*エンディング(親白)*




妙に生活感漂うテント内をバックに立つ白鳳さんは、どこから見ても盗賊団の新妻、いや姐さんにしか見えまてん(笑)。総評で述べた通り、親白の進展自体は喜ばしいけれど、おやびんから押し倒す展開には、どうしても違和感が拭えなかったなあ(押し倒されたとき、びっくりしてる白鳳さんは可愛かった)。せっかく(?)ノン気なんだから、白鳳さんに本気で惚れてなお、自分からは手出しできず、うじうじ悩み続けて欲しかったっ。へたれっぷりに業を煮やした、白鳳さんのお色気作戦に陥落し、初めてオトコの力を発揮するものの、翌日、我に返って死ぬほど後悔が基本でしゅ(マニア杉)。まあ、あくまで脇カプなので、ふたりの関係を段階を踏んで描写するのは無理だし、えろなしでは18禁の意味がないから、こういう早い流れになるのは仕方ないのですが。今回の親白、巷ではらぶらぶの声もかなり聞かれます。でも、白鳳さんにフツーのらぶらぶって似合わないですよねえ(をい)。生来の真性××者が浮気ひとつせず、誰かの貞淑なパートナーに落ち着くなんて、到底想像出来ません。だから、白鳳さんが将来おやびんとカップルになったとしても、盗賊団メンバーを顎で使い、愛人の2.3人(もっと多くても可)も作って、夜遊び朝帰りは当たり前と、日々を果てしなく謳歌して欲しいです。ええ、おやびんはどこまでも不憫な人生で(鬼)♪


ちなみに、筋金入りのへたれ攻愛好家たるワタシとしては、まず白鳳さんが先におやびんに惚れるのが理想です(聞いてない)。白鳳さんの強引なアタックに、辟易していたはずのおやびんですが、根っからお人好しの上、意外に押しに弱いところもあって、我知らず徐々にほだされて行きます。おやびんの軟化した心につけ込んだ白鳳さんは、いつのまにかテントに押し掛け、ナタブーム盗賊団の主として君臨することに。気が付くと、悪魔に居座られていたというカンジで、無論、おやびんの意思は1%も(0.00001%くらいはあるかも^^;;)反映されていまてん(ポイント・笑)。どうあがいたところで、口でも腕っ節でも××でも、白鳳さんとの力関係は覆せないのです。もっとも、流された結果の割には、おやびんも料理&床上手の美人妻(は)に満更でもありません。が、ふとした時、己の人生に疑問と後悔を覚えずにはいられないのでしゅ(;;)。・・・・自分で書いてても、本当に酷いのう。だけど、こんな親白にマジ萌え〜(病気)vミニSSはアダルトオフの親白妄想EDを(≧∇≦) 。


