01年

「『純愛果実』と月薫」(‘01/1)
 
出ちゃ廃刊、出ちゃ廃刊を繰り返してる、B5版平とじエロ漫画誌にまた新顔が。『純愛果実』(光彩書房)だ。一水社系だから、『東京H』の改題か。ゼロの者、兼処敬士、友永和、玉置勉強とかなりの布陣。“応募者全員テレカプレゼント”までやってる所見ると、「もう雑誌は赤字で結構!」の覚悟だろが、単行本市場も半ば崩壊と囁かれており、大丈夫?(余計なお節介か…)
 で、「おや?」と思ったのが月薫。もうほとんどエロ劇画。ただ白く、『漫画ラブトピア』全盛時の、いかづち悠の名前をふと(風の噂じゃ、今は焼き鳥屋のオヤジとか。いかにもエロ劇画の末路らしく、心がなごむ)。いかづち、絵はさわやかだったが(コピーも乱用。当然、寿命も縮めた)、話は下らないので有名だった。月薫もそう。「秘密基地」と題された作品は小学校時代の幼なじみ同士が、学校の近くで大人のSEXを目撃。今も付き合ってる2人は、例の場所を再訪。全然変わっていない。ついSEX。最後は今度は2人が、小学生たちに見られる…というもの(予想通りの臭い落ちが、エロ劇画ぽくっていいとの意見もあろうが)。
 キャラは悪くない。ただ、人物の描線がな。やたら途切れがちだが、くっきりラインでなきゃ単行本は売れん。なぜなら、性器、結合部分を露骨に書いても、線が飛びがちだと通俗的リアリズムを生まん(『ガロ』系漫画家の描線を思い起こすべし)。
 これは、エロ劇画系、ロリ系に共通する傾向。同誌には、月薫以上にエロ劇画っぽい、第六天魔王グレートも(かなりやおい臭)。こちらは描線こそくっきりラインなものの、アクが強すぎ。特に女性キャラの唇。般若か吸血鬼のイメージで、せこいチンチン喰いちぎられそう。怖さと勃起力はベクトルが逆じゃ?
 巻頭カラーがゼロの者のゆえ、このくらいのアクは「OK!!」なの?どうもオヤジは近頃の若い者にゃついてけん。もっとも前出の2人も、咲夜しおん、水城かなるといった、超ゴミメンバーに比べればマシ。メンバー不足のため、やむを得ず起用したのだろうが、この種の少女漫画風エロほど罪深いものはない。立ったチンポがすぐなえる。エロマンガ誌を廃刊にするのは簡単。この手をもう2人起用すれば良い。早く追放しては?(余計なお節介か……)

「怖がらせないで綾瀬さとみ」(‘01/2)

 白黒バックでさわやか表紙の『快楽天』だが、中身は全体的に淡白な絵柄が多いにもかかわらず、毒々しい。何で!?パラパラパラ。納得。口のでかいキャラが多い。チンポ噛み切られそう。一月号で巻中カラー、「笑ウ少女」を描いてる綾瀬さとみは、数少ない例外…と思いきや、やっぱ後半で恐怖の口裂けカット。編集が“大口執筆指導”でもしてるの?
 が、それをマイナスしても、同誌の中では一番魅力的なキャラ。巻頭カラーのかるま龍炎もだが、2人共CGでなく、絵の具で色を塗ってる点も郷愁を誘う(皮肉じゃない)。小学校高学年〜中一くらいの少女が、主人公の高校生らしい男に恋。けど彼には同世代の彼女がいて、少女の思いを鋭く悟った女は、わざと目の前で男とSEX(無論、男には内緒で)。
 60〜70年代の、イタリアやフランスの発情ガキ向けセミポルノ映画によくあったパターンだが、やはり王道。読む者の心を引き付ける(『MUJIN』パターンに食傷気味の者にゃ特に)。しかし、決定的な欠落が2つあり、抜けない一作に。
 その1。男の同世代の彼女が全然色っぽくない。特に濡れ場になると、笠倉出版辺りのレディコミのキャラに。ロリ顔の少女とコントラストを出すためか、意識的に細い目でうりざね顔にしているが、単に“不細工な狐目の女”に。
 その2。少女の濡れ場がない。こりゃ決定的。筆者が一番力を入れてるキャラだから、読者にも充分思いが伝わる。それが結局は点景に終始する。ポルノ映画やエロ漫画で、主人公が脱がないなんてのあり?
 ま、同誌は成年マークをつけないコンビニ雑誌なので、自主規制したのだろうが、なら最初からガキのキャラ、もう2〜3歳老けさせろ。それに具体的年齢は示されてないのだから、舞台を学校以外の場所にすれば全然問題なかった。“見せ金”ならぬ“見せ少女”登場させ、「じゃあ〜ね〜」じゃ怒り買うぜ。
 他では「スターライト★ナース」を描いている、ピロンタンがなかなか。眼のトーン処理が、独特な色気。患者の爺さんが妙にリアルすぎる欠点はあるが、使える。けどコンビニ本も大変。都条例が怖いので、マンコは真っ白修正。一方、野朗の金玉は3割消し。ホモの読者が増えるこったろう。

