歌うことが大好きなカヲルちゃん。結婚してからは今までのように頻繁にカラオケボックスに通えなくなったので、ちょっと欲求不満気味でしたが、お得意のおねだり攻撃を炸裂させ、ボーナスの残りでホームカラオケセットを買ってもらいました。司令は新婚ボケで気付いていませんが、実は今回のボーナスの9割以上はカヲルちゃんの欲望の具現化に費やされているのです(^^;;)。
しばらくは大はしゃぎで歌いまくっていたカヲルちゃんでしたが、やっぱりひとりではもの足りません。よくよく見れば、セット付属のマイクも二本。なるほどこれは愛する人とデュエットしろといってるんだな、と強引に結論づけて、さっそく書斎にいる司令に声をかけました。もちろん、元が照れ屋さんの司令は人前で歌うなどということは大の苦手です。ネルフの慰安旅行でカヲルちゃんと一緒に歌ったのも酒の力を借りてのこと。せっかくのカヲルちゃんのお誘いですが、到底OKする気にはなれません。
渋る司令にカヲルちゃんは言いました。「接待だってカラオケくらい出来なきゃダメだよ。いくらネルフの総司令っていっても、偉そうにふんぞりかえっているばかりが能じゃないよねえ。それにあんまり付き合いが悪いと、部下にも嫌われちゃうと思うけど。」。自分のことは全く棚に上げて、痛いところを容赦なく指摘するカヲルちゃんに、司令はすっかり困り顔です。けれども、考えればカヲルちゃんの意見にも一理あるような気がします。
自宅で二人しかいないという環境なら、とようやく司令も重い腰を上げて、カヲルちゃんと一緒に歌うことにしました。最初は照れもあって、思うように声が出なかった司令ですが、うっとりと自分を見上げるカヲルちゃんの熱い眼差しと巧妙なヨイショの言葉の相乗作用で、だんだんお調子に乗ってきました。ついには、カヲルちゃんを差し置いて、勝手に独演会をやらかす始末。碇家は今日も平和そのものです(^o^)。
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