下々の者へ(その901)

 南陀楼綾繁御大(先生だ御大だ呼ばれちゃ、人間もお終いダ)にまでわざわざ、こんなむさ苦しい陋屋にお越しいただき恐縮です。原稿、12日の午後(夕方?)まで待ってね。立ちション取材もしてないので、今夜は書けないし、明日は外市の店番及び打ち上げだし。すいませんねえ。ペコペコペコリ。

 “リンククラブ大型詐欺事件”の詳報を頼む。無論、漫画屋は1円残らず取り返しました。雑誌『選択』の有名な送りつけ悪徳商法といい、世の中油断も隙もあったもんじゃないっす。

 斎藤君よ、最近東京駅で会わないねえ。実は理由が。今度の事務所は水道橋駅からの方が近い。だから中央線、総武線共に飯田橋駅時代と逆に、先頭車輌に乗る。で、高崎駅で尋ねた。「水道橋までだと、定期代安くなりません?」「同じです」ガックリ。ただ1日約3333円の新幹線定期代払ってるのだから、8日のドア故障のような際には、JR各線の接続だけでなく、私鉄にも連絡してくれなきゃ。事実、上信線も時々、高崎線が遅れた際は最終の発射を遅らせる。だから俺もそのつもりでダッシュした。JRが上信線を無視したのか、あるいは「たにがわ475号」の8日の乗務員の怠慢か?いずれにしても、俺は3333円を失った。長い遅れの際は特急券代分を返すのに、一番の上客の定期客を足蹴にしたままなのは、絶対に許せない。被害への対抗手段はないの?

 夕方、「シネマテークたかさき」に『秋深き』を観に行くに際し、上信線の中で何を読むかと思案。同映画は織田作之助の原作。やはり関西味がと、買ったまま積んであった、『雑談王』(岡崎武志・晶文社)に。チョイ前に自身のブログで、談志神話に鋭い突っ込みを入れていたのも気分的に加勢(晩鮭亭スピリッツ、いや世の中のあらゆる“俗論”に鞭をもっと入れるべし)。まだ50ページばかり残ってるが、数多い岡武本としては上位に入るのでは?(その割に話題にならなかったような)。

 古本の話題は荻原魚雷、樽見博、南陀楼綾繁といったレベルの連中に任せ、映画論、作家論、芸人論を中心に据えては?ただ吉田拓郎讃歌にはうんうんざりざり。イラストもプロに依頼した方がいい。

『秋深き』だがひどい出来。池田敏晴監督は優秀で、失敗作でも必ずいいトコがあるが、これはちょっと…。佐藤江梨子はともかく、八嶋智人なんてゴミ役者、主役に据えた段階でもうあきまへんわ。筋の悪い子役がそのまま成長したような、無神経で臭い芝居しか出来ないのに、本人は達者なつもり。押し付けがましい演技な上に馬鹿でかい声。“おたくっぽいストーカー教師”には全く見えない。次第に生理的に不愉快になり、つくづく市川雷蔵や森繁久弥は上手かったと。

 仁鶴と可朝を交配したような、ボンクラ役者を起用した瞬間に、凡作への道は舗装された訳だが、脚本(西岡琢也)がまたひどい。物語は現代に設定されている。今や教師は、不正受験が罷り通る程の見入りのいい職種。なのに“安月給”なんてネーム、いや台詞が平然と。時代描写に一貫性がなくドッチラケーション。佐藤のストーカー男と結婚する理由も説得力ゼロだし、ダラダラ長いだけで(105分)、山なし落ちなしムードなし、しかも裸なし。公開初日3回目、18時15分からの回、全観客数10名なのも納得。佐藤江梨子は種々手を打ってるのに、なかなかグレードアップしないね。いつの間にか人妻役。21世紀の山本陽子?(俺は嫌いじゃない)早く寝て明日の、極寒の中の店番に備えよう。(09.1.10)

下々の者へ(その902)

 10年間お世話になった、リンククラブ様の悪口は言いたくないが、掻き集めた金の巨額さ、大胆な手口から推測するに、無神経な会員から寺銭をこっそりいただく、てな姑息な思惑ではなく、収奪金を使途不明金にしての、計画倒産を疑われても仕方ない。マスコミ沙汰にならないはずはないし、それも折り込み済みのはず。表面化すれば事業の継続はまず不可能。現状は計画通りの展開なのでは?それ以外に考えようがない。一日も早く運営会社、カイクリエイツに押し掛け、奪われた現金を取り返す事だ(ドスを片手の殴り込みはまずい)。

 俗権(ZOKUGON)推薦の講談社文庫の新刊(公然女殴り小説)を求め、プール帰りに自転車で、富岡市内の3軒の書店を回るが、ない(「戸田書店」「山田書店」「文進堂」)。配本されてない?2軒目に寄った「山田書店」は、小中学生時代によくエロ本(『F6セブン』『サスペンス&ミステリーマガジン』『週刊実話』他)の立ち読みを。学校内で教科書販売する際は(当時は無償ではない)、同じ従業員が来たので、顔を覚えられてるのではとヒヤヒヤ。

 16年前に帰郷した頃は、まだ営業していた「横山書店」同様、『レモンクラブ』も置いてある普通の小型田舎書店だったが、10数年振りで訪れると、ただ閉店してないだけのすさんだ惨状。『獄に歌えば マッカーサー軍政下で闘った青春』(那須市吉・光陽出版社・本体2381円)を買う。地元の共産党活動家のまんじゅう本。4年前の刊行。高瀬豊ニの事も出て来るといいが。創価学会も含め、独裁的組織の末端で生涯を終えた人には、味のある人格者が多いが、さて?(娘も同党の市会議員だったはず。ちと世襲不安も。←とんだ失礼をば。市会議員だったのは、苦労人の奥様でした…)

 俺は“八方美人道楽公務員”、小西昌幸になど何の興味もないので、19日の「古書ほうろう」での南陀楼綾繁のトークショーにも当然行かないが、アストラの俺の若き愛人、いや『エロ漫画の黄金時代』(仮題)の担当者で、イカレ葬式専門ミニコミ、『葬』の編集長でもある奥山晶子が予約、参加するそうなので、煮込み精神で可愛がってやってな。

 先週の金曜日、内澤姐御のブログに以下のような書き込みを。“先週だったと思いますが、広告出稿版元の本、あるいは執筆者の知人の本しか紹介しないので、昔から退屈極まりない駄書評欄として知られる、『日刊ゲンダイ』に『おやじがき』の短評が。自虐的内容で笑えましたが、アマゾン急上昇とは一番無縁な記事かと。アマゾンランキング評論家・塩の字”。ところが送信しようとすると、〈容量が多いので2字以上削れ〉との警告。その通りにするが、一向に警告は消えない。その度に素直に2字づつ削除するうちに、送るべき文章は全く消え失せていた。(09.1.17)

下々の者へ(その903)

 昨日の無駄話に登場した、大家から家賃がもらえる半蔵門のマンション、出入りの電気工事屋が佐伯一麦で、ゴミ収集車の下働きが中卒の西村賢太だというのは、蛇足以外の何物でもないが、すいませんねえ、我が心の永遠の女神、pippoさん。今度コンサートにも行きます。ただ、前回の外市の打ち上げで、俺の永遠の悪色天敵、荻原魚雷に色眼を使ってませんでした?グ…グヤジー!!(男、特に初老の嫉妬は恐ろしいと)売り上げで奴に数千円負けたのも超むかついた。次回は魚雷粉砕殲滅必勝体制で断固行くぞ!!(一点の曇りもない)。

『エロ漫画の黄金時代』(仮題・アストラ・予価1700円)の再校、何とか200ページまで。残り100ページ。明日までにはもう50ページがやっとだろう。「シネマテークたかさき」には行けないな。つまんねえの。

 昨夜は「フィルムセンター」で、『透明人間と蝿男』(監督・村山三男・’57大映)。高岩肇の脚本にしては冴えない一作だが、撮影(村井博。白黒)の美しさと、ダンサーの猥褻な脇毛に瞠目。良く映倫が許したって程のいやらしさ。当然。蛇女優の異名をとった、毛利郁子のデビュ−作なのだ。ミニ蝿男が、楽屋での彼女の肢体を這い回る際のカメラアングルは、典型的なポルノ視線。田舎の映画館で観た青少年は、ピンと張った股間テントの処理に難儀したろう。

 69年秋、愛人を刺殺、蛇女優から殺人女優に。映画評論家、二階堂卓也執筆の、『日本映画人名事典 女優篇〈下巻〉』(キネマ旬報社)にはこうある。“…別れ話のもつれから愛人を刺殺。最後の出演映画「秘録怪猫伝」が封切られたのは、その6日後であった”。懲役5年ながら模範囚として、73年に出所したとも。33年生まれだから、もう75歳か。尚、95年刊行の同書、彼女の顔写真のみ掲載してない。腐るほどあるはずなのに。馬鹿げた感傷的配慮と言うしかない。若い女性客がやたら目立った。

 『週刊金曜日』の「金曜アンテナ」に、16日、反麻生ビラを新宿駅東南口でまいてた13人が、40人もの警官共に不当排除されたとの記事。執筆者、林克明が撮影した写真も掲載されてるが、笑っちゃうのが写った2名の制服警官。両名共に大形マスクを。他の多くの国家犬諸君もなのだろう。こっそり悪事を働く強盗・放火犯のごとし(実際に表現の自由を奪う犯罪に加担してるが)。

 国家権力の手先なら、正当な職務の遂行なら、もっと堂々としろ!!渋谷街頭で納税者に白昼殴りかかり、ユデダコ顔を世界にさらされた(日本が中国や北朝鮮、ビルマ同様の非民主主義国家だと世界に知らしめた、国辱的行為)、警視庁公安部公安ニ課長、栢木國廣警視の二の舞いを避けたかったのだろうが、『実話時報』(竹書房)に登場する、広域暴力団幹部の方が、よっぽど胸を張っている。日本のあらゆる公務員が犯罪者なのは常識だが、中でも検察、警察、司法が一番狂ってる。顔隠して〈公務〉を執行する、武装警察集団…文盲ケツの穴首相の番犬には、お似合いのファッション?

 南陀楼綾繁がまた切れてるな。内澤姐御に24時間空爆されてるからって、弱者に当たっちゃいけないよ。「神保町シアター」のモギリのお姉さんにも、もうからむなよ。いくらその年で、「シニアですか?」と尋ねられたからって。「そうです」と素直に応じ、200円安くしてもらえばいい(同館は「フィルムセンター」と違い、身分証は不要)。40過ぎたら人間は、少々の事で怒っちゃいかんよ。

拙著校正疲れ解消用に観た、500円DVD、『夜も昼も』(監督・マイケル・カーティス・’46米)、全体の出来には種々ケチを付けられるが、ミュージカルシーンには終始圧倒された。特に後半の「ビギン・ザ・ビギン」での、スレンダーな黒髪の女性ダンサーのくねくねした肢体の猥褻さは、特筆に値する(10年前なら最低3回は抜いた)。役者ではないので名前も分からないが(知りたい!)、とにかく最高(5回繰り返して観た)。中盤で式服めいた姿のおやじと踊る、金髪姉ちゃんも良かったがな。未見の5年前の『五線譜のラブレター』を観るのが、今から楽しみで仕方ない。(09.1.24)

下々の者へ(その904)

 金曜日の夜、今度来る時は事前に声をかけてね。というのも、余り週末の夜は東京に泊まらないけれど、去年から上信線が金曜日だけ最終を11時15分に延長(普段は10時25分)。通常は東京駅発、9時16分(たにがわ475号)に乗らないと帰れないけど、10時頃まで大丈夫。7時頃から始めれば、十分飲める。いがらし旦那以外もそういう訳だから、皆さん初老男に声かけて。で、南陀楼綾繁が、4月12日のトークショー、いがらし旦那にも出席してもらったら、なんつってますが、暇ならどうです?当然、タコ“ハゲ”多田や、山崎“リンチ”邦紀も強制参加させますんで、夜の懇談会の前座みたいなつもりで。

 俺の直観では、菜摘ひかるを凌ぐ“エロ文才”の生汁嬢も、奴隷生活に支障がなかったら是非どうぞ。例の因業マンションは、俺の頭の中にしか存在しない物件。残念でした。ズンジョへの投稿はもっと早く。今日はプールも休んで一日仕事。お陰でズンジョは終わったが、例の本の最終章と索引の校正をまた明日せねば。夕方は高崎に出て、『ノン子36歳(家事手伝い)』(監督・熊切和嘉)を観たいし。

 岩尾悟志は曙出版の社長だが、いたよそういう名前のデザイナー。市ヶ谷あたりに仕事場持ってて、遠山企画に入りたての俺はよく使いに。尊大ではなかったが、この世界に多いタイプの俗物に見えた。遠山老人が過大に持ち上げるせいもあったな。三世社には遠山の紹介で食い込み、かなりいい思いをした(あそこ一時、健全漫画出してたでしょ)。“裸物写植”の最大手、公栄社の小林社長の子供が、岩尾の子供と同じ学校に通ってたな。本当に全くどうでもいいが。

 昔から俺は、笑顔が素敵なさわやかな男と言われ続けてるのに、ちっとも女に縁がなく、言い寄って来るのは男色者ばかり。「そのうちにきっと…」と夢想してたら、あっという間に55歳。むごいもんだよ人生なんて(山崎邦紀の天敵の稲垣ナントカが、尾崎翠が晩年こういう台詞を吐いたとどっかに書き、山崎が怒ってなかった?)。更に全く再びどうでもいいが。

 奥山嬢、特にいじめるつもりはないけど、面白いコだよ。今日も彼女の書き出した索引用の、拙著登場の約570名の読み方の校正を軽く。一応彼女作成のルビも振ってあるが、これがおかしくって。俺も漢字の読み書きは最低で、団塊世代からはボロクソに(そろそろ『週刊読書人』を定年退職する、武さんなどには特にあざ笑われた)。その俺がこういう事を言うのだから、人生はむごいと言うより、滑稽なまでに早く過ぎて行く。

 傑作のみ紹介(矢印読みが正解)。エロ漫画家篇。あがた有為(あがたゆうい)→あがたうい。影中白葉(かげなかはくは)→かげなかはくよう。万利休(ばんりきゅう)→まんのりきゅう。美衣暁(みごろもあきら)→みいあきら。一般人には読めないのが普通だよな。ただ以下はちょっと恥ずいか?(だから面白い)文化人篇。五所平之助(ごしょひらのすけ)→ごしょへいのすけ。幸田文(こうだふみ)→こうだあや。佐分利信(さぶりまこと)→さぶりしん。許してたもれ奥山さん。これも本の宣伝だ(本当かよ?)。

 ついでと言っちゃなんだけど、元三世社の飯田哲章さん、万一読んでたら、名前の正しい読み方メールで教えて。あと杉戸光史、出井州忍、藤生宣明もハッキリしない。誰か教えて。

 2月1日…南蛇チャン、そ…そうだったんすか。ち〜っと〜も知らなかったわ〜。いや〜んいや〜んいや〜ん。乳首立ってもうたわ!!(時代の英雄、ルーキー新一に対する、60年代半ばの北関東の、素直な発情ガキの思い)。『鬼畜大宴会』を撮った監督だから、成功、失敗はともあれ、半端な出来はあり得ないと予想してたが、傑作でしたよ『ノン子36歳(家事手伝い)』。冒頭の坂井真紀の背中を舐める、撮影センス観ただけで参った(それを許す演出センスにもな)。脚本とエロシーンのしつこさにも脱帽。大江健三郎のエッセイ集に、『持続する志』なる本が。高校時代に感動したが、そういう映画だ。公開8日目、午後5時からの今日2回目、定員64名の2階の観客数30名強。全員満足そう。常にここはいい客筋だよ。そしていい映画。ありがとう故・茂木正男。(09.1.31)

下々の者へ(その905)

 アストラの荻の野郎、いや荻大編集長も、煮え切らないアロハ出腹男で、未だ拙著の正式書名が決定出来てない模様。宣伝のしようがない。いいかげんにしろ!!奥山“野宿”晶子も編集兼営業ウーマンとして、苦労が耐えないな。拙著索引制作過程で初めて知ったけど、奥山の場合、“しょうふ”、おっと“しょうこ”と読むと。似たような名前の女の子と、昔付き合いがあったような、単なるミエによる、記憶の意識的操作のような…。初老男の回顧は全て当てにならない。

 先週の半ばから最終チェック。既に実質3校を取ったので、指定通り修正がなされてるかを、基本的に追加なし、特に行数の増減無しの範囲で、最低限の赤字を。追加はほとんどなかったが、“ビニ本屋上がりの白夜書房の社長…”との下りで、社長名を入れ忘れてた。業界の大出世頭に対して失礼千万なので、“森下信太郎”とクッキリ追加。ちなみに『エロ漫画の黄金時代』(仮題)は、永山薫や伊藤剛レベルのウスラ馬鹿でも書ける(高取英でももちろん可)、主観的駄日本語性赤ちゃん言葉による、妄想的“漫画論”などでは一切ない。

 構成は以下。第一章・編集者。第二章・漫画家。第三章・投稿者。第四章・当局(警察&都庁)。第五章・客。第六章・マスコミと版元。第七章・オレの会社。第八章・写植/製版/印刷業者。第九章・今日も泣き笑い。最終章・嫌われ者の記(断末魔篇)。

無論いつも通り、登場人物及び団体名は基本的に実名。真相を書かれるとヤバイとの不安のある奴や団体は、今から悪徳弁護士に“ド−カツ訴訟”の相談をしといた方がいい。この巧みな構成は、前出の“出腹”荻編集長が。からっきし決断力はないが、構成力は抜群。改めて言うのもアレだが、今回も心身共に逃げを打たずに書きまくった。特に同業界のヤンガーゼネレーション編集者から見ると、“漫画屋の98年と08年の赤裸々な月収比較一覧表”は笑えるかも。

 各版元の糞馬鹿な、世襲経営者のハレンチな実像、薄汚い悪徳商法も徹底的に暴露。編集者の回顧物は、各分野から今は腐るほど出ているが、大半が昔の俺様自慢と、古巣への臆病なおべんちゃらりらん。知っての通り、俺はそんな義理は以下の組織や連中に、これぽっちも抱いちゃいねえよ。そもそもまだ現役だしな。迫力が全然違うぜ、ゲロ糞野郎共よ。

 警視庁保安課(実名)、都庁の青少年健全育成課(実名)、東京地裁民事執行センタークズ職員(実名)、東京高等裁判所三百代言裁判官(実名)、大日本印刷、凸版印刷、図書印刷、小宮山印刷、公栄社、光雅製版、金子製版、海潮社、平和出版、アミカル、新和出版、芸文社、東京三世社、日本出版社、辰巳出版、サン出版、セルフ出版(白夜書房)、大陸書房、ペガサスランド、竹書房、講談社、集英社、アストラ(実名)、コミックハウス,高岡書店、まんがの森、とらのあな、まんが書店、トーハン、日販、革マル派、反帝学評(社青同解放派)、日本共産党、街宣右翼、一水会、岩井賢太郎富岡市長、今井清二郎前富岡市長、暴力教師・小林進(及びその周辺の富岡高校白痴教師の実名)、池田大作、黒田寛一、シン・スゴ、アグネス・チャン、上信電鉄、JR東日本、東京駅のゴマの蝿職質警官、皇族、愚妻、南陀楼綾繁(?)…全ての関係者は刮目して待て。

 いやあ、その点、一水社やティ−アイネット、ネット配信でお世話になってる、松文館は本当に立派な版元さんですヨ。

 レンタルした『五線譜のラブレター』、余りにひどい。こざかしい小手先の技術だけの、三流ホモ糞ゲロ映画。種々ケチは付けられるけど、全体的に退屈で救い難いな本作より、『夜も昼も』は部分的に輝いてた(爆発的に)。とにかくミュージカル場面は素晴らしい。『五線譜〜』、問題外の凡作。ムカムカムカ。傲慢にも作品中、『夜を〜』を馬鹿にする下りがあるのが、特に許せない。映画の本質を知らない者ゆえの、ハレンチ白痴景色。能無しは小理屈で勝負して、必ず敗退する(そのくせ歴史を改竄、パーティ−場面等に、当時としてはあり得ないのに、黒人を無闇に配置、世間に媚びを)。 (09.2.8)

下々の者へ(その906)

 今日の『日刊ゲンダイ』の漫画コラムで、いがらし旦那の本が取り上げられていた。よっぽどネタに困ったのか?(オヤジの懐古談交じり)書き手は余り頭のいい奴じゃなさそうだが、写真入りだし宣伝にはなるかと。4月12日、良かったら来て下さい。今日、アストラの担当の奥山(美女)から電話があり、本欄読んだらしく、興奮して「ハーハーハ−。い…い…いがらしさんが…」と息を荒げてました(山形産)。

 で、斎藤典雄(山形産)よ、荻は絶対に超一流なんかじゃねえよ(他人の文の構成力のみは別かも)。『出版奈落の断末魔』って、要するに“馬の馬糞”じゃん。奈落と断末魔はほぼ同義語(反復)。抽象語の羅列でゴロも悪いし。南陀楼綾繁を始め、周辺の連中の評判も最悪最低。それより何より、未だに正式題名を決定出来ない、決断力がなさがドド…ドカス(ここまで言うか?)。既にトークショーの前宣伝が始まってるのに、書名未決定でどうすんだよ糞馬鹿野郎?(ひ…ひでえ…。版元様を一体何だと?)宣伝費は全然ねんだから、こういう手弁当販促の足引っ張っちゃ駄目。本当に煮え切らねえ野郎。ちっと物理的に可愛がってやらねえと駄目か?(ここまで3文ライターに言わせていいのか?)

 幸い書店からの注文は1000部くらい来てるようだが、幹部がこれじゃ営業も担当する奥山も苦労を。「けど感触はいいんですよ。日販の窓口の方も塩山さんのファンでしたし、タコシェとか、中央線沿線の書店はどこも反応いいですし…」甘い奴。「君が今営業で歩いてるトコは、いわば俺の本来の地盤。人気あんに決まってるって。片っ端馬鹿だから放っといても買う糞連中だよ。神保町周辺とかも。でも出身地の身内に売れても、1000部がいいとこ。一般人に売れなきゃなあ」「あっそうかあ…」

 アストラってピンからキリまで甘い。だから俺の本まで出すハメになった訳だが…。奥山よ、未だ正式書名未決定の本書、増刷になる暁までノーパンで書店営業しろよな(ズボンは履いててもいいよ)。セクハラ大魔王(まいなぁぼぉい)3文ライターと呼んで。(09.2.13)

下々の者へ(その907)

 優柔不断な荻編集長も遂に決断、拙著の正式書名が『出版奈落の断末魔 エロ漫画の黄金時代』(アストラ)に決定した模様。各方面、御迷惑おかけしますが、すみやかな変更をお願いします。3月末発売で定価は1680円(本体1600円)。本文約300ページ、基本1段、一部2段組。『東京の暴れん坊』(右文書院・定価2100円)よりはかなり安い。『東京の〜』も造本・情報量に比べれば全く高くはないが、この景気じゃ安いに越した事はない。

 そりゃいいが、4月12日のトークショー、入場料1000円てちと高くねえか?勿論、一時の大英帝国を思わせる破竹の勢いの、“ファンタジック古本歌姫”田中ピッポの美艶声、南陀楼綾繁のシルバー世代風煮込み脂面、極貧イラストレータ−、武藤良子の“年収100万円台居候の蓮っ葉味たたずまい”、そして俺様の“生出し”、いや筑紫哲也のパチモン風“生顔”が見物出来るのだから、至極当然との声もあろうが、そこまで意識の高度な日本人、外人は少数派じゃ?わめぞの裏ボス、豆チャン大丈夫?間際になって、俺にまで入場券のノルマ押し付けないでな。一昔前の新劇の研究生じゃねんだし。

 ひょっとするといがらしの旦那や、アストラの東北色白美人、奥山のエロな肢体は必ず拝めるのだし(大畑“ヨーデル”太郎の詐欺師顔も)、4月12日の夕方の予定は絶対に空けておこう。あと奥山よ、拙著の最終章「嫌われ者の記・断末魔篇」での脚注で、小淵優子の分あるじゃん。あそこに田中真紀子が登場するが、真を“眞”に変更しといて。しかし、まるで村上春樹が何かの義理で、1冊だけ辰巳出版から本を出す並に態度のでかい俺様だが、その精神的背景は一体?(単に宣伝)

 今度3月の「古書往来座」の外市(7日〜8日)で、「古書現世」の棚から、復讐に高額本を万引きしてやるか?漫画屋に目録送ってくれなくなった。確かに1度も買った事ねえから仕方ねんだが、向井の編集後記を楽しみにしてたのに。下請け編プロ並みに苦しいのか?(切手代節約?)