「イモ女流・土屋友郎」(‘01/3)

 次の売れそうな企画が思いつかんで、ダラダラ出てるエロ漫画誌は腐るほどあるが、『キャンディクラブ』も多分そんな一誌(『キャンディータイム』に非ず)。表紙に池田大作の頭並のデカ文字で“近親相姦専門コミック誌”。さらにタタキで“お母さんお姉さんそして妹が…”ときたもんだ。いくら成年マーク付きとはいえ、編集部の辞書に“恥”の文字はないのか?(あっちゃできん仕事だろが)
 妙に古臭く劇画タッチの絵が多いが、「きずな」を描いてる土屋友郎は、背景が少なく白めなせいか、ほっとする雰囲気。兄と妹もの。両親を無くし、兄は小さな喫茶店営みつつ(リアリティねえ設定。70年代ならともかく)、妹を高校に通わせてる。ある日、妹の書きかけのラブレターを発見。前から憎からず思ってた兄は、シットに狂い妹を犯しまくる。が、実はそれは“お兄ちゃんへのラブレターとかこっそり書いたりして”(妹の告白)だったという、ざとらしくありつつも、鬼畜色オンリーの設定が多い昨今では、ちと微笑ましい馬鹿話。
 ホッとするのは、女のコのキャラのせいも。チョイ太目(見方によりゃデブ)。理想的スタイル、つまりスレンダー基本でありつつ、乳&尻は巨大という現在の流れ(頂点が狩野ハスミだ)は、ともすれば冷感症的雰囲気に堕す。土屋のキャラはその点、ずんどうで親近感あるし、IQ低そうだから、(森総理ほどじゃないが)すぐ舐めハメさせてくれそう。“下町女工エロ漫画家”とでも言おうか。
 ただ、それは同時に、作者のIQにも連動してそう。大人しそうな兄貴が、一通くれのラブレターで、シラフでいきなり襲いかかり、しかも縛り上げ、“指ではよくわからんな”“兄の肉棒自らでチェックしないとな!”と、いきなり極太ペニスぶち込むってのも…。兄にヤケ酒飲ませるとか、妹を本当に好きな兄のキャラに合ったネームにさせるとか、担当編集者は何もチェックしてないのか?(まだ本業界を買い被ってマス!)
 どうやら作者は女流のようだが、いまどき貴重なこの手のアカ抜けないエロ漫画家、今後もコツコツ描いて欲しい。都会の下層労働者・学生(職工予備軍)に受ける(都会っぽい素材ほど、エロ漫画に限らず、地方の県庁所在地を中心に人気を得る)。ま、それまで『キャンディータイム』、いや『キャンディクラブ』があればだが。

「『幻羅』とシン・ツグル」(‘01/4)

