05年7月

4月×日…漫画家の色紙プレゼント。貴重品な割に希望者は少ないが、先月の好善信士は大人気。本人に伝えると嬉しそう。「けど漫画の方を@に入れてもらえないと…」(笑うと不二家のペコちゃんそっくり!)扇蘭丸からカラー原稿が2点届く。『にっぽん話題スクープ』と『漫画ピンクタイム』の表紙カット用。エロ劇画系といえ彼は若手。CGだ。色付けがまだ淡いか。三条友美も昨今はCGだが、デビュー直後から知る者からすれば、魂が抜けたような絵柄だ (あるいは手描きでも?)。ただあのクラスだと、昔の名前で喰えるから不思議(編集は絶対無理)。尾山泰永来社。「故障したまんまの漫画屋HPのカウンター、早く直せっ!!」「リンククラブへは連絡したんですよね?」「何度もな。ナシのツブテ。いいかげんなトコ。オメーが紹介したんだろっ!!」「ハイハイ〜!けど色々と面倒で…」花村れいらの『熟女H告白』の下描き描き直し分がFAXで。全然面白くなってないが、時間がないのでOKを。鬼姫や小海隆夫もだが、描く側の都合ばかりで、読者が念頭にない(当人達は楽しんでる)。帰りの新幹線で『ヨーコに好きだと言ってくれ』(矢作俊彦・光文社’87)読了。『心中櫻ヶ塚』(草間彌生・而立書房・本体1500円)に。ヘンテコなオブジェ類よりずっといい。自室で『エイリアン4』(監督・ジャン・ピエール・ジュネ・’97米)。『フリークス』のリメイク、いつか撮って。

4月×日…東京駅から徒歩で中央公論“ナベツネ”新社前の「メディアボックス」へ。夏公開の『亀は意外と速く泳ぐ』(監督・三木聡)の試写。理解できない世界。昼飯は事務所で東京駅で買った、(株)マコトの「焼鮭肉じゃが弁当」(850円)。同社らしいボリュームと味だが、鮭は大きすぎてありがたみが薄い(ぜいたく言ってすまぬ!)。富士美出版の『桃姫』に警視庁の呼び出しと。エロ漫画誌への警告は久々(グラフ誌は前から時々)。こんな売れないのに修正強めたら…。それにアレは、無修正ゴマが昔から多かったから特別と、無理矢理自分を納得させる。“既に後は1ミリもない”との言葉が、ヒシヒシと身にしむ日々。岩尾事務所(曙出版)で『スーパーコミック』やってる加藤建次が、再録漫画を借りに。同誌、DVDを付けて以来絶好調と(漫画は付録?)。総白髪状態で、糖尿病みのコイツのオッサン度は99%強だが、傍から見りゃ 俺も95%位か。“熟女漫画描く気は?”とのFAXを阿宮美亜へ。“お久し振りです。もう半月位で今後の予定がハッキリするので、また連絡します”との返事。辰巳出版だかの元編集が、彼女のマネージャー代わりしてるらしい。それ程の漫画家じゃねえよ。夜、1人だけの事務所で『ブレヒト青春日記』(晶文社’81)。ロッテ・レーニャの日記で、女と金にだらしないとあったが、さもありなんな内容。もちろん天才だったが、嫌な野郎だったらしい。愛嬌がない(バルザックやスタンダールとの差?)。日本で言ったら、森鴎外や島崎藤村に近いのか?

5月×日…本誌の「なかよし倶楽部」に加え、『にっぽん話題スクープ』の読者欄、「人妻★浮気サイト」担当の小桃から原稿が。いんだが、頼みもしないのに本人のヌード写真を何枚も使用。今の所は単品だが、亭主とのカラミが加わるとキモイな(使用後の写真、今月の漫画屋面白グッズに入れよっと)。『漫画ピンクタイム』の読者欄、「ピンタイBOX」まで任せる訳に行かんし、「ん〜」。昔、『キャンディクラブ』で橘孝志に担当させてたのを思い出し、早速頼み込む(橘センセ、無理して自分のDカップ写真掲載しなくてもいいっす!)。その『漫画ピンクタイム』の表紙初稿が大日本印刷から。上品すぎ。曙橋の遊民社に出向き色々と注文を。デザイナーに任せると楽な面もあるが、イライラもつのる。本誌に『Mate』、更に熟女系3誌(『熟女H告白』『にっぽん話題スクープ』『漫画ピンクタイム』)も加わり、地獄のよう。売れないのに忙しい。しかも今月は鬼姫のいずみコミックス『けだものごっこ』(一水社)まで。何が何だかわからないが、すぐ暇になるに決まってるし、今のうちに稼ごう(鬼姫の漫画はベタが多いといい。ストーリーはともかく)。「エリカ」で『ガメラ監督日記』(金子修介・小学館・本体1400円)。聡明、かつフェア。金子は映画監督より物書き向きかも(監督はパラノイア向きの職業)。彼の著作は、一部監督作品より生き延びる可能性が。

5月×日…都市部私鉄の中古車輌で編成されてる、上信電車に新型が2輌。東急系とのプレート。見た事ねえよあの方面じゃ(つまり上信は、ほとんど全ての車輌が異なる。風俗嬢の墓場、場末の激安早朝ソープの電車版)。その元東急系車輌で『アックス』第44号。「ふんどしのはらわた」(杉作J太郎)と「戦後エロマンガ史」(米沢嘉博)を読むだけで1000円も払うのは業腹だったが、清水おさむの連載が加わりやや納得。元熊谷のお坊ちゃんの、“私小説風エロ劇画”。当人の粘着質な性格を思い出すと今でも身震いするが(約30年前、本業界入り直後に担当を押し付けられた)、構成、キャラ描写、ストーリー、いずれを取っても抜群の面白さ。連載に飽きて、途中で投げ出さなきゃいいが。いトうといい、熊谷出身者にゃ個性派が多い(そういや「ブックオフ」熊谷店、長いこと行ってない。バスからの左右の景色が、昭和30年代風で楽しい)。高崎駅から馬庭の辺まで(約20分)、携帯で馬鹿声でしゃべりっ放しの激ブス女。「うるせえっ!!」『松本清張研究』第6号に。

5月×日…『Mate』のミヅチフウカ、今月からCGで描いてると。「俺はペンで描いたのを見て採用したんだよ。許可得ないでそういう真似しちゃ駄目!」と、従来通りでやらせる事に。時々ある。良い結果は1度もなかったので、対応も常にこう。査定されてない手法を強行するのは、フェアでない。稿料は人格にではなく、原稿に支払われる(あの温厚なブランシェアもかつて1度)。三崎町をウロつく。『書評のメルマガ』連載、「版元様の御殿拝見」、今回は桃園書房の巻でね。山田短足大編集長に頼めば、内部見学も可能だろうが、それが原因で首になってもな。そういや近所の東京三世社にいた、飯田センセは何を?(つづく)