「シネマテークたかさき」がロクなの上映してないので、自宅で読書。『ボロ家の春秋 他五編』(梅崎春生・旺文社文庫’79)。田村で300円で売っていただいた1冊だが、10倍の価値はある面白さ。猫を出してもシラけないのは、内田百けんと笙野頼子だけだと思ってたが、不明を恥じた。カバーも中身にフィット(小泉淳作)。拙著は果たして?(いがらし旦那のイラスト入りになるのだけは、ハッキリしてるが…)

『週刊ダイヤモンド』がトヨタ崩壊の特集を組んでたが(読ませた)、また『週刊東洋経済』が後追い企画やんだろうな。そういう安直な姿勢、精神は大好きだが、後追いは本家を凌駕しなけりゃ無意味。出版・放送崩壊特集の際も両誌を買ったが、編集部の志気の格差は眼を覆わんばかり。政権のアップリケの幇間NHKが、英国BBCを模倣、図々しくも同列の“公共放送”と騙るがごとし。念のためだが、『週刊東洋経済』は伝統のみで、腰抜け糞雑誌だと言っている。

『噂の眞相』で以前、その名誉心は半端じゃないと書かれていた小和田恒(76歳)。本当だったようだ。朝刊に国際司法裁判所の所長に就任と。当人は「日本への国際社会の信頼があった」と述べたとあるが、呆れた。国際機関から何度も、代用監獄を廃止しろと勧告されながら、一向に出来ないのはどこの国かね?アジア諸国さえ既に実行している、取り調べの録音や撮影、弁護士の立ち会いを認めないのも神国日本。労働争議に官憲が介入したり、ただ歩道歩いてたり、ビラまきだけでパクられる民主国家が、一体世界のどこに?(横暴を阻止すべき“司法”とやらもも、唯々諾々と追随)

 少なくとも、司法に関しては日本はスーパー土人国家(有罪率99%。裁判所は警察・検察の単なる下請け行政機関)。彼等が日本に期待してるのは銭だけ(腹の中で“アジアのロシア”をあざ笑いつつ)。そもそも裁判という、争い事に白黒つける立場に就く自体が、基本的に間違っている。いずれかの側(国)から必ず恨まれる。俺なら娘の立場を考え、とっくに大人しく隠居してるが。俺はそういう教育を、明治生まれの年寄りから受けた。

 国際司法裁判所所長の出身国の、首都東京の玄関口、JR東京駅では、ゴマの蝿武装警官が白昼公然と青少年を取り囲み、暴力的な違法強制職質を。イラクでもガザでもないのにだ(若者の反警察感情の、効果的養成にはなろうが)。ロクに問題にもしない大マスコミと政治。自国の究極的国辱の風景を、まず撲滅する方が先だ。出身国の無法振りを放っといての、他国の政治問題ヘの介入は、当然無礼千万と思われ軽蔑されよう。

 斎藤君への説教。“酔っ払い国労組合員”である事に存在価値があるんだから、誰も関心のない私事をつづるなよ、グダグダと『記録』の連載で。女房に逃げられた遠距離介護オヤジの愚痴は、1回聞けば十分。自らの“商品価値”に自覚的であれ。

 だから俺も、心にかけらもない人様の悪口を並べている。無論、本当はそういう事は大嫌いなのだが、一部の邪悪な読者が強要する。つまり、毒舌振るわれる側同様、俺も実はいたいけな被害者なのさ。だから嫌々ながら悪口書く際も、常に書かれる側の心の痛みを忘れないように、終始真摯な努力を。そこが昨今の若い諸君、例えば『映画秘宝』の柳下毅一郎、江戸木純、クマちゃん等との相違点(よくあそこまでひどい発言が。いくら面白いからと言って…)。やっぱり批判は、相手への尊敬と愛情を忘れてはいけないよ、うん。(09.2.14)

下々の者へ(その908)

 大義のある長尺映画って、ほぼ退屈って相場が決まってるが、『ポチの告白』(監督・高橋玄)、傑作だった。『実録・連合赤軍』よりはるかに面白い。末井昭もチラシに書いてたが、3時間まったく退屈しない。吉岡秀隆や堺雅人のような、糞ド下手な役者が1人も出てないのも、昨今の邦画として珍しい(特に署長役はその不快さが絶好調で、伝説的名性格俳優・河野秋武の域。時々観るが何て役者さん?)。ただ昨夜の「新宿K’s cinema」(「新宿昭和館」の跡地)の、6時30分からの回の入りは約20名。その前の回も。息の長い上映を続ければ、口コミでヒットするだろうが。宣伝を兼ねて、上映館地元の警察署まで、警察糾弾のジグザグデモ行進したら?嫌がらせされればもっけの幸い。製作関係者は、渡辺文樹の“興行師スピリッツ”に学ぶべし。

 斎藤も安酒ばかりかっくらっとらんで、観に行ってこいって。俺は思想信条が合致するからって、つまらん映画は絶対にほめねえよ。アストラの“ノーパン野宿女”、奥山も誘ってやれば?同郷なんだし。

 そういや、また南陀楼綾繁の野郎が、恩義あるアストラ様に対してブログで憎まれ口を。本当に根性の悪い奴。俺と違い、批判する相手への真摯な愛情がないから人々を傷つける。どうせまた、女房にいじめられたんだろう。しかも、武藤良子のアマまで反乱軍に加勢しやがるし。著者が背後で、北一輝気取りで蠢いてるって噂もあるし、アストラもよく耐えてるよ。本当にすいません、荻編集長!!(俺なら絶対に出版中止にする)。http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/comment?date=20090218#c

 河野秋武(1911〜1978)は、黒澤明映画の常連。『姿三四郎』の壇義麿役(続編では白塗りで登場)で有名。『我が青春に悔なし』では、仲間を裏切り検事になって、大学の恩師以下をネチネチいじめまくる。神経を逆撫でる憎々しい演技は、天下一品。(09.2.19)

下々の者へ(その909)

 じくじたる思い。『出版奈落の断末魔 〜エロ漫画の黄金時代〜』(アストラ・3月末発売・書名は荻太大編集長決定・定価1680円)の予告でも書いた通り、同書中俺は既存右翼化しつつある、一水会への批判もしつこく。同会の機関紙『レコンキスタ』は10年以上定期購読してるが、年間購読料(6000円)を、ここのところ払った記憶がない。愚妻に調べさせたら、何と2005年を最後に領収書がないと。う〜む…。あるいは同会が請求し忘れた可能性もあるが(機関紙と一緒に従来は届いてた)、タダ飯喰わしてもらいながら、米の質がどうのうこうのうほざいた感じで、非常に気分が悪い。来週早速請求書送ってもらって、一日も早くすっきりしよう(思考の便秘状態)。

 同じ反権力でも、弾圧のより激しい左翼はそこらシビアで、25年以上定期購読してる『救援』(救援連絡センター)は、同センター向けの振り込み用紙を、毎月必ず同封(年間購読料5000円)。購読料切れの際の請求もキチンカチンチンコ。ここらは一水会も見習うべき。

 ただ公開中の傑作映画、『ポチの告白』に関しては、各2月名義発行号(実質は1月)で、『レコンキスタ』には写真入りで紹介があるが、『救援』には影も形もなし。不勉強の極みだぜ。しかし同紙には不定期ながら、「反職質不連続連載」があり、“権力の人権テロ”との前提で、具体的反撃方法を記しているのは立派。裏金ゴマの蝿腐れ警官の横暴については、左右に関係ない納税者の基本的権利の問題。今の『レコン〜』はそこら、完全に腰が引けているし、カックラキンのキン!(鈴木邦夫の連載以外は)。

 政治づいたついでにもひとつ。『週刊金曜日』2月20日号、「竹島/独島は誰のもの」はひどい。特に「日本政府が竹島問題を教科書に載せたい理由」(俵義文)は、卑屈&土下座の極み。植民地問題を持ち出されれば、日本人は永遠に膝まづかねばならないってな粗雑な(思考停止な)、低能騒音日本環境破壊街宣右翼が大喜びしそうな内容。あたかも、竹島を自衛隊が既に武装占領してるかのごとき前提の、超ハレンチ奴隷的発想だ。狂ってんじゃねえのか、俵も担当編集者も?(題名にも顕著)著者は“子どもと教科書全国ネット21”事務局長と。ここは漫画屋の近所というか、竹書房のすぐ裏のビルにある日共系組織。左翼狂人独裁者、チャベスをまだ弱者の味方(英雄)扱いしてる、『赤旗』に連なる組織の頭目らしい見解だがな。一時のネットラーメン右翼並に調子づいてる、恥ずかしい連中だ。

 さて「シネマテークたかさき」に。(09.2.22)

下々の者へ(その910)

 生汁よ、4月12日は“生生汁顔”、必ず見せるように(俺も会った事はない)。何せ1000円で定員40名じゃ、君のような一宿一本、いや一宿一飯の義理が少しある奴が来ないと、席は埋まらない。会場・申し込み方等は、漫画屋HP扉の青いトコおっぺすように(参加の場合、なるべく露出度の高いファッションで、他の参加者にサービスをな)。本当は本にも投稿者代表で大きく登場する、やす◯嬢にレースクイーン姿になってもらえばいいが、もはやそんな金はねえ身分だし。

 いがらしの旦那、『かむろば村へ4』(小学館・本体819円)、さっき届きました。すいませんね(南陀楼綾繁の野郎は、もう1冊共々買ったと)。116ページには、山崎邦紀の馬鹿と一緒に登場させていただき、感謝に耐えません。『アックス』67号、例の清水おさむの「JUKU」にも“汚顔”をさらしてますが、こちらはさっぱり俺に似てない。25年以上会ってないし、清水の旦那は俺を誰かと勘違いしてない?(画力の問題でなない。遠山&松本はソックリだったし)。ただ同連載、今回で最終回と。唐突。こういう場合、原因はまず編集とのトラブル。俺なら表面的な侘び入れて、再開させてもらう。同誌はどうせ稿料など払っちゃいないだろうが、あの内容は作家の側が銭払っても、『アックス』以外は受けつけない。

 清水は苦手なタイプで(ゴブリン森口似)、俺は絶対に会いたくはないが、完璧な資料保存能力及び細部の記憶力には、舌を巻かざるを得ない。そもそも、三木孝祐の名前なんて、類書には絶対に出て来ない(長尾正や朽木多加志も)。無論、俺の今度の本には全員登場。三木に至っては、なぜ自販機本に自ら関わるはめにったか、及びその後にまで言及を。頭なんていくら下げてもただなんだし、よろしく熊谷のプリンス!(いトうの先輩)

 夕方、アストラに行って、『出版奈落の断末魔〜エロ漫画の黄金時代〜』の、カバー案を2種類見せてもらう。両方全然ピンと来なかったが、明日入稿だそうだし、レイアウトに口を出す漫画家(著者)は大嫌いなので(その手に売れっ子は皆無)、「まあ適当に!」とか無責任な事ほざいて、すぐ帰って来る。

 帰り際、担当のスタイルのいい美人デザイナーも顔を。あんましひどい事言わなくて良かったあ…。『東京の暴れん坊』(右文書院)と異なり、全体にだるゆる〜い感じの本になるような。中身はゆるくないので、それもまたいんじゃ?『東京の〜』は南陀楼綾繁&林哲夫の、無欲な編集&デザイン馬鹿振りが爆発してたが、反面決まりすぎゆえの固さも。前回が丹波哲郎だとすると、今回はなべおさみか?売れれば何でもいんだけどね(丹波おさみはまずいのかも)。

 最終決定に俺は関知しないが、どうなるにせよ、最低限原稿料で描いてもらった、いがらし旦那の一コマ漫画は、今流行りの幅の拾い帯で、最大限活用される模様。いがらしの新刊と多くの人は思うでしょう。いっすね、こういうインチキな大道やし風商売って。奥山“ノーパン野宿女”の代わりに、奥津さんが臨時に出社を。相変わらずの妖艶さで、今夜オカズにする許可を得た(真理アンヌ似)。また2人だけデートしましょう。旦那には内緒で。

 今朝『明治のお嬢さま』(黒岩比佐子・角川選書)を読了(まあまあ)。昼飯タイムから『バイロン詩集』(岩波文庫)に。凄くかっこいい。“渡り鳥シリーズ”時代の小林旭みたいだ。

〈27日追記〉誤解されかねないので。アストラって、あらゆる意味でのセンスはゼロだが、実に誠実な版元。あのちっぽけな『記録』(廃刊)、安い上に年に2回くらいだったけど、原稿料は必ず払っていた。この畑の版元にしては希有な例(普通は払うと言っては、大義を言い訳に平気でばっくれる)。

 つまり今度の本の元になった連載も、俺はしっかり原稿料をもらっている。だから拙著の題名についても、南陀楼綾繁や武藤良子ほどはコケにしなかった(あるいはタコ多田やいがらしのように)。アストラは、意味のわからない書名を付け、中川昭一状態のなべおさみみたいなカバーの本を、自由に出す権利があるのだ(スタッフも全員善人)。20年前の俺なら食い下がったろうが、この歳になると、「物書きにも版元にも器ってもんがあるヨ」の心境に。白髪初老男の美徳であろうか?

 3月1日、閉館する「上野世界傑作劇場」での、山崎邦紀の新作と舞台挨拶に行かざるを得なくなる(来ないと4月12日にも行かないと脅された)。1時45分から、出来たてのホヤホヤの奴のホモ映画上映(業界用語じゃ“薔薇族映画”)。その後、3時から山崎監督の舞台挨拶と。仕方なく、浮き世の義理で客影になりに。

 内澤姐御ヘ。御存知かも知れませんが、昨夜「フィルムセンター」で観たオランダ映画『アイリス』は興味深かった。主人公は“美人グラマー女獣医”。画面割りなしに牛のお尻に肩まで腕を突っ込んだり、仔豚の去勢したり、牛の逆子の出産に大活躍、死にかけた仔牛に接吻、人工呼吸して再生させたり。しかも基本的には、フェミニズムっぽいミステリー女ハードボイルド映画なのだ。オランダ映画、本当に個性的(3月10日に再映)。

 京橋に行く直前まで、『獣欲』Vol・2のやまだのらの漫画の修整してたので、感動もひとしお(幼い頃に、学校で飼ってた豚に処女を奪われた娘が成長、テレビレポーターをしてたが、牛の逃亡事件を取材中に、種牛にレイプされるという、涙なしには読めない内容だった)。(09.2.26)

下々の者へ(その911)

 明日、「上野世界傑作劇場」へ山崎邦紀監督の衆道映画、『仮面の宿命』を見物に行かねばならないので、プールから帰ると『ゴッドファーザーPART3』を耽能して後、すぐに『BUSTER COMIC』連載、「塩山業界無駄話」に着手し、120分で上げる。週末に原稿書きするのも久々。これじゃ貧乏するはずだよ(ハ〜…)。

 俺ってこの年になるまで、『ゴッドファーザー』は1本目しか観てなかったと、最近知った。3本目は未見との自覚はあったが、2本目は旧「文芸坐」の“ゴッドファーザー大会”で見物済みと錯覚を。大ヒット、館の周囲に二重くらいの列が出来てた記憶があるが、恐れをなして観ずに西川口のアパートに逃げ帰ったのか?本当に人の記憶は当てにならない。小林信彦の向こうを張った訳ではないが、俺も長らく映画のートを。今後は引っ張り出して参考にしながら書くか?(“記憶魔人”清水おさむにも負けないように)

 “たかり魔人”武藤良子が『酒とつまみ』の取材で、大井町を訪ねた一文は面白かった。まだあったのか、あのソープ。向かいの道路に、よく右翼の街宣車も止まっていた。あそこまで行く手前で右折すると、「大井町東映」と「大井町日活」の廃墟も、90年頃まで残ってたような(キャバレー「杯一」の斜め向かい)。前にもどっかで書いたが、同映画館前でロケしてるのが、『野獣の青春』(監督・鈴木清順・’63日活)。宍戸錠とチンピラの乱闘場面だったと。これも「大井武蔵野館」で再見した。

 けど武藤のアマが、石井輝男をあそこまで見物に行ってたとは、意外。阿倍定が出たのだから、傑作『明治・大正・昭和 猟奇女犯罪史』(’69東映京都)だね。「こんな事があっていいのか?」の吉田輝男と、小平義雄役の小池朝雄、特に後者の素晴らしさは筆舌に尽くし難い。あの黄ばんだ歯と煙草が夢にまで出た!!(嘘)(09.2.28)

下々の者へ(その912)

 八百長力士が履き古した、コゲ茶色の特大便所スリッパ風な面をしてるが、俺は前総務相の菅義偉に内心期待を。何せ世襲ボンクラ議員にない、本格的な悪相だし、しかも極右。70年代東映京都撮影所の、大部屋役者でも充分に勤まる、出自&根性の悪さが全身にギラギラ。麻生文盲総理の、数少ない側近というのも渋い。無論麻生は、下世話の出の菅を内心は深く軽蔑(差別)。だがこの手の上昇志向たっぷりの“賤民”こそ、一番の忠義者と承知(漢字は読めなくも会得する、ボンボンクラの生活の知恵)。当然、菅も何一つ自分の力で手にしてない、文盲を同量の思いで馬鹿にしてるが、“菅家のステイタス”を将来形成するには、金満馬鹿をかつぐのが一番手っ取り早いと確信。含蓄のある光景ではある。

 だがガックリ。小沢秘書逮捕の件でインタビューを受けた際、噛み殺そうとしてる笑いが、便所スリッパにモロ出し(心を映す茶色の鏡)。スリッパよ、やっぱり若い頃の苦労が、まだまだ足りなかったな。文盲親分の天敵、野中務の悪相操作術に学べ(もう遅いか…)。

 東京地検“国賊”特捜部が、文盲総理の腐乱したケツの穴を、舌をドリル状にしてレロレロ舐めようが、裏金オマーリ共が繁華街でゴマの蝿よろしく、納税者への違法な強制職質に狂奔しようが(民主党はこういう細部を放っとくから、公金泥棒官憲に舐められる。亀井静香や共産党に学び、そのつど反撃してねば駄目。違法職質を黙認すれば、捜査礼状もなしにガサ入れの時代が必ず。三権分立を信じてるのは、民主党幹部だけかも)、今日のように晴れた日は、さすがに気持ちがいい。早速、ビルの屋上に毛布と寝袋を干す。三信ビルより低い建物は、定食屋「まさみ」と、道路を隔てたガソリンスタンドくらいだ。百姓嫌いなのに、畑仕事がしたくなる。

 昨夜は「神保町シアター」の、『妻という名の女たち』に行く前に(上出来だった)、東京堂の畠中観音を拝みに。ついでに2号目が面白かったので、『Snpo magazine』創刊号、どうせ読まないのに惰性で買ってる、『HB』5号も(ガキのキンタマ自慢みたいな内容。うんざり。堅けりゃいいってもんじゃねえよ。レイアウトに凝ってるのもむかつく)。アストラのノーパン野宿女、奥山のミニコミ、『葬』もあったので、観音様に売れ行きを尋ねる。「3部も売れましたよ!」遂に奥山も『おくりびと』ブームに乗ったのか?

 映画終了後、「まさみ」にてカツ煮でビンビール飲みながら、もらったまま読んでなかった、『ゲロダク』を含む3册のミニコミを斜め読み。『HB』以外は商品になってる。トイレに行こうとしたら、貼ってもらってるPippoのポスターがバーン!!(ふくしま政美の『女犯坊』タッチで)一気に酔いが覚めたので、2軒目の中華の「大王」へ。ここでも持参したポスターを貼ってもらう。任せたので位置は不明だが、後で確認に行こう。同店の2代目の兄ちゃんも、菅義偉ほどではないが、コクのある顔をしている。

 アストラの、武藤良子にコケにされた、奥山発案の拙著予約者への俺の色紙プレゼント、希望者はまだたった4名と。売れ行きがおもいやられますデス。

 〈6日付記〉7〜8日は池袋「古書往来座」の外市なんですが、う〜む困った天気だ。「嫌記箱」は以下のような本を出品。『古本探究』(小田光雄)『セブン・イレブンの正体』『ナチスと映画』(飯田直子)『古本屋群雄伝』(青木正美)『エスケイプ・アブセント』他。8日は店番もします。アストラの奥山も来るとか言ってた。(09.3.5)

下々の者へ(その913)

 東京地検“野党専門”特捜部のリークに、傑作映画『ポチの告白』での、厚顔記者クラブ御用聞き記者並の俊敏な働きを示す、読売やNHK、そして朝日だが、その程度のエサもらったからって、得意げな忠犬面するな。有権者のほとんどが、小沢を清廉潔白な政治家だなんて、端から思っちゃいない。元が田中角栄の秘蔵っ子だもの。それ以上に、世襲ボンクラ政治家と気狂い拝み屋に支配された、自公及び官僚が腐敗してるから、米国への隷属振りが眼に余るから、帽子を変えたがってるだけ。

 今頃になって政府高官(うる間巌官房副長官)の問題発言(やらせ捜査を自認)とやらで、自民党のニ階俊博もなんて言い出してるが、現に強大な国家権力を掌握してる側にこの甘さで、バランスを取ったつもり?(“調活費豪遊糖尿病”で世間が見えなくなってる)裏金警察出身の、この嘘のつけない官房副長官を中心に、必死で民主党のスキャンダル漁りしてたのは、数週間前の『週刊朝日』が既報済み。2大公金泥棒機関がタッグを組んだ結果なのだ。今更エセ中立面するな。御用番犬機関としての役目は、完璧に終了している。

 民主党は小沢に吠えさせる一方で(国権の最高機関気取りの腐敗組織への牽制)、岡田を代表にすればいい。この人、朴訥なトコが俺と同じで嫌いじゃない。昨今の検察の露骨さは日本人の趣味にあわないから、まだまだ俺は勝てると。少なくも俺は、池田大作の好色土建屋面や、麻生“文盲”総理の白痴顔より、民主党のモナをコマした(コマされた?)奴他の方がマシと。北大教授、山口二郎が良く言ってるように、政治はベターの問題。変えて駄目ならまた引きずり下ろせばいい。帽子が変われば腐敗する人間も代替わり。悪事を働く人間もおのずと自制する。今の官僚、特に警察、検察、司法にはそれが一切ない(当然、他の全ての役人もそれに倣う)。

 NHKや読売並に頑張ってるのが『赤旗』。「それ見た事か!」って感じで鼻高々。色々参考になるが、犬の遠吠え感は相変わらずで、また泡沫候補を各選挙区になんて言い出すんじゃ?この唯我独尊振りがなくなると、同党らしくないが、蟹工船ブームが去ったらどうするの?ま、民主党も共産党へのビラ配り弾圧を放置しといたから、自分が今度はやられたとも言える訳で、官憲の増長に対しては、普段から反撃しなきゃね。裏金ゴマの蝿オマーリ共の違法強制職質の横行、早く国会で取りあげろって。そして選挙では、後期高齢者医療制度廃止、郵政民営化の完全見直し、裁判員制度&地デジの無期限延期を4大公約にすれば、まだまだ勝てる。

