いよいよ年に一度のイベント、カヲルちゃんの誕生日が近づいてきました。カヲルちゃんもおねだりパワーフル回転で、その日が来るのをてぐすね引いて待っています。とはいうものの、給料が振り込まれるたびに勝手におろして使いまくっている最近のカヲルちゃんには、さすがに司令も思うところがあるようです。この状況の中、さらにおねだりを敢行するのは賢い妻のやり方ではありません。(よし。ここはひとつ角度を変えてアプローチしてみよう!司令は根が単純だから、きっとコロリとその気になってくれるはず・・・・・・・・。)こういうときだけものを考えるカヲルちゃんは、名付けて”押してもダメなら引いてみな作戦”で、司令の堅くなりかかっている財布の紐を全開させようと目論みました。
誕生日を明日に控えた夜、カヲルちゃんはにっこり微笑みながら司令に寄り添って言いました。「僕、特別なプレゼントなんて要らないよ。だって僕の一番の宝物は司令なんだもん。あなたがこうして側にいてくれるだけで僕は世界一シアワセなんだ」。日頃のおねだり魔人ぶりに似合わぬ、取って付けたようなセリフにもかかわらず、司令は感激に目を潤ませています。誰がどう考えたってカヲルちゃんがスペサルなプレゼント欲しさに上手いことを言っているとしか思えないのですが、第二の青春に熱い血潮をたぎらせている司令の萌え萌えハートは、もう覚めることを忘れてしまったかのようです。翌日の夕暮れ、デパートやブティックの包みの山を嬉しげに抱える司令と、元気に飛び跳ねながら次々とショーウィンドーを指差すカヲルちゃんの姿が見られた事は言うまでもありません・・・・・・・・。
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