平成17年1月1日(土)第21号発行
発行所:いーずら大町特産館
〒398-0002 長野県大町市大字大町3300-1
TEL0261-23-7511
大町から楽しい話題、素敵な画像、耳寄りなニュースをお届けします!

年の瀬に降り積もった粉雪
白い冬で迎えたあらたまの大町です

しーんと静まりかえった雪の世界に
ときには心はひきしまり、
ときには安らぎを覚える
一年のはじまりの時
静けさに平和を祈る雪景色   大町西小学校の並木道
伝統と新しいしつらえで、それぞれに思いをこめて迎える新年。
お正月らしい大町の表情をお伝えします。

穏やかな新年
二年参りの人々が訪れる若一王子神社

大晦日の本通り
暮らしぶりが伝わる旧家の佇まい
ここから新たな始まりが・・・

初詣

老舗の菓子舗に飾られた羽子板

こちらはいーずら大町特産館


いーずらの囲炉裏
立ち寄ってお休みください
市内を歩くと、酒蔵の建物に杉の葉で作られた丸いものが吊るされているのを見かけます。
この杉の玉は「酒林」と呼ばれています。
冬が始まったある日、ふとそれを見ると今まで吊るされていた、杉の葉が枯れ色になっていたものに替わり、

青々とした真新しいものが吊るされていることに気付きます。
この時期に替わるということは・・・そうです、この「酒林」は新酒ができたことを告げるものなのです。

新しい酒林を見ると毎年、あぁ、もう新酒の時期か。
そういえばこの頃ずいぶん寒くなってきたなぁと、これからいよいよ本格化する大町の厳しい冬を知るものです。
でもそういえば毎年、いつのまにか真新しく替わっている酒林を見るけれども
実際に変わる、その時の様子は見たことがありません。 
そこで今年はその瞬間を見に行って参りました。
12月7日
市内の中心通りに建つ、歴史を感じさせる古い酒蔵。 「金蘭黒部」の銘柄の市野屋商店。
酒林を吊るす場所は通りに面した玄関口の二階部分の軒下です。
しばらくするとフォークリフトに乗せられた酒林が運ばれてきました。
間近で見ると想像以上の大きさで驚きます。
大人二人が手を広げてもまだ足りない大きさで、重さは約120kgだそうです。
今年は例年よりやや大きめとのこと。
今シーズンから新しい杜氏さんに代わり、新たな気持ちと意欲が込められているからかもしれません。
新しい杜氏の名前は村山さん。30代の若き杜氏さんです。
いよいよ真新しい酒林が吊るされます
慎重に屋根に上げる

蔵人4人でもかなり重くて大変

やっと吊るせました

きれいに形を整えて・・・

大きな酒林です




搾りたての新酒
試飲させていただいたお酒は香りがよく、
美味でした!
清々しい杉玉を眺めていると、
これも日本の冬のすてきな風物詩だなぁと
しみじみ思いました。
もし、冬の大町にお越しの際は、
ぜひ市内を散策して見つけみててください。
さて、もうひとつ酒造りの光景、風物詩といえば、冬の朝、まだ辺りは暗い頃に蔵の煙突から登る蒸気です。
蔵人は寒さ厳しい早朝から仕事をしています。
煙突の蒸気は酒米を蒸しているわけです。 お酒になるお米は炊くのではなく蒸します。
そして蒸しあがった酒米は用途ごとに分けられます
蒸した米をスコップで放冷機に入れる
力のいる仕事です
放冷機から出てきた米に
種麹を振り混ぜる


麹室へ運び、布でおおい麹を造る
麹造りは時間とさまざまな
工程を経て出来上がる


麹室は麹菌が活発に
働くために暑い

温度や水分を調節するため
かき混ぜる

温度と水分の調整作業






布をかけビニールをかけ
更にまた布をかけていた
布の中の麹は約40度

時間と手間をかけて
出来上がった麹




麹造りの時と同じく
蒸し米を放冷機に送り、
その後仕込みのタンクに送られる
タンクの中に入っていく蒸し米。
底に見えるのは仕込み中のお酒
酒造りの工程の記録
仕込みタンクの中の
温度などが記録されている