 ニ階の名前を見て感じたが、盗人検察は 自民党の極右(靖国神社万歳派)と手を握ったかのかも(保身で)。小沢も二階も中国とは縁が深い。日中が売りの池田大作も、これを見て例により即変身?ここで自公が生き残れば、第2期“憲兵&特高政治”が、腐敗司法の公認で復活(裁判員制度で仕事も納税者に下請け。そのくせこいつらの給料は下がらない)、ロシア並の国になろう。

 漫画に比べると全然面白くないのが、昨日読んだ『心理先生』(根本敬・青林工藝舎)。杉作J太郎の漫画レベル。編集も怠慢。東京駅でのサミット警備オチョクリの際の文章は、相手が全国から動員された警官なのに、警備員と。全く違うだろう?担当編集も真面目に校正しろ。この人、漫画に添えられた“プチネーム”もいいのにな。文のピンは止めた方がいい。飯島耕一や鈴木志郎康の、詩以外の文章もこの程度だが。(09.3.8)

下々の者へ(その914)

 リコシェの豆チャンよう、4月12日のトークショーの参加者募集、早く始めろって!!ド腐れ汚マンコ、いや腐れたかり魔人、武藤良子のボケの言う通り、16日からなんて言ってられる程のメンツのショーか?あの糞アマ、ちょっと最近“汚名前”の露出が多いからって、完全に思い上がってる。ちと、山本陽子の自殺した彼氏じゃなかった、ほれ、みやわき心太郎の漫画の、つまりレイプマンでも数人派遣して、可愛がってもらうか?(特別料金覚悟で)

 日本がアジア屈指の土人国家だと世界に宣言した、今回の東京地検“野党専門”特捜部の選挙大干渉デタラメ捜査だが、先週の『日刊ゲンダイ』や今週の『日刊スポーツ』のコラム読み、何となく全貌が見えて来た。樋渡利秋検事総長は、“21世紀の赤紙”裁判員制度の旗振り役と。国民に総スカンの同制度、小沢は実施前から見直しを公言。焦った樋渡が、“野党専門”特捜部長、佐久間達哉をパシリに、政権交代破壊策動に出た(21世紀の2・26事件、あるいは満州事変か?)。

 狂気の沙汰だが、成功すれば裁判員制度の推進に加え、過去の調活費泥棒も隠蔽、更には自公に恩も売れ一石三鳥。もう『噂の眞相』はないし、NHK、ナベツネ読売、朝日の順番に検察情報をリークすれば、「自民党も民主党も、どっちもどっちのムードが高まって、少なくとも民主党の馬鹿勝ちは阻止可能だ」と、公金泥棒国賊検事共は思ったのだろう。パシリの1人で警察出身の官房副長官が、あそこまでの白痴ドアホとは、計算違いだったようだが(うる間の奴、親子2代の裏金盗人警察一家と聞き呆れ果ててたが、何と兄貴もと。世襲ボンクララーメン低能自称右翼、安倍の側近なのも即納得)。

 朝日は昨日の社説で、小沢に説明責任を求めてたが、それは異常捜査を指揮する、樋渡&佐久間の、“調活費泥棒コンビ”の方が、当然先だ。今回の検察の策動、俺は失敗すると。気違い拝み屋&世襲極右政権の便所紙と化した、今のド腐れ検察を弁護するのは、記者クラブ大マスコミと大宅映子くらい。絶対に立花隆は現われない。共同だかの調査で、4割前後の捜査への疑問の声があったと。政治感覚ゼロの我が同胞にしては、立派。ガキにだってわかる。何で野党関係者だけがパクられ、与党は返しゃ放免なのか?情報のリークごっこばっかしとらんで、そこらカメラの前でちゃんと説明しろ、青年将校気取りの樋渡&佐久間!!

 “さっさ”と消えろ、元サンピンエロ劇画家め!下着泥棒が趣味だった、親父はもう死んだのか?

〈12日追記〉。「昨日の夜と今日の朝」 「神保町シアター」帰りに、専大近所のそば屋、「侘助」に寄ろうとしたら、貸しきり。ここは夜も11時頃まで営業、女性従業員は美人だし、付近の穴場。それに好物のカツ煮もうまい(そばもだが、量が多いのもうれしい)。仕方ないので、塩チャンのゴールデンコースと言うか、「まさみ」へ。「カツ煮とマカロニサラダ。ビンビールはカツ煮が出来たら出してね!」『日刊ゲンダイ』と『東京新聞』の夕刊(店の)を斜め読み、『報道されない警察とマスコミの腐敗』に。菅田俊の脂ぎった表紙が、カツ煮とビールにドンピシャの味!本文の文字が大きいのも、初老男にはうれしい。これから、愛人宅に寝に行く予定があるのなら、もっと心が踊るのだろうが、1人寂しく事務所のソファーで横に。

 朝、いつも通り7時に眼がパッチリ。晴天。まず屋上に毛布を干す。雑事をこなすと8時。『獣欲』2号の青焼きが昨日夕方に図書印刷から。一気に10台校正。同社の製版部門、いずみコミックス担当者は、カラーに関しては色盲乱視老眼、ないし分裂症を病んでるとしか思えない仕事しかしないが、活版はまあまあで、城南グラビヤのように、天地が逆のページを平気で出稿するような事は、今の所ない。今回は内容的に、1号目よりかなり充実してるが、売れ行きは常に中身と比例するとは限らない。

 10時、水道橋経由で神保町に。「書評のメルマガ」用の立ちション取材を済ませると、いつも通りの専大交差点経由で(やはり、この方が落ち着くな、保守的水呑み百姓精神の持ち主には)。田村で文庫本3冊300円。絶対にあると思ってた、書泉グランデの地下にも無かったので、三省堂4階でやっと『日本映画最終戦争』(柳下毅一郎・江戸木純・クマちゃん・洋泉社・本体1600円)を買う。本書も意味不明の題名が各方面で酷評されてたが、拙著よりカバーレイアウトは余程カッコいい(中身は俺の方が何十倍も面白いが)。「ドト−ル」でコーヒー飲んでると11時になったので、「神保町シアター」に『トイレット部長』の、夜6時45分からの回の券を買いに…(以下明日)。 (09.3.11)

下々の者へ(その915)

 昨日夕方、『出版奈落の断末魔〜エロ漫画の黄金時代』の件で奥山から電話があり、東京堂3階の畠中観音も、三省堂4階のおかっぱ姉ちゃんも休みとかで、「今日からでも、売っていただきたかったのにい…」と、“美人と可愛いを足して2で割ったような女”(武藤良子談)を悲しませた。今日も出社だと言ってたので、さっき電話したが留守。多分、湯島のラブホテルに荻太社長としけ込んでる訳じゃなく、神保町の各書店を駆けずり回ってるのでしょう。ひょっとすると今日、遅くとも月曜からは両書店には並ぶと(三省堂の10冊はサイン&落款〈実は塩山商店の社印〉&お言葉入りで、しかも手書き原稿1枚付き)。

 タダ同然の原稿料で協力していただいた、いがらしみきお、内澤旬子、校正協力の永山薫、南陀楼綾繁、タコ多田、トークショー関係の武藤良子、Pippo他には昨日発送したらしいので、今日か明日には着くと。出来る範囲での宣伝よろしく(右文書院に続いてマスコミ宣伝費ゼロのアストラ)。

 献本リストに、リコシェの豆ちゃん入ってたっけ、奥山よ?抜けてたならよろしくな。何せトークショーの勧進元だし、怒るとおっかねんだよ、あの豆タンク(下手すると武藤のアマッコより…)。そういや外市の打ち上げで、豆ちゃんの靴下と誰かのを比べネタにしてたら発覚(裏部分の白いテカリの色気に関して)、逆襲を受けたのを今思い出したな、ふっと。(09.3.14)

下々の者へ(その916)

 第1回、自らの脚による拙著売れ行き動向調査。三省堂&東京堂には、土曜日夕刻から並んでいたと。日本広しといえど、今の所『出版奈落の断末魔〜エロ漫画の黄金時代』(塩山芳明・アストラ・本体1600円)は、両店でしか買えません(念のため)。

 午後2時。まず三省堂の4階へ。岡崎武志本が売場のほとんどを占拠してる、例のコーナーへ。お、ポップが飾ってあるぞ!ノーパン野宿女、奥山の特製か?(本のカバーデザインより遥かにセンス良し)サイン本が3冊、普通本が4冊。当然、サイン本が7冊、普通本が6冊売れたと解釈。まあまあじゃん(余の頭に在庫棚の概念はない)。続いて東京堂の1階。14冊平積み。無論6冊売れたのだ。まあまあじゃん(余の頭に…以下同)。3階の畠中観音のトコも当然馬鹿売れだろうが、夕方「神保町シアター」に来る時に顔を出そう。

 一般書店に並んでからとお考えのあなた、そんなふやけた根性じゃあきまへん。今までは自主回収にされずにすんでますが、今回は果たしてどうだか?そろそろガツンと、痛い眼に遭う時期のような予感が…(ブルブル)。三省堂4階で、同世代で同業者と推測される野郎が立ち読み。「テメー、買わねえとぶっとばす!!」のネームを、思わず胸にしまう。ここには『出版業界最底辺日記』(ちくま文庫)『東京の暴れん坊』(右文書院)も完備。初心者は迷わず3冊揃えて、神国日本の1級の国士になろう。

 ●17日付記● 昨夜、脚本・橋本忍、撮影・中井朝一と、スタッフには恵まれながら、監督(堀川弘通)の個性、ないし才気のようなモノが一切感じられない佳作、『女殺し油地獄』(’57東宝)を、「神保町シアター」に見物に行く前に、東京堂3階の畠中観音詣で。「どっすか、拙著の売れ行きは?」「ちょうど、半分の5冊売れましたよ。土曜日の夕方に入った割には、いんじゃないですか?」「1階は8册売れてたから、計13冊。奥山の話じゃ三省堂4階は10冊。合計23冊か。各30冊で計60冊入れてもらってるんだから、もちっと頑張らんと!」「今時、売れてる方ですよ」「いやいや。俺は正式発売日(3月末)までに、2店で合計150册完売をめざしてんだから!!」「………………………」(観音様、ヨロヨロと店の奥に黙って去る)

 国労者の斎藤典雄よ、一流の鉄道会社に勤務してるのだから(規模限定評価)、奥山からタダでもらおうなんてセコイ考えをおこさず、素早く2店のいずれかで買え。前田俊夫のゴシップに関しては、今度の本でもかなりのページをさいている。何しろ30余年前、きしもとのり(貴志元則現松文館社長)と並ぶ、俺が最初に担当したエロ漫画家だ。一水社のタコ多田は臣新蔵だったと。逆なイメージもするが…。

 70年代後半、奴が仕事場にしてた京浜東北線西川口西口、ヨーカ堂裏手の、強風には枯れすすき並に揺れたペンシルビル、まだあるのか?当時のかみさんがうんざり顔で掃除する脇で、浦和の賤民アシに不味いインスタントコーヒー入れてもらったな。テメーも早く俺の本買って真人間になれ。見苦しい前歯は治療したか?(健康保険の範囲内で) (09.3.16)

下々の者へ(その917)

 第2回、自らの脚による拙著売れ行き動向調査。昨日は神保町に仕事で行けなかった。2日ぶりだから、当然両店共に完売のはずが、甘かった。三省堂はそれなりに減ってたが、サイン本はまだ2冊も残ってた。問題は東京堂。3階は一昨日同様5冊もあったし、1階には15冊も。ふ…増えてるじゃん!!(月曜日、数え間違いを?)月内150冊完売の野望の前には、ナバロンの要塞が3つくらいありそう。著者自らの万引きはさすがにチョット…。

 神田地区の先進的な、出版・印刷・製本・DTP・書店関連労働者は、必ず両店で買うこと。それと、俺の正統な毒舌に前から恨みを抱いていた、右翼反動金満階級及び俗物3流文化人は、今度が最大の訴訟のチャンス!従来なら法的措置は、本の宣伝に加担しかねない忌々しさが。ところが今回は、まだ2店でしか扱ってない。つまりドーカツ訴訟を今起こせば、全国配本の阻止も理論的に可能。それにゃやっぱ、1冊現物を入手せねば。反動上流階級も低級文化人も下流出版関連労働者も、こぞって三省堂(4階)&東京堂(1階・3階)へ走れ!!(わざとらしんだよ、ボケが…)

 奥山よ、本の完成祝いの宴会はいつする?来週半ばなら、俺は大丈夫。酒浸りの極道者、いや国労者、斎藤典雄なんかよぶんじゃねえよ。(09.3.18)

下々の者へ(その918)

 常にSKGBに監視されてるとの覚悟を。井口監督、『犬猫』は面白かったけどね(一発屋?)。で、カナダのアニメ、楽しいですよね。巨匠らしいノーマン・マクラレンは、今一つピンとこなかったけど、最後の2本、つまり『バラバラにされて』『恋愛中毒』は圧巻だった(音楽も素晴らしい)。つい昨夜も参上。前夜より新しい作品が多いせいか、全般に技術的にも洗練されていた。『ストリート』『ルナ・ルナ・ルナ』が独創的だったと。今夜も行こう(空いてて気分良く観られる)。「神保町シアター」が、今週は平凡な番組だしな。

 しかしキネマ原人も偉いね。本も買ってトークショーにも行く。本欄関係者の基本的義務。斎藤もきくじも通りすがりも、そこら忘れるんじゃねえぜ。そろそろ神保町の田村にでも行ってみるか(店頭、最近物不足気味)。トークショー、リコシェの豆ちゃんの話じゃ、オッサンを中心に順調に申し込みが来てると。急がないと定員に達しちまいますぜ。

●第3回、自らの脚による拙著売れ行き動向調査● 14日夕方から東京堂&三省堂に並んだ訳だが、19日昼段階で両店で計約50冊が売れた模様。册数的には東京堂の方が上。三省堂にはサイン本が10冊もあったのに、意外。理由が。三省堂も4階だけでなく、1階でも売ってくれてるらしいのだが、その分10冊がどこにあるのか、眼を皿にして調べた著者にも、同じくのアストラの奥山にもわからない。大海で針を探してる気分だ。とにかく三省堂に完売した10冊に加え、また新規サイン本を5冊入れた(今回は塩Qのイラスト入り)。明日から並ぶらしい。

 月末までにもう100冊売らねばならない。1日約10冊。「ブックオフ」に並ぶのは遠い将来。せこい事を考えずに、両店に交通費をかけてかけつけるべし。充分にその価値はあると保証する著者だ。(09.3.19)

下々の者へ(その919)

 鬼の霍乱か?昨日午後から鼻水だらだらプラス頭痛に悪寒。今日一日寝込む。数年振り。すいませんねえ、場違いなトコでわざわざ紹介していただいて。お陰で結構申し込みがあると。武藤良子の糞アマが、今頃武者震いしてる事だろう。今日も上京、「フィルムセンター」に行く予定なるも、夢のまた夢。何せ映画や読書への意欲もないのだから…。

 拙著のすずらん通り2店での売れ行き、週末はどうかしらん?東京堂の畠中観音にお願い。三省堂の4階では、相乗効果で『東京の暴れん坊』(右文書院)『出版業界最底辺日記』(ちくま文庫)も結構動いてる模様。東京堂の3階でもついでに何冊か並べてね(図々しい奴。何せ群馬の水呑み百姓の出!)。

 ●21日追記● スーパー御用検事総長・樋渡利秋、東京地検“野党専門”幇間特捜部長・佐久間達哉、極め付けの天下り先が用意されてるはず。オリックスの宮内義彦や、キャノンの御手洗富士夫を野放しにした上、野党の次期総理を血祭りに上げたのだ。吉岡秀隆や堺雅人の芝居以上のわざとらしさだが、健全にも国民の4割は捜査に不信を抱いてると(共同通信の調査)。

 マッチポンプモロ出しと言うか、その後検察のリークをまんま、大々的に垂れ流したNHKや朝日(東京もかなり追随)、国民は小沢の説明は納得出来ないとの声が支配的と報道。自ら世論(付け火による)を煽っといて、貴様ら『プラウダ』か『人民日報』記者かよ?朝日は戦中の翼賛報道を批判的に検証した本も出してるが、過去をいくら反省しても、“今”がこれじゃ糞の役にも立たない。盗人検察の宣伝を右から左に垂れ流すだけでなく、この半年間の樋渡&佐久間の行動、つまりいつ誰と会ったかを詳しく調査報道しろ。公人たる連中の行動記録など、あっという間に判明する。それが記者クラブで税金を乱費してる、お前ら“糞ポチワンコロ記者”の最低限の義務だ。

『赤旗』、意図は違うのだろうが、表面的にはNHK並に検察の強い味方に。常に自らを絶対化してる組織のパラドックス。こういう時には民主党に恩を売って、ビラまき他で警視庁公安部や検察にピンポイント攻撃されてる、同党の反撃の“かて”にすべき。それが政治というものだが、“よりまし”より“絶対的正義”(自分)を優先する組織にはそれが出来ない。結果的に、権力の横暴より組織の温存をはかるはめに。調活費泥棒検察と裏金警察は、盗んだ公金ではなく、正規給与から共産党に多額政治献金すべき、道徳的義務がある。

 共和党の狂った政治から、政権交代させた意味は大きいが(自国民を数千人死なせたイラク戦争に比べれば、AIG問題なんて鼻糞)、オバマ、俺は何となく“演説大統領”で終わるんじゃないかとの予感。まあ、自国語をちゃんと話せるだけ、麻生“ケツの穴”総理よりよっぽどましだが…。昔からこの人、どうも信用出来ない。ただ米国の司法制度は土人国家日本より、はるかに健全だがな。

 偉いね「銀座シネパトス」。“ピンク映画から、メジャー大作へ。日本の滝田から、世界のTAKITAへ!”のキャッチで、滝田洋二郎のピンク4本を含む8本を上映と。『連続暴行』『痴漢電車 聖子のお尻』は、旧「文芸坐」で観た。麻生うさぎ、両方出演。当時の売れっ子の色白巨乳女優。さすがに、かみさん出演作は除外されてるようだ。

 WOWOWで『日本の首領 野望篇』(監督・中島貞夫・’77東映京都)を観たら、かなり体調が回復。日活派の俺は、この頃の東映作品にはかなり未見なモノが。10億の現金を見て、顎を軽く動かすだけで説得力ある芝居が出来るのは、やはり佐分利信だけ。(09.3.20)

下々の者へ(その920)

 頭がまだふらつくのに神保町。ケッ!3連休明けだってのに、両店共にロクに売れてねえじゃん!!(東京堂は相変わらず1階・3階にあるが、三省堂は4階で集中販売)神田地区の出版関連労働者及び本好きサラリーマンも、レベルが低いと心底あきれる僕(これじや1600円の本1冊献本されたくらいで、「よくぞここまでのおべんちゃらが…」と、良心的著者をあきれさせた人々、つまり岡崎武志、南陀楼綾繁、永山薫、退屈男、林哲夫、Pippo,遠藤哲夫他と変わらない)

 う〜む、素朴な実直さと事務所の日当たりの悪さは10人前なるも、経済力・宣伝根性・コピーセンス・デザイン感覚はゼロゼロ物件の、アストラごとき終末系臨終版元に配慮してくれた、両書店担当者にさすがに顔向けが出来ない。俺ももう余り顔は出せないし(田村の長期特価本供給飢饉のせいも)、アストラの奥山“葬”子よ、後は任せるからヨロピク★

 馬鹿なだけならまだしも、吝嗇家揃いの神田地区のウスラ馬鹿本好きには、ほとんど打つ手がねえ。でも一応。お前らは自らの幸せさが理解出来ていない。『出版奈落の断末魔〜エロ漫画の黄金時代〜』(武藤良子じゃねえが、何度書いても最低な題名だな)は、日本広しと言えど、東京堂&三省堂でしか、今月末まではどうあがいても入手し得ない。幸せと親はある内に味わっておけ(セックスは立つうちに)。(09.3.24)

下々の者へ(その921)

 昼頃の奥山の話じゃ、昨日までに両店で70冊くらいは売れたそうだが(拙著、どうも神保町が観光都市化する週末は、売れ行きガタ落ち)、今のままの調子じゃ、月末までに150冊完売の野望は、すずらん通りの石畳に飛散する。おい、近辺でまだ買ってないけちん坊野郎共、いいかげんにしろ!全ての出口は包囲されている!!(女子供には呼び掛けない達観の境地に注目)

 リコシェの豆ちゃんには、4月12日のトークショーの申し込み状況を電話で。「今、丁度30人。かなりいい“オッサン出足”なんで、すぐ定員の40人になっちゃいますよ。少しはオーバーしても大丈夫ですが…」方々の淑女に支えられて、何とか生きてる白髪初老男。

 そういや今夜は、拙著刊行祝いを内輪で。つまり下の「まさみ」で、アストラのノーパン奥山、ヨーデル太郎とな。ひょっとしたら、国労酒乱者・斎藤典雄も来るとか。今日は給料日だし、混んでないといいが。駄目なら「串鐵」か?ご近所の方、興味あったらどうぞ。『ゲロダク』者へ。校正は週末に発送する(無駄部分は事前にカットせんかい!)(09.3.25)

下々の者へ(その922)

 品切れだった、三省堂4階の拙著サイン本、今日午後から追加が10冊並びます(御免な、ZOKUGONこと晩鮭亭よ、昨日は売り切れで)。昼頃、奥山が来てサイン、持参のカートで運んで行った。零細版元の営業の醍醐味だな。(09.3.27)

下々の者へ(その923)

 『Mate』6月号の読者欄、「ズンドコジョッキー」半分アップ。今夜もう少しこなさないと、明日「シネマテークたかさき」に『マルセイユの決着』を見物に行けない(常に客を見下したイヤ〜な感じの、ベテランで小柄の、やせたモギリの姉ちゃんの御尊顔も拝せない)。

 同欄読書欄、2月分の読了本一覧表書きは済んだので、棚から保存用の本のみピックアップ。22冊の内の6冊のみ。『皇軍兵士の日常生活』(一ノ瀬俊也・講談社現代新書)『対訳 バイロン詩集』(岩波文庫)『ボロ家の春秋 他五編』(梅崎春生・旺文社文庫)『昭和天皇 一九四五ー一九四八』(高橋紘・岩波現代文庫)『作家と女優』(小川徹・現代社)『五十人の作家』(十返肇・大日本雄弁会講談社)

 残本、つまり『西條八十』(筒井清忠・中公文庫)『現代映画、その歩むところに心せよ』(川本三郎・晶文社)『明治のお嬢さま』(黒岩比佐古・角川選書)『シェイクスピア物語(上)(下)』(ラム・岩波文庫)『芥川賞を取らなかった名作たち』(佐伯一麦・朝日新書)他は、今度の池袋鬼子母神みちくさ市や、千駄木一箱古本市に全部出します。

 昨日『東京の文人たち』(大村彦次郎・ちくま文庫)を読了したが、恐ろしくむかつく駄本だね。著者が保守反動の人なのは一向に構わない。ただ文人の評価に芸術院だ勲章だを常に持ち出さずにおれない、ド百姓な俗物さにはうんざり。語られる文人側の価値観というより、著者自身の人生の物差しに過ぎないのに、エッラそーにいちいちよう。物書きのキャラ立ても、『五十人の作家』の十返肇に比べれば、水呑み百姓の湿った内緒っ屁。年寄りをいつまでも甘やかすな。

 再びズンジョ。

 拙著の表紙画像があちこちに出だした。再度の深〜い深〜いめまいとため息。従来のアップ分は献本関係者多いから(つまりタダだから)、見栄えがするように、いがらし旦那のイラストが印象的な腰巻きをつけたままでの、優し〜い配慮を皆さんが。ただ、一般的には腰巻きは取る(ネット販売でも、紙媒体の書評でも)。さてどうなったか?面倒だけど、早かったセブンのを検索してくれ。真っ白表紙に内澤姐御のイラストが、ガキの百円ハゲのようにポツ―ン。シーン。ミーンミーンミーン。貧乏臭いだけでなく、普段と腰巻きを取った場合の落差に、読者は店頭で同一の本とは思わないんじゃ?

