なのはなユニオンニュース

2020年7月5日 No.266



 2.OLC再開にあたり「要請書」を提出! オリエンタルランド・ユニオン

 3.第2回団体交渉開催 ちば正直屋ユニオン

 4.こんなことやれない! /富士そば労働組合結成

 5.勉強会で感じたこと

 6.今何してる? 何を思っている?

 7.「経験学習 見学学習 入院 202006」

 8.おしらせ

 9.なのはなトーク





ディズニーリゾート再開に向けて

6.26
株式会社オリエンタルランド株主総会

写真1写真2


 6月26日、株式会社オリエンタルランドの株主総会が10時から幕張メッセにて、開催された。コロナ禍のため、株主に参加自粛要請がされ、例年に比べて参加者数は少なかった。
 東京ユニオン、シニアユニオン、市川地域やなのはなの仲間たち16名は、9時に海浜幕張駅に集合し、7月1日ディズニーリゾート再開にあたり、キャストや出演者が抱えている不安について、株主総会で株主に発言して頂きたく宣伝行動を行う。用意した300枚のチラシは、あっという間に配布終了。
 株主総会に出席した株主さんから、昨年は雇用に関する発言が多数だったが、今年はなく、自分も手を挙げたが指名されなかったので発言できなかったとの報告を受ける。ユニオンは、宣伝に先立って6月25日にOLCにチラシと同内容で「要請書」を提出。(詳細は次ページ参照)
 6月30日、OLCから「(1)ゲストの皆様とキャストを含むパークに関わる全ての人の健康管理に留意する、(2)衛生的な施設・設備を提供できるよう清掃・消毒を強化実施、(3)ソーシャルディスタンスと十分に喚起された空気環境を確保する、を中心とした対策を行っている」との回答を受ける。



OLC再開にあたり「要請書」を提出!

[キャストについて]
1.
炎天下でのゲスト誘導はもちろん、室内でもテーマ性のためにエアコンの設定温度が高いため、夏場は熱中症で倒れる人が多い。
コロナ感染対策のためにマスク着用は必要だが、熱中症で倒れる人が増える危惧がある。
室外での1人当たりの業務時間を短縮する、室内のエアコンの設定温度を低くするなどの環境整備を求める。
「朝礼・終礼」を10畳ほどの所に40人ほど集めてやることは、密集・密接になるので、工夫していただきたい。
客については消毒の場所などが整備された。
キャストについても「アルコール消毒、 手洗い・うがい」などが、こまめにできる条件整備をしていただきたい。
今まで休憩していたロケーション内の場所が飲食禁止となり休憩場所がなくなった。休憩場所を設置していただきたい。
食堂の列が外まで延びて、時間がないので5分で使用禁止のテーブルで食べる状況になっている。
持つ物「イエロータブ、マイク、イヤホンなどなど」を消毒していただきたい。
なお、正しい消毒の仕方について、提示していただきたい。
アトラクション内は空気がこもるので、喚起をしていただきたい。


[出演者について]
1.
もともと汚く、狭い楽屋に大人数で詰め込まれて一日を過ごしているので、「密閉・密集・密接」が避けられない。毎年、インフルエンザですら蔓延するので、感染の不安がある。この対策を提示していただきたい。
2.
コスチューム
ア.
これまで2週間に1 回程度の洗濯だったが、共同使用なので、回数を増やしてただきたい。
イ.
コスチュームの片づけは使った者が使用後にやっている。片付け時間は30分とされているが、通常時でも30分では終わらない。感染防止のために、丁寧な片付けが必要なの2で、片付け時間を60分に延長していただきたい。
ウ.
顔に近いコスチュームは、ファブリーズなどで消毒するだけでは不十分である。 消毒方法を見直していただきたい。
3.
間もなく更新オーディションの時期である。
オーディションを受けないと契約できないと会社から言われているが、今年は契約直後に休園となっているので、今年のオーディションはやらないで、前年度オーディションの結果を踏襲していただきたい。
4.
現在、グリーティング業務のみを再開後にやるとなっていて、C区分とB区分の出演者にSVから声がかけられている。C区分の出演者への声掛けは納得できるものであるが、B区分で呼ばれる人・呼ばれない人がいることについて、「不公平だ」という声がある。B区分の出演者に声をかけるのならば、グリーティングは全員共通の業務なので、B区分のすべての人にアンケート等で声をかけていただきたい。


[キャスト・出演者について]
1.
出演者はパレード、ショー、イベントが当面なくなるということで、雇い止めの不安と毎月の就労時間が短くなることによる生活不安が高まっている。
キャストも「9月まで8割補償」ということだが、雇い止めと就労時間が短くなることによる労働条件の不利益変更について、不安を抱えている。
雇い止めと労働条件の不利益変更はしないことを求める。
2.
出勤ゲートに入るのに、時間がかかっている。ゲートから遠い所は、駅に1時間前に着かないと、自分のロケーションに着いたとき遅刻になってしまう。出勤ゲートで、タイムカードに「出勤」の打刻をできるようにしていただきたい。
3.
社内バスに乗れる人数に制限があり、乗ることに必死でキャスト同士のいさかいが多発している。工夫していただきたい。

 ※2020春闘交渉も、7月15日再開!




