なのはなユニオンニュース

2021年10月30日 No.279


 2.コロナ感染濃厚接触者の休業手当実現! 森永高滝カントリー支部

 3.セクハラ問題、労働審判で和解! H社

 4.おたより 東京国際映画祭・山歩記

 5.おしらせ





全国ユニオン
10・28 厚生労働省交渉

鈴木会長が厚生労働省に「要請書」を手渡す。
 10月28日、全国ユニオンと厚生労働省との秋の交渉がユニオン側23名の参加で行われた。衆議院選挙真っただ中なので福島みずほ議員は立ち会うことはできなかったが、石川秘書が立ち合ってくれた。

 厚生労働省に対する要請内容は、コロナ禍における休業問題を柱に行われた。

 ユニオンは、フリーシフトでシフトが入らなくて1年以上無給休業を強いられている人がいること、フリーシフトで契約しておけば無給休業であっても労働基準監督署から指導もされず、何の規制もなく解雇と同じ状態におけるということで「フリーシフト」に切り換えるケースが出始めているので、一刻も早い措置を講じることを求めた。具体的には
 (1)過去の就労実績に基づいて休業補償(休業手当)を払うように指導すること、
 (2)フリーシフトは労働基準法15条に違反するとして厳しく指導する
ことを求めた。

 厚労省は、(1)労働基準法の建付けから言って難しい。(2)15条は、労働時間は決まっている範囲で明示しなければならないとなっているだけなので法違反とは言えない。諸外国の法規制を調査して今起きている問題にどう対応するのかを検討中で、今言える状態になっていないと回答。休業手当を過去3カ月の賃金暦日で割って算出した平均賃金の6割を就業日についてのみ支払うのは不合理ということについても労基法26条の改正を要するので、この場では判断できないと回答。濃厚接触者の自宅待機に対する休業手当については助成金制度の活用を周知したいと回答。

 60歳定年になった者の再雇用を会社が拒否した場合は「特定受給資格者」として取り扱うことはすでに行われていると明言。ただし、使用者がのめない条件を提示して本人が拒否し離職となった場合は個別判断となるとのこと。90分間の交渉において厚労省から明確な回答はほぼ得られず。参加者から「困っている人のためにあるのが行政ではないのか。期日を決めて対応していただきたい」との声あり。



森永高滝カントリー支部

 9月27日、森永高滝カントリー支部は、(1)退職金規定の変更、(2)コロナ感染濃厚接触者の休業補償について交渉しました。

[退職金規定の変更]
 現在の退職金規定は、事務職・正社員の退職金は勤続34年以上(支給率105.0)を上限としているが、キャディ・正社員の退職金の上限は勤続14年という規定になっています。職務が違うということで、同じ従業員であり同じ正社員なのに、退職金規定の上限に相違があります。

 この件は継続交渉となっていて、2019春闘の交渉にて会社は、(1)事務職とキャディ職は賃金体系が違う、(2)月収はキャディ職が高く設定されているので、退職金の上限を変えることで全体のバランスを取っているとの回答でした。

 今回、会社は2年前の台風被害とコロナでの累積赤字が1億を超えているので人件費を増やすことはできないと回答。組合は「キャディ17人中11人がすでに勤続14年を超えている。11人の退職金はすでに頭打ちで何年働いても変わらない。退職金は働き続けるモチベーションにも関わることなので、同じ正社員なのだから退職金規定を同じにしていただきたい。一気に同じにすることが無理ならば実態に合わせて徐々に上限を伸ばしていってほしい。」と求めましたが、今回も前進なしでした。今後も粘り強く要求し続けます。

[コロナ感染「濃厚接触者」の「自宅待機」の処置]
 今年の9月にキャディー1名がコロナに感染したことで、濃厚接触者として4名が認定され、そのうち2名の「陽性」が確認され、2名が「陰性」で自宅待機14日間となりました。

 会社は感染者に対しては傷病手当の対象としたが、濃厚接触者については休業補償なしとのことだったので、自宅待機期間(14日間)の休業補償とPCR検査代を会社負担とすることを求めました。

 結果、●出勤停止となった日から14日間は「公休」として扱う、●PCR検査代については会社が出勤停止を指示し検査の必要が生じた場合は会社負担とする、となりました。


吹き出しH社
 HさんはH社に2019年1月1日に正社員として入社して1月6日から就労。面接官であり、研修を受けていた上司T氏から「休日の取得方法や今月の休みの処理について話したい。」ということで1月12日に外で会うことを求められ、断れずに従った。そしてその日にセクハラ行為を受ける。

 次の日、会社を辞められないとの思いで我慢して出社したHさんに、T氏は「体調が悪い。一人でいるのが寂しいから退社後、東横インに来てくれ」と求めてくる。Hさんは怖くなって直属の上司に相談したが「一番偉い社長に言っても取り合ってもらえないよ。自分でどうにかするしかない。いい女だから誘われたと思えば良い。」と言われる。さらにT氏に行けませんと断ると、「俺の気持ちはどうなるのか」と言われ、怖くなって逃げるように退社。次の日から職場に行けなくなり、警察に被害届を提出。

 「PTSD」と診断される。会社は就業規則を盾に3月16日付けで解雇を通告。その時点で傷病手当も打ち切られ、失業保険の対象ともならず、シングルマザーで二人の子供がいたので生活に困窮。

