水晶振動子(Xtal 1-h)

自己満足の ガラクタ 博物館  (0608)

【 何とも 珍しくない ガラクタたち! ラジオパーツに 留まらないのが 珍しい 】 

 

基準用、放送局用として作られた水晶振動子です。 透明のアクリルケースはガラス管に対抗した画期的なケースだったと思います。 電子回路の省電力、小型化により使われなくなりました。(0608)

コマのような珍しい形です。
ベークライトモールドの丁寧な造りの製品です。

明昭電機株式会社製
50X21(55) 4000KC 75.0M
周波数と波長が表記されています。製造日は記載されていません。
推測ですが昭和初頭の製品と思われます。

明昭電機は明治28年吉村鉄之助創立の吉村商会の流れをくむ老舗で旧軍で使用されたYT式無線電話機を開発した会社です。東洋通信機、NECの係累です。
明昭電機の明は明治、昭は昭和、明治から昭和に続く会社。YTの名前は創立者のイニシャルでしょうか。私の生まれる前のことで知るよしもありません。
この社名を使ったのは昭和3年から13年間での10年間で現存するこのブランドの製品はきわめて少ないと思われます。

内部は簡潔でモールドベースに4本の足を立てガラスのスリーブを嵌めています。電極に水晶片を挟み薄い板バネを介し上下の電極に接続しています。

(0810追記)

この製品は製造年の記載もなく、メーカ名も書かれていません。もちろん銘板の脱落ではありません。蓄電器指度40度と書かれています。たまたま一緒に保管されていた部品に「NihonMusen」の文字が有りました。関連があるのでしょうか?部品に残されたビニールチューブや旧JISネジがが使用されていることを考えると昭和40年以前の製品と思われます。

銘板の付いたネジ蓋をはずすと大きな水晶片が現れます。私の所に来た時には電極も汚れ発振しない状態でしたが綺麗に掃除をしましたら見事復活しました。電極付近のラグ端子は私が測定用に付けたもので本来は外部に飛び出した接続用端子を使用します。(サイズ63φ・張り出し部83X48)

(0709追記)


A型 古賀Rカット式水晶振動子(ケースに記載)
世界に冠たる常温温度係数ゼロの古賀Rカットです。
水晶
振動子の周波数変動は温度に依るものが大きく 原石から切り出す角度によりその特性が決まることを解明した古賀逸策博士の方式により製作した製品です。 試験成績表にその温度係数が記入されています。
昭和17年当時の試験成績表と共に保存されていたことは大変貴重な資料と思います。
この中で箱書きは水晶振動子となっていますが現品並びに試験成績表は水晶発振子となっています。
この名称表記法は現在JISにより水晶振動子に統一されています。

1700KC
size 60φX22X41  MEW  明電舎
昭和17年(1942年)11月

*水晶振動子の名称表記についてこのサイトでは作者の個人的な好みで“水晶発振子”の表記も使用しています。

A型より一回り小型の製品です。

1000KC
size  50φX16(26)  MEW明電舎

A-1型 

870KC
size  60φX22(43)  NDK日本電波工業
昭和39年(1964)年12月

A 型

100KC
size 60φX22(39)  MEW明電舎

500KC

size 60φX24(43)  TEW 東京電波

B-2

ベークライトモールドケース。昭和20〜30年代前半に作られた製品です。 水晶片に蒸着された電極に針状の接触端子をバネで押さえたポイントコンタクト。
左4個 42φX45(60)
100KC(昭和25年6月)金石舎
100KC(昭和28年2月)金石舎
100KC          ARC
175KC(昭和32年1月)金石舎
右端 42φX34(49)
175KC(昭和24年1月)金石舎・型式名記載無し

F-1(左),F-2
上のB-2とほぼ同じ時期の製品です。構造的にもほとんど同じでその違いは透明のアクリルのケース入りです。透明ケースは内部の構造が見え左だけ構造が違うことが判ります。
左から 
47φX70(86) 60KC
(昭和32年6月) 金石舎ワイヤマウント
54φX51(66) 90KC
(昭和29年1月)金石舎ポイントコンタクト
54φX50(66) 100KC
(昭和28年5月) 金石舎ポイントコンタクト