第2回団体交渉開催 ちば正直屋ユニオン

パートの休業補償 10割補償に!写真3

 6月18日、第2回団体交渉が開催される。
 大正13年創業のちば正直屋(仕出し屋)では、コロナ休業にあたり、正社員には6割補償、パートはなしということだったので、ちば正直屋ユニオンを25名で結成し、パートに休業補償10割を求める。1回目の交渉で、会社はパートの休業補償について何も考えていなかったことが露呈。2回目に、会社は「社員とパートは同列に考えるべきなので、6割とする」と回答。組合は「同列というならば、休業する時に、そう言って欲しかった。そもそも同列に扱っていなかったから10割補償を求めた。現段階で同列6割は納得いかない。」
「平均賃金の6割は実質的には4割補償にしかならない。生活できない。生きていけない。雇用調整助成金も10割出すとなっているので、活用して10割補償を行うべき」と主張。2回の交渉を経て、会社はパートの休業補償を10割にすると回答。正社員の出向については、高速代、ガソリン代などの条件整備を求めたが、是正されず。
 新たに、会社は7月末をもって事業継続を断念することを提示。
 正社員は転籍、パートは解雇となるので、組合は新たな提案であるとして、次回交渉にて事業所閉鎖に関わる退職条件、残有給休暇分、未払残業代などについて、次回交渉にて話し合うことを約して終了。
 今回も組合員19名が参加。参加者全員で交渉をがんばり、要求の前進を勝ち取りました。




こんなことやれない!/富士そば労働組合結成
イラスト(そば)
 コロナ禍、雇用調整助成金の不正活用を常務に指示された店長たちが、「こんな法律違反はやれない」と嘆願書を作成。
 富士そばは、以前から、平均月200時間越、なかには300〜400時間という長時間労働であるにも関わらず、正社員(係長、店長、主任)には残業代が支払われていないという問題があり、残業代未払金の支払いと長時間労働是正をめざして、組合結成を検討してきました。
 コロナ禍で、一旦、会社への結成通告を延期したが、上記事案が浮上。6月15日、会社に42名(正社員、パート、バイト)で組合を結成したことを通告しました。
 第1回団体交渉を6月30日に開催しました。交渉には全国ユニオン鈴木会長も参加。
 不正活用を指示した常務の懲戒処分と長時間残業の是正、未払時間外残業代の支払いなどなどを柱に交渉しました。
 富士そば労働組合の安部委員長は、組合を結成したことについて、「自分が今、係長でいられるのは会長を始めとした社長、専務、常務のおかげなので、お世話になっている方々に抗うことを決意するのに時間がかかった。それでも、このままでは、やる気ある店長たちが辞めてしまう。辞めたいという店長を止めることはできない。過労死で心が病む店長も増えている。このままでは自分が思い描いてきた富士そばではなくなる。だから、組合を結成するしかなかった。」と訴えました。
 今回の団体交渉は、要求について具体的前進はありませんでした。しかし、良好な労使関係を作って、安心して働ける職場にしたいという組合側の思いは、組合側参加者がそれぞれの言葉で発言しました。やっと、組合活動が開始されました。「ホワイト企業」と称されてきた富士そばですが、コロナ禍で様々なほころびが表に出始めました。
 「富士そば」はお金がなくても気楽に立ち寄り、お腹を、心をみたせる場所です。地域になくてはならない店です。これからも富士そばを維持、発展させたいと思い結成した富士そば労働組合です。安部支部長、佐々木書記長を先頭に、全力でがんばる決意なので、ご支援をお願いします。
 富士そばに立ち寄ったとき、このお店に組合員はいるかなと想像してください。




