*遺跡5*




腐女子の鑑、萌流さんが姿を消したと聞き、カナンとセレストはさっそくジェイキンラボへ向かいます。ラボでお店番をしていたのは、なんと幸福きゃんきゃんでした。ランス5Dの女の子モンスター紹介によれば、普通のきゃんきゃんは小学校高学年程度の知能で、幸福きゃんきゃんはそれに輪をかけておばかぴんだとか。確かに漢字まるっきり読めなかったしな〜(笑)。幸福きゃんきゃんの要領を得ない説明から、萌流さんは黒い服を着た大きい人&小さい人、更にDEATH夫と共にお出かけしたと判明しました。無論、大小ふたりはヘーゼルとグレートです。でも、どうしてDEATH夫が彼らに協力しているのかしらん、どきどき。・・・・聡明な皆様にはすぐ事情が飲み込めたことでしょう。しかし、あほんなワタシはころっけの存在をすっかり忘れ、”きゃ〜っ、DEATH夫たんが敵幹部にv””きっとはぐれ系でめっさ強いに違いない(><)”などと、マジでときめいてました。現実に目覚めるまでの数分間は、プレイ中、1・2を争う至福の時でした・・・・_| ̄|○


その頃、党本部では”DEATH夫”の正体を知って、萌流さんが愕然としていました。ヘーゼル&グレートに、乙女の萌え心を踏みにじられてしまった萌流さん。だけど、”真実の愛 BY DEATH夫たん”へのワタシの期待は、明らかに萌流さんを超えてたさ(むしろ恥)。遺跡3の神風のときみたいに、胸つぶれる思いで席を離れ、深呼吸3回もしたのに〜!!DEATH夫がころっけに戻った瞬間、落胆のあまり茫然自失しましたとも、うわ〜ん(TT)。まあ、萌流さんが後できっちり落とし前を付けてくれたから、溜飲が下がったけど。それにしても、よそ者のバカ兄弟にまで伝わっているなんて、萌流さんの特殊な嗜好はヒライナガオ内でもさぞ有名なんでしょう。なにしろ、”パパ””ちーパパ”と耳にしただけで、囚われの身もなんのその、早々と禁断の妄想を膨らませていますからねえ(笑)。今回、白鳳さんが精彩を欠いた分、萌流たんの胡散臭さ、逞しさが一層光り輝いてましゅ♪


きゃんきゃん党本部を求め、探索を始めたカナンさま一行は、途中でまたもや白鳳さんと出会います。男の子モンスターに囲まれて、満面に笑みを浮かべる白鳳さんは、まさに幸せの絶頂。ユニットの顔も心底嬉しげで可愛ゆいです。もちろん、速攻で保存しました(をい)vヘルムトさんがやや呆れながら、相変わらずと言ったところを見ると、やはり5年前のパーティーで仲間襲いまくりだったに違いありまてん(願)!!ここに限らず、画面保存機能は本当に重宝しました。イベントCG以外にも欲望の赴くまま、次々とステキ画像をゲットしたですよん。DEATH夫たんの読心・きのこ・眼鏡とか(敵味方時共)、DEATHフロツーショ戦闘画面とか、白鳳さん戦闘時の台詞とか、そりゃもういろいろ・・・(*^。^*)vだけど、DEATH夫たんの読心時のモノローグが変わってて大ショック(号泣)。”お前はもう死んでいる”って、北○の拳じゃないんだから。ラックさまへの健気な忠誠心が滲み出ている前のが良かったんだよう・゜・(つД`)・゜・。


