平成17年6月1日(木)第25号発行
発行所:いーずら大町特産館
〒398-0002 長野県大町市大字大町3300-1
TEL0261-23-7511
大町から楽しい話題、素敵な画像、耳寄りなニュースをお届けします!

風薫る5月が過ぎ、迎える6月。
この月は、「水無月」 「風待月」 「涼暮月」 「蝉羽月」・・・など美しい呼び名があります。
大町はこの季節、緑色の濃淡が山肌に鮮やかに描かれて、空は青く高く、残雪の山並みは輝くばかりです。



5月25日、白馬錦の清酒「雪中埋蔵」の掘り出しが行なわれました。

しぼりたての生酒が山麓の雪原に埋められたのは1月下旬のこと。
雪の中で眠りの時を刻み、今めざめた「雪中埋蔵」

薄井商店が大町の風土に根ざした酒造りに心をよせて、雪中埋蔵を造り始めたのは10年前。
年ごとに、雪中埋蔵掘り出しの物語に、酒を愛する人々の期待が高まっています。

シートに覆われたこの下に
埋められています
始まりはここから・・・

まずは大きなバックホーンが登場。

8時50分 だいぶ除雪が進み
総出でスコップを振るいます。

3メートルほどの雪を取り除き
いよいよお酒が見えてきました。

青空の下、掘り出しを見守る大勢の皆さん
早く味わいたいことでしょう。

報道関係の方々も必死です。

力を合わせてコンパネ運び
白馬錦の皆さん。

白馬錦の皆さんと
重機を扱う皆さんも
一致団結して取り組んでいます。

杜氏の丸山陸栄さん
お酒の温度を測っています。
上部のお酒は1.5℃でした。

おいしいお酒に熟成していることを
祈るようにはためく
白馬錦ののぼり旗のもとで
杜氏さんにインタビュー。

雪の中には、
「特別純米酒雪中埋蔵」
「無濾過生原酒雪中埋蔵」
「氷筍水仕込み雪中埋蔵」
「白馬の白樺米雪中埋蔵」

これら4種類のお酒が
眠っていました。

お酒を運ぶコンテナがクレーンに・・・

9時15分 コンテナが下ろされます
右端は副杜氏の吉田さん。

ひとつのコンテナに
一升瓶8本入りのP箱が
20ケース乗せられます。
取材している皆さんも雪の上で大奮闘の様子です。



最初のお酒が巨大クレーンで
つり上げられます。

こちらは「氷筍水仕込み雪中埋蔵」
東京のデパートで
夏の贈答用として好評です。

深さ6メートルほどまで、お酒は何段にも重なって
一升瓶で5000本ほどあるそうです。

積荷を終えた第1号車が
会社に向けて走り出しました。

杜氏さんを中心に
どんどんお酒が掘りおこされます。

重いものを持つのは
気力とコツでしょうか?

この朝、ラジオの生放送で語っていた
聖子さん(左)と由貴ちゃん

取材に追われる薄井社長(右)
この土地でお酒を造ることへの
深い思いを語っていました。

自然の力を受けて、
ゆっくりと穏やかな温度変化で
熟成を重ねた埋蔵酒。

酒造り50年の丸山杜氏です。

作業が進む中
今年のお酒の利き酒です。

香り、色沢、味をみる丸山杜氏.。
出来栄えは、「味に幅がでて、
まろやかに仕上がりました。」

10時15分 
最後のコンテナです。

 これがトラック最終便
 疲れ知らずの丁寧な作業が
 続きます。

10時40分 「ご苦労様です」と
横川商店の横川さんが登場
杜氏さんと言葉を交わし
「仕入れた雪中埋蔵は
2℃で管理しましょう」と
話していました。

お酒の後は、機材も全て片付けます。
  
                     仕事を終えたバックホーンとクレーン車。

シートやコンパネ、ネットなどその他機材を片付けて、10時55分、現地での作業が完了しました。
そして、蔵ではこの後、壜詰めなど販売にむけての大切な作業がまだまだ続きます。

冷たい雪に埋もれて熟成する「雪中埋蔵」。

今日の掘り起こし作業を見ていると
白馬錦に働く方々の熱い心がこのお酒をはぐくんでいるように思えました。

雪中埋蔵は6月4日発売
720ml  1575円
300ml  735円
【おことわり:雪中埋蔵は平成19年度6月発売から、価格が720ml 1680円に変更となりました。】
「雪とけて
  日差し嬉しや ふきのとう
    春の香りに 心おどりつ」
 

