水晶振動子(Xtal 1-f)

自己満足の ガラクタ 博物館 (0608)

【 何とも 珍しくない ガラクタたち! ラジオパーツに 留まらないのが 珍しい 】 

戦後の日本製品です。 時代的な混乱があったのか同じ型番でも大きさなどその形状が違う製品があります。
私自身、この時代の製品は型番が2種併記されていたりして分類に窮して混乱しております。後日改めて整理したいと考えております。

JEWELと銘打った水晶発振子です。型番はありません。左の箱入りは昭和25年7月、右側は25年4月です。
内部の写真はひだりが1000KC、右は463KCでどちらも蒸着電極を使用していますが引き出し線は圧接しています。 右の製品に至っては糸で縛ってあり信頼性は低いと思われますが55年経過した今でも発振します。
金石舎 size  42(60)X30X15

T型
小型の発振子として長期にわたり作れた製品です。
左から
金石舎25年8月、同36年11月、NDK39年5月、同30年5月、TEW43年7月、明電舎50年11月恒温槽対応
周波数により線支持型、圧接電極型も作られています。
size 30(49)X24X12

E-1型
このタイプは同じ型番でいろいろな形状の製品が存在します。 E-1*と云うような枝番がついているわけでもなくこの写真のようなバリエーションがあります。 単純な外環の違いは良くあることですが大きさが違う、ピンの型式が違う等は水晶交換に重要な影響があると思います。
1950年から1960年台にかなり多く作られているようですがなぜ規格の統一化が出来なかったのか不思議なモデルです。 ピン間隔は5/8インチ(15.87mm)で金石舎のJEWELと同じで丸ピンの場合左右の太さが違います。 外形もほぼ同じでJEWELの発展系と考えられます。
いずれにしても戦後の一時期は型番はありながら全く統一の取れない時代だったようです。

E-3(K)型
E型より一回り大きくピン間隔も広い(18.54mm) 1950~1960頃の製品が多いです。
size  55(78)X38X17(メーカにより若干大きさが違う)

特E-3
E-3の型番の前に特の字を彫り込んで有ります。周波数は500KC。この周波数が“特”の理由らしいです。前の持ち主(元船舶関係)の話しでは遭難通信用の水晶だと云ってました。そのために特別に管理されていたと云うことです。
現在は電信専用のこの周波数は使われていないようです。
これはE-3でありながら丸ピン足です。

size 45(62)X39X17

K,K-2型
E-3型より若干小型、メーカによる外形の差はほとんどありません。
その他はE−3型に類似しています。
size  52(72)X35X18 若干薄型の製品ががあります。

国産Eシリーズのうち、E-2とE-4はほとんど見かけません。 

残念ながら E-2 モデルは私のコレクションにはありません。
科学博物館産業技術史資料情報センターのホームページ掲載されています。 参照下さい。

http://sts.kahaku.go.jp/
http://sts.kahaku.go.jp/sts/set_brws_01.php?id=1086
詳細の記述がないので大きさも不明です。

E-4は明電舎の1機種のみ収集しています。
これは米軍ジャンクの流入でもっともポピュラなFT-243を意識したモノと思います。しかし明電舎が水晶部門を撤退した今その素性は良くわかりません。
敢えてFT-243と並べてみました。
国内他社も FT-243 を手がけたメーカは多いのですが、明電舎ではFT-243ではなく国産の互換機種としてこの E-4 を作ったのかもしれません。
実は当時最大手と云われた明電舎ですが私のコレクションの中に 明電舎製のFT-243 は一つもありません。

FT-243の国産モデルと想像される
明電舎のE-4(上段)とFT-243(下段)

 

こちらはFT-243のページに掲出した記事 のコピーです。
参照下さい。

FT-243を模した E-4?

日本製・MEW明電舎のE-4です。実は写真にとってから気が付いたのですがよく見ると足のピン間隔が違います。 僅かですが広いのです。0.3〜0.5mm程度ですがこれを誤差と考えるか規格が違うと考えるか他社製品もないので今となってはまぼろしです。
当然ですがFT-243のソケットにも入ります。
M型同軸コネクタのように同じ名称で無理にミリ規格にして互換性のない製品もありました。
このE-4型は使用上の互換性はありますが明電舎以外には見たことがありません。

このE-4の場合よく見ると外観も若干大きくなってます。製造年は表記がありませんが(-)ネジが使用されていますので昭和40年以前の製品と思われます。
米国品崇拝の時代、トップメーカだった明電舎が意地とプライドを持って作った日本名を冠した規格だったと思いたいです。

FT-243に関するページはこちらです。