 多分、デザイナーも荻社長も、こういう事態は想定してなかったのだろう(想定済みの上なら愚かすぎる)。寄ってたかって、拙著が売れなくなるよう努力してる感があるが、一方でいがらしイラストのもう1枚を、誰も見ちゃいないカバーはいだ部分に、大きく使用し迫力を出している。だからそんなトコ誰も…!本当に武藤良子に、突っ込み所を供給するために出版されたような本。ムトーはカバーを見るなり叫んだもんだ。

「日本出版史上最低のカバーデザインの本だ!!」(もっとひどい本は腐るほどあるが、いがらしみきお&内澤旬子という、豪華イラスト素材をメチャクチャにしたとの抗議が、熱く込められていると推測)益々楽しみな4月12日のトークショーだ。

●29日付記● 山口二郎北大教授が、今朝の『東京新聞』の「本音のコラム」で、西松建設献金捜査・盗人検察暴走問題で、地元からの鋭い指摘を。“小沢の元秘書であった石川知裕衆院議員の参考人聴取の報道はあたかも同議員までが罪人であるかのような報道であった。これは明らかに、同じ選挙区の中川昭一前財務相への援護射撃であった”。一介の大学のセンセイだってこの程度の分析はするのに、東京も含め今回の青年将校気取りの、調活費泥棒検察共への大手マスコミの隷属振りは、眼を覆わんばかりだった(今も)。

 何年も前から連続放火が続いてる各地の旧家。警察は捜査班くらい結成してると思いきや、吉田茂邸まで全焼。何もしてなかったのだ(表裏の銭にならねえか?)。人員は腐る程。犯罪は激減してるのに、全国27万人体制は手を付けられてない。先手を打ち、全国の繁華街で違法な強制職質・持ち物検査を組織的に。警職法は変わってないのに、勝手に裁判官気取りで拡大解釈。こんなチンピラゴマの蝿の類いさえ批判出来ない、NHK・朝日・赤旗・東京に、調活費泥棒検察が批判出来ようはずがない。

 気狂いカルト拝み屋・池田大作、100年に1人の文盲総理・麻生太郎、アル中国辱財務相・中川昭一のために汗を流した(公金で)、樋渡利秋検事総長、東京地検“野党専門特捜部長”佐久間達哉、直接の下手人、伊藤鉄男検事次長の、皇族も真っ青な豪華天下り先に、今から注目を(社会保険庁腐敗の象徴で、元長官の横尾和子が最高裁判事になった際の、10倍位リッチな椅子が確保されてるだろう。厚顔国賊の徒横尾和子よ、社会保険庁時代にもらったベラボーな退職金、死ぬ前に早く国庫に返せ!!)。 (09.3.28)

下々の者へ(その924)

 テレビ映りばえのする奥山“葬”子よ、拙著20冊くらい例のカートに入れて、アマゾンに無理矢理納入してこいよ。その点、セブンやbk1は偉いねえ!(誰だよ、つい最近まで『セブン・イレブンの正体』をべたぼめしてたな?)。午前中、腰をよじってしまい、屁っぴり腰でフラフラ。みちくさ市や一箱古本市用の本を、蔵から出すのもままなならない。無理してギックリ腰になったら、年末に下仁田ねぎの出荷も手伝えないし。プールでひと泳ぎすれば治るかと思ったら、甘かった。初老男は何事にも無理しちゃいかんな。

 最近読んだ雑誌と感想。面白い順に9冊並べてみた。

『映画論叢』20号 相変わらず全編無駄のない面白さに満ちた、数少ない映画雑誌だが、あえてケチを。「悲願千人斬」の吉原すずめは、加藤周一や吉田秀和、鶴見俊輔を“大知識人”として何の根拠もなく持ち上げているが、馬鹿じゃねえか?そういう権威主義に楯突く姿勢が、同誌のそもそもの存在価値。誤植発見人風情がエッラそーに、他人の虚名で自己装飾。死ねや。

「バンと呼ばれて60年」も退屈。元々つまらん映画しか残してない井上和男監督だが、漫画家の大山學のように自伝だけは面白い人も。井上は両方つまらん。原知佐子の自伝も始まった。井上よりはよっぽど面白いが、多分これは白坂依志夫の「人間万華鏡」で、実相寺昭雄とパリに新婚旅行した際に、女上位でセックスしてるのを見たとバラされている一件と関連が。このままじゃ“パリ女上位覗かれ女優”として記憶されかねないと、反撃に出たのだと。ドンドンやってくれ。元々大した女優じゃないが(昨夜「神保町シアター」で観た『がめつい奴』に、蓮っ葉な筒持たせ娼婦役で。ピッタリコンだった)。購入先→東京堂(3階)

『spin』05 佐野眞一は、佐藤優や岩見隆夫レベルの書き手と思ってるので無論飛ばしたが、他は高橋輝次以外は面白い(北村知之は荻原魚雷風で不愉快千万だが、こういう芸風なのだろうと同情)。「淀野隆三日記を読む」(林哲夫)は、早く文字の大きい本にまとめてくれ。さすがに老眼者にはきつい。「みずのわ編集室」は今の3倍あっていい。好きな事して当然ながら貧乏してる人間の、一切の同情を呼ばないねちっこい愚痴が、ケラケラケラ。こういう輩は絶対に自殺しない(無駄に長寿の“文相”)。→東京堂(3階)

『貸本マンガ史研究』20号 その漫画の退屈さでは(2人共にキャラに魅力ゼロ。描線も辰巳の竹ペン風、沼田のすいとん風と違いはあるが、色気がこれまたゼロゼロ物件)、辰巳ヨシヒロに勝るとも劣らない、沼田清に触れてる、ちだ・きよしの「『影』を読みつづけていた、最期まで…。」を興味深く読む。

 実は沼田の所には80年前後、遠山企画が少年画報社の『漫画ボン』を下請けしてた頃、何度か原稿取りに。蕨駅東口からバスでかなりあったと。愛想のいい、締め切りもきちんと守る人格者だったが、漫画は超退屈だった(西川口住まいの前田俊夫の対極)。だから遠山企画に限らず、各編集部は台割りが埋まらないと、ギリギリになって沼田に依頼した。当人もそれを承知で引き受けた。こういうタイプの漫画家は今でもいる。沼田の退屈さについて、貸本漫画仲間の山上たつひこが、昔からだと書いてるのを知り、なるほどと納得。沼田のような人は、物書きにも役者にも、編集者にもサラリーマンにも無論いる。→三省堂(4階)

『シナリオ』5月号 「桂千穂の映画漂流」で、滝田洋二郎が絶賛されている。俺には滝田映画は、メジャー監督になってからは、面白くもつまらなくもないって感じに尽きるが。桂、遂に今年は80歳。末期ガン宣言して何年に?死に損ないの談志に負けないで、90歳まで頑張って下さい。→くまざわ書店高崎駅店

『scripta』no11 森達也が連載してると、どんな雑誌も300円は安っぽく見える(香山リカが加わると鉄壁の1000円安)。巻頭の斎藤美奈子ってのもわからない。森や香山ほどひどくないのは何となくわかるが、つかみ所がないと言うか、滝田洋二郎の一般映画のようで、どうでもいい感じ。こんだけ仕事してるんだし、多数著作も出している。ファンの方、一体どういう所がいいのか、1度具体的に教えて下され。→東京堂(3階)

『週刊金曜日』ここ数号 定期購読者に“調活費泥棒検察の心強い味方”、日共支持者を多数抱えてるせいか、検察暴走捜査批判記事が出るまで、週刊誌にもかかわらず、かなり時間を要した。一応特集、左翼としての体面を最低限保ったが、“検察の赤い走狗”の日共全面批判は、多分出来ないだろう。毎日が学会批判をしないように。そういう虻蜂取らずの及び腰が、雑誌を益々の立ち枯れに導く。→くまざわ書店高崎駅店

『enーtaxi』 はるか昔に1度書かしてもらっただけなのに、いつも送ってもらい済まない。自分で買ってた頃から、落語、俳句、音楽、料理関係以外は読むな。湯浅学は存在の全てが、坪内祐三は映画関係が珍しくつまらんな。あと、大竹伸朗ってそれほどのもんかい?→献本

『ぐるり』09/4 近田晴夫って天皇陛下か?インタビュア−の南陀楼綾繁と同行の編集の、過剰な緊張振りが笑えまくる(インタビュー自体は大して面白くない)。別れる時は、近田の背中を見つめたまま、2人で後ずさりしたのか?まあ、蟹の横ばいよりはましかも(近所の妙義山にそういう名称の難所がある)。銭なしミニコミらしく、もっと誰に対しても堂々としてろ。→献本(エロ漫画と交換してる)

『HB』05 買ったまま積んであって、古いエロ本と一緒にゴミに出すトコだった。どうでもいいが、東川端参丁目って『週刊現代』で仕事して以降、何でこうもボンクラ野郎に?原武史への忠臣振りなど東條英機ばりで、見苦しいばかり。羞恥心を忘れた3流物書きのサンプル。→三省堂(4階)

 再び『がめつい奴』(監督・千葉泰樹・’60東宝)だが、当時、中山千夏が天才子役と呼ばれた理由がわかった。三益愛子が下手糞すぎるのだ(田舎の青年団の百姓芝居以下)。脇の千夏の自然な芝居は、当然映えまくる。三益愛子は今で言えば、山田邦子を面白いと思える“馬鹿幸せな層”に、名役者として人気を得てたのだろう。(09.4.4)

下々の者へ(その925)

 すいませんねえ、色々と無理言って。12日ですが、4時開始なので3時30分くらい前までに、身1つで来てもらえれば充分です。吝嗇集団の“わめぞ”ではありますが、いがらしの旦那からまで、1000円の入場料は取らないでしょう(多分)。6月26日は仙台でまたお世話になりそうで、恐縮です。あと古本関係者は、プロ・素人を問わずに結構図々しい人も多いので、嫌な事は嫌とハッキリとした態度を示して下さい。神保町の「書泉グランデ」地下では、拙著と旦那の本は隣あったコーナーですな。(09.4.11)

下々の者へ(その926)

 酔狂な皆様、明日はよろしく。何ら面白くもない事や、臭い説教話や俺様自慢にも、素直に笑ったり「ホ−ッ!」と感動出来る、“大人の精神”を会得する努力を、今夜から始めといてね。あとpippoや奥山はともかく、「王将」の皿洗い一筋7年の武藤良子は、がさつでドブスな女だけど、「ドガサブス!!」なんて突っ込み絶対に入れるなよ。後で俺がどんな眼に遭うか知れねえし(「たかりブス!!」も厳禁)。

 最近ちくま新書を全然読まなくなり(朝日新書ほど暇と銭かけて、無理矢理に中身つまらなくする必要はないが、余りに予算けちり過ぎ)、講談社現代新書が2冊ほど良かった。まず『皇軍兵士の日常生活』(一ノ瀬俊也)。教科書の副読本にすべしと、『Mate』の「嫌われ者の記」にも書いた(17日発売の6月号)。中公“ナベツネ”新書の『「戦争体験」の戦後史』(福間良明)と併読すると、朕の軍隊の実態と敗戦の記憶がパノラマ状に学べる。前向きに手間暇かけて成功した本。

 2冊目が『越境者的ニッポン』(森巣博)。手間暇かけてねえし、200ページもねえのに、本体720円は高え気もするが、通勤電車の読み捨て本に最適。団塊オヤジの居酒屋でのクダみてな内容だが、昔の俺様自慢はないし(息子自慢がくどい)、“今”への真っ当な怒りは説得量が。ただ文章はストレート過ぎ(ひねりがないし下品さ不足)。「こういう人は絶対に小説書いちゃいかんな…」と思ってると、後書きに小説家と。まだ1冊も読んでねえが、森詠や船戸与一レベルで、3冊目には手が出ないタイプじゃ?(誠実人間ゆえ1冊は買う)。

『CABIN』第11号(東京堂3階) 例によっての武藤良子な、いや無神経で全く凝らない装丁と本文割り付けに好感(『HB』や『早稲田文学』の対極。断然こっちの方がかっこいい。あと、『HB』は9冊目だよ。10冊目にする“手”はパクらせてもらうよ、いつか)。河内紀、松本尚久、青木鐵夫以外は割と気持ち良く読めた。圧巻は鈴木地藏の「腹の虫−小沼丹再読ー」。ある種の人(俺もその1人)が口や文にこそしてないが、心のどこかで抱いてた思いを、「バーン!!!」(劇画家・ふくしま政美風の擬音)とテーブル上につかみ出された読後感。やはり地藏は凄い。こういう人と同じ版元から、拙い自著を出せたのを光栄に思う。 (09.4.11)

下々の者へ(その927)

 仙台のトークショーの宣伝、既にボチボチ始まってるようですが、俺の名前が頭にあるので、「火星の庭」の杉浦茂のキャラを彷佛とさせる、例の女店長にメール打ったの。“知名度、集客力共に圧倒的な、いがらし旦那を先にしてくれなければ、俺は恥ずかしくて仙台に行けない”って。3〜4日たつのにまだ返事がねえが、着いてねえのか?

 ピッポさん、富士に月見草が似合う以上に、上り屋敷会館に溶け込んでました。“ミス上り屋敷会館”と命名すると、また怒られるか?確か萩原恭次郎の詩碑は、利根川沿いの群馬大橋の近くにあったと。何しろ40年前の高校時代に1度行っただけで(当時好きだった女子高生と)、記憶はうつろだが、“汝は山河と共に生きるべし”というような文字が刻んであった。確かに恭次郎の詩はビジュアルで、朗読には向いてないが、晩年の「もうろくづきん」「断片」などは大丈夫じゃ?

 三省堂の4階は(特価本コーナーの向かって右隣、ミニコミ・読書関連コーナー)、『出版業界最底辺日記』(ちくま文庫)『東京の暴れん坊』(右文書院)『エロ漫画の黄金時代』が常時平積みされてる、全国でも稀に見る立派な書店ですが、今日昼前におたく風野郎が『東京の〜』を熱心に立ち読み。初めて拙著を買う客の姿を目撃出来るかもと期待したが、数分後に面出し棚に戻す。しかも丁寧に戻さなかったためか、そいつが去って後に、下の、よりによって『エロ漫画の〜』の上に「バタン!」と落下。すかさず蝶のように舞って俺が元に戻したが、破損こそなかったものの、その糞野郎を追跡して、殴り付けるんだったと反省した(50男が白昼何してんだか…)。(09.4.16)

下々の者へ(その928)

 右腕が痛い。またも初老ボケ。今夜は,『BUSTER COMIC』7月号の「塩山業界無駄話」を書いてたのだが(手書き。「版元様の御殿拝見」は自分で打ち、データ送信)、全160行だが残す所20行まで来て、やけに早く終わるなと。原稿見て納得。本稿と「嫌われ者の記」は字割が、22文字×160行なのに、16文字詰めで書いてたのだ。仕方なく書き直し。400字前後詰まり、今夜の完成は無理に。チッ!これじゃ明日早めに起きて行こうと思ってた、午前11時からの「シネマテークたかさき」の、『ザ・フ−』は無理。『プラスティック・シティ』なんて全く興味ないし、やっぱ夕方の『シェルブールの雨傘』か?ここでだけは新作を観たいのに。

 いがらし旦那も眼に老いが集中的に現れてるようで。武藤良子に「美人」が入ってるのなら、愚妻とて「小股の切れ上がったいい女」ってSF的事態に。日本語の基本概念の破壊は、破防法の取り締まり対象になりますぜ。ピッポはそうでもないけど、ムチャクチャ写真写りの悪いのが奥山。気の毒なほど(俺を写したら南陀楼綾繁と化してた位の異常変態さ)。ただ“葬式風挨拶芸”の衝撃はさすがで、12日は一応主役の拙著が17册売れただけなのに(サインは倍くらいは。他店で買った人の分にもしたから)、『葬』は何と7冊売れたと。2号目も近く出るらしい(拙著同様、三省堂の4階、東京堂の3階に常備)。

 実は仙台行きの6月の前、5月の中旬に、在野の極貧漫画評論家、永山薫の新刊発売記念のイベントが(5月19日に「阿佐ヶ谷ロフトA」で。現段階では出席者が余りに貧弱。誰も来ねんじゃ?)。俺もゲスト出演予定。当然、拙著の売り子として彼女も参加。是非例の芸も披露をと言ってるが、今の所は両眼を寄せて遠慮している(多分、本当はしたいのに)。で、仙台ですが、どうも色気不足。前野店長は論外として、東北のピッポや奥山みたいな個性派はおらぬの?タコ多田は競馬ついでに参加と言ってるが、あんな死に損ないの出腹ハゲオヤジじゃあねえ…(武藤の代わりか?)。まだ時間はあるし、色々と考えましょう。(09.4.19)

下々の者へ(その929)

 三省堂2階の文庫コーナー、以前は昇りエスカレーターを下りたすぐ右側に、ウェッジ文庫コーナーが。最近どこかに移動したらしく、全くの行方不明。チョロチョロ売り場変えるな馬鹿野郎!!ZOKUGON(“俗物の権化”の略)こと晩鮭亭なら,チョンガ−性ヒステリーを起こし、つけ麺や無料餃子をヤケ喰いする場面だ。

 潮出版社の先の立ち喰いの「ゆで太郎」、今月頭頃から店内を改装し、従業員も一新。全体に若返って、中国人らしい中年女性も1人。客もかなり増えた。ただ従来のフケセン趣味と言うか、初老&老人男性ばかりの店の、疲労感溢れるムードも嫌いじゃなかった。合理化か、そばつゆの容器も他店と同様になり(昔はおわんにたっぷり!)、かきあげざるそば(430円)の天婦羅が、非常に食べずらくなった。消えた人々、首になってなければいいが…。皆さんお元気ですか?

『東京新聞』群馬版は、同紙が安中市のコスプレマラソンの後援をしてるせいか、安中の話題を頻繁に取り上げる。記事はもっぱら、樋口聡なる記者が署名入りで。交通安全運動を安中署がどうした、元県職員が苗木を新入生に贈っただ、同市の広報誌に掲載すべきゴミネタを、無批判にかつうれしそうに、役人の視点で常に写真入りで。お前、1日も早く市役所広報課に転職しろ。ゴミ記事を常時採用する、上役の知的レベルも知れる。

 昨夜、「神保町シアター」に『おかあさん』(監督・成瀬巳喜男・’52新東宝/助監督・石井輝男)を見物に行く途中、東京堂の雑誌売り場を通ると、あんな静かな店内で携帯使用中の糞馬鹿ゲロ女が。「外で話せ、ユルマンタンツボ女!!」と怒鳴ろうと近寄れば、な…何と武藤良子。軽く肩を叩くと、話しながら「あ〜、今神保町なんだけど、塩爺がいた〜!!」。どうやら相手も俺を知ってるらしい。知り合いと思われちゃ大迷惑だし、そそくさと退店。ああいう非常識なブス馬鹿女の、親の素顔が見たい(書店内携帯使用者をたたき出すのは、昔からの俺の趣味)。

 言論弾圧の総本山は、戦前は内務省、今は全国の裁判所。道警裏金告発本に、72万もの狂気の賠償金を命じた、札幌地裁の竹田光広裁判官も、傑作映画『ポチの告白』の判事同様、裏金盗人警察に、下半身スキャンダルでも握られたか?この手の白痴ドカスは、すぐに東京に呼び戻され、出世するのだ(最高裁の直々の指図で)。全国27万裏金警察・調活費泥棒検察・99パーセント有罪の警察&検察の下請け司法。正に日本国腐敗元凶のトライアングル。パキスタンの司法関係者の、糖尿性小便でも飲ませてもらえ。

 南陀楼綾繁や栗原裕一郎の書き物には、良く図書館に行く下りが。稿料が糞安いのに、連中の作物には、実に手間暇がかかってるとな感心(だからって俺より面白い訳ではないが…)。よくあんな騒々しい所へ行けるよ。調べものするには仕方ないが、良かったよそういう文筆畑を選ばんで。我がゴロ巻き駄文は、手帖と辞書の5〜6種類あれば充分。コストのかかってない作物は、水っぽいとの見方も出来ようが(もちろん俺はそうは考えてない)。

 10年間の草生活に疲れたのか、草2号からの連絡が途絶えた。わかったよ、もう解放したる。ただ困ったのが、本欄の850〜880が消えちゃってる点(今までは100件保存体制だった)。草2号でも他の人でもいいから、その分持ってません?最近は1000件保存にしたので大丈夫と、やくる〜とが保証(真空管関係は良くわからん)。

25、26日の両日共に雨との天気予報。第1回みちくさ市危うし!!ぜい肉を震わせながら心配するセドローに対し、商売敵の千駄木一箱古本市の中興の祖こと、“西日暮里の目付きの悪いドラえもん”は、内心深くほくそ笑んでるに違いない。まあ、武藤良子の1週間分の使用済み下着全品同様、全く俺にはどうでもいいが。

 堀田力といえば坂崎重盛そっくりの、好色面した調活費泥棒検察OB(現弁護士)だが、今回の樋渡検事総長総指揮の、文盲ゆがみ肛門面麻生&デージン池田太作汚ケツ舐め捜査に関し、検察に一切の説明責任なしとの暴論、つまり“単なる糞役人検事様神様論”を吐いた厚顔無恥の国賊として知られるが、遂に22日付けの『赤旗』にも動向紹介記事。小沢の“規制法違反「罪軽くない」”と発言したと(民主党主催の委員会で)。“窃盗売国検察の赤い走狗”こと、日本共産党の大暴走は、依然にして止まらない(その点、今週の『週刊プレイボーイ』の、検察と記者クラブマスコミの、情報リークに関する癒着批判記事は立派だった)。

 NHK、朝日、ナベツネ、産経、赤旗他と、左右が揃いも揃って政権交代妨害策動に狂奔してるのに、依然30パーセント前後の支持しかない麻生ケツの穴総理の肛門て、本当にヘドが出るほど臭いというか、嫌われてるな。NPOだか何だかで、“堀田重盛”は社会福祉家面してるが、きっと腐臭まみれの裏がある。誰かズバリ暴いてくれ。

「ニュー浅草」は今、すずらん通り店は「浅草厨房」などと詐称、いや名乗ってはいるが、やっぱ“ニュー浅”で十分。昨今、「神保町シアター」が近いせいもあり、1人で帰りに時々寄る。73年からの数年間の学生時代は、毎晩のように寄り、粗チン出しては裸踊りを。35年後に、同じ1階のカウンターに戻って来たのだ(昔は2階から5階の座敷席専門)。当時から、1階のカウンターで1人飲む中高年客はわびしく、ああはなりたくないと、深く胸に念じてたのであるが…。

 1階カウンター、同年代の男共が、軽く飲んでさっと去る。「女房は元『MORE』のモデルでねえ…」と自慢してる、少しキザな白髪親父も。可哀想な事に、厨房の3人の料理人は、誰1人同誌の存在自体を知らないのだ(3人で5階までの全部の客の料理をを担当と)。『小原庄助さん』(監督・清水宏・’49新東宝)、俺の本同様に読後感が凄く良かった(清水作品としては、失敗作の部類だろうが)。