カナンさまの機知で通せんぼハニーをどかし、きゃんきゃん党本部はもう目の前。そこで主従が見たものは、男の子モンスターる壺でした。一足先に来た白鳳さんがお酒を飲ませたせいで、る壺からフローズンやハミングが召還され、初めて白鳳さんの戦闘シーンが拝めます♪華麗な鞭捌きはともかく、ハートマーク乱舞のはしゃぎ顔に加え、”えいやっ”とか”わ〜い”とか叫んでるんですが(笑)。どう贔屓目に見ても、25のオトコの反応とは思えまてん。読心がないのが実に惜しまれます(悔)。ところが、次に召還されたモンスターが目に入るやいなや、白鳳さんの顔色が一変します。どうやら、この”ノーベル学者さん”は白鳳・スイ兄弟の過去に少なからぬ関わりがあるようです。かつて3超神のひとり、プランナーと謁見した白鳳さんは、父親に瓜二つだった”学者さん”の存在を撤回してくれと願いました。しかし、”学者さん”は消えたものの、父の雛形は色違いのレアモンスターとして残っていたのです。ノーベル学者さんを父親だと思ったスイは彼の元へ行き、連れ去られてしまいました。話は一気にシリアス路線となり、お気楽な白鳳さんはもうどこにもいません(;;)。でも、白鳳さんはいったいどんな経緯で、世界の秘密の一端(プランナーの居場所まで)を知ったのでしょう。学者さんのビジュアルから察するに、白鳳さんは父親と一緒に、先代のエンブリオに会ったのかなあ?


ノーベル学者さんの行方を突きとめるためにも、まずは萌流さんを救助しなければ。カナンたちがきゃんきゃん党本部を覗き込むと、萌流さんはヘーゼルにゴールデン捕獲ロープときび太郎印のももだんごを要求しています。ヘーゼルが去った後、萌流さんと接触しますが、彼女の脱出計画に本当に必要なのは後者だそうです。ノーベル学者さんについて尋ねたところ、”幻のモンスター”学者さんのことや、る壺の座標についてなど、様々な情報を提供してくれました。日頃は怪しい××妄想に夢中でも、さすがはプロ。実に知識豊富です。あるいは、不純な欲望を叶えるため、研鑽を積んだのかもしれません。そう、趣味と実益のため、男の子モンスターハンターをしている誰かさんのように(笑)。萌流さんに頼まれて、ももの実を採りに行った主従は、いきなりナタブーム盗賊団に襲撃されました。何でもセレストを白鳳さんとの取引材料にしたいとか。まあ、セレストもくじら毒の借り云々で、おやびんを当てにしたからお互いさまかな(;^^)ヘ..。双方しばし睨み合ううち、突如現れたノーベル学者さんが、”興味深い生物”子分ちゃんのひとりを連れ去りました。彼を追跡中だった白鳳さんはうし使いを呼んだものの、子分を放っておけないおやびんに、無理やり3人乗りへ持ち込まれます。カナン一行とバンダナ軍団を残し、うしは遥かダンジョンの奥へと駆け去るのでした。イベントCGではないですが、白鳳さんの手を捕まえたおやびんの図はか〜な〜り萌え(保存済)vおやびんは白鳳さんの後ろに乗って、その細腰にしっかと掴まったのか、気になって堪りまてん(><)。ところで、学者さんの住みかは”ひみつ研究所”ですけど、他の男の子モンスターにもそれぞれ固有の住みかがあるのかしらん。たとえば、お医者さんは”診療所”で、フローズンは”かまくら”とか(相変わらず、本編と無関係なネタばっか^^;;)。


白鳳兄弟や盗賊団のことは気になりますが、取りあえずももだんごの材料を入手したカナン主従は、それを萌流さんに渡します。萌流さんのポッケに入ってた薬って、恐らくカレー審査のときの怪しい薬だよねえ。っていうことは、しつけられる男の子モンスターも一服盛られてる・・・ような。。きゃんきゃん党がだんごを食べたのを確認した後、ノーベル学者さんに詰め寄る白鳳さんとおやびんを発見します。非常時にもかかわらず、意地を張り合い、罵り愛につっ走るふたりに激しく萌え〜vそして、こんな肝心な場面で、なぜか男の子モンスターを参加させない白鳳さん。白鳳さんに一発も攻撃を当てられないおやびん(PS版1.5準拠・笑)より、オーディンや神風の方が間違いなく頼りになるのになあ(確信)。まあ、大事な従者を危険な目に遇わせたくない一心からでしょうけど。しかし、父の幻影を払拭出来ず、白鳳さんはおやびんを負傷させてしまいます。桜涯さんに迫る場面で、そこはかとなく感じたのですが、やはり白鳳さんってば重度のファザコンだったのね〜。だけど、へたれ攻愛好家のワタシには、あのCGが何度見ても、無鉄砲に攻撃したおやびんを、白鳳さんがかばった場面にしか思えまてん(><)!!本当は致命傷を負いかねなかったのに、白鳳さんが助けてあげたからあの程度のケガで済んだ・・・と(;^^)ヘ..


