*ご主人ちゃま物語・渚カヲル編〜3*
エビちゅは第九をハミングしながら夜なべしていた。
「♪フンフンフンフンフンフーン・・・・・でちゅな。」
どうやって持つのかつけるのかは永遠の謎。それ以前にサイズがあるのか針と糸?そんなツッコミなど全く意に介さず、慣れた手つきでちくちくと縫っていく。
「で、出来たでちゅー(^^)。」
完成品を満足げに見返して、うんうんとうなずくエビちゅ。その表情はひとつの仕事をやり遂げたという充足感で輝いていた。
次の日。
「いよいよ今日でちゅなあ。シンジちゃまが来るのは。」
「ここまで短いようで長かったよ。なにしろ初めは幽霊だと思われて、腰を抜かされてしまったからね。」
「・・・・・・・サ、サイテーでちゅな(ーー;)。腰は使うためにあるんでちゅ。抜かしてどうするんでちゅか。」
眉をひそめてえらそうにいうエビちゅ。
「ふふふ、でもここまでこぎつけてしまえば、こっちのものさ。もともとシンジ君は僕にベタ惚れだったわけだし。」
「でも、アスカちゃまとレイちゃまに囲まれて登校してる時のシンジちゃま、心の底からシアワセそうでちたよ(^^)。」
「ほっ、ほう・・・・・・・・・・・・・(ーー;)。」
「やっぱりちんこにはまんこ、それが自然の摂理というものでちゅ。でも、二股はいけまちぇんな。カヲルちゃまはどっちがシンジちゃまに似合ってると思いまちゅか?」
「・・・・・・・・・・・君のキャッチフレーズが確かピザッツに載ってたねえ。」
顔はにこやかなカヲルだが、すでに目は笑っていない。
「あ、見てくれまちたか!」
全く状況の把握力のないエビちゅは誇らしげに言った。
「"ギュッとしたい可愛さ、ナイスボケなネズ公"。君にふさわしい良いコピーだと思うよ。」
「そうでちゅか。カヲルちゃまにそう言ってもらえると喜びもひとしおでちゅなあ。」
そのセリフが終わらないうちにカヲルの大きな手がエビちゅの体をむんずとつかんだ。そのままレモンを絞るように力一杯締めつける。
「ゲ、ゲフッ・・・・・・・・カ、カヲルちゃま・・・・・・・・・。」
悶絶するエビちゅ。
「ホントに可愛いなあ。このままギュッと握り締めてしまいたいくらいだよ。うふふふふ・・・・・・・・・・。」
指先にさらなる力が加えられた。エビちゅのばたばたしていた両手の動きはもう停止寸前だ。
「・・・・・・た、助け・・・・・てく・・・・・・・だちゃい・・・・・・・・・・・・・。」
息も絶え絶えになんとかコトバを搾り出す。そんなエビちゅを冷ややかに見つめながらカヲルは言った。
「痛いかい?苦しいかい?でも、僕なんて最愛のシンジ君にこんな目に合わされた上にそのまま握り潰されてしまったんだよ。」
やっとカヲルの手中から解放されたエビちゅだったが、まだ咳き込んでいる。でも、その眼差しは何やら(しない方がいい)決意に満ちていた。
「・・・・・・・カヲルちゃま、許してくだちゃい。エビちゅ、間違ってまちた。カヲルちゃまはただの変態ホモじゃなかったんでちゅね。」
「ヲイ(怒)。」
どうも余計な表現を付け足してしまうエビちゅ。
「握り潰されてもなおシンジちゃまのことを思い続けているなんて、愛でちゅ。真の愛でちゅ。エビちゅ、感動しまちたとも(;;)。」
「・・・・・・・そ、そーかい。」
「決めまちた。」
「何を?」
「ご主人ちゃまの幸せのために尽くす事こそ、飼いねずみの務め。エビちゅ、カヲルちゃまとシンジちゃまが結ばれるためなら、どんなことでもしまちゅよ。もう、ちんことちんこでも全然OKでちゅ。任せてくだちゃい!!」
エビちゅのやる気宣言。実際は破滅への一本道のようなものなのだが、カヲルはまだそこまでエビちゅを知らない。だから、ちょっと感激などしてしまっている。
「君からこんなセリフが聞けるとはね。ウレシイよ、エビちゅ。」