実母に、嫁とのセックスを目撃される程ではないが、田村の店頭でのあさましい仕入れ姿を知人、それもよりによって岡崎武志に目撃されるとは(23日午前11時頃)、男友達にオナニーを見られる以上に恥ずかしい。せめてこちらで先に気付き、すっと小宮山の100円箱方面に消えたいが、しっかり肩を叩かれてしまった。思わず不覚の50男の涙。みちくさ市や一箱古本市の事を考慮してくれたのか(な訳ねえだろう!)、久々に筋のいい文庫が大量に。だからつい3000円分も買い込み、注意力が散漫になっていたのだ。拙著『出版業界最底辺日記』(ちくま文庫)まで200円で。当然買う。版元からでは8掛けだしな。ここで3冊目くらい。名刺代りになる(前回分はアストラの奥山にあげた)。

 どうです今回の長さ。死んだ明治生まれの婆ちゃんの、腰巻き並でしょう?(爺さんのふんどしでも可)遠藤哲夫の文章への皮肉ではないが、さすがに飽きたのでジ・エンド。(09.4.21)

下々の者へ(その930)

 やってられねえぜ。異色反戦映画、『姿なき一○八部隊』(’56大映)で知られる、佐藤武監督の新発見フィルム、『ママの新婚旅行』(山田五十鈴主演・’54永和プロ)を「フィルムセンター」で観て、洗われた身と心を東京駅に9時前に運べば、上越・長野・東北の各新幹線が全面ストップ(大宮駅で線路に客が侵入と)。仕方なく三信ビルに舞い戻る(東京駅9時16分発の「たにがわ475」に乗れないと、アウト)。おい!JR“革マル派”腐れ東日本よ、俺は毎日テメーらに約3251円払ってんだ。半額返せ!!(事件は1時間も前なのに、復旧時間も不明の超デタラメ振り)南浦和事件より、大宮駅線路侵入事件だよ。ドア故障による、熊谷駅事件てのもあったな。

 NHKを筆頭に、記者クラブ所属の“ワンコロポチ記者”諸君は、メキシコや周辺の国から逃走を開始したんじゃ?いつもの事だが、緊急事態になると、現地からのレポートは英国BBCを始めとする、勇気ある外人記者ばかり。公共放送を自称するNHKよ、その看板は平和時、ないし自国トップの外遊チョウチン記事を、ヘラヘラ愛想笑い浮かべて書く時だけの、偽装宣伝か?(官房機密費で買った、高級ワインをゴチになりながらの)厚労省の役人も、家族用に特別マスク、天下り先の薬品会社に供出させてるはず。捕まえられるのは、元気があっていい裸踊りタレントと、麻生宅ヘの抗議にただ歩いてるだけの市民という、無能なくせに違法強制職質にのみ精を出す、ハレンチ裏金警察一家も、「俺達にも回さねえと、逮捕する!!」と強迫してたり。

 さっき「梅の湯」に行ったら、40位の薄毛男が、頭をブラッシングしては入浴―これを何度も何度も繰り返していた。そういう増毛法が?3000円分位の湯は使っていた。この手は俺より年下に多い。銭湯と温泉の区別が全然ついてない。確かに銭湯慣れした世代にも、洗濯や歯磨きするカスはいるが、育ちの悪さと当人の馬鹿さの混合と、理由が明白で無気味さはない。ところが最近の連中と来たら…。吐き気がする“自分の身体への陶酔感”。多分こういう奴は、1冊のエロ漫画の単行本を買う際も、数十冊も平気で自分の手脂で汚すのだ。コイツらがガキの頃からだな。ほめられると、「ありがとう」と応じる若者が増えたのは。俺達の頃まではそういう場合、「いや、とんでもありません!」と、内心はともかく、外見は否定するのが礼儀(美徳)だった。ただこれは世代論だけでは済まなそう。先日、天皇が誕生日に夫婦で誉め合う手紙を公表していたが、俺はかなりの違和感を。田舎では考えられない風習。小さい頃、米国人の教育を受けていたせい?

 6月26日の、仙台での“いがらし&塩山”のトークショーだが、タコ多田に加え“南会津のタルコフスキー”こと、山崎邦紀も参加の可能性が(いずれも手弁当)。つまり『エロ漫画の黄金時代』の、“日本出版カバーデザイン史上極北のイモ”と言われる例の帯の、初老トリオが揃うかもなのだ。“地方では東京より大切にされるんだから僕だって”の南陀楼綾繁よ、その際は瞬時でいいから、トリオで舞台を飾らしてよ。

 中卒のきくじよ(本当は中退)。今は浦和のスラム街、文蔵の傾いた長屋にでも住み、ビル掃除夫、ないし雑誌の拾い屋でも?まさか、いくら何でも「お父さん!」なんては呼ばれてねえよな。大分前から川口芝園団地(俺の旧宅)は、外人団地と化してるとの噂だったが、21世紀の今はいかに?まさか“シャブ団地”ってこともねえだろうが、海外だとそうだし、神国ニッポンだけが特例なはずもねえな。4号棟の隣の気違い女、まだ住んでたり。当時、1棟に数人は気違いが住み、近隣に無限の迷惑を。この景気じゃ、その数は増加の一途であろう。共同住宅にはもう絶対に住みたくない。

 「フィルムセンター」といえば、昨秋の『忠治旅日記』以来の大入りだったのが、29日の新大都映画2本立て(『剣豪女優とストリッパー』&『アナタハン島の眞相はこれだ!!』)。53年頃に数本製作して消えた、エロダクション風の映画会社らしいが、す…凄かった。前者では学帽被った小学生が集団で、かぶりつきのストリップ見物(いい時代でした)。ただ同社幹部の女性に対する美意識は、余りに前衛的(サム・ライミも真っ青!)。けどそういう趣味の人々も、絶対にいる。松竹系東活ポルノは、新大都映画の残滓だったのかも。またもキネマ原人が物好きにも来館。さすがに今回は、白髪頭で女性客をナンパしてなかった。

 続報を全く見ないが、チョイ前の『新文化』に幻冬舍の経理が、8億だか9億の金を使い込んだとの報(1年に1億くらいを8〜9年に渡り)。刑事告発うんぬんとあったが、見城徹ともあろう人物が(?)、実にヤボテンな対応だ。まずは『横領という経理マンの病い』をタダで書かせ、ベストセラーにしてから処置しろって。けど、大間抜けではある。 (09.5.1)

下々の者へ(その931)

 田植えを控え、恒例の裏の用水路の泥上げ。10数人の村人が集まったが、ほとどが腰の曲った70歳以上の老人。しかも、実際に田んぼで稲を植えてるのは数人(俺んちも多数派)。意気が上がらない事おびただしく、皆さん楽な雑仕事へと集中、肝腎の泥はほとんど始末出来なかった。去年まではこんなじゃなかった。数年後はどうなるのか?帰郷して16年。地方村落は眼前で崩壊を続け、土建屋上がりの疑惑のデパート市長・岩井賢太郎は老人福祉分野でもボロ儲け、成り上がりの大名気取り。高給糞役人共も藩塀的役割を果たすのみで、納税者など一顧だにしない。腐った泥舟日本の象徴の富岡市。国や自治体が破綻し山河田畑も荒廃、盗人役人のみドブ鼠のごとくばっこ。糖尿ドブ鼠共の半数は、目隠しして鏑川にかかる和合橋の上から突き落としたとしても、富岡市民は一向に困らない(べラボーな給与の恩恵を受けていた、ブルジョワ家族以外は)。

 「シネマテークたかさき」で『愛のむきだし』(監督・園子温)。全観客数約10名(2階定員64名)。約4時間。入場料一般2500円、会員1800円。そんなに退屈ではない。カルトを基礎に、近親相姦、盗撮、女装、同性愛、残酷描写等、現代風俗の五目飯映画。が、銭払った客に、4時間もの間椅子に座らせ、しかも見ずらい英語字幕付き画面に、集中を強いる程の作品じゃない。無意味な重複場面も多いし、110分に収められなかったトコに、この監督の限界が。タナダユキもだが、本人が思う程は映画監督向きではないと。光る感性はあるが、線香花火レベルなのに、大空を照らす稲光りのようだと、2人は固く認識してる模様。にしても240分。昨日買った『早世の天才画家』(酒井忠康・中公新書)を読むんだった。

 明日は千駄木一箱古本市。嫌記箱は新刊書店「往来堂書店」裏手の、ギャラリーKINGYOってトコで、午前11時から午後4時まで出店(雨天決行)。是非いらしてね。でも上京のため5時起きはつらい。これも生活のためだ(書物文化の明日など糞くらえ!)。

●5日付記● 夕べは事務所泊まり。朝刊は夜、帰宅するまで読まず。東京の3面に、高英男の写真入り訃報記事。ビックリ。「フィルムセンター」で午後1時からの、『吸血鬼ゴケミドロ』を観たばかりだったから。90歳か…。吸血鬼は長寿だ。そりゃともかく、40歳位のお父さんが、小学生連れで一番前の席に。そういう映画か?(『徳川女刑罰史』よりはましだが…)。消し難いトラウマを少年に残すだろう。子供に親は選べない(俺も上の娘と)。

 昨日の千駄木一箱古本市、さすがは元祖だけあり、圧倒的売れ行き。岡崎武志は軽く3万台に達したようだが、俺はもう一息。常に3万の壁が立ちふさがる。そしてどの市でも、岡崎には4〜5000円、憎き荻原魚雷には2〜3000円の差を。やはりベテラン古本マニアにはかなわない(俺はまだ4〜5年のキャリア)。

 千駄木のお客さんの長所。値切る客がほとんどいない。今回は300円以下の本はほとんど持ってかなかった(くたびれ儲けだし)。当然精選したのだが、同市青秋部の美女のように、「塩山さん余りに悪徳商法!」との声も一部に。無視。吉田健一や尾崎一雄、内田百けんは、相場より少しでも安ければ、高めでも必ず売れる。100円や200円でこの種の本を入手しようなんてクズ客は、完全にシカト!(舌打ちする古本ずれした馬鹿も時々)。みちくさ市だと、250円のDVDを「50円負けるのなら買う」なんて賤民爺さんが、絶対に2〜3人は(すぐに「シッシッ!」と追い払う)。

 そういや、セドロー以下のわめぞ一家が3日に視察に来たと。出っ歯の日本人がスイスの時計工場を、痰吐き中国人が紀伊半島の真珠養殖業者を訪問するに等しい。本家のノウハウを学び(スパイ)、同時に弱点も把握、下克上を仕掛ける訳だ。表面でニコニコ談笑、影で殴る蹴るの足やキンタマの引っ張りあい。ステキだ!

 6月26日の、仙台でのいがらしみきお&塩山芳明のトークショー、ほとんど予約が入ってないと。「2000円の入場料じゃ…」と、昨夜の打ち上げで、司会役でもある南陀楼綾繁に話しかけると、「それも前野店長(古本屋「火星の庭」の女番長店長)の、せめて僕らに交通費だけでもって配慮からきてんだし」。そういう女なのだ。『エロ漫画の黄金時代』の刊行記念トークショーだが、版元のアストラには仙台までの交通費を、俺に出す余裕はない(南陀楼など端から問題外)。つまり、貧乏古本屋、貧乏版元、貧乏著者の、“貧困トライアングル”が生んだ2000円なのだが、お客さんには全然関係ねえ話。俺も知り合いを動員したいが、都内の上り屋敷会館や「古書ほうろう」と事情が異なるし。かたくなな無神論者が東国で、神に祈るしかない?

 今回の市の好成績は、書誌・紅屋と場所が違ったせいも。同一場所に出品した方、えらい迷惑受けたでしょ?俺もプレみちくさ市で少々ね。何しろ奴は“素人古本市界のスト破り”として有名。確かに安いので、お客さんにはうれしいが、近くに出品した者は全員シャイロック気分に。値付けは無論自由なんだし、妥協的解決策としては、奴だけ1人で出品させたら?国鉄(JR)の国労組合員いじめみたいだが…。

高い評判のみ聞いていた、『昭和天皇・マッカーサー会見』(豊下楢彦・岩波現代文庫・本体1000円)をやっと。天皇制や天皇裕仁に興味を持つ者には、決定的な1冊(当然“御聖断派”にも)。原武史の文学的天皇論も楽しいが、こういう学者による地道な研究も、柄にもなく襟をただされる。中でも昭和天皇が戦時下で東條英機を、占領下で吉田茂を切り捨てる動きを論証する下りは、圧巻。俺は前からそうあるべきと主張しているが(『出版業界最底辺日記』参照)、右翼の天皇離れの契機になる書かも。東京大空襲での無差別攻撃の最高責任者、カーチス・E・ルメ−将軍が、天皇と日本政府から、64年に勲一等旭日大綬章を与えられるのも、本書を読めば実に納得(?)が行くのである。(09.5.3)

下々の者へ(その932)

 歳を喰うと余計にそう感じるが、恭次郎の詩は喧騒に溢れた若い頃より、天皇主義者へと転向する直前の、故郷前橋での一種不遇時代の詩の方が胸にしみる。ただ俺、彼の詩集は誤植の多さで知られる、黒い1巻本の思潮社版しか持ってない。後に出た本格的全集は、時々見るがムチャ高い。人気詩人だし、コンパクト版もどっかから出てるんだろう。ただ詩集は、田村店頭で買う習慣が出来ちゃってて。あそこに並ばないと、存在しない事になっちゃう徹底振り。

 困ったことに昨今,“聖地”に詩集の姿が激減。月に3〜4冊は詩を読む保守的読書スタイルに歪みが。なぜなら田村店頭本は、無料の廃棄分及び100円箱を除けば、ろ過されててクズはまずない(特に詩集は)。コミガレ(3冊500円の小宮山のガレージセ−ル。岡崎武志命名)に並ぶピカピカのゴミ詩集と比べれば、一目瞭然。ところが昨日は久々にドドーン!!吉野弘、荒川洋治、井坂洋子らが2〜300円だったのですかさず。今月分はこれで大丈夫。尚、コミガレゴミ詩集には、有名詩人と名前が一文字違いの傑作無名詩人がいたりで、買っとけば安原稿料ネタにはなりそう。

 最近印象に残った詩集は、『夜の驟雨』(安西均・’64思潮社)。少し汚いせいかコミガレで。「どこかの食卓で」や「ことしの春も」はなかなか。で、朗読の向き不向きか。確かに。けど俺も、「もうろづきん」を朗読するには10年早い。ふっと思い出したのが、“千駄木一箱古本市のミスター爺さん”こと、ミニコミ『北方人』の発行人(お名前度忘れ失礼)。4日にも顔見せてたけど、その自然な枯れっ振りは見事だった。爺さんにその気があれば…。

 ピッポ姫にも考えれば、2カ月に1度の外市で謁見させてもらってるだけなのに、妙な親近感。事務所廊下側ドア正面の、「永久に貼っといて!」との御下命をいただいた、ピッポポスター、ピッポブログ、更には“千駄木一箱古本市の破壊者”、セドローブログもあるからな。3チャンネルか。昔、4チャンネルステレオなるインチキ商品があり、大手電気メーカーが売りまくった後で、すっとぼけてた事件が。“4チャンネルピッポ”は一考の余地があるかも(ライブでそうなるのか?)。以下、昨今購入雑誌寸評。

『映画旬刊』1955年第2号/神保町「@ワンダー」で210円。

 最近倒産した雄鶏社、こんなのも出してたのね、すぐ廃刊になったらしいが。編集長は清水千代太で、編集委員には植草甚一、荻昌弘、双葉十三郎らの名前。キネ旬の全国繁華街映画館ルポに対抗してか、「映画劇場解剖」なる連載が。4号で「渋谷東映」、本号では「国際劇場」を(都内ばかりなのは取材費不足?)。前者では『旅の重さ』を、後者では退屈なガンダムシリーズのどれかを観たので、館の構造写真等が楽しめた。ただ全体として見ると、キネ旬との差異は感じられない。廃刊も自然だ。

『葬』第二号・09年4月発行/献本。定価500円。

 当人そっくりの奥山直筆の、下手だが愛嬌のあるイラスト入り記事以外の、コラムが少し増えた模様。確かにこうしないと、すぐネタ切れだ。『記録』でおなじみの宮崎太郎や、「馴れ馴れしい奴」(南陀楼綾繁)と評判の悪い、模索舎勤務の“ひ。”は並。最悪なのは、奥山の恩師らしい山内志朗の「毎度ハカバカしいお笑いを!」。慶応の教授らしいが、アラーキーだ永井荷風だ、百姓丸出しの固有名詞見ただけで、うんざりこん(内容も雑)。生活の安定した俗物文化人が、エラソーにロクに稿料も出ない雑誌に書く際の、悪しき糞見本原稿。こんなの有り難がるんじゃねえよ奥山!一番は「葬儀業界に身を投じ」(河田ソム夫)。ホモ専務と人格者部長の描写がリアルで、吐き気。山内打ち切って、こいつを連載にしろとエラソーになぜか命令。

『創』6月号/「くまざわ書店」高崎駅店。定価600円。

 浅野健一の「「発表もの」しか書くなとと言う「道警裏金追求」地裁判決」が面白い。佐々木友善道警元総務部長の、ハレンチ極まる訴えに、「御説ごもっとも!」の警察のケツ舐め判決を出したのは、竹田光広・田口紀子・鈴木清志の3人の、裁判官と言う名の窃盗公務員の共犯者。3人の異例の今後の大出世を、暖かい眼で今から見守ろう。判決後、佐々木の記者会見に出席した下りが、腐れ大マスコミの現状を情けなくも忠実に報告。“司法記者クラブの記者たちは、何も重要なことをきかなかった。(中略)仲間の記者が泥棒をした組織によって「被告」席に座らされているのに、怒りも憤りも感じないのかと、私は苛立った”。正に“忠犬ポチ記者”。同誌、まともな執筆者も多いのに、全体にピンボケで退屈(昔からだが)。本当に雑誌は編集長のセンス1つ。

『月刊日本』5月号/「三省堂」1階。定価650円。

 反権力的右翼雑誌。時々買う(最近「くまざわ書店」高崎駅店に入荷しなくなり残念)。同誌の売り、山崎行太郎の「月刊・文芸時評」が今回はいただけない。後半で唐突に佐藤優大礼讃が。いくらドストエフスキーやマルクスにのめり込もうが、佐藤の3流山師振りは不変。だいたい、同じ雑誌の連載仲間を誉めたりすんじゃねえ。それこそ最も“反日本主義的精神”。本当に恥ずかしい。

『iichiko』NO・102 特集 フィルム・ノワ−ルの文化学/「三省堂」4階。定価1500円。

 同誌は初めて。再び買う事もない。余り聞いた事のない学校の先生らしき連中が、同じ口調で同じ時代をやたら英語まじりでペラペラペラ。読者は何度も同一ネタを読まされうんざり。編集は山本哲士とあるが、ちゃんと台割引いてるのか?貧乏人から儲けた焼酎屋・三和種類が、サンピン学者のいいカモになってる感じ。馬鹿なくせに、金持ち老人から金を引き出すの上手な奴、どの世界にもいるが。

『シナリオ』6月号/「くまざわ書店」高崎駅店。定価830円。

 回を追うごとにおべんちゃら度が増す一方の、「柏原寛司の映画館へ行こう」や、ボケ度毎月ヒートアップの「桂千穂の映画漂流」には、もはや何も期待してないが(今の同誌では浦崎浩實の連載が一番安定)、久保田圭司の「映画の中の『名セリフ・名シーン』」にも今号はヘンテコな部分が。水木洋子脚本・今井正監督の『ここに泉あり』を取り上げてるが、盛んに“群馬フィルハ−モニ−”と記す。そんな楽団はこの世に昔から存在しないよ。“群馬交響楽団”、略して群響と県民は呼称している。年に1度は俺が通った富岡市立一ノ宮小学校にも、彼等が生演奏に訪れた。いわゆる一日音楽教室だが、演劇教室もあり、通称“群芸”が“群響”同様に体育館に毎年来た。こちらの正式団体名は忘れた。座頭市シリーズの1本が、下仁田を“しもにだ”と発音する位は、大人な俺は眼をつむるがな。正式には“しもにた”だが、地元民は“しもんた”と普通は呼ぶ。上信線の行き止まりの同地、今日(10日)は午前中に既に31度と。高崎に午後から映画見物に。 (09.5.9)

下々の者へ(その933)

 大きな考え違いをしていた糞ガキ時代もあったが、やっぱ特撮映画は国産モノに限る。今回「フィルムセンター」で観た3本、つまり『ガンマー第3号 宇宙大作戦』(’68東映&ラム・フィルム)『ゲゾラ ガニメ カメーバ 決戦 南海の大怪獣』(’70東宝)『惑星大戦争』(’77東宝)で、その思いは確信と化した。

 1本目はロバート・ボーン主演らしいのに、いつまでたっても出て来ない(後でチェックしたらロバート・ホートンだった)。それはともかく、宇宙人が茶色のおばけのQ太郎なので唖然(女性器を横組みにした面相)。それが一匹、触手振り回しながらヨタヨタ登場(後に数は増える)。悲愴なる無情感。2本目のゲゾラは巨大イカ(島上陸場面の特撮は上出来)。サキイカ攻撃、つまりガソリンで焼かれて撃退されるが、続く蟹のガニメといい、まるで“立ち飲み屋珍味怪獣映画”。3本目は、黄色い宇宙服姿だった若き浅野ゆう子が、人質になるなり、突然ボンテージ姿に変身し美脚を披露、場内はざわめき大感動。脇のチャチイ熊のぬいぐるみ怪獣も、全く気にならない理想的御都合主義。

 言うまでもなく、こういう映画も大の大人が(一流大学まで出た)大金と手間暇かけて、真剣に制作している。「バッカじゃねえか?深作欣二ともあろう監督が、良く引き受けたもんだ。外人ばっかだけど、人間の演出がシッカリしてるんで、余計にQ太郎に笑っちゃうんだヨ」「本多猪四郎だけあって、スピーディーなテンポにゃは感心するが、ゲゾラをサキイカにしたんなら、ガニメは煮て、そうよ、蟹鍋にして欲しかったナ」「浅野ゆう子の脚線美で一切の欠点は忘れるけど、“男山田邦子”こと、森田健作の無神経で不快なゲロ巨願、何とかしろ!その点、沖雅也は色っぽくてカッコいいが…」とか、ブツブツぼやきながら見物するのは、最も高尚な教養ある人間の趣味だ。

 “本物らしい特撮映画”など全くの邪道。大人は『スターウォーズ』等のガキ向け半端作ではなく、こういうスタッフの人生の苦悩が一杯詰まった、決して成功作とは言えない珍品を、何度も噛んで味わうべきだ(サキイカみたいに)。リアルな映像でなくては興奮出来ない連中は、知性と品性と想像力を欠いた低能下劣人種。全員焼却しろとまでは言わないが、付き合いたくはない。

 忘れてたが、来週火曜19日、午後7時からの、「阿佐ヶ谷ロフトA」(03ー5929ー3445)での“永山薫VS昼間たかし”の馬鹿騒ぎも、もうすぐ。4月の上り屋敷会館や、6月26日の仙台での対いがらしみきおトークと違い、俺は枯れ木も山のにぎわいの、一初老ゲストに過ぎないので気は楽(にしても質はともかく、仙台での客の入りが心配)。アストラのと言うより、ミニコミ『葬』の美貌イカレ編集長、奥山も『エロ漫画の黄金時代』の販売のかたがた出席、例の“葬式の挨拶芸”も披露というから、近所の方是非どうぞ。拙著、よそで買った方にもサインしますので、気楽に声をかけて(飲食代別で入場料1500円はそう気楽ではないが…)。で、もらった『マンガ論争勃発2』(マイクロマガジン社・本体1429円)、1行も読んでないがまずい?永山の高取英と伊藤剛をブレンドしたレベルの恥文、とても読む気になれねえ。更に知恵が全身に回りかねてる、昼間“愚鈍マンボウ”たかしの臭気も加味されてんだから、顔もプイと自然にそむくよ。いいや、行きの電車でパラパラすりゃ。