 勉強会で感じたこと

 今回は雇用保険の勉強会である。前回の勉強会では「いかにして会社都合を勝ち取るか」について話してしまい、制度全体の勉強会にはならなかった。
 偏らないように制度全体の概要をまとめて説明した。調べる過程で「60歳以上の雇用制度」についてわからないことがあったので、こちらも概要をまとめて説明した。この「60歳以上の雇用制度」についてより突っ込んだ質問が出た。私はその質問に答えることができず情けなくなった。早急に調べ直し次回答えようと思う。
 勉強会の後、雇用保険に限らず他の給付金などの制度について意見が上がった。日本には様々な社会制度があるが、今回使えなかったという声が上がった。いざという時の制度が、困ったときには使えないのもおかしな話である。
 生活保護制度だってあるのに、いざ使おうと役所に申請に行くと窓口で門前払いされたりする。
 そもそも、なぜ守られるべき私達がここまで苦しまないといけないのだろう。
 普段から生活を切り詰めながら高額な税金を納めているのに、いざ困ったときには守られないのはおかしいのではないか。
 政府は普段から「財政難だ」と言っては社会保障費を削減している。私たち国民は今日一日生活するのがやっとである。一方でアベノマスクに何百億の税金が使われている。その分を現金で給付してくれたらどれだけ助かったことか。
 昨年から特に2度の台風で甚大な被害を受け、コロナの影響も相まって日々の生活は苦しくなる一方である。
 だからこそ、私たちは生活、ひいては命がかかっているのだからもっと強く「なんとかしろ!」と声を上げて会社や国や行政を突き上げる必要がある。
 実際にツイッターで挙げられた声がもとになり、検察庁法改正案は廃案になったのだから。
(松永)



今何している? 何を思っている?
イラスト2
 世界的にコロナが蔓延し、私の仕事も3月半ばあたりからお休みの状態が続いております。日本人クルーはこの状況下ではまだ乗務することが難しいからです。軒並み、旅行業界や航空業界は厳しい状況にあり、明るいニュースが届くのはあと数年後の話かなと予測しています。世界が狂ったように変化し、見える景色が180度変わりました。明日が予測できない世の中になりました。
 自分ではどうにもできないこの状況を受け、私はまず実家に引っ越しすることを決めました。あらゆることが凝縮された自粛生活を続ける中で、自分が本当に大切にしたいこと、やりたいことが分かってきたからです。
 これまで時差や気圧のある環境のなかで生きてきたので、朝起きて夜寝る生活、きちんと時間通りに3食食べられる生活がとても有難いものに感じています。また、子供たちと小さな畑を作ったり、梅を摘んできて梅酒を作ったり、家族の世話をしたり、近所付き合いをしたり、当たり前の生活なのですが、私にとってはとても幸せな時間となっています。さらに最近では、とある試験に向けての勉強を開始しました。
 仕事はまだ復帰できるかわからず、もちろんこの先どうなるのかなと心配はあります。
 けれど、「今」しかできないことがたくさんあるということを、私はこのコロナの状況下で強く痛感しました。ですから、今までは「いつかやろう」と後回しにしていたことを、今やることにしています。不安なときこそ、なにか小さなことでも行動をしてみること。それがきっとなにかのきっかけになって、今いる自分の地点から少し前に進めてくれるきっかけになると信じています。点と点をつなげば、必ず線になること。そんな小さな動きを信じて過ごしていきたいと思います。
(M・K)



「経験学習 見学学習 入院 202006」
写真5
 「(あなたにとって)”〇〇”とは」の〇〇がなんであっても、環境境遇の違う多種多様な各々が導き出した unique(独自・唯一)の信念に近い答えがあります。各々がそれに順守出来ようにと日々を過ごしています。
 私にとって「健康」とは? 自分の身体の管理隊長は自分を一番把握している自分自身で、他に誰も居るわけがなく勿論医師でも無いわけです。
 unique なルールに従い気を付けて過ごしていても、どうにもこうにもコントロール出来ず音を上げる時があるものです。
 2020/06/09 救急車を呼びそのまま数日間入院しました。
 思いがけない出来事でしたが、この時期に入院経験学習と患者の立場から医療従事者の働く姿を数日間じっくり見る学習が出来て貴重な良い数日間だったなと思っています。
 入院病棟はシニア層が殆んどのリハビリ棟でした。サポート業務の従事者達の朝から機敏に動いて勤務時間が終わる迄ペースが落ちない働きっぷりに、私の頭は垂れました。惚れ惚れ感嘆尊敬の念が生まれ、再度考え始めました。
・私にとっての健康とは。その維持方法とは。
・私にとっての仕事とは
・私にとっての健康(心身共に健全な状態の長期的維持)と仕事で生まれるフラストレーションとのバランスの取り方とは
・私なりの新しい生活様式と心得・心構えとは
・私が間接的に周囲に協力できる行動とは 等
 この人達は、注視しなければならない事は沢山あって頭も体もフルで使い続ける1日なのだと再認識しました。私の勤務先の私含む同フロア職員とは比較にならない程に疲れてフラストレーションも溜まる職場だなと思い、申し訳ないと恥じる思いが湧きました。
写真4 医療従事者の中でも看護補助職員をよく見ていた数日間。
 その中でも注目していたのは、患者さんとの会話で使う言葉です。言葉・言葉尻り・言葉の使い方・言葉の選び方・話のもっていきかた。甘えに対する上手で綺麗なあしらい方かわし方。
 休む時はしっかり休めるようにし、やる気を引き出してリハビリに取り組んで欲しい相手(患者さん)の身の回り等看護補助している従事者さん達から出る言葉のスキルの高さに、私は到底直ぐには身につかない高さだよと感嘆し、僅かでも頭に叩き込みたいと耳をダンボにしていました。
 責任の重さを背負って業務をしている一人一人の心には、(仕事にあるルール心得の他に)この仕事に立ち向かっていく為に必要な unique な心構えと心得があって、それを芯にし、業務に取り組んでいると思いました。また、その芯があるから、柔らかさを感じる言葉の旋律の中に上手く厳しさを織り込めて相手にわかりやすく伝わる会話が自然に出来るんだろうと思いました。日々の業務の鍛錬で身についた賜物だろうとも思うので、普段特に意識して無いでしょう。新しい医療施設様式を模索している今、今まで以上にグッと気を引き締めて出勤していると思わずにはいられない入院見学学習でした。
 そしてこうも思いました。
「うちの会社の正社員! 特にリーダー以上! 漏れなく全員必修の研修として半年位この仕事に従事しろ!」
「社内コミュニケーションとはなんであると会社は捉えているのですか?」
 何度も言い方を変えては社内で質問し続けています。最近は言い方を「社内コミュニケーションとはなんだろうね?」に固定しました。
 言葉は難しい怖いコミュニケーションツールです。相手にやる気の花を咲かす事も出来れば、意欲を徹底的に搾取し根絶する事も簡単に出来るから。
 




