平成15年9月1日(月)第7号発行
発行所:いーずら大町特産館
〒398-0002 長野県大町市大字大町3300-1
TEL0261-23-7511
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 紅花いんげん・・・この地方ではアルプス花豆、ところによっては、ハナササゲともよばれるこの植物は、中央アメリカ原産です。 17世紀にヨーロッパに伝わり、日本には江戸時代末期に渡来し、観賞用としても栽培されたと言われています。
 多数の紅色の美しい花が咲くことから紅花いんげん、そしてその豆の彩りから紫花豆ともよばれています。 紫色に黒色のモザイク模様の大粒の豆は、品質もよく、豆類の中でも実の大きさは最大です。 花が白い品種もあり、シロバナササゲとよばれ、これは豆の色も白色です

白花と紅花
 紅花いんげんは高温で開花しても莢(さや)ができない・・・実を結ばない・・・性質があるため、標高が高く、夏季やや冷涼な大町の風土での栽培がとても適しています。
 大町市では平成2年頃から転作奨励作物として、平地区、社地区などで栽培されてきました。 大町の澄んだ空気の中で、夏の陽射しを浴びながら花を咲かせ、実を結んだ紅花いんげんの収穫はもうすぐです。


大町市で栽培されている紅花いんげんの花

老舗の店先



平成4年に親子で作った高山植物を
モチーフにした工芸菓子


お父様の筆が生きてるラベル

 平成2年から大町市の転作奨励作物として栽培が始まった紅花いんげん。 地場産振興事業として大町のお菓子屋さんたちが集まって、この花豆を使った製品づくりに取り組み始めたのは平成6年のことでした。
 そんな中から生まれたのが柴田製菓舗の「紅花いんげん蒸し羊羹」です。 現在の店主・柴田裕久さんは自分でも、もともと蒸し羊羹が大好きだそうです。 「花豆だけを使って大好きな蒸し羊羹を作ってみよう!」・・・いろいろな考えの中から工夫して、今では特産館のお客様にも人気が高いこの和菓子が誕生しました。
 当時ご健在だったお父様と二人で作りだした、花豆の特長などを十分に生かした逸品です。
  一つの商品としてのお菓子が出来上がるまでは、美味しさはもちろん、大きさや包み方など考えることはいっぱい。 発売以来、今でも変わらないラベルは、裕久さんのデザインに、今はなきお父様の直筆の文字が描かれています。 お父様はこの蒸し羊羹が商品化された翌年の初春に旅立たれたそうです。


餡も粒豆も紅花いんげん
@ さて、この紅花いんげん蒸し羊羹どんな風にできあがるのでしょうか。 まず、花豆・・・これは餡にするのも、煮豆にするのも全く同じ上質の大粒を使っています。 一晩水にほとばした(浸した)花豆で、柴田製菓舗では自社の製餡機でおいしい餡をつくります。 また、煮豆は3日かけて糖度を調整して、蜜を含ませ、じっくり、ふっくら炊き上げます。 使うお鍋は大きな銅鍋です。






A 製餡した餡をさらにミキサーで練り、ここに小麦粉、砂糖を入れながら丁寧に練っていきます。

 
B 葛粉を入れて、練り上げて、蒸し羊羹の生地のできあがりです。
 
 気持を込めると美味しくできるよ!