「カヲルちゃま・・・・・・・。」
さっきまでの険悪なムードがウソのよう。手を取り合って、見つめ合う使徒とハム。
「だいたいシンジちゃまは根本的に間違えていまちゅ。」
「そうだろそうだろ。」
「握りどころが違いまちゅ!カヲルちゃまの胴体を握ってどーするんでちゅか!!」
ここでふっと一息つくエビちゅ。
「握ってイイのは海綿体だけでちゅとも。」
「その通りさ。全くシンジ君はわかっていないよ。せっかく風呂場で手を握ってあげたのに。お返しにどうすればいいのか、なぜピンとこないかな〜(><)。」
せっかく麗しい友愛シーンになりかけたのに、そのムードを自らぶち壊すようなお下劣会話が始まってしまった。その時だ。ちんぽ〜ん、もといぴんぽ〜ん。呼び鈴の音がうるさいくらいに響いた。
「カヲルちゃま。」
「来たね、シンジ君。」
カヲルの紅い瞳がきらーんと妖しい輝きを放つ。
「エビちゅ、例のものは出来てるんだろうね?」
「ハイ〜☆もう、カンペキでちゅ。エビちゅ徹夜までして頑張りまちたよ!!」
自信たっぷりに胸を張るエビちゅ。大張りきりで玄関へダッシュする。
「よく来てくれたね、シンジ君。」
「ようこそでちゅ。」
暖かい歓迎のセリフに迎えられるシンジ。
「カヲル君・・・・・・・・。こうして君の家に訪問できる日が来るなんて、なんだか夢みたいだ。」
「僕もまた君と一緒に過ごせる時間を持ててウレシイよ(^^)。」
にっこりと微笑むカヲル。必殺スマイル☆ぱんちがシンジのハートにまともにクリーンヒットした。早くも頬を赤らめるシンジを横目で見ながら、カヲルは余裕たっぷりにこれからの段取りなどを考えている。
(ま、ここでキスくらいしといてもいいかな。)
しかし、決して自分からは動かない。相手にそうさせるように仕向ける・・・・・もとい相手がそうせざるを得ないように追い込む。それがカヲルの常套手段だった。
「シンジ君・・・・・・・・。」
フェロモン全開の上目づかいでシンジを誘うように見つめるカヲル。
「・・・・・カ、カヲル君。」
ちょっとはにかんで微笑むシンジ。
(ふっ、やっぱりシンジ君が愛しているのは僕一人さ。こんなに・・・・・・あれ?)
どうもシンジの視線をたどっていくとカヲルの顔とは全く別のところに注がれているようだ。
(なんだ?僕のあまりの美しさにまともに見ることが出来ないのかな。ふふふ・・・・・まあムリもないな。)
しかし、そうではなかった。
「このハムスター可愛いね。君のペット?」
シンジがうっとりと見惚れていたのは、なんとエビちゅだった。
「ハイ〜☆そうでちゅとも。エビちゅはカヲルちゃまの飼いねずみなんでちゅよ。」
「言葉がしゃべれるの?スゴイや!!・・・・・・・・・だけど、君のことどこかで見たことあるような・・・・・・・・・。」
自らの記憶をたどるシンジ。そう・・・・・・・このねずみの姿は確か・・・・・・よくマンションの冷蔵庫で・・・・・・・・また、ある時はお使い先の自動販売機で・・・・・・・・さらにはよくミサトが一気飲みしてたあの・・・・・・・・ビール・・・・・・。
「あっ(@@)!!エビちゅビールの!!!!!」
「わかってくれまちたか。あのマスコットキャラクターをやらせてもらってまちゅ。」
「へえ、エビちゅって架空のキャラじゃなくて実在したんだ。でもホントに可愛らしいなあ。こっちにおいでよ。」
顔をほころばせて両手を差し出すシンジ。エビちゅはちゅたたたとその手の中に 飛び込んだ。
「わあ、ふさふさだ。」
シンジはそう言うと手のひらに乗せたエビちゅを自分の正面まで持ち上げた。そして改めてまじまじと眺める。
「そ、そんなに見つめないでくだちゃい(*^^*)。」
