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○事業の目的
 平成9年度に「地域資源調査事業」を実施し、その中から特産品開発についてはまず、「農山村らしいものを」ということで、様々な産品があげられた。良質の竹やメロン、ぶどう、柿を使ったもの、村で力を入れているハーブを使ったものなど、調査をすると、ない産品はないくらいに様々な資源があげられた。それこそ「なんでもとれる福栄村」という資源が新たに発見できた次第であった。
 そこで今回、「商工会等地域振興対策事業」(むらおこし事業)実施にあたって、これらの要望を踏まえて代表的なものや商品化可能なものに絞り込んで取り上げることになり、特産品開発では、メロン、ぶどう、柿を利用する商品や、ハーブ商品、そして竹をカラーとした商品の開発を考察することとなった。
 次に観光開発としては、有名な観光スポットはないが、穴場的でふれあい豊かなスポットは数多くあることから、周遊性のある観光マップの作成を検討することとなった。そして「福栄=しあわせ」のコンセプトをもった開発が求められてきた。
 福栄村の現状からわかるように、過疎化、高齢化が進行しつつある状況から、本事業より、商工業の振興をはじめ村内の活性化を目的とし、また村内で分散している貴重な人的資源を育てることを目的として取り組んでいく。

→村のキャッチフレーズ「人にとっておきの村」を目指す事業である。

○事業の実施計画
本事業の目的を達成するため、以下の事業を実施した。

(1)
地域内の小規模事業者に対する新たな事業機会の創出のための意識啓発及びコンセンサス作りに関する事業

@
講演会・懇談会の開催
本事業に関する地域内の意識啓発及びコンセンサス形成のための講演会・地区別懇談会を開催する。

A
パンフレット等の作成配布等
本事業についてのパンフレット等を作成し、関係機関及び中小企業者等に配布する等の方法により、地域内の意識啓発を行う。

(2)
地域内の特産品、未利用資源、伝統的技術を活用した新たな特産品開発のための事業

@
現状分析
地域内の特産品、未利用資源等の活用方法について、既存資料等による現状分析を行う

A
アイデア募集
地域住民から、新たな特産品の開発に関するアイデアを募集する。

B
市場調査
開発しようとする特産品の市場性の有無についての調査を行う。

C
試作品等の製作
@からBまでの結果等に基づき、地域内の特産品、未利用資源、伝統的技術等を活用した新たな特産品開発のための試作品の製作を行う。

D
技術・技能講習会の開催
開発した特産品の生産に関する技術・技能についての講習会を開催する。

(3)
観光客の誘致を図るための観光資源の開発に関する事業

@
現状分析
観光客の誘致策等の方法について、既存資料等による現状分析を行う。

A
アイデア募集
地域住民から、観光客の誘致を図るための観光資源の開発に関するアイデアを募集する。

B
観光ニーズ調査
観光客のニーズの変化に迅速に対応し、観光需要の増大を図るための調査を行う。

C
観光資源の開発
@からBまでの結果に基づき、地域内の観光資源を活用した具体的な観光客の誘致策の実施等により、新たな観光資源の開発を行う。

(4)
人材養成研修事業
本事業の実施に必要な地域コミュニティリーダーを地域内で発掘し、その能力を要請するための研修(先進地現地研修を含む)

(5)
地域内の産業おこしの成果の普及PR事業

@
事業成果の普及PRのためのポスター・パンフレット等の作成配布
開発した特産品及び観光資源等に関する地域PR用ポスター・パンフレット等を作成し、地域内外の関係機関等に配布する。

A
物産展等への出品
開発した特産品を物産展等へ出品する。

(6)
その他の事業
(1)〜(5)のほか、本事業を実施する上で必要な事業を行う。

○事業の遂行状況
○実施内容

7月 1日

事業の開始

7月31日

むらおこし事業実行委員会委員の委嘱(21名)

8月18日

第1回むらおこし事業実行委員会

8月24日

特産品開発小委員会、観光開発小委員会委員の委嘱(29名)

8月28日

地域活性化研究会出席

8月下旬

むらおこし事業PRのパンフレット作成、配布(広報等)

