平成16年12月2日(木)第20号発行
発行所:いーずら大町特産館
〒398-0002 長野県大町市大字大町3300-1
TEL0261-23-7511
大町から楽しい話題、素敵な画像、耳寄りなニュースをお届けします!





 アルプス搗精工場と北アルプス

豊かな自然環境に恵まれた信州は100を超える酒蔵があります。
酒造りに適した自然環境のもとで「美山錦」などの酒造好適米が生産されています。
精米は酒造りの大切な要素です。
日本最大規模の精米工場「アルプス搗精工場」では、近代設備と最先端のコンピューター管理により
県内の酒造米を精白し、高品質高純度の生産を行っています。
入館料無料で見学ができます。

本格的な冬がやってきました。
皆さん、「食欲の秋、味覚の秋」は存分に楽しまれたでしょうか。
 甘く美味しい果物、新蕎麦、新米・・・ボジョレー・ヌーボーを楽しまれた方もいたでしょう。
 そんな実りの秋が終わると美味しいものはおしまい?・・・
いえいえ、寒さが生む美味しいものが、いよいよ登場です。

今回はそのひとつ、日本酒のお話です。
12月に入ると各蔵から新酒が登場します。
そんな酒造りの現場を見せていただきたいと蔵元にお願いしたところ、
お祭りがあるとのこと。
さっそく様子を見に行ってきました。

若一王子神社
奥に見える本殿は重要文化財
11月22日
 大町市内にある国の重要文化財、若一王子神社境内に祀られている「松尾神社」で日本酒造りに携わる人々が集まり、松尾神社戻例大祭が行なわれました。 
 祀られている神様は、通称「松尾様」と蔵人達に呼ばれているお酒の神様で(ちなみにこの神様は女性だそうです)、全国の酒造りの土地に祀られているそうです。 
 市内には「白馬錦」「金蘭黒部」「北安大國」と3つの蔵元があります。 冬が近付き酒造りのシーズンになると、毎年、蔵人達が今年の酒造りの成功と安全を祈願するのです。

見事な三重塔

神官が笛を吹き、祝詞をあげ、
そしてお祓いをします。

本殿左奥の杜の中にある松尾神社。 幟(のぼり)は大正時代のもので、当時の杜氏の名が記してありました。
杜氏とは酒造りの最高責任者のことです。

酒造りの成功と安全を祈り、
真剣な表情の酒蔵の皆さん。

「白馬錦」杜氏、丸山陸栄さん

三社の蔵元の杜氏。 お神酒を口に運ぶ。
さて、松尾様のお祭りの後、「白馬錦」の銘柄の薄井商店で、酒造りの様子をみせていただきました。
今年の新酒は12月第1週に出荷ということで、この日も様々な工程がどんどん進行していて忙しそうです。
邪魔にならないように、でも興味津々で見学していた時、ふと見ると薄井社長の姿がありました。
普段は実際の酒の仕込み作業には携わらないそうですが、前日から泊り込みでお手伝い?だそうです。
社長、大奮闘です。 なんだか楽しそうですよ。


水に浸して真っ白になった米。
タンクに入れ、米をならし、その後蒸す。

麹を造る部屋。 白い布で覆われている中にある。 麹菌が活発に働くよう室温は30度と暑く、暖房のない他の作業場との温度差が激しい。

タンクの中を覗くと、シュワシュワ、プツプツという静かな音をたててもろみが発酵中。

発酵が均等に進むように
タンクの中のもろみを混ぜる
櫂入れという作業。

夜中も温度管理や発酵の様子を見たりと、泊り込み作業のために用意されています。

午後3時。 休憩中の皆さん。

   
薄井商店社長。薄井朋介さん。  
  櫂入れ作業中の薄井社長。
後日、感想を聞いたら
「・・・やっぱり、蔵は大変だわ・・・」
だそうです。
見学の最後、杜氏の丸山さんに今年の出来をうかがったところ
「今年の造りも順調だで、いやぁ、いいじゃなですかねー。 美味しいと思うがねぇ。 うまくいってると思いますよ。」
との事でした。 お楽しみに!
新 酒 の ご 案 内
この時期にしか味わえないお酒です。

どうぞ冬の味覚をお楽しみください。

北アルプスの麓・大町の美味しい水と米、気候、風土
そして、蔵人の技から生れる蔵元三社の新酒の
飲み比べもお奨めです。

ぜひご賞味ください。



信州の素材にこだわり、健康に良い魅力的な「食づくり」をテーマに、
無添加、無着色を心がけた商品開発に取り組んでいる「コーベニヤ」。
特産館から北西に車で10分、北アルプスの山並を仰ぐようにコーベニヤの工場が建っていました。


世紀の大工事といわれた黒部ダム建設を映画化した「黒部の太陽」に描かれた
人間の熱い心を永遠にと誕生したお菓子「黒部の太陽」
2000年5月に大町市で開催された黒部の太陽フェスタをきっかけに商品開発されました。
黒部の太陽には「麦こがし」と「蕎麦こがし」がありますが、
今日はその「黒部の太陽・麦こがし」製造風景をご紹介しましょう。

@コーベニヤの工場に入ると、香ばしく、そしてどこか懐かしい甘い香りにつつまれました。


A香煎、卵、水など厳選された原料を混ぜ合わせます。



B香煎(こうせん)は、香ばしくいった大麦を粉にしたもので、糖質を主成分にたんぱく質、脂質、ビタミンB1・B2、ミネラルを豊富に含みます。

Cほくほく、美味しそうな栗餡。


D栗餡を包みこみ、形を整えます。


Eたっぷりの粉糖をまぶしていきます。

F丁寧な作業が続きます。


Gオーブンに入れ、約15分焼き上げます。

Hだんだん、焼き上がってきました。

I焼き上がった「黒部の太陽」。 
香ばしく、そしてどこかなつかしい麦の素朴な香りがただよいます。 
焼き上がった「麦こがし」は、まるで雪化粧をした北アルプスの山々のようです。
Jちょっとおしゃれな包装の黒部の太陽は、特産館でも人気の商品の一つです。

今回おじゃましたコーベニヤの方々の、やさしい笑顔と手のぬくもりで作り出されるお菓子「黒部の太陽」。
やさしさと愛情、そして大自然の恵みがたっぷりとこめられていることが感じられるひとときでした。
  12月の催し物
12月18日(土)〜25日(土)
高瀬川の渓流美写真展(田中睦郎)

高瀬渓谷を中心に四季の風景を撮影した、大町市在住・田中睦郎さんの写真展。
[ 開館時間10時〜17時(最終日は17時まで)入場無料 ]
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