1:今年も6月6日(第一日曜日)
針ノ木岳大雪渓にて
第47回慎太郎祭が開催されました。


2:お天気はあいにくの曇天。
登り口の沢は大水で、橋がかけられました。
例年ですとここはずーっと
雪の上を歩くのですが・・・。

3:それでも周りの木々の新緑が
美しく目に飛び込んできます。
深呼吸をしたくなります。


4:参加者は役員他あわせて約250名。
やはりお天気のせいでしょうか。
例年より少なめ。 
多い年は500名近くになりますから。

5:雪が少ない分、落石も多く
危ないところには、注意の標識が・・・。



6:堰堤にははしごがかけられています。
いつもの年はずっと雪の上を歩きますので、
人によっては堰堤があるとも知らずに
登って行ってしまいます。

7:一歩一歩慎重に登って行きます。
はしごの高さは約5m。
この高さまである雪が今年は無いのですから、いかに春先の雨が多く、あたたかな年だったか、わかりますね。


8:先発する山岳会会員の背には
お祭り用の道具が。
それも海のもの、山のもの、里のもの、
もちろん、お神酒も。
会員がそれぞれ分担して、
祭壇を飾る品々を運びます。

9:前日の5日から、
大勢の役員が登山道に入り、
安全に登れるよう、
標識をきちんとつけていきます。



10:雪渓の手前の茂みに大沢小屋があるのですが、そこまではちょっときつい登りです。

11:でも、周りは気持ちの良い緑の世界。
森林浴を十分に楽しみながら
汗も流します。

12:ブナやしらかば、ダケカンバの中を通り過ぎると、何となく広い場所に出てきます。
そうすると・・・・・突然!!

13:突然、大沢小屋があらわれます。
うれしい・・・。休める・・・。
そんな感じで小屋を眺めてしまいます。


14:この建物でたしか3代目のはずです。
雪渓は日本三大石渓の一つですから、
アイゼンは必需品です。
貸し代用のアイゼンで安全に登りましょう。

15:小屋主の百瀬尭(ももせたかし)氏
・・・中央茶のシャツの方・・・しばし、談笑。
前日もここでお世話になっているので、
お礼のかねて、ごあいさつです。

16:大沢小屋は北アルプスの他の山小屋と違い、水道も電気もガスもありません。
太陽光を利用して明かりをとっています。
でも、お水にしても食材にしても
ほとんどは人の背によるしょい上げです。

17:大沢小屋の前にある大山祇新神社のお社と「山を想えば」のレリーフ。
そして慎太郎のレリーフ。
大町山岳会にとっては、
とても想い出深いものです。

18:扇沢、針ノ木峠
何気なく立ち、何気なく登山者の安全を
確保してくれる道標ですが
国立公園内にレリーフや道標を立てるということは、大変な困難がありました。

19:大沢小屋の反対側にある
石室(いしむろ)です。
以前は避難小屋として使われていたようです。 テント張り分位の広さがあり、私もここにテントを張って、大雪渓でのスキーをした想い出があります。

20:オオカメノキの白いお花と、
ツツジのピンクが、新緑にとても良く映えて
ほっとする瞬間です。


21:大沢小屋から数分歩くと
雪渓におりる道がいくつかあります。
なるべく安全な道を前日確保しました。

22:気持ちの良い雪渓歩きです。  ほっと一息。
大勢の方はここで休憩。  スパッツをつけたり、アイゼンをつけたり、さあ三大雪渓の登りです。
雪渓の中程、人影が多数見える所が、今年のお祭り広場になります。

23:山岳会会員がそれぞれに背負ってきたお供え、御神酒、さいせん箱、1斗樽などを供えて神事の場所をつくります。

24:榊を四方に祭壇もなかなかのものです。
全部合わせると2斗のお酒が参加者のおなかの中におさまり、夏山開き「慎太郎祭」の神事が終了します。

25:天気予報もあまりよいことを言っていませんでしたが、神事が終了するあたりから、だいぶ雲行きがあやしきなってきました。

26:ポツン、ポツンと雨があたってきました。
でも稜線がはっきり見えていますから、
そんな大降りにはならないだろうな・・・。

27:記念登山に出発した後は、
役員が全員で片付けです。
残ったお酒や肴もすっかりたいらげて
下山をします。

28:大粒の雨が降ってきました。
通称雪渓ののどのあたりで
登山隊は下山を決定しました。
29:一番最後からは、標識をはずしたり
ザイルを回収したり、大勢の方々のご苦労で、慎太郎祭はつづいています。
早47回、あと3回でなんと50回です。


30:以前両足けいれんで動けなくなった方が何人も出て、それからは救助用のボートを背負いあげるようになりました。 ボートの無い時は、葉のいっぱいついた雑木を切り、
大きな束にして、そこに病人を乗せて、すべりおろしたこともありました。

31:今年は、まったく出番の無かった
お医者様の井口先生。
開店休業でしたので、しっかりと
お神酒をいただいたようです。
このように無事終了の慎太郎祭でしたが、今年は大会長と一緒に登りながらでの写真撮影でしたので、
思うように写真がとれず、何か申し訳ない気分です。
来年はしっかりとご報告できるようにしますので、こう御期待のほどを。
なお大雪渓での結婚式も募集しております。
この47回のお祭りの中から、もう6組のカップルが誕生し、お子さんを連れてのご参加もあります。
長く続くこということは本当にすばらしいことだと思います。
以上第47回の慎太郎祭のご報告でした。
ホームページ管理人より・・・横川仁(まさしと読みます)さんは、「木桶熟成・やまじゅうの味噌」でおなじみの酒屋さんです。
 この山行日記をご覧になって、「来年はぜひ!慎太郎祭へ!」と思っている方も多いと思います。
 そして、 岳都大町の礎となった百瀬慎太郎は、私たちの大切な心の誇りなのです。