水晶振動子(Xtal 1-e)

自己満足の ガラクタ 博物館  (0608)

【 何とも 珍しくない ガラクタたち! ラジオパーツに 留まらないのが 珍しい 】 

戦中戦後の日本製品です。貧しい時代の製品で素材の悪さも目立ちます。

これらは三号(陸軍型)と呼ばれる戦中、戦後の製品です。左側、仕様が手書きのモノは戦中、右側4品は戦後の製品です。 型番は三号のまま戦後(昭和30年頃まで)に製造された製品もありますがD-1、D-2等新しい品番(右二品)の製品もあります。
上段3品と下段左 明電舎 三号 33X38X15
下段中央 金石舎 型式不明 33X38X14
下段右 日本電波工業 34(42)X38X15

旧軍用製品を一手に生産していた明電舎の三号には面白い表記があります。
旧字で読みにくいと思いますが開封しないこと、発振不良の場合軽打すること、等と書かれています。
実際にジャンク品などで発振不良の場合たたくと良くなることがありました。
しかし、ワイヤマウントの製品は電極剥離が起こり壊れてしまうモノがありますので厳禁です。 これは圧接電極の製品のみに通用することです。

海軍型と呼ばれる製品です。陸軍型が左右に電極があるのに対しこちらは上下に電極があります。 海軍で使われたモノにはノブのところに錨のマークが入っています。
この型式も終戦後にも作られていたようですが製造年月日の入ったモノが無いので定かではありません。

東京電波、TTK,三和通信工業など 44(59)X36X14(21)

海軍型で戦後の製品・存在は確信していたのですが製造日の入ったモノがありませんでした。

写真では判別困難と思いますが昭和26年12月と刻印が入っています。製品のケースも立派なモノになり英語表記もされています。
455kc スタンダード電機製作所

 

これも海軍型の亜流だと思いますが左下の製品は私がアマチュア無線局を開設した時落成検査に使用したモノです。 7080KCですが当時(1959年)はVFO(周波数可変発振器)だけでの開局は認められませんでした。
この水晶中央部にある周波数調整用のネジの調整範囲は1kHz程度です。 水晶の発振周波数が高めの場合は発振回路の調整で僅かながら周波数を下げることは可能です。 低すぎるモノを高くすることは困難です。

明電舎40X32X13(19) 型式不明
 7080KC(kHz),5895KC

こちらは中央部のネジはなくなり取り付け用のベースが付いています。

東京電波株式会社44(64)X36X16(32)
4800kc
6400kc


初期の日本製平型ケースの製品です。

左上下・明電舎
53(77)X46X19(29)
製造年月日はDAT.9.2.28記載されています。これは素直に昭和9年2月28日と理解するべきでしょうか。 欧米式の読み方をすると昭和28年の製品あるいは1928年(昭和3年)となりますがそのころの時代背景を考えると このような構造の製品は考えにくい思います。
昭和28年には明電舎ではMIL規格製品を製造しております。

右上下・山中電機です。
46(72)X36X18(22)
山中電機は戦前通信機や自作用通信機部品などを製造する大手メーカでしたが 戦後はラジオなどを作りその後東芝に吸収されたと聞いております。
このケースには発振水晶片と記載があるのですが周波数の表記はなくさらに水晶片が入っていません。
開封され紛失したモノと思っていたのですがネジ部分にも封印の跡が無 く別売されたブランク水晶用のケースかも知れないと思うに至っております。
当時はブランク水晶を購入し研磨して組上げるのは珍しいことではなかったようです。

明電舎の製品です。
(25X37X6)
年代は定かではありませんが戦中戦後間もない製品と思われます。当時としては非常に小型にできた製品です。