なのはなユニオンニュース

243号 2018年6月20日


 1.風薫る5月、行動!行動!

 2.18春闘 中間報告

 3.草莽塾に参加して

 4.お知らせ

 5.なのはなトーク
 



風薫る5月、行動!行動!
 
写真1
写真2

写真3
薫風の候。行動が続いています。
4月28日は代々木公園で開催された連合メーデーに参加。真ん中に設置した演壇を参加者が取り囲みました。政党や団体挨拶なしという極めてシンプルな集会構成。小池東京都知事が挨拶の中で、参加者に呼びかけたが返答なし。小池時代の終わりを感じました。
5月1日は全国ユニオンメーデー。新宿駅西口→池袋駅東口→有楽町銀座で、「働き方改悪反対」の宣伝を軸に一日行動。5月3日は有明防災公園にて憲法集会。公園が埋まるほどの参加者が、9条改憲許さない! 安倍内閣退陣! のシュプレヒコール。 国会前、駅頭で、安倍内閣退陣! 働かせ方改悪反対! 高度プロフェッショナル制度廃止! の行動が続く。



倒産   ドルチア支部結成
イラスト1

 倒産3月30日、社長が突然、東金工場に来て、「自己破産します。以後は弁護士に任せています。3月31日にて全店(市川本店、市川南店、南行徳店、佐倉店、東金店)閉鎖します」と通告。次の日から工場は閉鎖になりました。1月25日に国税局の査察が入り、消費税の未払い分(3000万円程)が差し押さえられ、社会保険も未払ということで差し押さえられました。1月分の全従業員の賃金がストップし、やっと3月5日に支払われました。2月分賃金も遅れ、3月22日に半分支払われました。結局、2月分の半分、3月分、4月分の賃金が未払になり、労働基準監督署に相談したが、倒産していないと立替払い制度は使えないと言われ、東金市市会議員・水口氏に相談。水口市会議員はなのはなユニオンの組合員でもあるので、4月24日に4名がユニオンに相談に。未払い賃金、解雇予告手当(即日解雇)、残有給休暇分、退職金(退職金規定に「中小企業退職金共済法に定められた額とする」と明記)などを要求し、交渉するために、11名(正社員2人・パート9人)で5月2日にドルチア支部を結成しました。会社側代理人弁護士に要求書を提出し、団体交渉の開催を求め、5月24日、交渉が開始されます。東金市にて、水口市会議員も一緒に、組合員が参加し、交渉が行われます。なお、正社員は雇用保険に加入していたが、パートは全員未加入だったので、加入対象である組合員はハローワークに行き、遡及加入の手続きをとりました。長いたたかいになるかもしれません。皆様のご支援をお願い致します。

解決しました! 常陽エンジニアリング

 常陽エンジニアリングと雇用契約を結び、請負先である理想科学工業で就労していた二人(フィリピン人)の解雇問題が解決しました。交渉を重ねても解決されなかったので、4月4日に解決の促進を求めて、理想科学工業本社に要請行動を行いました。理想科学工業本社は関係ないということで要請を拒否しましたが、解雇通知書の解雇理由が「理想科学工業の生産部門の減産のため」と明記されていることを説明し、要請を受けてもらいました。4月5日には解雇される前に就労していた理想科学工業霞ケ浦工場に行き、工場正門前で30分程、宣伝行動を行いました。この日17時から行われた行動は、4月号のニュースに掲載しましたが、会社が残業を急遽入れたため、誰一人通らない工場の正門から、窓が閉められた工場に向かって、マイクで宣伝するという寂しい行動でした。効果を期待することは到底できない状況でしたが、次の日、常陽エンジニアリングから「話し合いで問題を解決したい」との申し入れがあり、話し合いで問題解決に至りました。本社への要請行動に参加いただいた全国ユニオンの皆様、ご支援ありがとうございました。まだまだ問題がある会社なので、他の方が声をあげることを願います。