「とっとと出てけ!」
「はいはい、それでは」
「きゅるり〜」
アックスの指示に白鳳は逆らいもせず、意外なほどあっさりテントを立ち去った。テントを彩る大輪の花が消え、殊更、殺風景に感じられる空間に、アックスは無言で佇んでいた。忌々しい邪魔者を追い払って、清々しているはずなのに、胸の奥に鉛の塊でも引っ掛かったごとく、気持ちが晴れない。複雑な経緯はあれど、白鳳が自分を2度も助け、甲斐甲斐しく看病してくれたのは確かだ。加えて、真性××野郎にはそぐわない、秘めた事情も否応なしに知る結果となった。正直、アックスの中の白鳳像は大きく揺らいでいた。性悪な悪魔か、弟思いの天使か。こうなったら、己の目でとことん本来の姿を見極めたい。なのに、陽炎にも似た儚げなシルエットは、何処へともなく飛び立とうとしている。アックスは激しい焦燥感を覚えずにはいられなかった。ここで去られたら、次はどこで出会うのか。それとももう会わないのか。再び邂逅するまでの間、溜め込んだ苛立ちをずっと抱え続けなくてはならないのか。冗談じゃない。ここまで考えが至ると、身体の方が先に動き、アックスは瞬時にテントから駆け出していた。遠目にも鮮やかな銀と紅のコントラストが見える。が、悲しいかな、この先の算段が浮かばなかった。自ら追い出した手前、待ってくれと引き止めるのは躊躇われるが、放っておけば森の中へ溶け込んでしまう。プライドと情の狭間で、アックスはしばし葛藤していたが、やはり白鳳を逃したくなかったのか、反射的に背後から華奢な肢体を抱きかかえた。意識しない行動だっただけに、気も察知出来ず、いきなり太い腕に押さえ込まれ、白鳳は驚愕した。
「わっ」
「きゅるり〜」
なまじ腕っ節が強いと、対応も過激だ。白鳳は曲者の鳩尾を狙い、容赦なく肘鉄をかました。
「ぐあっ」
急所を的確に突かれ、アックスは硬直し、絡めた腕が緩む。聞き覚えのある声に、素早く振り返った真紅の双眸へ、褐色の大男がくっきり映った。
「あれっ、親分さん」
「げぼっ・・・な、何しやがるっ」
「ああ、びっくりしたぁ」
苦しげに咳き込むアックスに詫びひとつ入れず、白鳳は瞳を見開いて、胸元で手を合わせている。アックスの直接的なスキンシップは、まるっきり想定外だったに違いない。今まで、思惑通り弄んで来た相手から、イレギュラーな行為をされ、必要以上に困惑したようだ。
「んの野郎っ、ちっとは済まなそうにしねえかっ!!」
「だって、親分さんがあんまり大胆なことをするからv」
「ぐっ」
なぜこんな無謀な行動に出たのか、アックス自身も理解できなかったが、××野郎に毒されたとは、間違っても認めたくないし、400%あり得ない。未だ、細腰のあたりへ中途半端に伸ばされた手を、大慌てで引っ込めたアックスだったが、ふと左手の指がベルトを掠め、挟まっていた小さな麻袋が落ちた。
「あっ」
「きゅるり〜」
ばらばらと撒き散らされた中身に、月明かりが降り注ぐ。それが特大プリンをこしらえた、残りのプリリン豆だと、アックスはすぐ気付いた。
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
凄まじい形相で睨み付けられ、白鳳が上目遣いで悪戯っぽく微笑む。見つめ合うふたりの間に、気まずい沈黙が流れたが、それを破ったのは、アックスの大音声だった。
「こりゃあ、いったい何だ、ええっ!?」
「プリリン豆ですけど」
あっけらかんと答えられ、アックスの怒声がいっそう高くなる。
「うちのテントに置いてあったブツを、どうしててめえが持ってやがるんだっ!!」
「看病のお礼&行きがけの駄賃に決まってるでしょう。引く手あまたの私が貴重な時間を割いて、献身的に看病してあげたんですから、このくらい貢ぐのは当然ですよ。にしても、曲がりなりにも盗賊団のアジトを名乗る以上、もっと金目のモノがあると思ったのにねえ」
「きゅるり〜。。」
兄の図々しい言い種に呆れ果て、うなだれたまま顔を逸らすスイ。アックスもすでに先程までの心の葛藤を激しく後悔していた。やっぱりこいつは性根の腐った悪魔だ。金輪際、関わらないのが一番なのだ。分かっているくせに、時折、垣間見せる憂いと可愛さに惑わされ、翻弄される自分の愚かさには、ほとほと愛想が尽きる。だけど、今日こそ腐れ縁をきっぱり断ち切らなければ。
「ふざけんなっ!!寄りによって、盗人の上前はねるたあ、もう勘弁なんねえ!!!!!」
「おお、恐い」
いきり立ち、鉈を振り回して襲いかかるアックスを難なくかわすと、白鳳は喉の奥でくくと笑った。
「う・・・・く、そぉっ・・・!」
余裕綽々の相手に苛立ちつつも、アックスは鉈を握り直し、体勢を立て直そうとした。ところが、ケガの治りきってない身が災いして、足元がふらつき、ぐらりとよろめいた。
「親分さん、危な・・・わっ」
「うおっ?」
「きゅるり〜」
巨体を支えきれなくなったアックスは、双腕を差し伸べた白鳳も巻き込み、ふたりは折り重なって地べたに倒れた。チャイナ服の肩先から、スイがころころ転がっていく。
「ぎゃっ」
ちょうど押し倒される形となり、白鳳はついフローズン仕込みの護身術を繰り出していた。完璧にマスターしているがゆえに、意識せずとも技が決まってしまう。白鳳のすんなり伸びた脚は運悪く、寸分違わぬ角度でアックスの股間の急所へヒットした。