 奥山と言えば、同じ来週の22日、和光大学の南陀楼綾繁(助教授じゃなくて非常勤講師)の授業にゲストで出席、ミニコミの現状について一席ぶつと(“葬式の挨拶芸”があるかどうかは不明)。しかも俺まで応援に狩り出されてる。確か午後4時頃からで、ニセ学生も大歓迎と(もちろんタダ)。これもゲストのゲストだから超気楽。同大学には1972年秋、目黒区東山の熊沢牛乳店に住み込んでた頃、大学祭に1度行った。同店の同僚の群馬の先輩が、和光に入学してたのだ(彼の友人に磯部の大手君が。当然詩人・大手拓次の血筋だった)。記憶はうつろだが、駅から延々と歩いてくと、校舎のあちこちに革マル派の巨大ステッカーが。もうないよね?南陀楼綾繁といえば、広島の一箱古本市に長征中と。例によって地方では、東京よりよっぽど大切にされてる事だろう(「あんた東京から来た方ですね?」と、ギター片手の田舎文化青年に、憧憬の眼差しで見つめられたり。「貸してみな」と言って、寺内タケシ張りのテクを示せるような、器用なタマじゃねえな)。

 ネット版『記録』で本来は、「池田大作より他に神はなし」の新連載、もう開始してなきゃいけないのにさぼってて。今日プール帰りに意を決し、「戸田書店」で『潮』6月号を購入。夜には書くつもりが、こんな一文にもならない方を(『記録』はチャリンとだが稿料が出る)。大作絶賛雑誌群を、毎月1冊ほめまくる企画。1回やれば後は楽なのに、本欄や「版元様の御殿拝見」を優先してるのだから、馬鹿丸出し。

 で、夕飯喰いながら『東京新聞』の文化欄読んでたら、上田美佐子なる演劇プロデューサーが、正気の沙汰とは思えない、「“演劇災”の衝撃」なる一文を。没に出来ない担当記者も救えない(『AERA』センスの見出しも恥ずかしい)。自ら招聘に関わったイスラエルの劇団(アッコ・シアターセンター)への自画自賛記事なのだが(こんなイカレ宣伝文に稿料を?)、“同じく女優の横山通乃さんは、その後ニ年ほどもショックから立ち直れずにいたという”(初演の感動で)、とマジで書いてる(上田も横山も早く病院に行くべきだ)。今の「大波小波」の退屈さを知る者には、さもありなんではあるが…。全国紙に掲載された昨今の文章では、知る範囲では一番の“衝撃”。今後の美佐子様の動向に注目。同じく東京群馬版、支局員というより安中市観光課職員と言った方がしっくり来る、お馴染みの樋口聡君が、“ジャーマンアイリス色鮮やかに競演”なる、カラー写真入りの安中観光農園の宣伝記事を。末尾に安中商工観光課の電話番号まで(027ー382ー1111)。ここに電話すりゃ、樋口君のナマ声が聞けるの?いいねえ、いつも楽しそうで。君とは親しい友人みたいな気分に。

 新型インフルエンザ騒動、うれしそうな人ベスト3。〈1位〉舛添要一厚労相。本当〜に目立ちたがり屋なんだな。嬉々とした悪相は、暴力団組長の抗争勝利宣言の記者会見テイスト。年金問題を愚民共が忘れてくれるとの期待も。鏡を見て表情の抑制を学ぶべし(他人の意見参考に)。〈2位〉NHKアナウンサー諸君。民主党新代表をトップニュースで長々と扱うと、自公から文句が出かねない。そこにインフルエンザ新患者が大量発生、これがトップで安心平和の心。〈3位〉国立感染症研究所の田代眞人。90年前ものスペイン風邪と同列に論じ、不安を煽ってると『週刊金曜日』に批判されてたが(学者仲間の鼻つまみ者と)、17日昼のNHKニュースでも、WHOが警戒度指数をアップするかもとアジってた。これまた舛添同様の目立ちたがり根性と、所属役所の次期予算大幅アップ獲得への思惑からの、三文田舎百姓芝居だ。

 日本の司法、検察、警察他の、国賊泥棒役人共がうれしそうな顔したら、言葉ととは裏腹に、自分達の私利私欲を税金で実現しようと、120%考えている。単なる使い捨てマスクごときを、ストレプトマイシン扱いしやがって(NHKアナまで協力、視聴者をガキ扱い、付け方まで指導)。「冷静に」と弁明しながら、付和雷同性では屈指の日本人の不安を煽りまくり。阪急電鉄やセブンは、従業員にまで強制的にマスクを着用させてるようだが、個人の嗜好にまで、法的根拠もないのに何で会社が?泥棒役人とNHKを筆頭とする翼賛マスコミのせいで、街角で町内会役員による(退職自衛官や警官も参加)、“インフルエンザ狩り”が始まる可能性。「そこのマスクしてねえ奴、本当に日本人か?」。「俺の勝手だ!!」と言い返すと、ガラス片まぶした金属バットで殴られ、のどを錆びたカッターで切り裂かれたり。たかがインフルエンザ。銭儲けの種にしようとする連中の、ド汚ない野望を許すな。だいたい今マスクしてるのは、東京でも群馬でも老若男女を問わずに、早死にして欲しい醜い外見の奴ばかり(当然内面もだろう)。(09.5.16)

下々の者へ(その934)

 日頃は“窓際族亭主”だ、“目付きの悪い西日暮里のドラえもん”だボロクソ言ってるが、昨夜はハッキリ言って南陀楼綾繁を根本的に見直す。特にその司会能力を。本に書いてある事しか尋ねない、“善良な馬鹿ヒゲダルマ”永山薫、“愚鈍な夜尿症マンボウ”なくせに、自分が目立つ事し考えない昼間“白痴”たかし、本当に疲れた(特に昼間、お前は今後俺の半径3メートル以内に近づいたらぶっ殺す)。出演料代りにタダ酒喰らってた俺はともかく、1500円の入場料やドリンク代払った、お客さんは余計にだったろう。無論、俺の責任も大きいが、1ゲストが壇上を仕切る訳にも行かないし…。なのに25人近い方が拙著を買っていただき、マジで赤面の至り。集客数(80人強?)、本の販売では文句ない一夜だったが(奥山嬢御苦労様!)、良心の呵責を深く感じた。やはり女房とトークショーの司会者は、安易に選んではいけない。ピッポさんも来なくて大成功。ムト−のアマに今月末の外市で、復讐代わりにたかられそうで怖い。6月26日の仙台での、対いがらしみきおトークは、“天才的司会者”担当だから大丈夫!?

 あと今週は、22日午後4時頃からの、和光大学の南陀楼綾繁の授業で一席ぶつ、昨夜の売子、奥山晶子『葬』編集長へのゲスト。26日は高円寺で、付近の編集者の集まりでの茶話会、28日はティーアイネット設立10周年パーティーと、本業は暇なのに超多忙な5月。自著の宣伝・販売のためなら何でもします(今後は仕切り者の能力を事前にチェックするが…)。

昨日は現地に早めに着く。そば屋でもりそばにビールをやり、腹を落ち着かせ、悪酔いしないようにとの思惑。ところが「阿佐ヶ谷ロフトA」のある商店街、日本そば屋が全然見当たらない。とうとうアーケードの終点まで。結局ラーメン屋ばかり。仕方なくトボトボとユーターン(飯田橋店並に不毛な「ブックオフ」も一軒)。駅から見て右側には、4〜5年前まで意味もなく高い古本屋があったのに、影も形もない。そもそも会場自体、サブカル系の古本屋だった記憶が。やむを得ず会場近くの、安くて愛想が良くてまずい、「日高屋」でラーメンとウ−ロン杯(ふざけた事に、この種のチェーン店はビンビールを置かない所が多い)。こんな薄いウ−ロン杯なら、30杯は軽く飲める。夜の不毛さはこの時既に、鋼のように磐石に定められていたのだ(昼間…おっと明るいうちから)。 (09.5.20)

下々の者へ(その935)

 昨日、和光大学の河上センセの授業の学生に、「ゴブリンて人は、何であんなに絵が下手糞なんですか?」と尋ねられ、困惑。奴は大嫌いなタイプだし、何の義理もないが、同業界人が悪し様に言われると、弁明したくなるから不思議(凡人)。「確かにゴブリンてペンネームになってからはアレだけど、その前はゴブリン森口って言ってね、ヘビメタホラーエロ漫画描いてて、大したもんだった。ネットで探してごらん?今はホームレスだなんて噂もあるけど…」「はあ…」奥山晶子『葬』編集長の講議振りは上出来で、学生にも受けてたし、意せざるユーモアと、日陰の花っぽい魅力があった。零細版元、アストラに埋もれる女ではないだろう。

『東京新聞』、幹部の編集委員や政治部記者は他社同様、自公腐臭ケツ舐め捜査に狂奔する、樋渡利秋検事総長率いる“調活費泥棒国賊検察体制”のポチを、ワンキャン忠実に果たしているが、「こちら特捜部」や社会部記者は、それを批判する記事を時々。つまり社論が分裂状態。統一する必要はないと思うが、トップはあるいは意識的に政権交代の可能性に、二股を掛けてるのかも。

 今朝の2面、〈選挙いきいき「西松」ダンマリ 辞任後も“小沢流”〉の記事を書いた、後藤孝好は理想的ポチ君だ。検察リークにダンスを嬉々と踊ったワンコロ記者が、盗人役人共を今も神聖視、二階問題他を不問扱い、野党(小沢)のみを粘着バッシング。朝日、NHK、ナベツネから、果ては赤旗にまで連なる、今の記者クラブ白痴マスコミの主流派だが、この手が組合の役職勤めたり、新聞労連大会で演説したりすんだから笑える。日々の米びつを前にした時こそ、人の思想はあらわになる。社会党解体の際に、真っ先に民主党他に走ったのが、ソ連を絶対視して70年代にいい思いをした、向坂逸郎門下の社会主義協会の連中だったという、笑える逸話を連想。ポチ、いや後藤君、毎日の仕事は楽しいかね?

 小沢が清廉潔白でないくらい、ワンワン記者諸君に、忘れっぽい日本人離れした、執念深い記事を何度も読ませられなくとも、選挙民の多くは承知。ただ彼は、政権から10年以上離れている野党幹部に過ぎない。その間、当然税金の配分を決めてもいない。それに対して、自民党は半世紀以上。しかも白痴世襲ボンクラ者が、総理の椅子をオモチャ代わりに。司法・検察・警察の腐敗は眼を覆わんばかり。この閉塞感は、政権交代でしか解消出来ようはずがない。後藤君も多分、腹の中では承知してる。しかし、既に民主党は記者会見を、記者クラブ以外にも既に解放している。たとえ東京レベルの新聞でも、“選民意識”だけは一丁前の、自称エリート記者の後藤君らには、それは耐えられない屈辱なのだ。ラーメン右翼のドメクラ安倍や、エラソ−な役場の職員風の福田同様、記者クラブ予算を長年維持している、納税者など一顧だにしてない。

 小沢よ、霞ヶ関の盗人役人は勿論(筆頭は検察・警察・最高裁判所の中枢)、この種のワンコロポチ記者共を、役所の一角をタダで占拠する特権的記者クラブから放逐、世間の冷たい風にさらしてくれ。それが実現出来れば、あんたが国家権力や池田代作の庇護もなく集めた政治資金など、まったく可愛いものだ。後藤孝好君には、腹を空かして100円のパンを万引きする浮浪者と、高給を得る一方で、税金を集団で盗みまくりながら、罪の意識ゼロの最も腹黒い、検察・警察・司法以下の国賊役人集団の区別が、全然ついてない。小沢が100円盗んでるとするなら、文盲総理以下はその100倍は“合法的”に盗んでる。後藤君らの心地いい協力もあってな。“ワンコロポチ記者の象徴”として、君の今後の『東京新聞』での犬の活躍に、末長く注目。

 韓国のキム・ギドク監督も、一体どうしちゃったの?6人しか入ってない「シネマテークたかさき」で先週観た(定員64名・公開2日目)、『悲夢』は凄かった。主演のオダギリ ジョ−が日本語で喋るのに、韓国語オンリーの他の同国役者陣と、意志疎通が出来ちゃうのだ(オダ君以外には当然字幕が)。部分的な冗談かと思ったが、最後までその奇怪な方針は貫徹。誇り高きギドク監督が、よくこんな創氏改名級の屈辱的条件を飲んだと(オダ君側も恥ずかしくもなく、よく要求したと)。よっぽど金に困ってて、オダ君で1発当てたかったのか?それにしては同じ場所をうろつくだけの、同監督自身の脚本も下らなすぎる。1人だけ日本語で会話すると、オダ君の元々下手な演技はより目立つし(スターは下手でもいんだけど)、両者に何のメリットもなし。オダ君の所属する事務所は、能無し人間揃いだな。宍戸錠主演の『メキシコ無宿』(’62日活)は、やや記憶がうつろだが、メキシコロケ作品なのに、全員外人が日本語に吹き替えられていて、相当しらけた記憶が。ただ『悲夢』ほどは、後味が悪くなかった。昨今の文句なしのワースト1(キッパリ!)。

「嫌われ者の記」をカリカリ(シャープペンなので本当はこんな音はしない)。本連載もいつまで続くのか?結局、『Mate』があるうちはって事だろう。もっと人は日常でも仕事でも旅をするよな。その点俺はこの道一筋だし、どこにも出掛けず同じ場所を移動するのみ。よくこれで、日記の種があるよと自分でも感心するが、常に旅づいてる南陀楼綾繁や遠藤哲夫のそれが、俺の作物の水準にはるかに届かないのは御存知の通り。だが、あのクラスの連中と比較、溜飲を下げてるのは、デイック・ミネが俺の貧しい性的体験を嘲笑うようでむなしい(デイック御大は、そんなはしたない真似しないが)。(09.5.23)

下々の者へ(その936)

 昨日昼過ぎ、山崎邦紀のタコオヤジに久々に電話を。“人間だけじゃガマンできない!!”、『獣欲』第3号が無事に出る事になって、同誌の奴の意味不明コラム、「ケダモノ名画座」の依頼だ。兄弟間の遺産争いに巻き込まれ、殺されて南会津の名もなき川の土手にでも、深く埋められてると思ってたが…。「仙台ではジックリ飲もうよ、多田君やいがらしさんと一緒に!」と、ホモ映画監督なのに、一般市民みてな口を叩いてて笑わせた。

 仙台のトークショー、入りなんてもうどうでもいいすよ(宣伝は必死かつ地道にやってくれてるようだが)。3人とももう、いつくたばるか知れないんだし、冥土への土産話の宴会をするって事で(貧乏性健康症の山崎が、むろん一番長生き)。あと武藤やピッポはサイボーグなんで、五分で付き合うのは不可能。でも悪い人々じゃありません(善人でもないが…)。 (09.5.28)

下々の者へ(その937)

 夜の8時30分頃、「神保町シアター」で『滝の白糸』見物後(こういう馬鹿げた筋の映画は、実直なだけの島耕二監督じゃ駄目。やっぱ増村保造でしょう)、駿河台交差点を渡り明大側を昇って行くと、「キッチンカロリー」の先に新しい立ち喰いそば屋、「たくみ家」が。初めて見るがチェーン店?かきあげ天丼&もりそばセットを(500円。「小諸そば」の同一商品より20円高い)。「ゆで太郎」や「小諸そば」には引けを取るが、「富士そば」や「梅もと」より上。従業員は感じ良く、店内は清潔(名店・「利根」より不潔な店って知らない。勿論うまくて安い店も)。

 モンガ堂って定年直前の団塊古本馬鹿が。薄汚ないリュック背負った、各方面でヒンシュク買いまくり世代のサンプルだが、小心者ゆえの可愛さも。例によって30日の外市にもヒンシュクルックで(南陀楼綾繁の糖尿性の甘酸っぱい小便跡は、必ずクンクンかぎ回る悪癖が)。「そこの爺さん、小汚ねえなりでウロつくんじゃねえヨ。客が逃げる。シッシッシッ!!」「す…す…すいませぇん!そ…そうだ。仙台のアレ申し込ませていただきました…」「仙台の?ひょっとして15名しか集まってねえ、俺のいがらしの野郎とのトークショーか?」「え…ええ…」「ささ…さすがだねえモンガちゃ〜ん!やっぱあんたはただの団塊じゃねえよ。いや何、昔っから一味も二味も違うトコあったよ。この赤いリュックもいい柄してるねえ。フランス製?」「いえもらい物で…」「ついでにもう1人誰か誘って来ない?」「さすがに僕以外は…」「君1人でも立派なもん!」「へへへへ…」

 高崎駅新幹線改札口から、各在来線への乗り換え口に、個性的な濃厚顔のお姉さんが(帰り、つまり夜専門)。とても派遣とは思えない仕事熱心さ。もう2年位は居る感じ。創価学会とか革マル、オウムにはまってるかのような一途さが、俺にはかなり気持ち悪いが、「若い娘たあ思えねえ真面目さ!」と感じる初老男も多いらしい。姉ちゃんが珍味や壺売りテイストで、新幹線からの乗り換え客1人1人に、「お帰りなさい!」と声をかけると、いるんだなたまに、「ただいま!」とニヤつきながら応じるハゲや、白髪頭が。素面でもゲロりたくなる瞬間。ただ、あそこまで根詰めて仕事したら、夜はよく寝られるだろう。

〈2日付記〉遠藤哲夫の文章は俺が大学時代に死んだ、明治生まれの婆ちゃんのふんどし同様、だらだらだらだら長いので、タコ多田と違い全然評価してないが、先日の水族館劇場に向かう途中で会った、野球帽姿の昔の飲み仲間と語る、名も無き死者(アル中者)への追憶文は良かった。エンテツは、前向きの文章を一切書いちゃあかん。

 本当にドストエフスキーブームらしい。今夜の「フィルムセンター」、『カラマーゾフ兄弟』(監督・ぺトル・ゼレンカ・’08チェコ)、8部の入り。1本調子な所はあるが、まあ悪くはなかった。終りの字幕が始まるなり、中列後方の端の、上下クリーム色の服を着たブスが、携帯を光らせる。一応自覚してるのか、光が漏れぬように上着で覆ったり。糞馬鹿ゲロ女が!なら早く外へ出て見ろ。無論、俺の列なら口汚く一喝、映画の余韻をズタズタにして差し上げた。

 二階俊博の会計責任者不起訴と。それを報じる『東京新聞』の、小沢バッシング記事と比べた扱いの小ささと言ったら!!(群馬版の名物、樋口聡記者のカラー写真入り安中観光案内記事より小さい。嘘だけど)。調活費泥棒検察の走狗様御一行、朝日やナベツネ、NHKも同様。特高も憲兵隊も存在しないのにこのザマ。所詮は朝日など“一億艘懺悔”の元祖だから、それを繰り返してるだけと、小林信彦御大も『週刊文春』であきれてたが、本当に文盲猿以下の記者クラブポチ記者集団。

 わからないのが、最近も東京が受けたらしい、検察のマスコミへの出入り禁止措置(今日の『日刊ゲンダイ』による)。税金で運営されてる官庁に、何でそんな横暴な真似が?かつまたそれを唯々諾々と受け入れてる、ワンワンコロコロポチ記者諸君にゃ、人としての誇りはないのか?もっとわからないのが、樋渡検事総長や東京地検の谷川恒太次席検事のような、検事、いや人間のドクズがその席に未だ留まり、テロられもせずにピンピンしてる点。先進国とは思えない痴態。司法も検察もマスコミも、勿論裏金警察も右手を挙げて、「ハイル大作!ハイル太郎!ハイル俺の懐!」。腰ミノ土人国家ここに極まれり。コバノブ御大ならずともため息が出る。

 モンガ堂の下りを書きながら、自ら感じてしまった。俺もこの世代の人間として、ベンヤミンやブレヒト、花田清輝や吉本隆明の本にも眼を通して来たが、実は一番影響を受けたのは、小池朝雄や成田三樹夫、あるいは金子信雄の演技の質ではなかったかと。こういう面の研究論文なりはあるのか?(09.6.2)

下々の者へ(その938)

『潮』を6、7月号と連続して買うはめに。6月号を買った先月の上旬時点で、ネット版『記録』新連載予定の、「池田大作より他に神はなし」の第1回を書く予定が、5月はあちこちで『エロ漫画の黄金時代』の行商行事が続き、さぼってるうちに7月号が発売に。3号連続で買うのも恥ずかしいので(エロ本買う方がまだマシ)、今朝は早起きしてカリカリ。アストラの奥山“『葬』”子よ、来週半ばまでにはデータを送る。

 本当は昨夜アップする予定なるも、読みかけてた『そばかすの少年』(ポーター・鹿田昌美訳・光文社古典新訳文庫)が余りに面白いのでつい没頭(約500ページ)。そばかす少年はもちろん、エンジェル、マクリーン、ダンカン、その奥さんと、悪役はほとんど出て来ないのに、飽きない。そばかすとエンジェルが、木の下敷きになる場面も当然興奮したが、一番感銘を受けたのは、冒頭の片腕そばかす少年とマクリーンとの面接の下り。傑作と心身で直観。偶然性頼り、感傷過剰、材木屋が自然保護の矛盾等との批判は当然あろう。だがディケンズも、生きてるうちも今もそういう批判に、常にさらされているのだ。

 仙台筋→南陀楼綾繁→俺と流れて来た、NHKBShiの本年4月4日放送、「仙台・漫画家30年 いがらしみきお」を観賞。NHKとしては悪く無い部類(英国BBCと比べるとゴミ、いや凡作)。奴もあんなに頭の中心がはげてたかねえ…(実は場所は違うが愚妻も同様で)。320円の、週1回喰う掻き揚げうどんが場面が泣かせた。その種の店で何年も早朝働いてた、一水社のタコ多田→ピンク&ホモ映画界のタルコフスキー・山崎邦紀、との順で、本DVDを転送しないと、6月26日の対いがらしみきおトークショーも、よりしらける事態となろう。で、21世紀の火星人の前野さん、15人の応募者、何人かは増えました?(定員100名)

 足利事件の冤罪被害者、菅家利和氏が釈放されたが、死刑断固支持と言われる我が人民の8割は、同じ状態で死刑執行済みの人がいる可能性など考えずに、こんな場合のみはデタラメな警察・検察・司法を一時的に被害者面して批判、いい子振るのだろう。便利な白痴集団ではある(大マスコミも!)。自らが加害者になる可能性や、元凶たる無能な捜査陣は一切批判せずに、時効廃止を訴える連中といい、泥棒役人や世襲政治家同様、人民の知的劣化もとどめなし。遺族だろうが被害者だろうが、道理に外れた連中には、「馬鹿野郎、のぼせ上がるのもいいかげんにしろ!!」と面罵すべし。(09.6.7)

下々の者へ(その939)

「昔のよう、『漫画バンプ』なんて持ってねえ?いがらしの野郎が“アコギまんが”だかを連載してた頃の?」「ないですねえ、さすがに。なんでです?」「実は今度6月26日に仙台でよう…」数年振りで電話した相手は、長野は諏訪住まいの阿宮美亜。80年代初頭、小川町の芙蓉ビルに事務所があった(屋上で杉作J太郎が8ミリの撮影も。俺も出演したが未見)、遠山企画に彼女が最初に持ち込んだ際は(現アシで宮崎勤そっくりの旦那共々)、エロ劇画の他にいがらしまがいの4コマもあったので、もしやと思ったのだ。「仕事は?」「厳しいですねえ」「派遣やってる漫画家も多いよ」「はあ…」彼女は、世間が右傾化した90年代に入ると、お得意の極右反共エロ劇画はほとんど描かなくなった。「猫も杓子もじゃ…」健全な思考である。