現在、なのはなユニオンは、裁判提訴準備1件(安全配慮義務違反とパワハラ)、労働審判1件(パワハラ)、労働審判申請準備1件(解雇)、交渉中2件(派遣先解雇、降格)、交渉申し入れ4件(暴行、残業代、労働条件、解雇)、継続相談4件(残業代3件、労働条件1件)などなどに取り組んでいます。ユニオンは団体交渉で会社と話し合って解決することをモットーにしていますが、相手はいろいろ。団体交渉の設定に時間がかかるところ、交渉しても改善・解決が図られないところ、1回の交渉で解決がつくところ・・・。でも、一緒に取り組めば問題の改善・解決は図られるよ!何か変わるよ!と呼びかけたい。





18春闘 中間報告

「無期転換」を柱に取り組んだ個別春闘の結果を報告します。
イラスト2
ロイヤル3月13日交渉 (パート)
「団体交渉を2015年に開始以降、会社は全従業員対象にアンケート調査と個別面談を実施。会社は実際、働きやすく変わってきています。高圧的だった社員も『さっきは怒鳴って悪かった』と変わっています。同僚たちの多くはまだユニオンは怖い、そこまでするなら辞めると考えていますが、私はユニオンと一緒に団交して職場や働き方が改善でき、組合員だからこそ会社と対等に話し合えていると実感しています。ユニオンの力を最大限発揮できるのは団交を継続していくことと思っています。」
要 求
会社回答
(1)賃金について

1) 時給アップの上長評価の開示。
2) 土・日・祝日手当(1時間50円)の新設。
3) 繁忙日手当(1時間50円)の新設。


1) 上長評価は文書にて開示する。
2) ロイヤルグループのどこにもない。   
3) 秋の時給一律アップは繁忙手当を含むという考えで行っている。
(2)無期転換後の労働条件について

1) 無期転換の実施時期の確認。

2) 無期転換にあたり所属部署は現在のまま。
3) 無期転換にあたり1日の労働時間「8時間以内」を「8時間」とする。
4) 無期転換にあたり、人事規程集(正社員・就業規則)に明記された休暇や手当について、正社員と同一の取得及び取扱いとすること。


1) 今すぐにでも可能。※交渉後、すぐに申し込む。
2) 今のところ変更なし。

3) 8時間以内が原則。8時間保障とすると、仕事ないときがあるので運営的にむずかしい。
4) 同一労働同一賃金は望ましいが、現段階は法に則ってと考えている。
※有給休暇の賃金支払いの算出基準(正社員「通常の賃金」、パート「平均賃金」)については調査し検討する。
3)労働条件について

1) 子の看護休暇と介護休暇を全従業員が取得できることの周知徹底。
2) 「時間」で取得できる年次有給休暇。



1) 所定の申請書あり。周知する」
2) 検討したが数時間労働などいろいろなので止めた。
(4)福利厚生について

1) 社バスの土・日・祝日及び月末日の常時運行。
2) 女子更衣室に、個室的に使用できるところ(厚手カーテンなどで区切る)の設置。
3) 洗濯機と乾燥機を各1台増やす。

●就業規則の配布



1) 現行どおり。
2) 設計ミスがありスペースが確保できない。確保できれば設置する。

3) 排水と置くスペースが確保できれば、増やす。

●見る、書き写すことは自由。



イラスト3
紀文食品4月19日交渉(契約社員)
「交渉で具体的成果はほとんどありません。でもそのなかでもほんの少し、何かしらよかったと思えるので、交渉やって良かった、続けようと思います」
要 求
会社回答

「無期転換」について

1) 労働契約法18条「無期転換ルール」に則り無期転換する。
2) 無期転換にあたり、日給7426円を8560円とする
3) 無期転換にあたり、課のミーティングに参加できるようにする





1) 無期転換はする。
2) 無期転換は賃金・労働条件の変更はしなくてよいとなっているので、賃金は現行通り。
3) 原則朝礼で情報は共有。課のミーティングは必要な時、呼びかける。