9月22日

第1回特産品開発小委員会

9月24日

第1回観光開発小委員会

9月29日

第2回特産品開発小委員会

   〃
第3回特産品開発小委員会

10月 5日

第4回特産品開発小委員会

10月13日

むらおこし講演会(講師:若松進一氏)

   〃
むらおこし事業全体報告会

10月16日〜
18日

中国5県むらおこし物産展参加

11月 1日

第5回特産品開発小委員会(ゼリーの試作)

9日〜10日

先進地現地研修会(広島県高宮町)

11月16日

特産品開発視察研修(益田市「ベルクノイネ」)

24日

第6回特産品開発小委員会

12月 4日

第2回特産品開発視察研修(ワイン作成)(山陽町「永山酒造」)

12月10日

第2回むらおこし事業実行委員会

12月15日

第1回特産品・観光開発合同小委員会

1月13日〜
14日

先進地合同視察研修(熊本県小国町、産山村、大分県湯布院町)

1月20日

特産品レベルアップ研究会(山口市)

1月21日

第2回特産品・観光開発合同小委員会

2月 9日〜
10日

地方中核都市における販売研修(福岡市中央区)

17日

第3回特産品・観光開発合同小委員会

18日

第3回特産品開発視察研修(長門市「深川養鶏農業協同組合」)

3月
第4回特産品・観光開発合同小委員会
第3回むらおこし事業実行委員会
        ↓
次年度の特産品等販路開拓支援事業へ

○むらおこし講演会
 「むらおこし=ひとづくり」をコンセプトに、村民の地域活性化に対する意識高揚を目的とした。

講師:
若松進一氏

役職:
愛媛県双海町役場地域振興課長、えひめ地域づくり研究会議代表運営委員

テーマ:
 「地域づくりの新しい風」〜夕日の町からのメッセージ〜

参加者:
30名


【講演内容】
自分の住んでいる町や村を語れないほど寂しいものはありません。
 愛媛県の双海町も典型的な過疎漁師町でした。そこで、双海町伊予灘にしずむ「夕日」に着目し、夕日をつかったまちおこしに取り組みました。夕焼けや夕日はどこに行ってもありますが、あえて「日本一のきれいな夕日がしずむまち」と銘打って様々なイベントをおこしました。
 「夕日は沈むのでイメージが悪い」という反対意見を覆し、「それならどこもやってないだろう」という反骨精神で臨みました。まず、JRと協力し、海の見えるプラットホームで日本フィルハーモニー率いる「夕焼けコンサート」を実施し、大成功をおさめました。その後、夕日をカラーに夕焼けの色した夕焼け味のソフトクリームを、夕日の見えるところで販売したところ、大ヒット。連動して、夕日の見える望遠鏡と題してちくわを売ったらこれも大当たりしました。
 「夕日」のカラー化が定着すると、行政も黙っておれず、400mの人工砂浜を作成し、「恋人岬」と称する突堤もつくり、またそれだけにとどまらず「夕日のミュージアム」まで建造したほどです。
なにげないどこでもある夕日から大きな波及効果を生み出しました。売り方や表現の仕方を変えて、カラーを統一することで成功した事例です。こうして自信をもって、自分の町を自慢できるむらおこしを考えていきたいものです。

事業を振り返って...