再び、きゃんきゃん党本部へ行くと、萌流さんの薬が威力を発揮して、内外共カナンさま曰く地獄絵図に(笑)。ヘーゼル・グレート・ころっけは、完全に萌流さんの奴隷になってます。バカ兄弟の虚ろな目が恐いです。一方、建物の前には男の子モンスター同士の”真実の愛”てんこ盛り。これらのカプも多少、投票結果が反映されているのかしらん?カナンさまには地獄でも、ワタシには極楽浄土。速攻で画像保存を済ませ、各カプの会話を何度も聞きまくりました( ̄^ ̄)。当然、DEATH夫たんの会話シーンは全て保存です(病気)。DEATH夫たん×ショタキラー、ワタシもお揃いっぽい帽子がめっさ気になってましたっ。さらに、DEATH夫たん×金魚使い、ぎゃ〜っ、レベ2最大の萌え台詞がっvv”お前は生きてもいい・・・”って、なんて可愛ゆいの、切ないの。ワタシの乙女心にぐっさり来ましたとも〜(><)!!・・・・ふふ、分かってましゅ・・・・どうせ世間の笑いどころさあ、ぐっすん(涙)。。でもでもん、いつも死ね死ね言ってる、殺すの大好きDEATH夫たんが、自分の役目に背いてまで、こんな感情を抱くなんて。ちょっと表現がぎこちないところが、精一杯の不器用な愛を感じさせて、ますます萌え〜vだって、この言葉を裏返せば、”お前は死なせたくない・・・”ですよう。ぜひ白鳳さんへ言って欲しいっ。いや、むしろ言わせたるわいっ(>冊<)!!←やめれ


萌流さんから正確な座標を教わったカナン一行は、おやびんと合流して、一路ひみつ研究所へ。たったひとりで乗り込んだ白鳳さんは、案の定傷だらけで捕えられ、両手を拘束されていました。思わず掴みかかるおやびんでしたが、容赦なく罵っているようでいて、その実、白鳳さんを力づけ、気持ちを軽くしてくれます。おやびんの後押しに加え、カナンとセレストの協力もあって、とうとうノーベル学者さんを捕獲出来ました。スイと子分も無事で、皆はほっと胸を撫で下ろします。けれども、白鳳さんが隠してきた裏事情のほとんどは、カナン・セレストのみならず、おやびんにまでバレる始末。個人的には、白鳳さんの過去は秘されていた方が良かったなあ。皆に同情されたり、気を遣われる立場になると、白鳳さんの奔放な魅力は半減してしまう気がします。てめえがそんな殊勝なタマかよって、おやびんも言ってたじゃないですか。展開が重過ぎたせいなのか、今回の白鳳さん、割とフツーの人でしたよねえ(え、フツーの基準がヘン?)。1でも意地張って強がって、必死で自分を支えてる部分はありましたが、本質的にはもっと強かでめげないひとだったと思います。罪の意識に苛まれるだけじゃなく、プランナーに対しては、怒り半分恨み半分の挑む気持ちでいて欲しい。魔王ギリを踊りの後継者に目論んだキタキタおやじのごとく(をい)、今度会ったら、押し倒して愛人にしてやるくらいの(”アリスのえほん”で見たプランナーは、本体こそアレですが、化身は金髪の美形でした)無謀な意気込みに溢れてこそ白鳳さんですわんv


