水晶振動子(Xtal 1-i)

自己満足の ガラクタ 博物館  (0608)

【 何とも 珍しくない ガラクタたち! ラジオパーツに 留まらないのが 珍しい 】 

金属外装でも金属真空管ケース流れをくむ水晶たち。国産品は比較的少ない形式です。
品種が多様化して外環からの分類が難しくなりました。明らかに違うジャンルの製品があります。
気密ケースに入れることにより製造時の環境を維持できます。
ただしこの中には中央付近のバナナ足2種気密封止では無いと思われます。 その右側2本足の2種も確認できませんが気密封止ではないように見えます。

アメリカの軍用真空管では高耐久性を有するメタル管が大量に使われその技術は水晶振動子にも使われました。
このメタル管タイプはアメリカ製でほとんどが軍用品です。右の2種にある頭頂部の突起は何のためのモノでしょうか? 取り外しのための取っ手とも考えられますが確認できていません。
記憶の中では突起の長さが本体と同じ位長いのがあったと思うのですが手元には写真もありません。 その長い突起は温度による周波数変動をキャンセルするためと聞いたことがありますが定かではありません。 この2種の突起はそのような使い方がされたとも思えません。

左は(上段左と同じ)水晶メーカとして名門のBILIREY(USA)の製品です。 この足は6ピンです。驚くことではないのですが普通の8ピンUSソケットに入るのです。 つまり1,5,ピンが省略されているのです。このような製品は珍しいモノではありません。

自衛隊US8ピン。左から
M-4 100kc NDK
TS-174/U 1000KC TEW

左から
JSCR-211D 100KC 昭和31年1月 NDK
291-5954-00  100KC メーカ不詳

左から
15.025kHz 7ピンmt メーカ不詳
500KC 7ピンmt TEW 
*500KCは国際遭難通信周波数です。

左右とも
20.58000Kc 3pin ハンダ付け端子
28φX58
WESTERN ELECTRIC  GA-50875
左は金属外装塗装、右は金属外装にメッキ。
型番周波数共に同じですが
右側のみ53年7月のスタンプ有り。

左2種は記載されている文字からロシアの製品と思われます。
左 55kHz 3ピンバナナ足
中 φ690というのは690kHzを意味するモノでしょうか?発振させてみましたら690kHzでした。 1962年3月
右 1580kHz 1974年4月 特徴ある表記がないので不確定ですがこれもロシア製と思われます。

この項に入れるか迷ったのですが金属外装と云うことでここの分類としました。

左側  KRIS.Bv.U28 295.5KC 60-9 
28φX72 (pinを含まず) 富士通
製造年について1960年か昭和60年かは定かではありません。周波数のKC表示から推測すれば1960年と思われます。

右側  ネームプレート脱落 8kHz手書き
写真は上下同じモノをトップとボトムから撮っています。
右側 8kHz に付いてはネームプレートが脱落しています。しかし構造から見て同じメーカ 富士通 と推定します。

この二つの製品はサイズ的には全く同じで28φX72mmです。しかしよく見ると9pMTと7pMTの違いがあります。そしてそのベースは明らかに真空管ベースなのです。
つまりガラス管型のユニットを構造強化のため金属ケースに封入したモノと思います。このような構造は日本の製品として非常に珍しいモノです。
この構造的疑問からガラス管製品に分類するべきか迷ったのであります。
富士通の製品は一般流通がありませんのでその詳細は現在不明です。

富士通について
漢字表記で富士の文字を使っていますがその始まりは古河電気工業とジーメンス社(ドイツ)の合弁会社富士電機工業でした。
そのため製品にはドイツの技術を汲む流れが見られ興味深い製品があります。