こんな歌を詠みながら、雪どけの野山に分け入り、自然の恵み、山の幸を大切に摘み採りながら、独自の山菜加工をしているのが川井義二さんです。

山菜加工を始めたのは、平成元年。
歌とダンスが大好きな川井さんは、「トレビの泉」という洋風居酒屋を営んでいますが、50歳にして思い立ち、山をいとおしく想う気持ちから山菜を手がける仕事も始めたそうです。


特産館から5kmほど車を走らせた
美麻村大塩に川井さんの
山菜加工場があります。

5月半ばに工場に伺ってみると、
小谷村の友人と共に奥様を連れ立って出かけて採ってきた
北アルプス山麓のふきのとうが山のように積まれていました。

ふきのとうは雌雄異株。
白く冠毛がある花(中央)と
黄色い花(手前)があります。
川井さんは、味と風味の良い
黄色い方のふきのとうを
より多く使うようにしているそうです。
この日の収穫は50kg。
ふきみそ1000個分のふきのとうです。
きれいに洗浄した後、機械で刻まれます。


粗く刻まれたふきのとう

丁寧に流水であく抜きをします。

この時季だけに収穫するものが
1年分の原材料となります。
年間5000個分を
風味を損なわないように
塩蔵して保存します。
今日見せていただいたのは、
ここまでですが、このふきのとうに
信州味噌、砂糖を
和えて加熱して練りこみ、
香り豊かな「山のふきみそ」
できあがります。

川井さんのふきみそは、
油を使わないこと、
甘さ控えめでなかなかの
評判です。

辛いふきみそ  山のふきみそ 
1個 630円
手造りながら年間15000個を仕込む自慢の逸品  「山のあざみ」

ほろ苦さと歯ざわりが美味しい
野趣あふれる「山のあざみ」です。
1箱 650円
川井さんが作っている、もうひとつの商品が、「山のあざみ」です。
こちらはヤマゴボウの仲間ミヤマサワアザミの葉芯を醤油漬にしたものです。

工場の近くに、ミヤマサワアザミが自生するところがあると、案内していただきました。

今年は雪どけが遅かったこともあり、
あざみの生長が少し遅れているとのことでした。

6月は、あざみの収穫と漬け込みで忙しい川井さんです。

これがミヤマサワアザミです。
葉っぱの芯の部分を
10ヶ月の間、塩蔵してあくを抜き
「かわい」の味で漬け込みます。

奥様と仲良く山懐に遊ぶ川井さんの心境は
「万葉に想いをはせる摘み草は  春の息吹の宝なりけり」 (詠み人筆者)
というところではないでしょうか。


川井さんの山菜工場から1kmほど離れたところに「静の桜」があります。
大町、美麻、八坂には歴史を辿る史跡、自然を語るさまざまな良い景観がたくさんあるのですが
人には余り知られていないところもあります。
今、こうした大切な場所を巡り、地域の魅力を探していこうという動きが出てきています。

源義経ゆかりの「静御前」にまつわる言い伝えが大町周辺にもいくつか残されているそうです。
美麻村大塩にある「静の桜」は、義経を追い奥州を訪ねようと大塩(音が似ている)に
たどりついた静御前の杖が根付いたと伝えられる推定樹齢800年のイヌザクラです。
ここは「静の桜公園」として、季節の花々や木々に彩られ親しまれています。











幹の周りは8mという巨木です。







5月28日(土)には、「静御前にまつわる伝承を楽しむ会」が北安曇地方事務所の主催で行なわれました。
当日は薄曇でしたが、200人近い参加者があり、大町市、八坂村、美麻村それぞれに
静御前ゆかりの地を巡りながら、ひとときの伝説の世界を楽しみました。
大町市平の海岳院には静の母「磯の禅尼」のお墓があるそうです。
特産館も出店 静の桜公園付近には「高札」や「縁起」の名残りがあります。
養老劇団の皆さん 歴史を辿るお話も・・・


針ノ木岳 開山祭  「慎太郎祭」  
  6月5日(日) 雨天の場合は翌週に順延
  「クリック」して昨年の慎太郎祭の様子をご覧ください。
第5回アルプス囲碁村まつり    
  6月12日(日)
  大町市運動公園大アリーナ
  特産館も出展いたします。
【風景等写真展 乱写30年 PARTT】
 6月9日(木)〜14日(火)

風景、花などの個性豊かな写真展
写真展【風流れ、時流れ、人の舞う】
6月16日(木)〜21日(火)

舞い踊る舞踏家の姿を撮り続けている
塩島千典さんの写真展
【活和会和紙絵展】
6月23日(木)〜28日(火)

会員の作品展
かわら版バックナンバー
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