☆☆おしらせ☆☆
2020年



 7月17日(金)
13:30
全国ユニオン第19回定期大会
IKE‐.Biz


16:30
シンポジウム
「ポストコロナ時代のユニオン運動と新しい社会」
※コロナ禍のため参加は原則代議員のみ
※シンポジウムについては、インターネット配信を予定

 7月27日(金)
15:00
都労委・大空会


 8月 1日(土)
16:00
執行委員会


18:00
次世代交流会
「コロナ禍におけるユニオン」

 8月 4日(火)
14:00
OLC弁論準備


 8月26日(水)
18:00
キャラバン作業


 9月 5日(土)
10:00
キャラバン
※9:45、JR柏駅東口集合

 9月12日(土)

プレカリアートユニオン大会


 9月26日(土)
13:30
第32回
全国ネットワーク総会&全国集会 in ヨコスカ
ヨコスカベイサイドポケット(ヨコスカ芸術劇場)

※コロナ感染防止のため規模縮小して開催
 ●9月26日のみ13:30〜17:30
 ●原則、出席は各ユニオン代表者のみ
 ●交流レセプションは行わない

10月 3日(土)
13:00
なのはなユニオン大会
※予定に入れてください。

10月17日(土)

東京ユニオン大会

10月24日(土)

派遣ユニオン大会




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なのはなトーク パワハラという世相から考えること

 なのはなユニオンには相変わらずパワハラ被害を訴え、精神を害した(一般的には「適応障害」あるいは「うつ症状」との病名)人たちの相談、駆け込みが多い。そして、これらの問題について、会社側との団体交渉を求めて会社側の意見を聞くとパワハラなんて無いと全否定をする。これは何を意味しているのだろうか? まったくの嘘をついているのか? はたまた、事実はあったとしてもそもそもパワハラという自覚そのものがパワハラ行為者に無いのか? あるいは、労働者の側が過敏なのか? なぜ、こういう問題設定をするのかというと会社側の弁明の多くは、労働者側に感覚的に問題があるという意味あいの話をするからである。曰く、「メンタルすぎる」、「現場なんてこんなもんだ」、「仕事上の注意をするとすぐパワハラになるのか」等々である。
 パワハラ問題というのは、今オリエンタルランド裁判でもメインテーマでやっているが、実に証拠立てることが難しいテーマである。会社側と労働者側でどんなに話し合っても主張が交わることがない。
 ずう〜と最後まで平行線である。
 労働者側はパワハラにあったら、感情的に対応するのではなくひたすら証拠を残す、証拠を集める、証拠を蓄積することに専念すべきである。多くの事案を扱ってきたが、パワハラの主張は激しいが、具体的証拠が乏しいというのがこれまでの実情である。
 一般的に言って、資本主義とはお金儲けがすべてであり、そして善である。お金儲けに没入すると間違いなく人格が歪んでくる。人に対する思いやりや優しい感情がお金の魔力の前に崩れていく。そうなると人としての価値観そのものが違ってくる。私はパワハラ問題というのは、実はその辺に根源があるのではと考えている。資本主義下においてパワハラ問題がなくなることはないと思うのである。
 但し昨今は資本主義ばかりではなく、社会主義を標榜する独裁国家、中国や北朝鮮の方がさらに、民主主義をぶち壊すという巨大パワハラを実行しているが。
(哲)
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