輝かしい新世紀の幕開けと共にカヲルちゃんは思いました。”僕ひとりだけが家事をするのは不公平だ”。とは言うものの、カヲルちゃんがまあ熱心に労力を傾けているのはお料理くらいのもので、それも自分が美味しい物をしこたま食べたいがために頑張っているに過ぎません。洗濯は全自動洗濯機&乾燥機に任せっきりだし、掃除はごくごくたま〜に四角い部屋を丸く掃いてハイお終い。しかも、暮れのどさくさに紛れて、司令に食器洗い機まで買ってもらったカヲルちゃん。今更、家事のどこを分担するというのでしょう?もちろんはっきりとしたポリシーを持って主張しているわけではなく、大方テレビや週刊誌の記事を自分の都合の良い様に曲解しているに違いありません。


正月早々、カヲルちゃんは自分の通っているお料理教室のパンフレットを司令に見せました。「今年から男性だけのコースが出来たんだよ(^o^)。」そう、ついにカヲルちゃんは最後の砦の料理までも司令に押しつけて、家事からの完全解放を果たそうとしているのです。しかし、そこはカヲルちゃんですから、浮いた時間を有効に使おうとかその分勉強に力を入れようとかはこれっぽちも考えてません。食う寝る遊ぶ。これがカヲルちゃんの欲求の全てなのです。愛妻のそんな嗜好は十分すぎるほど分かっているはずなのに、笑顔とおだてに負けて、またもやカヲルちゃんの思い通りに動いてしまう司令。21世紀を迎えても碇家の力関係は相変わらずのようです(^^;;)。

+カヲルちゃんの独白+

毎日、食事の献立を考えるのって結構面倒くさいなあ。なんだか飽きてきちゃった。食べるの大好きだから、自分で工夫して美味しいものをこしらえるのはそれなりに楽しいけれど、寝っ転がってゲームしている間にご馳走が出来てたら最高だよね〜♪でも、店屋物ばっかり取ってたら不経済だし、その分のお金は別の楽しみに使いたいなあ。そうだ、司令にもご飯を作ってもらえばいいんだよ。最近、家事分担が流行ってるし、司令だって万が一のために料理くらい出来た方がいいに決まってる。仕事ばっかりしていると定年後”粗大ゴミ”になっちゃうって、週刊誌にもよく書いてあるもん。ふふ、自分の良妻ぶりが怖くなっちゃうな〜(><)。。。


さっそく司令を料理教室の男性限定コースに通わせることにした。最初は渋っていたけど、愛する僕のお願いを断ることなど出来ないのは分かってる。まだ、最初の段階だけど、教室のおさらいで作ったメニューが味も盛りつけも期待以上の出来だった。しかも僕なんかよりよっぽど意欲的で、日曜日には本を見ながらケーキを作ってくれた。これがまた美味しいんだ〜\(^O^)/。不器用だし、物覚えが悪いから内心どうなることかと懸念していたけど、嬉しい誤算だったなあ。要領の悪いリリンの方が一度身に付けた技術は忘れないものなのかもね。これで一年も通って、しっかり基礎を会得すれば、大抵の料理は作れるようになるだろう。そうなれば、僕は学校から帰った後、ずっと遊んで暮らせるもんね。えへへ(^o^)♪

+碇司令の独白+

・・・・・シンジの料理上手は案外、私の遺伝なのかもしれん・・・・・(~v~)。

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