自分に向けられた熱い視線に身をくねらせて照れまくるエビちゅ。そのしぐさが一層シンジの口元を緩ませる。一人と一匹の間に和やかな空間が出来あがっていくにつれ、それと反比例するようにカヲルの表情は険しくなっていった。
(どーしてこんなねずみにシンジ君が・・・・・・ーー;;。)
もちろん速攻で和やか空間をぶち壊しに入る。シンジの手の上でくねくね腰を使っているエビちゅを荒々しくむんずとつかんで、一言。
「早くお茶とお菓子の用意をしてくれないか。」
表情こそかろうじてスマイルを保っていたが、エビちゅには彼の背後にいるロンギヌスの槍を振りかざした量産機がはっきりと見えていた。さらにカヲルのこめかみでピクピク動く怒張も。
「わ、わかりまちた。今すぐ用意しまちゅ(^^;;)。」
もうちょっとでびっくりおちっこが出てしまいそうなエビちゅだったが、何とか耐え抜き、ちゅたたたたと台所に駆けていった。
「君がシンジ君といい雰囲気になってどうするんだい(怒)?」
台所までやって来て、怒りをぶちまけるカヲル。
「わかってまちゅ、わかってまちゅ。でも、シンジちゃまっていい人でちゅなあ〜(^o^)♪」
よっぽど褒められたのが嬉しかったのだろう。うきうきとお茶の支度をするエビちゅにカヲルは小さなカプセル状のものを手渡した。
「シンジ君のカップにこれを忘れずに入れてくれ。」
「い、一服盛るんでちゅな。」
「人聞きの悪いことを言わないでくれないか。盛るのは僕のありったけの愛さ。」
「そ、そうでちゅか?でも、たしかこれは超強力な眠り……ゴフッ!!」
カヲルのひじ打ちがエビちゅにまともにヒットした。
「余計なことを言っているヒマがあったら、例のモノの準備でもしてくれないか。」
有無を言わせぬ口調にエビちゅは震え上がった。先ほど危うく握り潰されそうになった恐怖の記憶が鮮やかに蘇る。
「ハ、ハイ〜。い、今すぐ用意しまちゅとも。」
目一杯明るく言ったつもりだったが声は上ずっていた。
(スンスン……ご主人ちゃまが人だろうと使徒だろうとエビちゅはこーなる運命なんでちゅな………;;。)
「シンジ君、お待たせ。」
さっきのエビちゅをビビらせた凄みはどこへやら、もうすっかり爽やかでにこやかないつもの“渚カヲル”に戻っている。
ひじ打ちの痛手のせいか、どことなくよたよたしているエビちゅが紅茶とクッキーを持ってきた。ただし、重いので1個ずつ運んではまた台所に取りに戻って行く。
「どうぞでちゅ。」
ティーカップがそれぞれの前に置かれ、真ん中はホームメイド風のバタークッキーが並んだ大皿が陣取った。
「おいしそうなクッキーだね。」
「シンジ君、遠慮なく食べてくれよ。」
「これはエビちゅが丹精込めて作りまちた(^^)。」
「じゃ、さっそくいただくよ。」
と改めて皿に視線を落としたシンジは絶句した。なぜならそのクッキーの形がどう見ても自分の股間についているモノと同じにしか思えなかったからだ。
「こ、こ、こ、このクッキーは・・・・・・・・(@@;;)。」
やっとのことで言葉を搾り出したシンジに対し、明るく清清しくエビちゅは答えた。
「ハイ〜。エビちゅ特製ちんこクッキーでちゅ。皮付きもズル向けもありまちゅよ♪」
「良く出来てるだろう、シンジ君。ま、予行練習だと思ってどんどん食べておくれよ。」
5月の空のような透明感ある笑顔をたたえて言うカヲルと唇を震わせて青ざめるシンジ。
「・・・・・よ、予行練習って・・・・・・。」
「いやだなあ、しらじらしい。もちろんこのあと実物を味わってもらうんだから。」
「じ、じ、じ、じ、実物・・・・・・・?ま、万が一とは思うけど・・・・・・・。」
ますます顔色をなくすシンジ。
「えっ!?まんこがいち?そーでちゅそ−でちゅ。確かにまんこは一人ひとつでちゅ。きんたまはふたつでちゅけどな。」
おまけにねずみの脱力ものの勘違いセリフがいっそうシンジの不安をかきたてる。