 出ては消え、消えては出るB5版平とじエロ漫画誌。ほとんどが雑誌自体は赤字で、単行本で回収をとの思惑らしいが、単行本市場も悲惨な状況になりつつあるため、動きが取れなくなってる雑誌も多いのでは?(各誌にゼロの者やみやびつづる、鬼ノ仁が点在してるわけじゃない)。
 『幻羅』はそんな中、よく持ちこたえてるほう。が、小振りな漫画家が多く、果たして単行本がどこまで?との疑問は残る。例えば、3月号。鯉川あおい、島本かおるといった、論外なゴミ漫画家も一部にいるが、全体にはそう穴は無い。が、山もないのが同誌の弱点。65点級が束になってる。
 あちこちで見かけるシン・ツグルは、問題ある漫画家だが一番目立つ。冷感症的キャラの多い中、感情表現にハッタリが効いてるせい。漫画としては乱作OKの超手抜き派。背景真っ白、コマ割単調、時間なくなりゃアップで逃走。“ロリコン漫画界のあがた有為”に充分なれる(あがた有為は70年代から80年代に活躍した、伝説的な手抜きエロ劇画家。ストーリー作りは下手じゃ無かったが、石井まさみ同様、銭もらっても掲載したくないと、当時多くの心ある編集者が飲み屋でグチった)。
 「家族の関係」なる連載物もそう。以下が全16Pの各コマ数。1P(3)2P(4)3P(2)4P(4)5P(5)6P(2)7P(5)8P(3)9P(4)10P(4)11P(2)12P(3)13P(1)14P(3)15P(1)16P(4)。
 無論、コマ数が多けりゃいい訳じゃないが、こりゃあんまり。編集部は一体1Pいくら稿料出してるのか?悲劇なのは、この手抜き野郎が一番売れそうな事。確かに全体的にコマ割が単調な漫画家が多い同誌だが、流行の断ち切りページを増やす事と、単に断ち切りの多いアップゴマに走り楽をする事を、編集が取り違えてないか?
 更に、類似した絵柄の漫画家を同一号で起用してるのも疑問。例えば水野猛之はキャラからアングルまで、由瞳綺麗をパクリまくってる。それを非難するつもりはない。真似はあらゆるメディアにおき、創造の第一歩だ。けど、同誌面の、そう遠くない場所に並べられるとなあ。
 それに水野君も真似るなら、もっと今売れてる漫画家パクってや。これじゃ、新人エロ劇画家が三条友美でなく、あがた有為を真似るに等しい。

「魔の『メガキューブ』?」(‘01/5)

 廃刊になった『ホットミルク』が、『メガキューブ』として再生。無論、絶好調の自社の『メガストア』のもじりだが、この安易さには好感が。エロ漫画界らしいデタラメさに、デフレ不況で冷え切った身も心も暖まる(マジで)。中身までじっくり読むと、泣けさえする(情けなくてだが…)
 とにかく万事に“薄い”雑誌。表紙からして80年代初頭の“業界決めポーズ”の一つ、セーラー服少女のパンチラ姿。背景も真っ白。阿乱霊や番外地貢が看板張ってた頃の、『レモンピープル』か?(表紙の薄さ軽さで、敏感な読者は本家との落差を悟り、放り出すだろう)。
 想像通り、執筆陣も真っ白タッチがメイン(だまされて買った『メガストア』ファンは、余計怒るだろう。“21世紀のわたなべわたる”といった感じの芦俊は悪くないが、ざとらしいラブコメタッチがムカつく)。町田ひらくまで加わってるから、中は一面の雪景色(インク代の節約になり、印刷所の三共グラフィックは狂喜?)
 無理して『メガストア』の亜流誌にするこたなかった。『ホットミルク』は昔から、和姦系エロ漫画誌。その伝統に敬意を払い、“業界唯一のB5版平とじの和姦系ハッピーエンドエロ漫画誌”を目指せば良かった。確かに昨今の流れの主流とは言えぬが、「無理矢理は嫌いさ!」という層も、確実に存在する(例えば『ファンタジィカクテル』系ならぬ,田中ユタカ系。やっぱ、女性編集長の雑誌にその傾向が…)。
 更に腹立たしいのが、巻末部分。1台分16Pも、下らねえエロ小説が。ワナワナ怒りに震えてっと、なな…何と、その後には『コミックジャンキーズ』以来の疫病神、永山薫のボケナスのコミックス評が8Pも!!編集部はこのオヤジになにか義理でも?奥歯にアメ玉が3個ばっかはさまった、ぬるい感想文など糞の役にも立たん。
 結局後半のどうでもいい記事が58Pも。手間はかかるが超退屈なので、読者の怒り買うだけのページ、こうもやりたがる編集の神経が理解インポ、いや不能。でだ、定価は本家と同じ680円。何じゃらホイホイホイ!!
 何をやっても視聴率を取れない時間帯が、どんなTV局にも存在するのと同様、斎藤0子編集長去りし後の『ホットミルク』は、白夜&コアにとっての“魔のコード”と化した?

