06年2月

11月×日…いトうに電話したら、頼れるアシが見つかりそうと。「2ヵ月に3本、大丈夫か?」「まだそこまではハッキリと…」2ヵ月に3本体制が組めれば、アシ代に原稿料を上げると以前に約束を。実現した暁でないと、無論アップはせず(1度上げた稿料は、生活水準同様にまず落とせない)。ブランシェアと橘孝志の原稿が宅急便で。2人共。最低1000円は下げたい出来。長い付き合いでもあるし、怒鳴り散らすだけで…(日本人的ーっ!!)。神保町へ。立ち喰いそば「利根」であじ&ソーセージ天入りそばを食べ(レジが新しくなっててビックリ。他の汚さは普通通りでホッ)、「田村書店」(店頭)、「小宮山書店」(ガレージセール)で5〜6冊買う。「書泉ブックマート」で数社の文庫目録をもらい(1冊も買わず)、「三省堂」2階のトイレでオシッコ(同。なおトイレの前の壁幅、他店で買った本を置き易いよう、もう20センチは広げて)、「東京堂」「書肆アクセス」「すずらん堂」「信山社」と駆け抜け(雑誌を3〜4冊)、「ブンケン・ロック・サイド」「山陽堂」「日本特価書籍」「RBワンダー」をジックリ。「RB〜」で昔の『キネマ旬報』を3〜4冊(無論、店右脇の特価コーナー。各315円。また105円に戻して)。帰社。栃木県内なら街角ごとに職質受けそうな江戸川プレコが、『Mate』の原稿を持参。「いつもよか3ミリはいい」「せめて5ミリって…」「おせじと消費税込みで4ミリ」「何か力が抜けますねぇ…」帰りの新幹線で『切りぬき美術館 スクラップ・ギャラリー』(金井美恵子・平凡社・本体2000円)読了。面白いが、絵画引用ページでの、余白への着色、デザインが過剰でうるさい。上信線で『追跡! 平成日本タブー大全』(宝島社・本体1200円)に。

11月×日…渋谷の「シネカノン」試写室で『スティーヴィー』(監督・スティーヴ・ジェイムス・'02米)。2時間半近いのに、退屈しない1級ドキュメント。監督も家族も体を張ってて、とまどいも正直に。これに比べりゃ『HARUKO』(監督・野沢和之・’04フジ)などゴミ(特に同作韓国上映会の際、元総連系活動家の主人公の息子に、日本国に感謝を捧げさせる下り入れるなんて最悪。フジサンケイグループの検閲済みにしか受け取られず、作品を超安っぽく)。帰社、『にっぽん話題スクープ』(最後)『漫画ピンクタイム』のエロシーン修正(両誌はコンビニ本ゆえ疲れる)。11時過ぎ、近所の「大王」でビールと餃子。『少年西遊記・3』(杉浦茂・河出文庫・本体850円)を片手に。月刊誌1誌なくなるときつい。けどこの状況では、新企画もなかなか…

11月×日…朝の上信線で『アメリカ紀行(上)』(ディケンズ・岩波文庫・本体900円)。翻訳に、時々意味不明な言い回しがあるが、楽しい。高崎駅13番ホームでときを待つ、俺の前の先頭のオッサンが違う場所に。表示がわかりづらいのだ(そのせいで、2ヵ所に列が出来る場合も)。「こっちですよ」と親切かつお節介にも教えてやると、「わかってます!」。これだからたまらない(ありがとう、不親切な高崎駅!)。でいざときがホームに入ると、“誇り高きオッサン”は、ブリキのオモチャのように、数センチずつ小刻みに正しい位置へ移動開始。無論、わざとらしくジッロジロ眺める俺(頭はカツラらしい)。シートに座ってからも当然ギッロギロ(JR東日本高崎支社万歳!!)。『boogie。woogie』(「タワーレコード」で1480円。10枚セットで各々20曲くらい収録。1曲7円50銭弱。何かなあ…)の1枚をBGMに、『熟女H告白』の扇蘭丸の原稿修正。成年マーク付きだから楽。蘭丸旦那は、脇役キャラ描写が上手い。鬼姫に見習えと言っても、俺が性豪を目指すに等しいか。やまだのらの糞ガキに催促電話。今年は何10年か振りで、年収が1000万を切りそうと。「あのおばさんアシ首にしたら?シャレんならんだろう」「けど…」夜7時過ぎ、1人だけの事務所で『旅先でビール』(川本三郎・潮出版・本体1800円)。映画、『珈琲時光』に刺激され、上信線の根小屋駅を訪ね猫を見物、吉井駅まで足を伸ばし、昼飯を食べて帰る下りが。ベラボーな運賃等には一切触れず、いいトコにのみ着眼してるのが著者らしい(芸風)。夕食は東京駅で(株)マコトの「秋たけなわ弁当」(880円)さっぱりしててボリューム満点(大田区東六郷の同社弁当のファン)。

12月×日…業界は平和出版の倒産で大騒動(KIYO出版、海鳴社、遊民社等の、巨額負債をかぶった編プロの皆様、御同情を。ついでに、公栄社、光雅製版、図書印刷、凸版印刷等にも)。で、こーゆー人の不幸には、関係ねえのにやたらハシャぐ野郎も。曙出版の加藤健次は筆頭。「この前スタジオディグに行ったら、石本も吉田さん(同編プロで孫請け仕事を)も平和の事、全然知らないでさぁ…」血も涙もない白髪糖尿バイアグラ爺さんだ。オメーにはこの年の瀬に失業した、ルンペンプロレタリアートの心情に、思いをはせられぬのか?(でも、俺んトコに借金には来るなヨ)。午後、『書評のメルマガ』連載、「版元様の御殿拝見」の立ちション取材で(今回は青土社)、神保町を歩いてたら倒産直前に売り飛ばされた、平和出版のこげ茶色の元自社ビル前に。中はガランドーで、取り壊わしを待つばかり。名物看板実話誌『夜の窓』も『内外実話』も、これで歴史の彼方だ(結局青土社本体にはたどり着けず、営業部門のイメージのみで原稿をデッチ上げる)。帰りは『随筆 本が崩れる』(草森紳一・文春新書・本体880円)を。最近「シネマテークたかさき」で観た映画、『いつか読書する日』を思い出しながら読むが、『甦る昭和脇役名画館』(講談社・本体2400円)の著者、鹿島茂あたりに比べ好きになれないと言うか、いちいちムカつく。鹿島と違い、テメーの女房(岸リューリ)の糞下手なイラスト、使ったりしてないにもかかわらずだ。多分、自分に対する執筆姿勢の問題かと(30ページごとに悪臭が)。それを一際感じたのが、草森が自著をマンション管理人にプレゼントする下り(サインしたかも)。ここだな。もらう側の都合も考えろ。パッチのお陰で、赤城降ろし激しい高崎駅新幹線ホームに降りても、大丈夫。(つづく)