総評で述べた通り、白鳳さんの過去の経緯は、正直う〜〜〜〜んでした。いかなる事情があろうと、罪もない男の子モンスターを絶滅させるきっかけを作ったのは明らかです。スイは本当に気の毒ですが、白鳳さんが重い罰を受けるのは、むしろ当然ではないでしょうか(プランナーもいけずだとは思いますが)。ワタシは生来のハッピーエンド主義なので、たとえお相手が誰であろうと、白鳳さんには揺るぎない幸福を掴んでもらいたいし、これまでの拙いSSもそのつもりで書いて来ました。しかし、失われた命が戻ってこない以上、将来、白鳳さんが手放しで幸せになる展開に、少なからぬ抵抗を覚えることは否めません。すでにオフィで発表されてしまった今、何を言っても詮ないけど、償う術もない原罪を背負うような過去は、マジ要らなかったのう(;;)。続編でなにがしかのフォローが入ればいいのですが。。それに私的には白鳳さんのお母さんにも、あまり同情出来ません(鬼)。幼な子ふたりを残したまま、夫に似たモンスターを追い掛け行方不明だなんて、母親としてあまりに無責任です。心底、夫を愛していたのなら、二人の間の息子たちを立派に育てるべきだし、旦那さんだってそれを望んでいたんじゃないかなあ。育ちのいいお嬢様で、心弱かったのかもしれませんが、白鳳さんとスイの成長を支えに、逞しく生き抜いて欲しかったです。で、いきなり話は戻りますが、ひみつ研究所でつながれてたのがおやびんだったら、今作最大最高の萌えシーン間違いなしでした(><)!!やっぱり、囚われの姫はおやびんじゃなきゃ(賛同者ゼロ)vもっとも、颯爽と助けに現れたはいいが、白鳳さんが期待する間もなく、無様に捕まるへなちょこおやびんも捨てがたいものがありますよね〜(同意を求めるな)vv・・・・というわけで、お得意の自給自足捏造でしゅ(;^^)ヘ..。


予定外のアックス登場に驚いたのは、ひとり白鳳だけではなかった。
「・・・・思わぬ展開になりました・・・・」
「うむ、まさか盗賊団の首領がこんなに早く来るとは」
「王子たちと一緒じゃなかったんだねっ」
ノーベル学者さんの召還がきっかけで、白鳳が隠し通してきた事情は、白日の下に晒されることとなった。聡明で鋭い同行者の中には、事情を朧気に察する者もいたが、それでも全てを知らされたときは、様々な意味で衝撃を禁じ得なかった。男の子モンスターに属する彼らからすれば、白鳳にまるっきり非がないとは言い難い。けれども、敢えて従者の協力を拒み、弟を助けようと必死にもがく姿を見過ごせるはずがない。暴走や躓きの多い困った性状の持ち主でも、白鳳は掛け替えのないマスターなのだ。フローズンの発案により、こっそり後をつけ、無事目的を果たすべく、巧みに暗躍するつもりだった。しかし、主人の父親への思慕は想像以上のもので、鞭さばきに日頃の精彩を欠き、あっけなく捕われの身となってしまった。救助するのはたやすいが、出来るなら白鳳の意思を尊重して、自ら片を付けさせてやりたい。ゆえに、軽はずみに動くわけにもいかず、成り行きを見守っていたのだが、そこへアックスが鉈を片手に現れたのだ。
「ふん、足手まといだ」
「なあなあ、かみかぜ、どうすんだ?」
「とにかく、しばらく様子を見よう」
新たな人物が増えたなら、なおさら慎重を期さなければ。男の子モンスターたちは気配を消し去ったまま、ふたりのやり取りに耳を傾けた。アックスが白鳳を救い、ノーベル学者さんの捕獲を手伝えるのなら、それに越したことはない。もっとも、過去の経緯を振り返れば、期待する方が間違いだ。アックスの戦闘力は白鳳の足元にも及ばないし、劣勢をはね返す機知や判断力も持ち合わせていない。ところが、アックスは今の白鳳に一番必要だった、精神的な力を与えてくれたのだ。大音声での一喝は白鳳のみならず、従者たちをも瞠目させた。
「良かった、白鳳さまの瞳に生気が蘇っている」
「僕たちの伝えたかったことを、全部言ってくれるなんてっ」
「・・・・口調は乱暴でしたけど、白鳳さまへの気遣いが滲み出ておりました・・・・」
「いいヤツだぞー、おやびん」
「頭にバカは付くがな」
会うたびに押し倒され、好き放題弄ばれて来たにもかかわらず、白鳳を励まし、活を入れてくれたアックスに対し、程度の差はあれ、皆、喜ばしくありがたく思っていた。が、一方で、仄かな疑問が湧いてくるのも否めなかった。
「・・・・ですが、いかに好人物とは言え、あそこまで白鳳さまに肩入れするのは少々妙かと・・・・」
「確かに、お人好しの一言では済ませられない気がする」
「おやびん、はくほーに惚れちまったのかようっ」
「う〜む。。」
アックスの性格を熟知していても、一連の言動は単なる親切心からの産物とは捉えづらい。当事者たる白鳳も同様に感じたらしく、真紅の双眸をほんのり潤ませ、ひたむきにアックスを見つめている。
「親分さん・・・・・」
毎回、もれなく酷い目に遭わせたばかりか、こちらの思い切りの悪さで大怪我を負わせたのに、わざわざ助けにやって来た。表向きの理由は子分の奪還でも、白鳳の心情を思いやり、罵倒に見せかけ、気持ちを軽くしてくれたのは事実だ。白鳳の熱い眼差しが届くやいなや、アックスは背中にむず痒いものを覚え、慌ててそっぽを向いた。
「な、なんでえ。そんなしおらしい面すんじゃねえぜ」
レアモンスターにさらわれた子分を取り返さんとする過程で、白鳳が背負う重い荷物の存在を初めて知った。だからといって、××野郎に対する見方が、全面的に変わったわけではない。辛い過去に縛られざるを得ない者は、世の中にいくらでもいる。盗みの旅を続ける間に、そういう訳ありの人々も少なからず見てきた。なのに、傷だらけの紅いチャイナ服が目に入った途端、身体中の血が逆流していく気がした。なぜここまで心が乱れるのか、自分でも分からなかった。
「だって、私のせいで親分さんに怪我までさせて」
「けっ、おめえなんかどうなろうと知ったこっちゃねえ。子分を助けに来ただけだ」
アックスの発言が本音なら、白鳳のつながれた場所へ立ち寄る必要などない。荒々しい言葉の裏に隠された優しさが胸に染み、白鳳はうっとりと切れ長の目を細めた。
「ふふ、そうですか」
スイを取り返すどころか、返り討ちにあって捕らえられ、気力は明らかに萎えかけていたが、アックスに容赦なく叱責された今、再び身体中に気が満ち満ちている。グ○コのおまけ程度の評価だったオトコが、自分の気持ちをここまで揺り動かすとは、まさに嬉しい誤算だった。だが、白鳳の感嘆も長くは続かなかった。
「ぐあっ」
「あ」
侵入者に気付いたノーベル学者さんに、背後から攻撃を喰らい、アックスは地響きを立てて、その場に倒れた。