イラスト4
N興産3月2日交渉(契約社員)

「なのはなユニオンに加入して1年弱ですが、この短期間に思った以上の成果があり、本当に感謝しています。短気な私に色々と助言してくださりありがとうございました。癇癪を起して辞めなくて良かったです。」
要 求
会社回答

1) 労働契約法18条「無期転換ルール」に則り無期転換を申請する。
2) 無期転換後の労働条件は、直前の有期労働契約を下回ることなく向上させる。


無期転換は図る。

「就業規則」「無期転換社員・有期契約社員取扱い規則」「給与規則」新設。上記規則に則り処遇改善を図る。

2018 春 闘 報 告 会

2018春闘は今までになく、活発に取り組まれました。無期転換ルールが4月に施行とい
うこともあり、無期転換対象者は無期転換を軸に要求を提出し交渉しました。成田エアカーゴ支部、オリエンタルランドユニオン、内陸バス支部はこれまでの積み上げてきた要求を提出しました。森永高滝カントリー支部は17年ぶりに要求を提出し交渉継続中です。
がんばった春闘の取り組みをユニオンで共有し、要求実現に向けた課題を確認し、来春闘にはもっと多くの取り組みがあることを目指すために、報告会を開催します。
春闘に取り組んだ組合員も、取り組まない組合員も集まろう!

日時 6月17日(日)13時
場所 ユニオン事務所    





草莽塾に参加して 4月21日13時〜22日10時〜12時までの2日間の日程で開催された全国ユニオン主催の「草莽塾」に参加しました。(なのはなユニオン参加5名)。
 今回の日程は、21日は、(1)東京ユニオン関口氏による「オルグの心得」、(2)派遣ユニオン関根氏による「団体交渉申立書作成」、(3)鈴木会長による「不当労働行為救済申立書作成」。終了後、懇親会。22日は、(4)シニアユニオン設楽氏による「組織化運動の要諦」というタイトルでの講演。

 今までの草莽塾は学者や評論家・弁護士等が参加者の前でテーマについて講義、参加者から質問等を受けるような感じでしたので、本来の目的である相談員(オルグ)養成講座であることを忘れていました。今回は初日が実戦形式、2日目が講演という点で今までとは違っていました。私が加盟しているなのはなユニオンでも、次世代交流会の時に一度、例題を出されて模擬団交を実施したことがありましたが唐突すぎた為、考えも浮かばず、自身その時は意見も何も出ない状態でした。
 (1)(3)(4)に関しては、資料が明瞭でとてもよかったです。(2)(3)は同じユニオンの人たちが一緒にならない状態で班別に分かれて(これがとてもよかった)各々意見を出し合って、(2)では実際、講師3名が会社側役になり、参加者が交渉する形をとりました。スケジュールの都合上、班の中で交渉内容を決める時間が5分程と少なく色々な意見が出せないのが残念でした。(3)では申立書の作成をしましたが、作成時の参考にするのは労働組合法第7条が基となっている1号(不利益取扱い)2号(団体交渉拒否)3号(支配・介入)4号(報復的不利益取り扱い)の4項目の条項があり、それを利用して作成するそうです(今回は4号を除く条項のみ利用)。実際あった3つの事件を例題に班別に話し合い、回答を出し合いました。良かった点は、相談〜交渉までの過程が理解でき発言できたことの他に、普段話さない他ユニオンの組合員と、休憩中や懇親会で会話できて、各々ユニオンに入ったいきさつ等の話を聞くことができたことです。
 2日目の講演の感想ですが、初めて聞いたこともあり「目から鱗」な講演でした。現政権の雇用政策も然り、今のような雇用状態及び労組組織率減少の基礎を作った、竹中平蔵を選んだ元首相小泉にも責任あり。「脱原発」などと叫ぶ前に、雇用状態改善を先に叫んでもらいたいと思いました。また、「ナショナルセンター」などと恰好つけばかりで何もせず、非正規が増え始めても「労組は正社員しか入れない」と言い張り誤解を振りまいた連合の責任も大きいと思いました。
 労組潰しの最近の傾向で、「積極的対抗」という労組加入社員より労組非加入社員を地位的・金銭的優遇にする話がありましたが、4月23日の連合会館での「20条裁判報告」の中で、JP労組の裁判判決直前に該当する手当を正社員からも外し、JP側は正社員にもその手当がないのだから争う必要がないという話を思い出し、正にこれが究極の「積極的対抗」では? と思いました。組織作りで大切なことは、仕事ができかつ労働運動を続ける気概のある人を見つけること(ハードルが高い)。言葉より、行動で示すこと。スタンドプレーは避けること。また、講演の中で印象的だった言葉は「労働者のプライドは捨てるな」。組織作りで行き詰まってくると自暴自棄になり、自身の仕事まで投げ出す人が多いのでしょうか、と思いました。また、「管理職だから」「非正規だから」と尻込みせず、積極的に組織化はすべきという言葉に、自分の職場でも組織化できるのかなと思いました。毎回そうですが、参加したかいがあったと感じた2日間でした。(清水)