「いやだなあ、シンジ君。僕にそこまで言わせるのかい。ふふふ・・・・・・もちろんデザートにこの僕を食・べ・てってことさ♪」
決定的なカヲルの言葉に思わず後図去るシンジだったが、そうはさせじとカヲルはその肩先をがしっとつかんで彼の動きを封じた。
「そんなに緊張しなくても大丈夫さ。僕が優しくリードしてあげるから。」
こうなってくるとカヲルの穏やかな笑みもまるで真綿で首を締められているようにしか思えないシンジであった。
「でも、カヲルちゃま。その前にシンジちゃまとゲームをするんじゃなかったんでちゅか?」
思わぬ、そして天の助けのようなエビちゅの言葉にシンジは我知らず安堵のため息をもらした。これから待ち受けているサイテーの展開も知らずに。
「ああ、そうだったね。じゃあさっそくあれを持ってきておくれよ。その間に僕たちはお茶とお菓子をごちになることにするよ。」
「わかりまちた。今運んで来まちゅから、楽しみに待っててくだちゃい。」
はじけ豆のように勢いよく居間へ駆け込むエビちゅの後ろ姿を眺めながら、カヲルは
「さあ、今のうちにいただくことにしよう。早くしないとせっかくのダージリンティーが冷めてしまうよ。」
と一見親切そうにシンジに勧めた。もちろん本当の目的はシンジにありったけの愛、もとい超強力眠り薬を飲ませることである。そんなこととは夢にも思わないシンジ。この際、あのクッキーさえ口に入れなくていいのならもうどうでも良かった。
「う、うん。せっかくだからお茶だけでもいただくことにするよ。」
やんわりとクッキーを拒絶して、香りを楽しみながらダージリンティーを味わうシンジの姿を見つめながらほくそえむカヲル。
(ふふふふ。とうとう飲んでしまったね、シンジ君。これであとは薬が効くのを待つばかり。)
しかし、そんなドス黒い陰毛陰謀はおくびにも出さず、優しげな表情で甘く囁く。
「どうだい?なかなかの逸品だろう?」
「うん、とても美味しいよ(^o^)。」
とにかくクッキーから逃れられたということだけで、シンジにとっては何もかもが高級料亭の山海の珍味のように素晴らしく感じられた。目の前のカヲルが心から嬉しげな笑みを浮かべているのも彼の気持ちをほのぼのさせた。もちろんカヲルの微笑みの真の理由は自分の目論見通りにコトが進んでいるという満足感からなのだが。
「カヲルちゃま〜、シンジちゃま〜、お待たせしまちた!!」
そこへ戻ってきたエビちゅがごろごろと転がして持ってきたものに気づいた瞬間、シンジはあまりのことに墓石状態になった。
「カ、カ、カ、カヲルくん、これって・・・・・・・。」
掠れて裏返った声でやっとこれだけ発する。
「ああ、黒ひげ危機一髪だけど。リリンはなかなか面白いゲームを考えるものだねえ。」
事も無げにこう返すカヲル。
「で、でもホンモノの黒ひげ危機一髪は樽の中に海賊がはいっているけど、これ・・・・・・・海賊じゃなくてどー見てもカヲル君なんだけど・・・・・。」
確かに樽から出ている顔は銀髪紅眼。正真証明カヲルの顔だ。
「これはエビちゅが昨日徹夜して作ってくれたんだよ。なかなか良く出来ているだろ?」
「えっへん。エビちゅ頑張りまちたとも。」
樽の前で胸を張るエビちゅ。しかし、もちろんシンジの顔はますます引きつっている。
「ほ、本気でこれをやるのかい?」
「当たり前じゃないか。ずっと楽しみにしていたんだよ。」
屈託無く笑うカヲルだったがシンジはもう生きた心地もしなかった。あのときの苦い記憶が鮮やかに胸に浮かびあがる。
「さあ、シンジくんから先にやっていいよ。」
そういってカヲルが手渡したのは剣ならぬロンギヌスの槍だった。シンジは一層暗い気分になった。
「これもエビちゅが作ったんでちゅよ。」
