パソコンでオーディオ
最近、オーディオ業界の低迷がとやかく言われる昨今ですが、それに代わってパソコンが台頭しているのは周知の通りです。最近の急激なパソコンの性能向上によって、マルチメディアデータも難なく扱えるようになってきました。しかし、オーディオメーカーの相次ぐ倒産、著作権問題など課題は山積みです。
私自身、待望の新機種を導入したこともあり早速「パソコンでオーディオ」を実践してみました。この際、相互リンクの「アナログ音源再生計画」を大いに参考にさせていただきました。
実践
まずはパソコンに取り込み。フリーのアナログ変換ソフトを入手し、カセットテープから録音。同梱ソフトではMotionDV STUDIO(Panasonic)で録音可ということに後から気付いた。送り出しにはWM-D6C(SONY)を使った。このテープレコーダー、ピッチ調整機能があるので便利。
録音の際はレベル調整が結構難しい。テープと違い、比較的高域方向は強いのだが、低域は歪みやすい。
次に編集。前述の「アナログ音源再生計画」で紹介されたツールを活用。デジタルは微調整が利くから便利。
編集したファイルをWindows Media Playerに取り込む。「メディア ライブラリに追加」をクリックすれば曲順リストに追加される。曲順変更もワンタッチ。
とりあえず取り込んだ音楽を聴いてみる。うーむ、楽ちん。ただクリックすれば音楽が鳴る。音質も変えられる。今のパソコンはこんなことができてしまうのか。
次はいよいよCD作成。今回はWindows標準のメディアプレーヤーで作ってみた。イメージは画像を参考に。なお、メディアプレーヤーでは2秒のギャップ(曲間)が入る仕様のようだ。また、同梱のDrag'n Drop CDではギャップは入らない。いずれもCD TEXTの設定が可能。今回はMaxellのカラーCD-Rを使用。
「音楽のコピー」ボタンを押し、しばし待つ。はい完成。早速聴いてみる。音質は…。「音」としては確かに綺麗なのだが、「音楽」として聴くにはちょっと硬いかな。また、あたり前だが元の音源よりいい音になることは決してない。でもまずまずか。早速他の環境でも聴いてみる。Techinicsの単体プレーヤーSL-P150、VictorのCDラジカセRC-X80、また他のPC、FMVS216Aの松下寿電子製ドライブ、PC-9821Xpに付けたPIONEER製ドライブでも正常に再生できた。
メリット・デメリット
確かにパソコンオーディオは便利である。しかし、個人的にはうーむと首を傾げてしまう。私はカセット世代ということもあり、カセットテープに対しての思い入れが相当強い。カセットテープの場合はシビアなレベル調整、ドルビーNRの駆使、ソースによってのテープの選択などの楽しみがあった。
また、私自身今流行の音楽はあまり聴いていない。聴いているのはせいぜい90年代初頭までの「過去」の音楽だ。まあ、それだけ年をとってしまった証拠か(あぁ、ついにこんな表現を使ってしまった(^^;)。そのため、わざわざカセットテープに入っている音楽をCDに入れるメリットなどない。車にもCDは付いていないし。せいぜいMy Favoriteを作るくらいだ。
もちろん、CDからCDへのコピーには威力を発揮するわけだが、これだと何とも味気ない。データをコピーするのと同じではないか!!
また、CDは当初言われていたよりも寿命が短いらしい。さらに、アナログメディアは意外と劣化されないことも分かった(昔のTVドラマやアニメ(フィルム)はそうとも言えないが)。
ただ、パソコンを使うメリットも大きい。微妙な編集、音質の変化、音程を変えずにスピードだけ変えるなどといった芸当はアナログでは困難だ。そこで、編集はパソコン上でし、再びカセットテープなどアナログメディアに戻すのも1つの手ではないか。
また、カセットより前のメディア、オープンリールやアナログディスクなどはすでに装置がないといった場合も多い。こういったものはまだハードが動くうちにCDに録音しておくメリットはあるのではないだろうか。
新聞にも「消えるカセットテープ」なんて記事が出ていました。メーカーサイドにはこういった既存のメディア、産業も大事にしてもらいたいなと思っています。特に先駆者のS社には。
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