点字図書館だより (2013年5月、第250号)


1.「新年度によせて」


                        福島県点字図書館長 中村 雅彦
 東日本大震災から2年が過ぎました。点字図書館でも、貸出数や図書製作数を震災前の数字に戻そうと頑張り、ようやく元の状態に戻ってまいりました。点字図書館長として3年目に入りますが、これからの点字図書館の役割についてお知らせしたいと思います。
 点字図書館では、デイジー図書の貸出数が大きな割合を占めています。また、点字図書の減少にも歯止めがかかり、少しずつ増えてきました。一方、テープ図書は大きく減少してきています。そして最近は、インターネットのオンラインサービスで、図書データを直接ダウンロードする人が増えてきました。
 今後は、パソコンやプレクストークリンクポケットなどの機器による利用がますます増えると思われることから、当館でも操作体験会などの事業を進めていきたいと考えています。
 点字図書館には、図書の貸出、製作とともにもう一つ大切な仕事があります。それは、図書の製作を担当する奉仕員の養成です。毎年、点訳奉仕員や音訳奉仕員を目指す方々が、1〜2年の研修を経て図書の製作を担当するようになるわけですが、まだまだ足りないのが現状です。製作数を増やすためには、奉仕員の養成に努めるとともに、協力をお願いしたいと思っております。
 今年度の点字図書館は、「知って得する・聞いて楽しい点字図書館とつながろう」をテーマに、利用者のみなさんには、自分の世界を広げ、人生の楽しさを倍増してほしいと思います。さらに、まだまだ点字図書館のことを知らない人がいますので、読者の皆さんからも周囲の人に教えていただきたいと願っております。


2.移動点字図書館を伊達市で開催します

6月30日(日)、保原中央公民館(伊達市保原町)において「移動点字図書館」を開催します。
費用は無料で、どなたでも参加できます。
お誘い合わせの上、ぜひご来場ください。
(1) 時 間 午前10時00分〜午後3時
(2) 内 容
  @ 福祉機器・用具の展示・体験 
  A 音声読み上げパソコンなどの紹介
  B デイジー図書再生機の講習会 
  C 点字・録音図書の展示、利用登録の受付


3.カセットテープ図書の新刊製作について

 長らくカセットテープによる録音図書を製作提供してきましたが、録音機材・資材などの生産終了による枯渇化や、デイジー図書の利用が進んだことから、平成26年3月末日を目安に、当館における新刊のカセットテープの録音図書と雑誌の製作を行わない方向で検討をしています。
 ただし、既存のカセットテープ図書については、引き続き貸し出しをします。
 デイジー図書を利用できない方については、当館職員が随時プレクストークの操作を指導し、機器についても無料で貸出をしますので当館にご連絡ください。


◆県点字図書館  電話 024(531)4950


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