☆☆おしらせ☆☆
2018年


 5月26日

14:00
辺野古基地反対
議員会館前
 5月26日

14:00
15:30
派遣ネット総会
ミニシンポジウム
 5月27日
10:00

執行委員会
 6月 5日
18:30

オスプレイ反対集会
日比谷野音
 6月 7日
18:30

労契法20条最高裁判決報告集会
(長澤運輸事件&ハマキョウレックス事件)
連合会館
 6月17日
13:00
次世代交流会「2018春闘報告会」
 7月21日
15:00
執行委員会
 7月27日

争議支援ビアパーティ
※全国ユニオン主催
 9月29日

なのはなユニオン大会&30周年祝う会



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なのはなトーク 春風と共に相談件数が急増し、対応に追われている。そんな中でもというか、そんな中だから山に行きたくなる。来年の自分はわからないということもあり、今年は5月から毎月、山に行くと決めた。
 当初、至仏山を予定したが7月山開きということで三条ノ湯(山小屋)をベースに雲取山と飛竜山に行く。1日目は三条の湯を目指し足慣らし。途中、猿の親子、そして珍しいことに狸にも遭遇。降り始めた小雨のなか、傘をさしならら余裕で三条の湯に到着。連休明けで客が少ないため、直行した風呂は一人占め。夕食後に小屋主・木下さんがジビエ料理「鹿肉のソテー」をふるまってくれる。鹿肉は赤身で生臭さもなくとても食べやすい。鹿が突然増えて木の根を食べてしまうことで森林がやせ細って行くことを止めるために狩猟が始まり、その鹿肉を無駄にしないということで燻製にしたり、冷凍しておきソテーにしたりなど「食」に活用するようになったと話してくれる。木下さんの自然と人間との共生の話に横笛の演奏も加わり、贅沢な山の夜となる。写真5
 2日目は登頂5回目の雲取山にピストンで登る。三条ダルミから見えた富士山、他の登山者が誰もいない頂上に感激。3日目は飛竜山に。登り始めから急登に不安を感じたが、三条ノ湯管理人"山ちゃん"が開いたという近道から頂上へ。眺望が悪いため人気がない山と言われているが、原生林の雰囲気が気にいった。そして前飛竜山に向かう道は「石楠花街道」。開花直前の蕾の可愛らしさ、開花した花の美しさに魅了される。こんな石楠花の群生に出会ったのは初めてである。やっとたどり着いた前飛竜は360度パノラマで、大好きな北アルプスを連想させる。そこからはスリリングな下り坂がこれでもか、と続く。そして下った先も、これでもかと続く森の道。朝6時から夕方5時、10時間近くをよくぞ歩きました。奥秩父の山の深さにふれ記憶に残る山行となる。帰宅時はヘロヘロだったが、まだ頑張れるという思いがふつふつと。(桃)
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