「実はありかはわかってるんさ。君も知ってる小倉智充は絶対に持ってるんだけど、病気で自宅療養中なんだ。奴は『漫画バンプ』どころか、東京三世社で出したいがらしメインの4コマ増刊号(A5版平綴じ・表紙はいがらしの椎名誠のイラスト・レイアウトは岩尾収蔵)も保存してるはずだけど、蔵書発掘作業させちゃ、ホコリで早死にしかねんし」「草1号さんですね。大昔、三平酒寮であった、遠山企画の忘年会でお会いしたような…」「近頃は、会費制の忘年会する余裕もねえよ。三平の忘年会、1度だけ山口花子も来てたな」「どうなさってるんでしょう?」「本当だな。赤星ジュンとか」「沢木あかねさんとか」「後で『エロ漫画の黄金時代』送っとくよ」「すいません」

 自分の編集したエロ雑誌なんて、絶対にヤフオクやピッポが働いてる、池袋の「古書館」あたりで買う気しねえし。保存魔の俺も、エロ劇画関係だけはさっぱりでね。ただその種のエロ本、“ぼのぼのいがらしファン”の参加者に披露する事が、妥当なのかとの声も。南陀楼綾繁は勿論あった方がいいとの意見だが、滝田洋二郎の地元富山県での“アカデミー賞受賞記念県民講演会”の前座に、82年の同監督3作目、『官能団地・上つき下つき刺激つき』を上映するの感も。一応、小倉に電話だけはしてみるか…。

『エロ漫画の黄金時代』を献本した数少ない1人、名古屋の映画系フリペ、『シネマぜんざい』の服部編集長に手紙で言われた。「何で塩山さんは、いちいち小さな事にあんなにこだわるんですか?」余りに根源的指摘で抗弁のしようもないが、表現しようと思う人間の性と言うしかない。大は小から成る。その種のこだわりをまた1つ。数年前に田村の店頭で伊藤整の『日本文壇史』全18巻を。1巻300円は同店としてもベラ安だが、理由が。10巻だけ欠けている。さっき、とうとう9巻まで読了。今までも10巻を物色してたがない。講談社文芸文庫版ならすぐ入手出来るが、背の並びが悪いし。売り飛ばす本ならどうでもいいが、永久保存版の20巻近い本がデコボコじゃ、相当いらつかさせられる。あ、見えない場所にしまえばいいのか。悩んで損した。

 上信線の最終に、“KENDAi”とのロゴ入りスポーツバッグを持った、運動部の高校生集団が良く5〜6人。上級生への挨拶が異常。車内で会った際はいちいち接近、最敬礼。笑っちゃうのが後輩が先に降車する場合。グーグー高いびき描いてるニキビ面の先輩に、大声で「失礼します!」。する方もされる方も馬鹿丸出し。ロクでもない付属高校で、70年代、富岡高校のハンドボール顧問だった、“日体大出の白痴テロ暴力ゲス教師”・小林進(本名・県認定群馬県教育功労者)に類した人間でも指導してるのか。以前はこれほど極端ではなかった(学校と公共の場の区別がついていた)。チンポの毛も生え揃わないうちから、いびきをかく自分に挨拶を。さぞや立派な人間に育つ事だろう。

 三省堂の4階で買った『松本清張研究』(定価2000円)10号の座談会、「同年に生を享けて」がかなり変。いや、宮田毬栄、加藤陽子の2人だけが(他に半藤一利、藤井康栄が出席)。1909年生まれの大岡昇平、中島敦、太宰治、埴谷雄高、清張につて論じたるのだが、宮田&加藤コンビが唐突に平野謙批判を始める。それもいかにも事前に口裏合わせした感じで。話の腰は折れるし、他の2人がうんざりしてるのに、執拗に何度も。平野謙神話は崩れて久しい。ただ2人の指摘に新味はなく、話題も抽象的。他に思惑があり、図って持ち出してるとしか感じられない。平野がいくら人間的に悪辣であろうが、文芸評論家としての業績は、2人が足元にさえ及ぶ存在ではない。攻撃相手としては充分すぎる。もっと正面から堂々と批判しろ。平野人脈に連なる人々に、ブス婆さんコンビが示し合わせ、安全地帯から小石を投げてるあんばい。非常に不快(一方で小林秀雄には媚びを売り、しっかり保険をかける姑息さ)。俺が編集なら介入するが(私的恨みを晴す場じゃないと)、居直りムレ肉原稿泥棒・唐沢俊一のサンピンごときに、「ワルの魅力」なんて原稿書かしてる連中じゃ無理か。

 と、思ってたら、69ページからの山口泉の「廃墟の王−埴谷雄高と「戦後文学」の終焉ー」は、不良性感度に満ちた素晴らしい論考だった。作家だそうだが初めて読んだ。山口香というエロ小説家には、一時お世話になってたが。

 南会津のタルコフスキーこと、山崎邦紀監督最新情報(お母さんの死去以来、ブログの更新がないので、御心配の方も多いだろうとのお節介)。浜野佐知監督の新作ピンクのスチールを担当中と。我が『獣欲』のコラム、「ケダモノ名画座」の締め切りを延ばしてくれ、てなメールが。浜野監督もとんだ徘徊老人を抱え込んだもの。今叩き出せば業界人から鬼呼ばわりされるだろうし、情けをかければ、客の入らないホモ&ピンク映画ばかり撮るし。無理して瘋癲老人向け仕事を作ってやってる感じ。ま、他人事じゃねえが…。

〈14日附記〉ピッポ菌散布東北路編に同道はしたいけれど、今は経済的に全くそんな身分でもなし。で、池袋「古書館」在庫の『漫画バンプ』、いがらしの野郎の4コマ連載中のモノであれば、1冊だけ俺買うのでピッポしゃん、社長になるべく安くしてくれと、色仕掛けでヨロピク。当時の『スーパーコミック』『漫画チャタレイ』『劇画パニック』にも連載してたはず。ピッポお嬢さま、時間あったらすいません調べて。安ければ多分買います(1冊ずつ)。

 仙台のいがらしと俺の26日のトークショーだが、落ち着いて考えるに、実施する事で誰1人得する人間がいない、と言うのも凄い。無論、漫画史的かつ文化的意味合いがあるとも思えない。人間は時に、本当に馬鹿な真似をするものだ。エロ漫画なんて根本的にそうだが。損して得取るとの言葉も、50代半ばの人間には無理が。一体絶対(全体?)何なんだ?(09.6.13)

下々の者へ(その940)

 仙台でのいがらしみきおとのトーク、早くも丁度1週間後だ。相変らず参加希望者は少ないらしく、超楽観主義者で知られる「火星の庭」の前野店長をして、「うまく行けば30〜40人は…」てな状況(会場の定員100人)。しかもこれは東京のモノ好き、山崎邦紀、タコ多田、モンガ堂、岡崎武志等をカウントしての数字だから恐ろしい。つまりチョイ前の応募総数15名から、ほとんど増加してないのだ。いがらしとの宴会が主目的なのでどうでもいいが、やはり参加者は多い方が壇上の者もうれしい。仙台近辺の方以外も是非申し込んでね(柄にもない泣き節)。

 定員100名と言えば、昨夜『鹿島灘の女』(監督・山村聰・’59東映東京)を観た「神保町シアター」がほぼ同じ(定員99名)。夕べの入りも30名くらいと身につまされた。不漁に泣く漁民の青年男女が、霞ヶ浦周辺の農家の稲の収穫に出稼ぎに行くという、イタリア映画『にがい米』のその後みたいな作品。俺の小学校入学前年の製作なので、登場する農機具や農作業の様が、懐かしいの何の。映画としてはシャキッとしないが、ロケ風景は貴重で見所タップリ(野村芳太郎の多くの作品がそうであるように)。同館は特集ごとに「スタッフ&キャスト配役表」を配布してるが(さすが!)、今回も大いに役立つ。本作では吾助という豪農の下働き役の、ハゲの朴訥な役者が、小笠原章二郎だと初めて知る。60年代のテレビでの戦記ドラマブームの頃、いつも鬼の上等兵殿にリンチされる、百姓出身の不器用な兵隊を演じていた(『戦友』や『人間の条件』だったと思う)。数十年振りの疑問を解消してくれた「神保町シアター」よ、ありがとう。

 朝っぱらからなぜこんな事を書いてるかと言えば、今朝はいつもより1時間も早起きして一仕事済ませたのさ。『映画秘宝』にも絶賛された異色ミニコミ、『ゲロダク』の編集に借りた、パナソニックの“1、2MEGA PIXEL”で、天敵・防災無線を含む、近所の景色を撮影。仙台トークの司会役、南陀楼綾繁からこう言われてね。「いがらしさんはともかく、参加者の中には塩山さん知らない人も多いと思う。どういう仕事してる人なんだか、簡単に紹介する映像撮れませんか?勿論、僕が観てつまんなかったら没ですが…」そこまで言われちゃね。上信線→飯田橋周辺→事務所内での仕事風景と展開の予定。

 例の“いがらし番組回し見DVD”が、ようやく一巡して戻って来る。もう1人希望者がいた。アストラの奥山“『葬』”子だ。「神保町シアター」に行く前に、同事務所に届ける。ヨーデル太郎が相変わらずいかれた目付きで仕事を。見掛けない若い美女も脇に。別に太郎が慌てて、ベルトを締め直したりはしなかったが…。

〈20日付記〉『BUSTER COMIC』9月号用の「塩山業界無駄話」を、仙台の件もあるので早めに今夜。22字×160行を2時間でアップ。地の文章だともう少しかかるが、俺は元々早書き。200字位書くと、余分な言い回しをシャープペンで墨ベタに潰し、また200字って感じ。音楽やテレビは、音量が低めなら特に気にならない(自分が出してるからで、家族や他人の物なら耐えられない)。

 目黒区東山のマンションで火事があり、娘を助けようとした父親が娘共々焼死と。ここは俺が72年に上京して住み込んだ、熊沢牛乳店のビルがあった地区。俺の配達区域は山手通りを渡った青葉台が主だったが、無論付近をうろついた。後に知るが、近所に目黒スタジオが。ピンク映画の多くのアフレコがここで。80年代と思うが、山崎邦紀脚本・浜野佐知監督の、痴漢電車物に強制出演させられるようになり、そこへアフレコに訪れた(台詞があったのだから、考えたらホモ映画か?内澤旬子との、わめぞトークで上映した?なら当然90年代だな)。ついでに熊沢ビルを訪ねると、閉鎖されて廃ビルに。今の栄昇ビルと同じ状況だが、既に綺麗な建物が建ってる事だろう。

 5〜6年前、当時のオークラ出版の糞バカヤローな編集局長に、中目黒の同社ビルに呼び出された。結局は電話で済むショーもねえ用事で、時間を無駄にした俺は超むかついた。お陰で熊沢ビル跡地見学をする予定だったが、腹立てて急いで東横線で帰社、機会を失した。刹那さんの葬儀のあった寺もここら(唐沢俊一のふやけた盗作性悪相面も見たな)。思春期と男色と落ち目、そして自死とが混在する、我が青春と初老の中目黒駅周辺よ。

〈21日付記〉日本の右翼の脱天皇制の動きは、歴史的必然と以前から考えてたが、よりによって極右政治家兼作家・石原慎太郎の口から飛び出すとは。しかし良く聞くと、石原政治ファミリーの基盤磐石化のために〜つまり私益のために〜、皇太子は俺の言うがままにオリンピック招致に動けと命令している。鈴木邦男の『愛国と米国』(平凡社新書)によれば、理想的天皇制のためなら、現実のそれは批判・否定しても構わないとの考えが、昔から右翼の一部にはあると。しかし石原のそれはより矮小な発想、つまり愚息群溺愛、鹿島他のゼネコンへの義理から来る、ヒステリーとしか思えない。完全に血迷っている。問題発言部分をNHKはライブでなく、わざわざ字幕に。相変らずの権力者への配慮にもらい泣き。皇族を下働き者視する不遜な石原を、例によって多くの既存右翼は、同一陣営だからと見逃すのだ。無責任坊っちゃんラーメン右翼安倍晋三や、“国辱酒乱人間のクズ野郎”中川昭一を、未だに右翼運動のシャッポに平然と戴いてるように。眼をそむけたくなる自称“愛国の景色”。

 今さらの感はあるが、俺も26日の仙台の対いがらしみきおトークのため、初老臭い汗を流す事に。『漫画ブリッコ』と言えば、大塚英志が世に出た雑誌として今は知られるが、元々はセルフ出版のエロ劇画再録雑誌(後に白夜書房発行に)。初代編集長が、フリーだった現・曙出版(メディアックス)編集局長の加藤健次。遠山企画のエロ劇画誌も請けてた縁で、俺は同誌でエロ漫画家インタビュー連載を(写真メインの1色グラビアページ)。80年代半ばと記憶するが、そこでは前田俊夫、冨田茂に加え、いがらしみきおにも直撃インタビューを。保存魔の俺は、当然そのスクラップを今も。今回それをコピー、26日の参加者全員にただで配ろうと決意。映像を撮ったりコピー取ったり、よくやるね俺も。心からほめてあげたい。

 映画館へ通う日が増えるに従い、映画をDVDで観る本数が激減(1年前くらいから)。しかしレンタルしない訳じゃない。連続ドラマをね。ただ米国製の、パッケージでやたら主人公がエラソーに、客を見下げてる各種シリ−ズを借りる気にはなれない(テンポが早いだけで大味揃いだし)。やっと見つけたのが、英国BBC製作の『ジキル』全3巻。画面を加工し過ぎる点は問題だが、脚本・役者・撮影は文句なし。加えて抜群のユーモア。英国製映画の場合、BBCが一枚噛んでるとまずスカがない。…と、北関東の水飲み百姓の末裔が吉田茂気取りだだが、直系の文盲ケツの穴総理よりはマシだよと自認。(09.6.19)

下々の者へ(その941)

 26日に配る、いがらしインタビューパンフ、只今制作中。スクラップを見たら、『漫画ブリッコ』の83年3月号でした。全4ページで、いがらし旦那の“恥ずかしい写真”満載(無論、俺やタコ多田の勇姿も)。こんな貴重な品、タダで参加者にあげちゃうの、勿体ないような…。だから今から申し込んで、君も是非もらおう。インタビュアー・氷室浩次が俺樣。撮影者はと見れば、何とその初老男にあるまじき粘着的性格で有名な、山崎邦紀。ホント、交友関係も進歩なし。いがらし旦那、「これからは死体の時代だ!」なんて吠えてますぜ。

〈24日付記〉それは私です(「神保町シアター」19日最終回の、『暴力の街』の初老客。両手の荷物は、無論古本関係)。尾行すれば駿河台交差点の信号を渡り、「小諸そば」に寄りミニかき揚げ丼セット(500円)を犬喰い、明大方向への坂をヨロヨロ昇って行く姿が目撃されたろう。で、あの映画でのビラ張り、配布の妨害者の極悪暴力団が、今は警察・検察・司法の手ででなされてるというのが、日本という国の腰ミノ土人国家振りを如実に。同作は1950年だが、ジグザグデモは当然として、道路一杯に広がりフランスデモを。プ−チン支配下のテロ国家、ロシアでさえ認めてる民主国家の常識的行為。それを日本の裏金警察は車線の半分だ4分の1だ、まるで天下の往来を警察の私有地扱い。見逃すマスコミや政治家…。北朝鮮を笑う奴は誰だ?

 一番素晴らしかったのが、ヤクザ(兄)の姉妹に手をだし、リンチされる百姓の倅の下り。姉妹が嫉妬による掴みあいのケンカをする横で、半裸にされた男が天井から吊され、殴る蹴る嘲る。その下りをカメラは、姉妹のケンカ場面から順にダ−ッと横に舐める(右から左へ)。同じ部屋でこんな修羅場が繰り広げられるはずないが、撮る側は効果を考えたのだ。この脂っこさ!!パンの代わりに飯で作った、うなぎとカツの3段サンドイッチの濃厚味。山薩も色んな意味で、好き者だったんだろうね。

〈25日付記〉ゲロダク者よ、長い間借りていた撮影機材どうも。わかるようにしとくので、取りに来てくれねえ?お礼は例のいがらしパンフ。すまぬね。昨日は南陀楼綾繁が初めて新事務所(築46年だが…)に。用件が済んだ後でポロリ。「山崎(邦紀)さんが打ち上げで、仙台のスタッフとネチネチやる姿が、眼に浮かぶようでもう。あのしつこさは、東北人同志の近親憎悪なのかなあ…。は〜あ」それにくらべりゃ、参加者の数、司会の苦労など屁のカッパといった風。人間の悩みは様々だ。 (09.6.22)

下々の者へ(その942)

 27日の仙台一箱古本市での粘着派、山崎邦紀監督との店番がてらの会話。一宿一飯の義理に加え、過分な出演料までもらった俺だからこそ、あえて心を鬼にして記録。

「おかしいと思わない?」「何が?」「夕べの打ち上げだけど、何でいがらしさんや君、南陀楼さんからお金集めるの?主賓じゃないの3人は。2次回からならともかく失礼だよ。古本・漫画界まで“仙台会計”とはね」「と言うと?」「僕は浜野監督と自主上映で全国歩くじゃない。東京から呼んどいてね、いっつも割り勘にさせられるのは、日本広しと言えど、ここ仙台だけ」「なるほど。今回あんたが事前にしつこくからんだのは、そういう下地があった訳か。ここの伝統なんだな。それより俺は、あの店の態度に腹が立った。最後に店のバイトの姉チャンみてなのが、突然色紙とマジック持って来て、いがらしにサインをってんだ。ついでに壁にも何か描けって。飲みに来た有名歌手にタダで客の前で歌わせて、録音もさせろって言うに等しんだが、当然て顔してやがる。いがらしもさすがにムッて顔してたから、壁の件は俺がピシャって断わったよ」

「よくいがらしさんだってわかったね?」「参加者に余計な事言った馬鹿がいるんだよ。どうゆう営業方針取ろうが構わないが、主宰者に連れて来られた人間は、断わりずらいと承知した上での、姑息な真似。そもそもああいう場合は、最初にハゲや白髪の店主や幹部が平伏懇願、もし承知してもらえたなら、お礼に焼酎の1本くらい差し出すのが常識。書店なら作家は日頃世話になってるから、サインでも逆立ちでもするけど、あそこにゃ身銭出して飲みに来てるだけ。無礼千万百姓根性丸出し。地元スタッフもああいう店には、被害に遭いそうな内気な文化人は、絶対に連れてくべからず」「味は良かったけどね。店員さんも愛想良かったし」「同感」「要するに仙台は巨大な田舎都市なんだよ」「福島県生まれのあんたが言うと、説得力あるな」

 関係者も、30過ぎた人間に、「みそ汁は音を出してすするな」「カレーの皿をスプーンでカチャカチャさせんな」とは、言う側の方がより勇気が要るのだと考え、余り怒らないでな(怒ってもいいけど)。

〈30日付記〉大人気ないゴロを冒頭で巻いたが、言うまでもなく99%は楽しかった。特に若い姉チャンが。水戸・岡山と並ぶ、日本の3大ブスの特産地と巷間伝えられてるようだが、先の2ブス都市はともかく、仙台は個性的美人が多いよ(水戸・岡山・群馬なら即納得)。一箱出品者も美人揃い。俺の左隣の妖艶な人妻も楽しかったよ、眺めてるだけで。ありがちだが、文庫本1冊買う訳でもないのに、ベラベラベラベラベラ話し掛ける、孤独な老人登場。俺は“あっち行け光線”を四方に飛ばしてるので、寄って来ない。憂さを晴らすように隣に取り付き、20分位1人で話し掛けてる。俺なら3回はぶち殺してるが、一応相づちを丁寧に。腐れ爺さんがやっとこさ去った後で尋ねる。「良く耐えられるね?」「あたし、大丈夫なんです。口臭がよっぽどひどいとかじゃない限り。楽になるんですよあれで」テレビがないので、読書して過ごすのが趣味という、とても一見そうは見えない青年の相手も長かった。アメリカのセラピストなら、大儲け出来た午後だろう。

 市で“塩山芳明賞”なる奇怪なモノが(単に『エロ漫画の黄金時代』のサイン本がもらえるのみ)。迷う亊なく“路上の妖艶セラピスト”に進呈。そしたら彼女の友達が自転車で。これまた小股の切れ上がった美人。しかも拙著を買ってくれた!美人で面倒見ときっぷのいい女揃いのセクシー都市・仙台万歳!!!(「火星の庭」で、サイン入りの『エロ漫画の黄金時代』が5冊発売中!)(09.6.29)

下々の者へ(その943)

 今回の『本当にあった禁断愛』(7月25日発売予定の、B5判中とじコンビニ漫画誌)の連載コラム、「山崎邦紀のカルト図書館」第8回は、今までで1番面白かった。素材は『女性を捏造した男たちーヴィクトリア時代の性差の科学』(シンシア・イーグル・ラセット・工作舎)。15年前に出た本で再読らしいが、そこに至る経過が大笑い。当然フェミニズム関係と思われるが、長期間に渡りあるシンポジウムを計画、種々の打ち合わせを。山崎以外は全員女性。結局は嫉妬・謀略・裏切りの果てに空中分解。フェミニズムへの理解振りで知られる山崎も、さすがに深い女性不審に。で、その差別振りで名高い同書、この精神状態で読めば違う面がと期待するが、そこは“生まれながらのフェミ男”、再び呆れるとの臭い落ちが。

 俺としては匿名でいいから、例の女性陣のバルザック張りの人間ドラマを、ここに詳しく暴いて欲しい。…というような事を山崎のミクシィに書き込もうとしたが、うまくいかないのでここに。発売中の『enーtaxi』の南陀楼綾繁の原稿よりは、確実に面白かった(あれも2ページなら読めた)。

 ピッポレ先生、外市ではまたよろしく。今回も4日の土曜日の参加。5日の打ち上げに出席出来そうになく残念。熊谷監督、またじっくり山本薩夫監督の素晴らしさについて語りあいましょう(『戦争と人間』で、火のついた鶏が遁走する場面を撮るために、一体何羽が丸焼けにされたのかとか)。 28日のNHK、愚妻も観て感動してました。ただアナウンサーが無理矢理、国営放送的見地でまとめようとして、初老のくせに毒と野心だらけのいがらしを、松下幸之助扱いしてたのは少々白けたが、宣伝費にすりゃ億単位。良かったすね(含みのある口調で)。トークショーはマジで定期的にすべきですよ。正直言って、あれ程の喋りの才能があるとは。完敗。喋って踊れる東北のつんぼ漫画家。う〜む…。 (09.7.2)

下々の者へ(その944)

 先週の池袋「古書往来座」の外市、初日の4日に店番したんだが、滑り出しの売れ行きがいいので、欲を出して飯田橋の事務所から追加分を運んでくるなり、パタっと動かなくなる。人間やはり分を知るべきと悟った。5日の夕方、大量の売れ残りを宅急便で漫画屋まで送ってくれた、プチはげおやじのNEGIセンセ、御苦労おかけして済まない。仙台で調子が良かったので、少しのぼせ上がっていた。反省。

 ただ店番してると楽しい事も。仙台でのトークショーで、いがらしのインタビューが載った80年代初頭の『漫画ブリッコ』(表紙・南伸坊・エロ劇画の再録誌時代)のコピーを配ったが、現メディアックス(曙出版)編集局長の加藤健次が当時は編集長を(辰巳出版を退社後で、フリーだった)。その際のセルフ出版(グリーン企画、いや白夜書房と実体は同じ)の窓口だったNさんが、近所まで来たとインチキ大学教授風な顔を。10数年振りだろう。とっくに定年退社と思いきや、立派な役職に就いてて現役と。