「うおおっ、何だ、こりゃあ!?」
目覚めたアックスの太やかな手首は、白鳳と同じく、皮のベルトで壁にくくりつけられていた。ふと、傍らを見遣れば、直前の艶めいた熱視線はどこへやら、緋の瞳が放つ光は、どぶねずみやゴキブリに向けるそれだった。
「下僕の分際で私に意見する暇があったら、先にベルトを切れば良かったのに。本当に使えない人なんですから」
「う、うっせえっ!!ちっと油断しただけだっ」
最初に戒めを解くべきだった。白鳳の指摘は正しい。でも、力なく垂れた銀の絹糸を見たとき、不覚にも気が動転して、激情の赴くまま、胸の内を吐露していた。しかも、自分を凝視する白皙の美貌に見惚れ、段取りがことごとく遅れたのだが、そんなことは口が裂けても言えない。
「だいたい、どうしてセレストや坊ちゃんと一緒に来ないんです。貴方ごときがレアモンスターに敵うはずないでしょう」
カナン主従も同じフロアを探索していたが、子分の身を案じるあまり、アックスは彼らを残し、一足先にワープしてしまったのだ。我ながら軽率な行動だと思う。けれども、決着を焦り、座標すらおざなりだった白鳳に咎められるいわれはない。
「けっ、人のことほざけた義理か。てめえだって、同じ失敗を二度も繰り返したくせしやがってっ」
さすがに痛い部分を突かれたのか、白鳳はわずかに怯んだものの、すぐ刺々しい口調で切り返した。
「わ、私に毎度、常套手段で押し倒される、へっぽこなオトコに言われたくありませんっ」
「それとこれとは別だろがっ!!」
「お間抜け度ではむしろ1億倍も上ですよ〜だ」
「な、何だとおっ、この腐れ××野郎っっ!!!!!」
相も変わらず、密かに研究所を見張っていた神風たちは、白鳳とアックスの低レベルの罵り合いを聞き、頭を抱えて脱力していた。
「全く白鳳さまと来たら、己の状況を理解しているのだろうか」
「・・・・まるっきり危機感の感じられない言い争いです・・・・」
「助ける甲斐もない愚か者だ」
「だけど、白鳳さま、すごく元気になってるっ」
「うむ、表情が生き生きしているな」
「おやびんとケンカしてると、はくほー、いつも楽しそうだぞー」
萎れた花のごとくうなだれていた白鳳が、アックスと接触しただけで、再び潤いを取り戻し、日頃と変わらぬ活気に溢れている。主人は未だにつまみ食い程度の認識しか抱いていないが、実のところ、ドレッドの大男は意外に価値の高い宝玉なのかもしれない。
「白鳳さまは完全に復活したし、我々が出るまでもなさそうだ」
「・・・・後は拘束さえ解ければ、よろしいかと・・・・」
「よし、これを使うぞ」
オーディンが懐から小さなナイフを取りだし、肩先でどんぐり眼を瞬きするハチに手渡した。これで手首のベルトを細工して、切れやすくするつもりなのだ。幸い、白鳳の意識は全てアックスへ注がれており、虫が往復した程度ではまず察知されまい。
「ハチ、頼んだよ」
「頑張って、ハチ」
「・・・・傷を付けるだけで十分ですから・・・・」
「おうっ、任せとけっ!!」
仲間の期待を背に、ナイフを抱きかかえたハチは、一直線に白鳳の脇まで飛んでいった。いつも伊達に白鳳やDEATH夫に叩かれ、鍛えられていない。目にも止まらぬスピードでナイフを一閃させると、ハチは大急ぎで皆のところへ戻ってきた。
「手ごたえあったかんな」
「よくやったぞ」
「・・・・ありがとう、ハチ・・・・」
「お前にしては上出来だ」
「でへへー」
褒め言葉ににんまり笑いつつ、身を捩らせて照れる仕草が、緊張の中にも笑いを誘う。
「ここまでお膳立てすれば、きっと白鳳さまなら、自力で脱出出来るだろう」