シンジの苦悩などどこ吹く風。大威張りで両手を広げるエビちゅ。伊達に脳みそ3グラムはしていない。
「・・・・・・・・・・。」
シンジは仕方なく恐る恐る槍を樽に刺してみた。反応はない。ホッと一息ついた。
「次は僕の番だね。」
無造作に槍を刺し入れるカヲルだったがまたもや無反応。
「さあ、シンジくんの番だよ。」
震える指先で槍をつまみ、そろそろと刺し込んだ。そのとたん樽から出たカヲルの首だけが勢いよく空中へ放たれたではないか。
「あ〜あ、だめだなあ。シンジ君の負けだよ(^^)。」
あっけらかんというカヲルにシンジは声を荒げて叫んだ。
「な、何だよ、これは。フツー、黒ひげ危機一髪は身体ごと飛んでいくんじゃないのかい。それが・・・・・・・・・。」
首チョンパ。シンジの肩先がワナワナと震えている。
「このシステム改良もエビちゅがやってくれたんだよ。ねずみとは言え、たいしたものだと思わないか。あれ、シンジ君どうしたんだい?」
「本当でちゅ。シンジちゃま、顔が悪いでちゅよ。」
「・・・・・・・・・顔色だろ、それ・・・・・・・・(ーー;)。」
エビちゅの無自覚なボケに力なく答えるシンジ。さらにこう続けた。
「カヲル君、あんまりじゃないか。やっぱり君はあのときのことを根に持っているんだね。今日、こうして僕を呼びつけたのもイヤガラセのためなのかい?」
さすがに憮然とした表情でカヲルを睨み付けるシンジ。カヲルは何も答えない。しばらく沈黙が続くと思われた。・・・・・・が、不意にその左目からぽろりと涙がこぼれたではないか。
「カ、カヲル君・・・・・・・。」
「・・・・・君が怒るのも当然だよ。でも全ては君を愛していればこそなんだ。こうやって復活したのも大好きな君に会いたい一心で・・・・・。」
愛とか好きとかいう単語に極端に抵抗力の薄いシンジはさきほどまでの怒りはどこへやら、すっかり情にほだされてしまっている。
「僕も言い過ぎたよ、カヲル君。元はといえば悪いのは僕のほうなのに。」
「シンジ君・・・・・・・。」
瞳をうるうるさせてじっとシンジを見つめるカヲル。たちまちシンジの頬が紅に染まった。
「カヲル君、僕も君のことが・・・・・・・。」
お互い見詰め合ってすっかりいいムードの二人だったが・・・・・・・。
「カヲルちゃま、カヲルちゃま、目薬のフタが落ちてまちゅよ。エビちゅ、今すぐかたづ・・・・・・・・・ゲフッ・・・・・・・。」
カヲルの長い脚から繰り出されたキックで血へどを吐くエビちゅ。
「えっ・・・・・・目薬って・・・・・・。」
「何言ってるんだい。空耳だよ、シンジ君(^^;)。ここには僕たち二人しかいないんだよ。」
あとは残りHPが10を切ったねずみ。
「さ、早くさっきの言葉の続きを聞かせておくれよ。」
促すカヲルに恥じらいながらもうなずくシンジ。
「・・・・・・・僕もずっと君のことが・・・・・・・。」
(・・・・・・・少してこずったけど、漸く僕の望んだ世界になりつつあるな。このあとはセオリー通りキスを手始めに、あーんなこととかこーんなこととか・・・・・・ふふふふふふ・・・・・・・あれっ?)
唐突に強烈な眠気がカヲルを襲った。目の前のシンジの姿がぼやけて歪んでくる。
(そ、そんな・・・・・・・・バカ・・・・・な・・・・・。)
もう姿勢を保っていられない。そんなカヲルの耳に最後に入ってきたのは聞きたくもないエビちゅの涙ながらの絶叫だった。
「許してくだちゃい、カヲルちゃま!!エビちゅ間違えまちた。シンジちゃまを眠らせて好き放題するための超強力眠り薬をカヲルちゃまのティーカップの方に入れてしまいまちた〜(><;)。入れるのはケツの穴にちんこでちたのに〜(TT)。」
カヲルが気づいたとき、枕元にいたのは一匹のねずみだけ。そんなことはもはや言うまでもなかった。
TO BE CONTINUED
|