 アル中、病死、自殺、薬中、蒸発…将来を期待されながら、各社の個性的な青年編集者が、つまらない理由で消えて行った。Nさんは正直に言って、そう個性的で有能な編集者とは言えなかった。ただ人間交渉術にはたけており、分不相応な夢は見なかった(森下信太郎&末井昭体制下での、己の場所を心得ていた)。だから、加藤と同じ立場で出入りしていた、会津産の粘着的パラノイア・山崎邦紀とは本当に仲が悪かった(山崎は『劇画セルフ』『劇画ブッチャー』『元気マガジン』他の下請け編集を)。

「皆さん大活躍で!」とNさんはおっしゃってたが(加藤やタコ多田を念頭に)、元『魅惑のランジェリー』(光彩書房)編集長のように、餓死状態で自室で発見されるよりは、確かに幸せなのかもと、俺も思い込もうとしたが、どうもしっくりと来ない。山崎邦紀に本話題を伝えれば、言下に「大嫌いなんだよあの人は!」と吐き捨てるに違いない。どうも俺の富岡高校時代のハレンチ暴力白痴教師・小林進(本名・群馬県教育功労者)と、彼にはNさんが同格の存在らしい。“渡り鳥シリーズ”での滝伸次(小林旭)の名台詞、「俺は忘れない。だから思い出す事もない」を彷佛とさせる、陰気なエピソードだ(映画『君の名は』の、有名なナレーションからのパクリと言われてるが)。

 椋陽児。確かに大人気。特にカタログ雑誌、『まんだらけZENBU』あたりは値段を煽ってる感が。「まんだらけ」で思い出したが、同渋谷店が俺の本を集めて売ったらしんだが、キャプションに“90年代初頭まで活躍した漫画編集者の…”と。あの〜まだ業界の片隅に、ひ〜っそりと棲息してるんですが…。

 外市では実話誌時代から挿し絵や劇画で活躍した、文字通りの伝説的絵師・沖渉ニの息子さんに声を掛けられビックリ。古本者として千駄木一箱古本市他にも参加と。『エロ漫画の黄金時代』も読んでくれていて、マガジンファイブ倒産をめぐり、父親も登場するので親近感を抱いてくれたらしい。俺はまだお元気らしいお父さんに、ゾッキ化してるマガジンファイブ本に、サインしてもらって叩き売ろうと考えてたのだから、嫌だねえ本当に。

 〈12日追記〉久々に充実した週末を。昨日(11日)夕方は草刈り機で1時間程、近くの休耕田の雑草刈りを。やっと3分の1終わっただけだが、また来週やろう。さすがに昨夜は早寝。今朝は7時頃に起床、さっそく仕事に。まずは『書評のメルマガ』の「版元様の御殿拝見」。今回は主婦と生活社。次いで『シネマぜんざい』の「原作VS映画」。素材は『私は猫ストーカー』。ヒットはしてるが散々の評判の同作、息子が音楽担当してる蓮見重彦はともかく、南陀楼綾繁センセイまでが妙に持ち上げてるので、貧乏なくせに津川雅彦映画を絶賛する、福田和也の境地に?(柳下毅一郎にボロクソ)…といぶかってたが、史上最低最悪の映画館「シネマート新宿」で見物、即納得。奴は我が『本当にあった禁断愛』(一水社)で、「南陀楼綾繁の居眠り名画座」なるコラムを連載してるだけあり、面白くても退屈でもすぐに眠る癖が。本作、最初の1時間はどうにもならないが、後半43分は結構観られる。奴は前半1時間は熟睡してたのだ。そうでないのなら、やはり“西日暮里の福田和也”。

 〈13日追記〉夕方、『黄色い風土』『けものみち』上映中の、池袋「新文芸座」のエレベーター前で、初老白髪鬼じゃなく、高田次郎と遭遇。裏文化評論家として、80年代後半から10数年、奥出哲雄他とと並び大活躍を。「10年振りじゃ?」と彼は言うが、そんな事はない。神保町や飯田橋でたまに見かけるが、昔から非社交的な人なので、知らない振りを(藤木TDCが俺を避ける事情とはやや異なる)。辰巳出版のエロ劇画誌編集者出身。『漫画アイドル』や『漫画ラブトピアスペシャル』の編集長時代は、良くバイト原稿を書かしてもらった(一部は右文書院の『東京の暴れん坊』に収録)。

 『黄色い〜』を並んで観るまえの、館内での初老コンビ無駄話。「どうですエロ漫画のお仕事は?」「喰ってるだけで」「右に同じ。昔の事を考えると夢のようです」「右に同じ。暇だから映画ばっか観て…。最近は25本は月に最低」「勝ってる。僕は40本くらいは。ま、フリーって身分のせいもあるけど。仕事がない証拠で。山崎(邦紀)さんや浜野(佐知)さんのピンクも結構。ところでそっちは幾つに?何と僕は今年からシルバー料金で大助かり!」「俺はまだ55だもん」「わっかいねー!!」「だから余計に大変なんで…」「皆さん元気です?」「加藤健次もタコ多田も、一応は編集局長でしょう」「加藤さんには時々会うけど。今度一水社に顔出して、多田さんに営業してこようかな」俺は1本のみで帰って来たが(帰宅出来なくなるので)、裏文化評論家は2本観ると言っていた。女にもギャンブルにも興味のない初老男は、映画館でより老いて行くしかないのか?(09.7.11)

下々の者へ(その945)

 17日。『Mate』の色関係原稿を、“優秀な技術と営業マンと経営指針”で知られる小宮山印刷に入稿後、夕方、今日2度目の神保町行き。「神保町シアター」で『放浪記』。予想通り満席。最初観た時にも感じたが、高峰秀子の暴走芝居が作品をメチャクチャに。林芙美子の馬鹿げた形態模写をする(どうだ上手だろうって感じで)。良く周囲が許したもの。元々うまい女優ではないが、頭もかなり悪いのだろう。脚本(井手俊郎・田中澄子)はいいし、脇も充実してんだが(草笛光子・仲谷昇・伊藤雄之助)。「浅草厨房」へ。ビンビールにハムカツ(3枚もあって280円)。ここで『日刊ゲンダイ』片手にカウンターで一杯やってると、独特の人生の晩年の充実感が。明日は早いので、銭湯に行って早めに事務所で寝る。

 18日。東京駅発7時32分の京葉線蘇我行き快速に乗る。9時過ぎ、千葉県某所に到着、大量のエロ漫画の単行本&同人誌を整理、ヤマトのボックス便で自宅まで発送。コマネズミ助手(退屈男)にほとんどの仕事をやらせる。運送代他の投資額をいつ回収出来るのか心配。前回の仕込みのお陰で午前中に終了。東京駅まで戻り、丸の内線で池袋の「新文芸座」へ。『博打打ち 総長賭博』『人生劇場 飛車角と吉良常』、2時過ぎからの回(7割5部の入り。定員266名)。

『総長賭博』、脚本・笠原和夫、音楽・津島利章、監督・山下耕作で知られる余りに有名な1作。名場面、名台詞の連続なのに、しっかり緩急がある奥深さ。館内しわぶき1つなし(スノッブな哄笑が時々起きた、『放浪記』と大違い)。68年度作品だが、笠原には天皇裕仁が避けて通れない存在と、既に明確に意識されてるのがありあり。後に本作での仙波役、金子信雄が『仁義なき戦い』でほぼ決定していた、三国連太郎の山守組組長役を強引に奪ったという伝説が残っているが、筋道の通った逸話と俺には思える。

『人生劇場〜』、恥ずかしながら初見。幸いニュ−プリントで観る事が出来た(かつての「昭和館」でなら、セピア色だったはず)。堪能したが、内田吐夢は加藤泰同様、俺には全面的には同調しがたい何かが。趣味の違いの他に何かがあるはずなのだが、言葉にする術が今の所はない。『総長賭博』を途中まで再見し退出、誰もいないロビーで読書。今朝から読み始めた『女の足指と電話機』(虫明亜呂無・清流出版)。映画館での読書ははかどる。ここは入れたてのコーヒーも売ってるし(150円)、最高の環境。再び東京駅へ。

 19日。あおいにゃおこは、確か死神健二の友人だったと(女)。やたら2人には嫌われた記憶が。良くある事だが、売れっ子にそうされる際の対応には慣れてるが、駆け出しにだと逆にとまどった(多少、未練のある振りをせねば)。既に業界が崩壊し始めた頃。相当の実力がないと、漫画家もいい思いが出来なくなった、不安な季節のページ埋め的糞エピソード。死神は東京三世社の飯田センセの漫画誌で、その後も時たま見た(『漫画コットン』だっけか?)。そうそう、奴は俺の大学の後輩だったはず。本当にどうでもいい話だがな。

 ロングフェローの『哀詩 エヴァンジェリン』(岩波文庫)にいたく感動(コミガレで100円)。こんな時くらいだね、英語をもう少し勉強しときゃ良かったと反省するのは。ボックス便がいつ来るか不明なので(時間指定出来ない)、家を留守にする訳に行かない。プールにも行けずにタオルで汗を拭きながら、蔵からみちくさ市用に、『東京風俗帖』『若山牧水随筆集』『詩人たち ユリイカ抄』『戦中戦後気侭帳』他を運び出し、強気な値付けを。「嫌われ者の記」も書かなけりゃ。本当に貧乏暇なし。

 司法・検察・警察関係者を筆頭とする、公務員という名の厚顔無恥裏金泥棒犯罪者以外は、本業のみでは食べて行けない、けなげな皇国・大日本国人民。やはり連中は1人の例外もなく、1度徹底的に抹殺すべきなのだ。精神的にも、無論肉体的にも、そして最終的には家系的にも(ポルポト風の口調で)。ボックス便無事に到着(午後3時頃)。少し良心的に買い込み過ぎたかも。でもいいよ。要するに2度目の香典だ。彼とは確か25年近い友達だったし。エロ漫画の全体像は、あんただけにしか捉えられなかったろうが、もはやそれもすべて夢幻。すぐ俺や阿宮美亜も死んじまうんだし、再会も近い。でも嘘でもいいから、互いにエヴァンジェリンが脇に居て欲しかったな(新宿の「三平酒寮」での、全盛期の遠山企画及び漫画屋の、会費制忘年会を懐かしがりつつ)。(09.7.19)

下々の者へ(その946)

 日陰の店頭を借りての池袋雑司ヶ谷、“みちくさ市”での25日の出店だったが、やはり疲れた。農作業より数倍後を引いた。仙台とほぼ同額の売上げがあり、月末を迎えて落ち目編集者も一息だが。初老性体力消耗に加え、今になるとカンビールに、ヤバい薬でも混入されてたかなとの疑惑も。今でも信じられないが、“極貧で情無用のたかり屋武闘派イラストレ−ター”武藤良子が、最近いい原稿料をもらったとかで、1本カンビールを差し入れてくれた。超高くつくに決まってるから、遠慮しようと思いつつも、つい暑さと卑しさで「どもどもども!」。後の情け容赦ない疲れから察するに、農薬でも入ってたんじゃとの疑いが濃厚。ピッポや豆チャンはそこまで出来ないが、武藤は絶対に“姦る”。あれでつまみまでもらってたら、もう俺も完璧に彼岸の人だったろう。

 我が父ちゃんほどじゃねえが、暑さでボケも進行。互いにデブってだけで、ヒゲ付きメガネの『HB』の橋本と、極右雑誌『W』のKを混同して話をするし。もう一組同様な真似してると途中で気付いたが、恐るべき事にそもそも両者が誰だったかも失念。混同した会話して、相手をとまどわせたのは理解。これじゃ南陀楼綾繁だ。出店場所の相向かいは、共産党の地区委員会みたいなトコ。みちくさ市にも参加、3冊100円で松本清張や新日本文庫を販売。都議選の惨敗にもめげずに、皆さん元気に古本売ったり、自転車でビラ配りに出たり。1人くらいは、「嫌記箱」にも足を運んで欲しかった。そして尋ねたかった。「説得力ない言い訳してる不破や志位に、下部の不満が爆発しないなんて、おかしいんじゃ?」と。3時頃、再び顔を出したWが言った。「共産党の前で、田母神さんや右翼系500円本売るなんて、度胸ありますね!」何だ、そのせいだったのか…。ちょいと陰に隠したが、右翼本は海野弘や内田百けん同様、良く売れた(商売に思想の貴賎なし)。

 28日。確か2度目は「並木座」で観たのだから、もう10数年前にはなる、昨夜の「神保町シアター」の『乱れる』。正直な所、「この程度の映画だったっけ?」。前回の時は館内のあちこちで、ハンカチで眼を押さえる中高年客や(男女を問わず)、俺を含む全観客を何かが圧倒するモノが。ところが今回は冷え冷え(俺もその1人)。東宝だからプリント状態もいいし、無論退屈ではなく、パンフで言う“メロドラマの極北”なのは事実だが、どうも嘘っぽい。前回は介護不要の戦中派パワーが、画面に共鳴したのか?(余波で俺も…)松山善三の脚本だから仕方ないが、義姉役の高峰秀子も義弟役の加山雄三も、人形のようだ(浜美枝のみは生き生き)。同じように3度目だった前日の、『女が階段を上る時』は、昔との落差を感じずに鑑賞出来た。あの感動は幻だったのか?

30日。本欄にも画像機能があるとようやく気付いたので、漫画屋無駄話で盛んに話題にしていた、“マルクス級世界的反スタグル”著作集の、イカしまくりパンフ扉をアップ。いやあ、何度見ても決まってますぜ(中身はともかく…)。中身はともかく、リーフェンシュタール監督の『意志の勝利』(ナチス党大会のドキュメント映画)も、決まってるドコのレベルのカッコ良さじゃねえし。世間の表面的カッコ良さには全て御用心。

机右下の空いてる部分に、旧式の小型テープレコーダーを配すれば、“聖なるイワシの頭”としては完璧だった。(09.7.28)

下々の者へ(その947)

 早く事故でくたばれよと、善良な市民なら誰でもが思う、単なる“宇宙観光客”若田光一の、英雄気取りの厚顔なはしゃぎ振り。ハリウッド映画での、悪意ある日本人へのパロディが、完璧に説得力を得てしまう、中川“アル中”昭一級の国辱の風景。この馬鹿は帰国に際しても、宇宙船まで自分が設計したような面をして、空港で投げキッスした田中絹代張りに、更に恥を重ねるのだ。アキノへ氏の銃弾よ、タイムマシンに乗ってこの馬鹿の頭部に回帰せよ!これまた平和を愛する市民の、率直な願いだろう。勿論、安倍晋三並みに空気というか、人の心が理解できない若田君は、このまま百まで生きるのだ。幸せで良かったね、ヘラヘラスーパー宇宙馬鹿君よ。

“「赤旗」7月5千部増 3カ月連続前進”。今朝の『赤旗』の一面だが、そんでなぜ都議選で5議席も減る?空の大砲を撃つ一方で、都議会では共産党がキャスティングボードを握ったと、石原知事の発言をうれしそうに報じる。大敗の単なる結果だろう?(責任ある総括はゼロの)返品6割5部のエロ漫画誌の編集長が、堂々と居座るに等しいが、同党ではこれが自然らしい。“日本の(自称)ナポレオン”が率いるカルト政党に後塵を拝する理由が、明確に露呈。有権者はちゃんと見ている。

 金曜日の夜は、新橋でタコ多田と立ち飲み屋で。随分と色んなタイプがあり、それぞれ繁盛。遅れてメディアックスの加藤も合流(以降座り飲み屋ヘ)。加藤がエロ漫画の全体的な歴史を書いたらと言うが、俺は自分が関知した人間や事件以外は全く興味ねえよと。そもそもそういう仕事は、より若くて、客観的な立場の者がしなければと、犯罪者顔のUーSENのアホ面など連想しつつ。タコ多田は南陀楼綾繁の悪口を盛んに吐きつつ、同量の賛辞を内澤旬子に捧げていた。朝日新聞出版のPR誌、『1冊の本』の連載、「身体のいいなり」のことも教えてやりゃ良かった。特に今回は、千駄木一箱古本市をめぐり、金銭感覚ゼロの豚夫に激怒、家出する下りが弱肉体的筆致で。関係者必読。けどこの豚夫にさえも経済観念がないと書かれる、山崎邦紀って一体…。その山崎もエロ劇画誌編集者時代に時々起用していた、江口渚が死んだと。下手だったが嫌みのない絵を(人柄か?)。ほんまりうのアシ出身だったと。俺は一切の面識なし。

 多田に、8月はアストラの奥山晶子と飲む予定なのだがと言うと、「行く行く俺も絶対!」と大乗り気。モテモテですね(ちっともうれしかないだろうが…)。そういや加藤の馬鹿も、上がり屋敷会館でのトークショーの打ち上げの際(武藤“パラシオン”良子との)、「僕も糖尿でほとんどアレは駄目ですが、君みたいな美人なら大丈夫!」と、奥山に血走った視線を向け、生臭い発言をしていたのを思い出す。モテモテ貧乏葬儀オンナ(6月の仙台出張も身銭)。

 ピッポさん、灼熱のみちくさ市では、ろくに話も出来ませんで。詩、数冊読んでるけど、ロングフェロー以降は印象に残るものは特に。ただ元詩人の富岡多恵子の旧刊『九つの小さな物語』(大和書房)、新刊『隠者はめぐる』(岩波書店)はいずれも充実(特に後者での本居宣長への強烈な皮肉が素晴らしい)。みちくさ市で800円で買った、『ああ、そうかね』(山田稔・京都新聞社)、出てるの全然知らなかった。当日の帰りに一気読み。著者が「拡声器騒音を考える会」の集まりに参加した事があると、初めて知った。今月は何もなくてやや寂しいけど、来月は外市、みちくさ市との波状攻撃。出品本に苦労しそうだが、俺は健全漫画本が少し出せそう。高崎行きだな今日は。(09.8.2)

下々の者へ(その948)

「岩波ホール」で上映が始まった『ポー川のひかり』は、半立ちのまま射精しちまった初老男のペニスように、生ぬるい中途半端な映画だったが、昨夜下版待ちの間に「神保町シアター」で観た『鶴八鶴次郎』は、評判通りの一作。1回観たような気でいたが、『歌行燈』と混同していた。成瀬巳喜男もだが、同じ映画監督でも東宝出身者は割と得。他社と比較して、プリントの保存率、状態が抜群だもの。かつてのエロ漫画界のように、生原稿自体を廃棄されちゃえば、後世の再評価も糞もない訳で(反省を込めて)。

『創価学会を折伏する!第二の坂本弁護士事件!!東村山市議殺人事件徹底糾弾』の表
紙。幸福の科学出版リバティ編集局編。1995年11月20日発行。定価650円。編集人・坂口竜勝。発行人・本地川瑞祥。昨今、整形味濃厚の選挙ポスター、及び極右路線でのみ話題の幸福の科学にも、元気のある時代があったのですね。新興宗教に歴史あり。
(09.8.4)

下々の者へ(その949)

『東方好色今風娘』(阿宮美亜・オークラ出版・93年12月刊)収録、「美肉色のペン先」より。

 初出は『漫画エキサイト号』(アミカル)。年度月号は不詳(調べりゃわかるが面倒)。ただ裏金警察が、行方不明の坂本弁護士一家は共産党シンパだからと、例によって真面目に捜査してない時点での、ビクビク発表だったのは事実(無論サリン事件以前)。小心者編集長は(塩の字)、拉致されるのではと極度に脅えたが、「エイヤッ!!」となぜか掲載。今考えると、漫画家も編集者も無防備すぎる。それに、当時は無事でも現在ではわからないのに。同書では、左翼が元気だった頃に果敢に極右エロ劇画を発表していた、阿宮女史の数々の傑作が満喫できる。昨今のオークラ出版のカップ麺(中国製)右翼振りとは根性、及び美学、品性が根本的に異なる。今は喰えてるのか阿宮?(09.8.7)

下々の者へ(その950)

 益々昨今、“気軽に書き込んで下さいね!”じゃなくなってる気もするが、その類いの連中は無視しつつ、今年初めて「富岡市民プール」へ。例の“いがらし漫画家生活30周年記念Tシャツ”を下ろして着てったが、薄ウンコ色の地の色は気に入らないものの、首まわりはシャキッとしてるし、丈も余裕あって胴長初老男にもピッタリ(高崎のデパート「スズラン」で買った、エドウィンのクシャクシャTシャツより余程立派)。

 プールサイドで『ノディエ幻想短篇集』(岩波文庫)読了。面白い。挿し絵も雰囲気あり。ただその後読み出した、「日本特価書籍」のゾッキコーナーで買った、『ラジオドラマの黄金時代』(西澤實・河出書房新社)が、読む気が失せる内容。いい素材なのに。著者の文章及び発想がとにかく騒々しい(真空管が壊われたがごとし)。30ページ過ぎた辺から斜め読みにギアチェンジ(月に1〜2冊はこういう本が。先月だと『昭和歌謡映画館』)。帰りにレンタル屋で『ROME』の3、4を。東映タッチのエログロ度が次第に低下。真面目にやれ!(健さん風の口調で)

 体力の衰退と暑さで、東京堂の3階から足が遠のいているこの頃。エスカレーターで三省堂の4階に行く方が楽だし(無論、拙著が3冊共に常に揃ってるという、愛国的販売姿勢ヘの共鳴も大きい)。同店のカードにからめ取られてる面も。つい日特にない高額本は4階を中心に。しかも同階は趣味の映画書コーナーが充実。最近だけでも、『女の足指と電話機』『レニ・リーフェンシュタールの嘘と真実』『路面電車を守った労働組合』(これは地方書コーナー。難点もあるが楽しい1册)『映画論叢』21号他を。畠中おばさんトコじゃ『われらが古本大学』(なにわ塾叢書)くらい(最後の本、内容はいいのに、コ−ディネータ−と称して、関西大学教授の肥田晧三なる爺様がシャシャリ出て傍迷惑。20年も前の本だから、天牛新一郎と同じく死んでるか?)も少し涼しくなったら、また畠中観音も拝みに行こう。

 三省堂4階はカタログコーナーも充実。本欄でおなじみの、黒田寛一のイカしまくりパンフもまだ在庫あり。ただ宗教&カルト関係は「書泉グランデ」4階に負ける。そろそろ今月の、「池田大作より他に神はなし」の素材も買わなければ。新聞類も入手する必要が。潮出版の地下1階が、喫茶店「パンプキン」だった頃は、学会系新聞類も常備、便利だったが。当時は景気いい頃で、事務所泊まりの翌朝は、よくそこのモーニングを。上品な味だった(今は退屈な居酒屋チェーン店が)。

 先日のみちくさ市、義理で声を掛けていただいた、黒岩比佐子女史とフリーライターの貧乏振りの話をしていて、「黒沢さんはファッションモデルとかした方が、お金になるのじゃ?」とポロリ。セクハラの一種になるのか?そういやその前の、外市の売り上げまだもらってない。不精して取りに行かない俺が悪いのだが、今月は特に苦しいので、出向かざるを得ないな。ケチケチ生活の連続に、つい手取り8万前後だった(各種保険類一切なし)、遠山企画入社の77年頃を連想。ただ当時は今ほどみじめではなかった。それ以前の4年間の学生時代は、貧しいなんてモノじゃなかったから(たかり&もらい喰い生活の日々)。いい思いをした後の貧しさ、特に歳を取ってからのそれは、一際身にしみるものだ。入社直後に良く通った、中大生協のイワシ天丼、量が多くてうまかったな(遠い眼)。

 警察・検察・司法・マスコミによる冤罪被害者、菅家氏が弁護士宅から横浜のアパートでの生活を始めたと、NHKBS1のニュースが今夜盛んに報じる。典型的おべんちゃら報道。後で訴えたり個別批判はせず、我が局だけはお手柔らかにとの腹づもり。救えないクズ共。お前らがせねばならないのは、一方的な警察情報を垂れ流してた、自らの報道姿勢の検証と反省だ。調活費泥棒“野党専門”検察の藩塀、朝日、赤旗、そしてNHKにそれを求めるのは、吉原のソープで処女を見つけようとするに等しい愚行か? (09.8.8)