生地ができたら、ふっくら炊いた粒豆をたっぷり入れます。
  
  
 入れる粒豆の大きさと多さにびっくり

C 丁寧にまぜて、せいろ(型)に流し込みます。
  

 そして、2時間かけて、しっかり蒸し上げます。

   
 蒸し上がりました。 添加物をいっさい使わない、やさしい甘味と花豆の風味が自慢です。



仕上がる時はちょっと厳しい職人の顔

 1枚を16本にカットします。
  

 下ごしらえから5日目。
 柴田の紅花いんげん蒸し羊羹のでき上がりです。
 大きな花豆が何と美味しそうなことでしょう。
    
紅花いんげん蒸し羊羹はいーずら大町特産館の人気商品のひとつです。
堀六日町に大きなお地蔵さんとかわいい道祖神がいます。
 道祖神は安曇野らしい石仏の代表格。 ふつう村内の無病息災と円満の願いをになって旧村堺にポツンと立っているもの。 町場にあるのは珍しいことです。
 ここから5分ほど歩けば仁科氏居館跡(天正寺)です。 この町には居館の外堀があったために堀六日町だとか。
 ところで大町には日のつく町が、三日町から十日町まで六つあります。 月のうちその数字がつく日に、そこに市が立ったことにちなむ町名です。 そんな市が今風に復活したら楽しそうです。
(文・山垣礼次郎)
 先月(8月)のかわら版で横路融さんが紹介されていた路沿いの蔵ですが・・・
 この蔵は通称を「麻倉(あさぐら)」といいます。 建造年代等の詳細は不明ですが、その名の通り麻を貯蔵しておいた蔵だろうと推測されます。
 明治15年の安曇郡1ヵ年の輸出入物品概表によれば、安曇郡からの輸出物品総額は210,624円。(輸出と言っても、現在のように海外へ輸出するのではなく、郡外への出荷です。)
 そして上位三品目は
(1)生糸 102,000円
(2)山繭  47,700円
(3)麻   39,080円 となっています。
 この三品目だけで全体の約九割を占め、麻だけでも全体の五分の一。 麻は、当時の主要物産品だったことがわかります。 大きな麻倉も必要だったのでしょう。
 時代は変わって、戦後高度経済成長の頃、この土蔵は電気機械製造の下請工場となり、その後縫製工場を経て、数年前までは商店の倉庫として使用されておりました。
 側壁には窓が見えますが、これは後から穿(うが)たれたものです。通常土蔵は中のものを守るため窓がありません。 あるいは、窓をつける場合は防火等のため分厚い扉がつけられています。 多分この窓は工場として使われていた頃、換気や採光のためにあけられたものでしょう。
 意地悪な見方をすれば、この窓は「土蔵の壁にぶちあけられた無残な穴」です。(写真をよく見ると、窓の縁が崩れていてかなり乱雑に窓を作ったことがわかります。)
 しかし、見方を変えれば、第一次産業→第二次産業→第三次産業と変遷を重ねた日本の産業の中で、一つの建物がその時代の要請によって変貌させられた「証拠品」とも言えると思います。
 建物も、建設当時そのままの姿を残しているものには、もちろん価値がありますが、この蔵のように、無茶な改造をされたものもそれはそれとしての価値があるような気がします。 一種の「動態保存」かもしれません。 

タテヤマリンドウ
夏の思い出・・・
8月のアルペンルートの1日
今年の夏は天候が不安定でしたが、8月のある日、弥陀ヶ原、室道そして扇沢へと巡り、アルペンルートの一日を過ごしました。 天候はやや曇り気味でしたが、優しい花々に迎えられ、山行き気分を楽しめた大切な思い出の一日になりました。(Photo by T.A.)

ニッコウキスゲ


地獄谷へ

雷鳥沢のテント場

ミクリガ池

室堂周辺に群生する山の花

ワタスゲ
黒部ダムの向こう側には、こんな夏の世界が広がっていました。  
季節は少しずつ秋色に・・
  大町からアルペンルートへ・・・
8月の想い出は大町ゆかた祭り、やまびこ祭り。
 そのときどきの風情で皆様をお迎えする ”いーずら” です。

お祭りには欠かせないいーずらの焼き鳥!

みなさん、お祭りに繰り出しました

二年ぶりのゆかた姿で働いて
へとへとの亜希子ちゃん(左)

  絵になるいーずらの暖簾

ゆかた祭りの晩、市野屋商店前では
社長自らお振る舞い

いつも笑顔でお客様をお迎えするいーずらのスタッフ
いろいろな催物で、街は元気になります。 これからも、いーずら大町特産館をよろしくお願いします。

開かれた美術館「ギャラリーいーずら」の7月の開催予定は次のとおりです。
高木初見作陶展
 8月23日(土)〜9月28日(日)
 休館日9月3・10・17・24日
高木初見さんは大町市平野口出身の陶芸家です。 現在は嫁ぎ先の豊科町の自宅に窯をもち、作陶に励んでいます。 独自に学んだ技術や自然を題材にした作風で、女流陶芸展、日本現代工芸美術展、日展などに入選。

[ 開館時間10時〜18時(最終日は16時まで)入場無料 ]
大町ワインのための葡萄です。
残暑の陽射しをあびて、糖度と酸味が増すと良いのですが・・・。
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