「・・・・っ・・・・」
衝撃と激痛で叫び声すら出ない。無理もない。完調にほど遠い状態で、イチモツに痛打を受けたのだ。
「いっけない」
「て、てめっ・・・・・」
腹の底からこれだけ絞り出すのが精一杯で、続けて出るのは冷や汗ばかり。前屈みにうずくまったまま、股間を押さえて呻くアックスに、白鳳が膝立ちでにじり寄ってきた。心なしか笑いを堪えている風に見えるのが、実に憎たらしい。
「平気ですか」
「平気なわけねえだろがっ」
我慢できずに、噛み殺す様が目に入り、アックスはますます不機嫌になった。
「まあ、不幸な事故だと思って諦めて下さいね」
「ぐぬぬ。。」
「そもそも、親分さんが転倒して驚かせるから悪いんですよ」
「きゅるり〜」
「こ、こいつ・・・・・」
これっぽちも反省の色がないのみならず、知らぬ間にアックスの落ち度になっている。もはや反論する気力も失せ、アックスはがっくり肩を落とした。相手の落胆など全くお構いなしで、アックスの傍らまでやって来た白鳳は、スイを定位置に乗せながら、ウキウキと声をかけた。
「なら、痛みが治まるよう、丹念にマッサージしてあげましょうv」
「うわわっ、妙なところに手を伸ばすんじゃねえっっ!!」
妖しい触手を思わせる指先が、さわさわとジーンズの膨らみを這い回る。なんとか身を引こうとしたが、傷と股間の痛みで身体が自由に動かない。艶めかしい紅唇の両端が、くいっと意地悪く釣り上がった。
「ほらほら、遠慮しないで」
「あっち行きやがれっ、この腐れ××野郎っ!!」
渾身の力を振り絞って、アックスはようやく白鳳の胸元を突き飛ばした。
「ふんだ、人がせっかく心配してあげたのにっ」
膨れっ面ですっくと立ち上がるやいなや、白鳳はアックス目掛け、青緑色に輝くモノを投げつけた。
「いてっ」
ドレッドの脳天にぶつかり、足元に落下した落ちた物体を、アックスは乱暴に拾い上げた。どうやら木の根っこの一部らしい。
「こりゃあ・・・癒しの根じゃねえか」
結局、入手は叶わなかったが、大好きな親分の怪我を治すべく、ダンジョンで子分たちが悪戦苦闘した事実は、すでに報告を受けていた。
「危うく渡すのを忘れるところでした。私の傷を癒そうと、神風たちが採ってきてくれた貴重品ですけど、余ったので特別に恵んであげますよ」
「きゅるり〜」
口調こそ偉そうだが、真摯な面持ちからは、アックスの身を案じる心情が伝わってくる。吸い込まれそうな緋の眼差しに、アックスは一瞬魅了されかけた。が、即座に我に返り、拳を握り締めた。こんな風にほだされて、いつも痛い目に遇うのだ。2度と同じ過ちは繰り返すものか。
「冗談じゃねえ!!おめえにこれ以上借りを作ってたまるもんかっ」
初対面以降のあれこれを引っくるめれば、どう贔屓目に判定しても、アックスが白鳳に借りがあるとは思えないのだが、アックスはどこまでも”いい人”だった。白鳳も内心では薄々承知しているのか、艶やかな笑みを振りまきつつ、おっとり言いかけた。
「そうは行きません」
「何ぃ」
「貸しを作っておかないと、貴方から会いに来る理由がなくなってしまうじゃないですか。それじゃつまらないんですよ」
「へ」
相手の意図が飲み込めず、アックスは気の抜けた声を漏らした。白鳳は唐突に逞しい体躯にしなだれかかると、耳元で優しく囁いた。
「義理堅い貴方らしく、借りを返すため、どこまでも追い掛けて来て下さいね」
「ば、バカ言うんじゃねえっ」
怒号も心なしか勢いを欠き、あたふたと後退るアックスの唇へ、白鳳は触れるだけのキスをした。間髪を容れず、ふんわり身を翻す紅いチャイナ服。
「ではまたv」
「きゅるり〜」
「だ、誰がてめえなんぞ追い掛けるかっ!!未来永劫、顔も見たくねえっ!!!!!」
言葉とは裏腹に、アックスは身動ぎもせず、白鳳の後ろ姿をいつまでも眺めている。冴えた月光の下、影を縫われたごとく、立ち尽くす褐色の巨体を後に、性悪猫はこっそりほくそえんだ。
「うっふっふ、見てる、見てる。ホントにお人好しで、分かり易いひとなんだから。私の聖母顔負けの看病に相当ぐらっと来てるのに加え、別れ際に押し倒さなかったことで、イメージアップは決定的。すでに親分さんの中で、私が気になる存在に昇格したのは確実だし、次に会ったときはひょっとしたら、おねだりもいけるかもね〜」
様々なタイプのオトコ相手に、伊達に場数を踏んでいない。アックスみたいなノン気の獲物には、強引に押すだけでなく、たまには引くのも効果的なのだ。真性××者の手練手管の前に、純情なアックスは手もなく転がされている。もっとも、単なるつまみ食いの相手を落とすため、本気で熱くなっている己を、白鳳自身もまだ自覚していないようだ。
「ま、あのオトコが身も心も陥落して、私の下僕になるのも時間の問題かな♪」
「きゅるり〜。。」
白鳳がアックスの心理状態を見切った上で、行動しているとは夢にも思わず、不完全燃焼な気持ちを持て余し、ひとり虚しく小石を蹴り上げるアックスだった。



  

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