31)ベークライトケース
次の二つは
BILILEY MO-2 7975KC 34φX16(32)
      B5   7194KC 29φX12(28) どちらもベークライトケースです。

右側の大きいのもBLILEYですが
これは周波数、偏差、使用温度、電流、などを記入する欄が有りますがいずれも空欄です。
ひょっとして空ケースかと思いきやチャント水晶が入っていました。周波数は1858KC実測です。
FOR AMATEUR AND EXPERIMENTAL USE ONLY【アマチュア(局)実験(局)専用】記入があります。アメリカではこの様なケース(フォルダ)と水晶片(Xtalブランク)を別々に購入し周波数を合わせて(研磨して)使うことが常識的に行われたようです。蓋を取ると水晶は簡単に交換できる構造になっています。  (0810追記)

内部はこんな構造です。押さえ金などの形状などメーカによって違いますが圧接電極型の水晶発振子の構造は簡単です。
磨りガラス状のモノが水晶片で左カップの中央に置きます。そして右円盤を載せ押さえバネを被せ蓋をします。 蓋中央ののネジの締め方で周波数の微調整が出来ます。周波数465KC実測(表記ナシ)
初期の水晶振動子にはよく見られる“調整ネジ”ですが調整範囲は少なく発振回路側で調整した方が大きく変えられるように思います。
調整ネジという解釈が間違っている・単に安定位置に固定するためと理解すべきモノかも知れません。

このように開封するとゴミが入ったり水晶片が割れたりしてダメージを受けることがあります。
考え方を変えると調子悪い水晶は開封して中性洗剤などで綺麗に洗浄乾燥すれば初期の性能を取り戻すことも可能です。 いずれにしてもみだりに開封するべきモノではありません。

 

BLILEY  SMC-100

周波数の表記はありませんが実測値は100kHzです。
サイズは35X35X16突起物は含みません。
裏表同じモールドが使われています。

周波数表記がないのでブランク水晶を入れて使うケースでしょうか。
型番に 100 の文字がありますけれど周波数とは無関係と
考えるのが自然でしょう。