主人の自尊心を損なうことなく、影ながら護り抜く。健気な同行者の苦労も露知らず、白鳳はなおもアックスと無益な諍いを続けていた。
「あ〜あ、寄りによって、こんなダサ男と横並びでつながれる羽目に陥るとはねえ」
「それは俺のセリフだっつーの」
もはやお互い露骨に顔を背け、目線すら合わせない。同じ空間にいても、ふたりの間は果てしなく隔たっていた。
「早くセレストが救いに来ないかな。感謝のしるしとして、3日3晩、濃厚な愛撫をしてあげるのにv」
「今の戯れ言を聞きゃあ、たとえ何ゴールド積まれようが、裸足で逃げ出すに決まってらあ」
「何ですってえっ!!」
アックスは極めて客観的な事実を述べたに過ぎないのだが、状況認識が甘い白鳳は本気でいきり立ち、右手を振り降ろさんと強烈に力を込めた。とその時だ。ぶちっ。なんと手首の自由を奪っていた戒めが、中心から解けたではないか。
「あ、嘘!?」
「げええっ」
ハチの働きを知らないアックスは、白鳳が自らベルトを引きちぎったと思い込み、しなやかな腕に似合わぬ剛力に目を剥いた。
「やったぁ、ラッキー♪」
利き手が使用可能になれば、こっちのものだ。白鳳は左手に巻き付いたベルトも難なく外し、軽くストレッチなどしながら、己に気合を入れている。3度目の正直、もう迷いや躊躇いは許されない。父の幻影を払拭して、弟を我が手に取り戻さなければ。
「よ〜し、今度こそ負けないからねっ」
鞭を握り締め、きつく下唇を噛むと、白鳳は拘束状態のアックスを無視して、おもむろに一歩を踏み出した。白鳳の代わりに置き去りにされかけ、アックスは顔面蒼白で声を張り上げた。
「だああああっ、待ちやがれっ」
「おや、何か用ですか」
殊更に抑揚のない口調が、嫌な予感を掻き立てる。
「てめえ、このまま立ち去る気じゃねえだろな」
「当たり前でしょう」
案の定、紅唇から事もなげに返され、野太い叫びがいっそう高くなった。
「冗談じゃねえっ、うちの子分も捕まってんだ。早えとこ、ベルトを解かねえかっ!!」
「やれやれ、世話の焼ける人ですねえ」
いかにも面倒そうに、褐色の手首に絡んだ枷を取る白鳳。斜め前に落ちていた鉈を、中腰で拾いつつ、アックスは大きく舌打ちした。
「ちっ、おめえみたいな性悪、助けてやるんじゃなかったぜ」
「貴方に助けられた覚えはありません。私は自分でベルトを切ったんですから。逆にウドの大木を見捨てなかった優しさに、感謝してもらいたいくらいですよ」
礼を言うどころか、いけしゃあしゃあと恩を着せるとは、いったいどういう神経をしてるのか。
「ふざけんなっ!!この怪我だって、元はと言えばおめえがっ」
「ふん、些細なことにこだわるなんて、オトコらしくない」
「ぐぬぬぬ。。」
さっきのいじらしい風情は、ただの白日夢だったようだ。いっそ、ふてぶてしい魔の化身が悪い夢ならどんなに良かったか。だが、ムカつく一方で、アックスはなぜか胸に安堵感が広がるのを感じていた。これでいい。こいつにしょぼくれた顔などそぐわないし、見たくもない。可愛げの欠片もない××野郎であってこそ、思う存分やり合えるというものだ。
「だけど、私を叱ったときの貴方・・・ほんのちょっぴり素敵だったかな」
「ああ?」
白鳳とて、心の奥底では承知している。アックスの荒療治のおかげで、ようやく気持ちに踏ん切りがついたばかりか、好き放題罵倒しているうち、どん底から浮上して、日常の調子を取り戻せた。上手く表現出来ないが、眼前の大男は不思議なパワーを持っている。戦力的にはさして役に立たなくても、本懐を遂げるまで側にいて欲しかった。
「ふふ、こちらの話ですよ。では、セレストたちの到着を待って、乗り込みましょうか」
「おう」
肉体的には完調とほど遠いだけに、白鳳も意地を張らず、素直に皆の手助けを受け容れるようだ。無茶な主人に散々気を揉まされたものの、これならもう心配あるまいと、男の子モンスターたちはふたりを残し、速やかにひみつ研究所を離れた。