「面白い!祭丘ヒデユキ!!」(‘01/6)

 パッとしない修正過剰コンビニエロ漫画誌、『漫画ばんがいち』に妙な奴。「超上流階級伝説・芳賀U太(26)」を描いてる、祭丘ヒデユキだ。タッチは荒いし、構成もムチャクチャだが、キャラに魅力あるし、強引に読ませちゃう勢いが。
 親子2代に仕えるメイドの話で、子供に対し幼児の頃から、日々刺激し続けてるという設定が笑わせる。それを見守る怪しげな父親。で、20歳に子供が成長後も、メイド(泉ピンコ)は元のまま…と思いきやタッパが伸びた風にも見える(ここら、作者の画力が乏しく、ハッキリ判断できないのが悲しい)。
 ゲームネタも混じってるらしいが、親しまぬ筆者には不明。で、結局は姦る。が、ここでメイドは妙な理屈を。マンコは自信あるしいくらでもOKだが、フェラはダメよと(キスだけはダメよの進化系!?)。男の、「オレのちんこが、度重なる包茎手術によって七色(レインボー)だから…!?」のナレーションが爆笑もん(ポーカーフェイスのキャラに、ギャグかませる技術はなかなか)。
 ここらでだいたいの落ちは想像できると思うが、たった18Pでこんだけぶち込めりゃ上等(リリーフランキーのキャラの、先祖みてな面の父親が、孫を求めて旅に出る、下らないエピローグあり)。5月号の『漫画ばんがいち』では一番突出しており、将来性を感じさせた。
 ただその理由の最大の物は、実はキャラやストーリー性ではなく、最初に軽く触れた、“タッチは荒いし”の描線に。同誌は『メガキューブ』同様、とにかく少女漫画風と言うか、メロウな描線の漫画家が多い。疲れた際に甘い物は確かにうまいが、主食に出されても。やっぱ米の飯が喰いてんだ、俺はようっ!!(何ぃ興奮してんだか…)
 御飯がいいのは、噛まねば食えぬ点。流動食に近い、ファーストフード系との相違だ。確かに面倒だが、腹の持ちも全然違う。例えば同誌巻頭カラーのひよひよ。口当たりはいいが、良くて一回、余程の想像力保持者でも2回が使用限度。ノウハウ通りのエロ漫画の、流麗という名の実は安直でしかない描線は、そんなもの。
 ただ描線、荒いだけじゃ駄目。ひからびてるのも問題外。なめらか技術を持ちながら、あえて勢いを出すのが、今の流行である。

「けんたろうのケツ」(‘01/7)

