結婚してから初めてのお正月を迎えた司令とカヲルちゃん。司令としては新妻の手作りおせちに舌鼓を打ちつつ、食卓につくというのが新年の理想でしたが、数ヶ月前まで料理レベル限りなくゼロに近い1だったカヲルちゃんにそんなことを望むのはどう考えても無謀というもの。それどころか未だに簡単なお雑煮さえも作れないのです。やむなくシンジ君に頭を下げて(お年玉も奮発して)おせちのお裾分けをしてもらいました。けれども、そんなこととは露知らぬカヲルちゃんは遠慮会釈なくおせちを食べまくり、ほとんど一人でたいらげてしまいました。


楽しみにしていたご馳走にありつけず、年の初めからなんとなく意気消沈の司令。そんな司令の様子に気付いたカヲルちゃんはさすがにちょっと良心が咎めたみたいです。なにしろ結婚したくせにお年玉までしっかりふんだくっているのです。でも、今の自分に出来ることはあまりにも限られています。とその時、前回のお料理教室でお餅の焼き方を習ったことを思い出しました。確か、切り餅ならしこたま買ってあったはずです。


さっそく、網に餅をのっけてこまめにひっくり返し始めました。器用に箸を操るカヲルちゃんの手つきに司令も思わず見入っています。結局、餅は焦げることもなく、香ばしく焼き上がりました。仕上げに醤油をうすく塗って味付け。焼き立てのアツアツのお餅は柔らかくて、とても美味しいです。この分なら来年の正月には碇家の食卓にカヲルちゃんの心づくしの豪華なおせち料理が並ぶのは確実でしょう。未来の幸福を夢見て、司令の渋い顔は緩みっぱなし。しかし、カヲルちゃんがにっこり微笑んで、なのに目だけは笑わずに「僕、もんのすごいヤキモチ焼きなんだよ。」というのを聞いて、なぜかしら背筋に冷たいものを感じる司令です。

カヲルちゃんの技能では今年はこれが精一杯。でも、お餅は上手に焼けました(^o^)。

+カヲルちゃんの独白+

人妻になって初めて迎えたお正月だったけど、さすがに今年は手料理で食卓を彩るというのはムリだった。司令は教えてくれなかったけれど、あのおせち料理はシンジ君の作品に間違いない。1回食べた味は忘れないよ。こういう技能も料理には大切な要素らしい。僕、案外お料理に向いているのかもしれないね。とにかく今年1年でだいたいのことは出来るようになりたいものだ。ま、取りあえず今回はお餅を焼くことだけで勘弁してもらおっと。


でも、こないだのお料理教室で初めて知ったけど、お餅の焼き方って結構難しいんだよね。ただ網に乗せて焼けばいいってもんじゃないんだ。マメに裏返さないとすぐ焦げちゃうんだもん。”お餅は貧乏人のコに焼かせろ”っていうんだって。早く食べたくて何度もひっくり返して様子を見るからなんだけど、リリンは上手い喩えをするもんだね。んで、お餅を焼いたついでにちょこっと司令のことを脅かしといた。僕みたいに完璧な奥さんをもらっておいてのうのうと浮気するとは考えづらいけど、何しろ前科があるし、それに司令にその気がなくても女のほうが強引に迫ってくるっていうセンもあるもんね。だってだって、司令はどこからみても男らしくてカッコいいんだもん(*><*)。ああ〜なんだか心配になってきちゃったよ。

+碇司令の独白+

あの時のカヲルの目は恐かった・・・・・・・(ーー;;;;;)。

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