閑話休題。ジェイキンラボを訪問すると、きゃんきゃん党の魔手から解放されたはずの萌流さんが(どっちが魔手だか分からないという説も^^;;)、さめざめと泣いています。話によれば、萌流さんにはキャラ屋をしている双子の弟がいるそうです。しつけコンクール(何を競うのか謎)で優勝するほどですから、姉同様、かなりの手腕の持ち主なんでしょう。ただし、腐男子(笑)のところも姉譲り。ひょっとして、彼の話題を出したのは、次作への布石ですか。3のキャラ屋は萌流さんの弟さんで、ついに念願の男の子モンスター調教シーン登場とか(願)!?もっとも、調教シーンなら白鳳さんも捨てがたいなあ。白鳳さんVS萌流さん弟の調教勝負なんてあったら、もう最高ですね(お前は最低だ)v成り行きで、萌流さんの願いを聞く羽目に陥った主従は、仕方なく条件に合う男の子モンスターを捕獲します。カナンたちは渋々ですが、ワタシは喜々として捕えました。だって、DEATH夫×フローズンなんだも〜ん♪恐らく、萌流さんと萌えを共有出来る唯一のカプではないかと(;^^)ヘ..”特別しつけ”や”猛特訓”の内容が物凄〜く気になります。カプCGより、むしろそっちを見たかったかもっ。特別しつけをされるDEATH夫たん。猛特訓をされるDEATH夫たん。ハアハア。でも、DEATH夫たんを仕込むのは、やっぱラックさまじゃないとな〜(そこから離れろ)。DEATHフロのえろCGは極めてソフトでしたが、絡めた指先に仄見える愛に萌えましたv



  

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