このほかに、酒のもとを造る際にも用いられます。
このように酒造りは非常に多くの工程を経て、またその作業の言い方も独特です。
麹造りひとつとっても「引き込み」や「切り返し」、「盛り」などなど。
仕込みでは「初添え」、「踊り」、「仲添え」、「留添え」など。
混乱して頭が痛くなりそうです・・・。

秋から春まで約半年。 酒の種類ごとに様々な工程を並行して行なったり、
早朝から、また夜中も起きて作業をしたりと酒造りは大変だとつくづく思いました。
まして微生物相手の作業・・・。
日本の食文化と伝統技術、蔵人の皆さんに感謝しておいしく頂きたいと思いました。
皆様もぜひ今年の冬は熱燗でもいかがでしょうか。

(飯島 記)


ここ信州・信濃大町も本格的な酒造りが始まり、続々と今年の新酒が発売されています。
12月中旬、「今日はしぼりがあるでぇー」という声を聞きつけて
市内三社ある内の一つ、大國の銘柄で親しまれている北安醸造へ駒込絵里子がおじゃましました。
北安醸造さんは大町市街地中心にあり、大正時代に創立された従業員7名ほどの
家庭的な温かさのある蔵元です。
今なお本当の意味での手造りの酒を、一本一本愛情を込めて造り続けています。
@

←@麹室で種もやしを入れ、一晩ねかせ麹を作ります。
室温は30〜32度、外は5度の外気温です。


→A米、麹等に酵母を加え、酒母を作ります。
(発酵させてアルコールに変える)

発酵しタンク一杯まで泡があがってきます。

A

B

←B仕込んだお酒は発酵も徐々におさまり、タンク一杯の酒もここまで沈んでいきます。




→C静寂な蔵の中で、常に愛情と手間をかけ、厳しい目が光ります。
夜中でも2回ほど見回ります。
C

D
←Dしぼり
もろみ1枚ごとに空気を入れ、圧力をかけて清酒と粕に分けます。


→Eおおよそ17日間寝かせた酒は、芳醇で清らかさで輝いています。
E


F

←Fしぼった後の酒粕
このまま夏まで寝かせると漬物用の漬粕になります。


→Gこの日はビン包装でいそがしい営業の伊藤さん。
G

H
←H北安大國・山田和夫杜氏。 酒造りにたずさわり40年。
昔から腕のある杜氏を輩出してきた小谷村出身の小谷杜氏
冬の間は村に戻らず、蔵で酒と共に寝泊りしています。
雪深い小谷村の家は、「全て母ちゃんにまかせる。」とおっしゃいました。
酒蔵におじゃました当日、仕込んでいたお酒は「塩の絆」。 
これは「小谷錦」という小谷村産の酒米・白樺錦で小谷杜氏が造った
こだわりの酒です。
特産館では、年間を通して販売している「純米吟醸いいずら」も
人気の高いお酒の一つですが、「いいずら」という名前の由来は、
酒が出来上がった時、杜氏が「いいずら(いいでしょうの意味の方言)」と
声を発したことから命名されたとのこと。
思わず杜氏をうならせるほどの銘酒だったのでしょう。
北安大國の酒は、淡麗辛口が昨今主流になっていますが、
あえて昔ながらの甘口濃醇な酒の味を守り続けて、
濃厚な旨口、甘口の酒を造っています。
2004年に発売した「あなた好み」は精米低精白(80%)にして
米の味と香りを醸し出す懐かしく新鮮に感じるお酒です。


(駒込 記)
ギャラリーいーずらでは、毎年この季節には大町市内学校展が開催されます。
児童・生徒の個性あふれる作品展。 どうぞおでかけください。
1月13日〜18日:大町北高校  書道・美術展。

北高の書道展
交流のある韓国ソウルの高校のハングル書道作品も展示

北高の美術展。点描・油絵・デザイン画など。
白馬高校からも参加作品があります。
1月20日〜25日:大町高校
 
 大町高校 書道部 美術部 写真部などの作品展
1月27日〜2月1日:大町第一中学校
2月3日〜8日:大町北小学校
2月10日〜15日:大町南小学校
2月17日〜22日:大町仁科台中学校
2月24日〜3月1日:大町西小学校
3月3日〜8日:大町東小学校
[ 開館時間10時〜17時(最終日は17時まで)入場無料 ]
かわら版バックナンバー
トップページへもどる 前のページへ