  成年マーク付きエロ漫画誌のほとんどが、プチ無修正状態なのは皆さん御存じの通り。で、消し方にも社により特徴が。『夢雅』(桜桃書房)や『姫盗人』(松文館)は単に消しなし(ちと風情がない)。
 『MUJIN』(ティーアイネット)や『メガストア』(コアマガジン)は、ごく一部の筋状スミベタ(両誌共に売れ筋ゆえ、今後流行する?)。『Mate』『純愛果実』(一水社)は薄アミ伏せ(ビデオかっての?)。『Site』『愛姫』(東京三世社)、『ドルフィン』『ラッツ』(司書房)は、気分次第としか思えぬ、性器及び交合シーンの一部白地化(どんどんそのスペースが狭くなってる所に、業界の窮状が)。
 その、『ドルフィン』、成年マーク付き化以降、表紙も含めて強烈になった(未だマーク無しで消しの嵐の、『レモンクラブ』あたりとは天と地)。一年チョイ前、都条例の波状攻撃を受けた際、すっぱりとコンビニ納入分を切り捨て、マーク付き雑誌として退路を断った(こういう決断の出来ぬ雑誌はいまや生き残れぬ。無論、セブンやローソンに入ってる場合は、切ったら即廃刊の依存率ゆえ、マークなしで胃を痛めつつ歩むしかない。『ペンギンクラブ』『快楽天』『コットンコミック』他)。
 6月号に「親友」を描いてるけんたろうは、清冽な画風で刺激的。クラブのトイレのフェラシーンから開始。例によって司書房系の雑誌は紙質が悪く、細めの描線の作者の絵は飛びがちだが、男根描写はなかなか(下手にディティールに凝ると、性病チンポに見えたりも)。一発顔射後、バックで突きまくるが、その際のヒップラインが妖艶。ただ、フェラの際はあんだけリアルだった男根が、はまったとたん抽象的描写と化すのは疑問。出し入れの臨場感出してるつもりだろうが、そりゃスピード線などで示し、性器は男女とも絶対にボカすべきでない(ンなことに力込めてどうする?)。
 もう一つ気になる点。女が2人登場するが、盛り上がると必ず片目をつむる。最初は「ゴミでも入ったのか?」と思ったが、そうではなく、悶える際の決めポーズの一つらしい。確かにたまにやると可愛いが、この作者はくどすぎ。余りしつこくやってると「差別だ!!」と目の不自由な方の団体から抗議がくるかも。北方国明と共に、同誌で一番抜ける花形作家だ。

「MGジョーで精液ジョージョー」(‘01/8)

   エロ漫画誌、最近じゃ『MUJIN』と『メガストア』買ってりゃ、ほぼ流れはわかると思ってたけど、もう1誌チェックせねばと痛感。知らぬ間に、『姫盗人』(松文館)がすごい充実振りなのだ。7月号も、MGジョー、八的暁、ぺるそな、おがわ甘藍、松坂剛志、KIKI、ビューティ・ヘア、近石まさし、井上克美と凄いラインナップ。知らなかった、こんなに成長してたなんてっ!!(いとこと3年ぶりに再会した気分)
 前出の連中は全て業界のA級ランクだが、やはり巻頭のMGジョーの、「襖の奥」がいい。叔母とオイの一発だが、オナる叔母を覗きつつ、襖にチンポはさんで「ドピュッ!!」ってのが笑える(襖ごしのフェラシーンも登場)。誰もおらんのだし、堂々と戸を開けてハメればいいんだが、こういう一見無意味な小技が、オナニストをより燃えさせる(笠倉しろうの、穴のあいた木造アパートでの、壁越しのSEXを彷彿)。
 叔母がこれまた意味なく、ガーターをつけてるのにも感心。イモで無神経なエロ漫画家ほど、女を安易にスッポンポンに(知っての通り、素っ裸の女は美しいが、少しも普通はエロくない)。ジョー君、絵もうめえ。自分の苦手な構図は避けてる様子で、頭も切れんでしょう(馬鹿は背伸びして深い墓穴掘り、読者と無理心中)。
 ベテランのぺるそなも、安心して読んで、いや抜いていられる。この人、エロ劇画を上手に消化してて、時々ハッとする構図を。男性キャラが少し臭さすぎるのが難点。7月号の「ぽいすて」も、5カットは前後見なくてもバッチリ使える。(ナイーブな筆致で恥知らずな構図描くから、フニャチンもついムックリ)。
 わずか200ページ前後のA5判中とじ本で500円は、ハード面で見た場合、高い部類に入らざるを得まいが、その実用性を考慮すると、「安いっ!!」と断言しよう(少なくともコミックハウスや漫画屋、モアのなんかよりよっぽど面白い)。
 ただ、雑誌として見た場合、ちょっと不満も。余りに実用的で無駄がなさすぎる(ひんでんブルグは全ページ遊んでるが)。自分の1日を思い出してみてくれ。時間通りきっちりした生活を3日続けると、息苦しくならん?雑誌も例外ではない。ひんでんのような単なる手抜きでない遊び部分が入れば、完璧な漫画誌だ。