福栄村民より

 昨年度の「地域資源調査事業」の締めくくりで、「むらおこしは住民みんなで作っていくものである。そして『みんな幸せ福栄村』と呼べるよう頑張っていきたい。」と述べた。あのときは漠然としていたが、今回の事業で、よりその意味の重要性がわかってきたような気がする。最初は「むらおこし=ものづくり」の理念でとにかくなにかお土産品をという意識で取り組んでいた。最初は、「本当に試作品ができるのであろうか」「このまま案だけで終わってしまうのではなかろうか」という懸念の方が強かった。でも、この心配は私の独りよがりだったようだ。当初の予定では数回の委員会しか計画がなされていなかった。ところが、委員の熱心な取組み等により実に15回も会議の場を持つこととなった。回を重ねていくうちに、委員同士の連携も強化され、今まで消極的であったものも協力的になっていただき、新しいアイデアや知恵を出し合い、ものづくりと並行して「ひとづくり」が確立されていった。こんなひとづくりが確立していくのをみたとき「福栄村の人はみんな、福栄に対する思いこみが強いし考えてることは同じだな」と確信した。
 しかし、全国3,300の自治体やその他数多い企業が、どこも同じ様な地域おこしや特産品を開発している中で、にわかにふっとでてきた我々の事業が、それもしろうとの集まりが太刀打ちするのはまず不可能と言ってもよい。ほんの1、2年の事業では商品として、商売として成功するのは並大抵ではないだろう。実際、今回開発した商品は2番煎じのものばかりであり、企業のような斬新なものや先を見据えたものはできなかったのも事実である。これは、期間限定の商品完成結果主義の事業のあり方にも問題があるのかもしれないし、事実企業は、利益を追求してなんぼなので、我々のしていることは資本主義社会の中では「ままごと」的な意味あいが強かったかもしれない。しかし、むらおこしは売れる商品を作るばかりが能じゃないということを、委員会を重ねていく上で気づいてきた。商品を開発していく事は、ひとづくりが形成されていく一種の材料と理由付けにすぎない。「自分の住んでいるところを語れないほど寂しいものはない」と言われた講師があったように、「自分の村を語るのは人である」結局むらおこしは人の意識啓発がまず最優先されるのではないであろうか。そして、自分の村を語れるようになってはじめて「むらおこし」といえるような気がする。
 むらおこしでは、とにかく温泉保養施設とかの「ハード」に頼る面が強い。そういったところは、ソフトである「人の意識、やる気」がついて行かない限り下降線をたどっていくばかりのような気がする。いろんな人の意識が一緒になり、連携を高めた上で、様々な事業を興すことは、「参加している」という意欲もかきたてられ、自分たちの手作りのむらおこしができる。そういった土台さえ完成していたら、何もおそれることなく何でもできるような気がする。
 事業の目的は「過疎化対策」「地域振興対策」などうたっているが、むらおこしをすぐに「地域活性化」ととらえることにも疑問が残る。無理して人口を増やしても、よそ者が入って生活圏が乱れる恐れもあるし、若者をもっと入れろということがよく言われるが、老人が多いことをマイナスの要素としてとらえるところも大きな疑問が残る。むらおこしの本当の必要性とはなんであろうか。老若男女を問わず、まずその地域の人たちの土台づくりではないであろうか。 

ほんとうにこれから求められるものというのは、他がやってないもので、安全でリサイクル可能な「環境にやさしい」商品であることは間違いない。このような「5年後10年後を見据えた商品開発」をするのが本当の商品開発であろう。そして、開発をする以上は、必ず商圏やターゲットを前提としたものでないと、「ただ試作を作っただけ」になってしまう。このような事業でありがちな、3年か5年位で息途絶える商品づくりは決して企業では通用しないので、その意味においても、補助金である以上、1円も無駄にすることのないよう継続していくのは絶対である。2番煎じではあったが、全く村内にはなかったお土産品がみんなの力により完成したことは評価したい。焦ることはない、まだスタート段階である。この開発された商品を決して無駄にすることのないよう、ひとづくりにおいてもむらづくりにおいても、みなで連携し、来年度以降応用出来るようににつなげていきたい。
 そして「さらに幸せ福栄村」とみんなで呼べるように頑張っていく所存である。



○開発商品
1. ふくふくゼリー
福栄村でとれるメロン、柿、ぶどうの果肉をふんだんに使った無添加のゼリー。

2. ハーブソーセージ
福栄村でとれるハーブと、地鶏を使った健康的な製品。
商品名「香福鶏」(こうふくどり)

3. ぶどうワイン
福栄村平原台でとれるぶどう(ベリーA)を材料に熟成したワイン。
商品名「しあわせのワイン)

4. チーズケーキ
有精卵100%使用の無添加チーズケーキ
商品名「しあわせのチーズケーキ」

5. 鍋山
福栄村にある山口県百名山のひとつ「鍋山」。その形をお菓子ににたもの。

6. 観光マップ
福栄村に点在する「赤看板」を地図に落としたもの。
「福栄村赤看板周遊マップ」

7. 福みくじ
「福」のついたみくじつきのしおり。