 2020年6月29日ユニオンに加入して団体交渉を3回行ったが、会社は「大人同士の恋愛関係なので、会社は介入できない」と主張。

 2021年4月に労働審判を申入れて2回目で和解。和解内容は解決金の他に、Hさんは職場に存在した期間が3カ月間しかなく傷病手当が解雇と同時に貰えなくなったので、在職期間を1年間として傷病手当金を遡ってもらえるように条件整備をし、会社に傷病手当の申請に対する協力を促し、本人負担分は会社負担となる。

 会社が言うところの「大人の男女関係」を覆すことができたのは、Hさんがセクハラを受けた怖さや不快感、会社に相談したのに取り上げてもらえない不安感をリアルタイムで友人に送信し続けたラインが決め手となったと思われる。解決まで長い時間がかかったが、泣きながら頑張ったHさんに拍手。




 今回、私は、東京国際映画祭を主催している公益財団法人の事務局と約一年間話をして(共催している経済産業省の担当者とも時々話をして)、東京国際映画祭というイベントで、下記の2点を実現することが出来ました。

●車いす席のチケット販売を一般席と同じようにインターネット上で購入できるようにすること
●車いす席を必要とする人が知りたい情報を出来る限りホームページに載せる事

 私が知っている限りですが、イベント興行での車いす席はインターネット上で直接買えません。
 チケットぴあでもセブンイレブンチケットでもローソンチケットでも買えません。
 売っているのを見たことがありません。
 報はホームページにほとんど載っていません。
 どこに問い合わせたらいいのかすらわかりません。
 チケットだけの事ならチケット販売会社。
 車いす席の事なら主催会社? 会場?
 駐車場の事なら会場??
 サポートに関することならどこ??
 このチケットや駐車場は障碍者割引があるの??
問い合わせは主催会社が民間だとなおさら困難を極めます

 私自身、舞台やコンサートに行くのが好きでした。映画を映画館で見るのはとても好きでした。(今回はイベント興行としての映画です)お金をためては一人で晴れの日として行っていましたが、楽しかった一日で終わったことはほとんどなく、意地で負けるもんかと行っていました。今回、たぶん私の生涯において、一人で国を動かしたといっても良い位の成果を出すことはないでしょうか。

 このチケットの買い方などが、広がり、日本のスタンダードになってほしい一心です。
また、グルメサイトなど多くのホームページにも私たちが知りたい基本的な情報は載っていません。自社のホームページに情報を載せるのは、車いすトイレを作ったりするよりもお金も手間もかかりません。様々な企業がそれぞれの企業努力範囲内で出来る事で、体が不自由な人もそうでない人も一緒に良い時間を一日を共有し良い思い出になる機会がグッと増えるのです。
吹き出し
 皆様、どうかこれを普段の会話などの話題にするなどして広めてください。よろしくお願いいたします。
(20211008 かなざわのり)

赤旗記事







 8月末、念願の剱岳に行くと宣言したが、コロナ感染濃厚接触者となり断念。モヤモヤした思いを抱えていた10月17日、高齢3人組で2057mの大菩薩峠に行く。

写真(富士山) 一日目はあいにくの雨で、予定を変更して町営の天目山温泉に。アルカリ度強で肌ツルツル温泉につかり、久しぶりにゆったりとした時間をすごす。

 宿泊した山小屋「福ちゃん荘」は山小屋と民宿の中間。風呂は昔なつかしき五右衛門風呂で、夕食にはイワナの塩焼き、ほうとう、馬刺しなどが並び大満足。ここは50年ほど前に、赤軍派が軍事訓練を行って58名逮捕された時の宿舎にもなったところ。当時の新聞記事が掲示板に貼ってあった。

 2日目、のんびり7時出発。快晴。登り始めて、下を見ると360度雲海で、富士山の頂きのみが見えるという絶景。山に登らなければ、今日という日でなければ見られない景色に出会えて感激。大菩薩峠は眺望がなかったが、快適な縦走であった。
(桃)





☆☆おしらせ☆☆
2021年



11月 3日(水)
国会正門前行動

11月12日(金)
ジャーナリズムの視点からみた関西生コン事件
(第3回検証シンポジウム)
18時30分 連合会館 2階大会議室
パネリスト/
北健一(ジャーナリスト、日本マスコミ文化情報労組会議事務局長)
竹信美恵子(ジャーナリスト、和光大学名誉教授)
花田達朗(フリーランス社会科学者)

コージネィター/海渡雄一(弁護士、支援する会共同代表)

11月21日(日)
13時
東京管理職ユニオン大会

11月22日(月)
首都圏幹事会

11月27日(土)
春闘セミナー
ワイム貸会議室 四谷三丁目
10:00  鈴木会長挨拶
10:15 「日本政治の行方」
法政大学教授 山口二郎
13:00 全国ユニオン2021春闘方針(案)
13:30 違法・不当な「フリーシフト」
派遣ユニオン 関根書記長

11月27日(土)
なのはなユニオン執行委員会

12月11日(土)
シニアユニオン大会





ライン

なのはなトーク 
「知恵と二人の自分」

 人間が人間になる。仏教では「成仏」という。パスカルは人間を「考える葦」だという。

 しかし、考える底に「愛する心」がないと「知恵」にはならない。言葉を愛する人は言葉を考える。人を愛する人は人の事を考える。自分を愛し人生を愛する人は自分を考え人生を考える。会社を愛する人は会社を考え行動する。そこにはじめて「知恵」が芽生える。

 英国の文明批評家ハーバード・リードは「知恵」は理性とロマンチシズムとの間で釣り合いのとれた場所を見つけ出す磁針である」という。歌人・生方たつゑは「北を指すものはなべて悲しき 我は狂わぬ磁針を持てり」と詠う。

 本来、人間を人間たらしめる尊厳な人間性を持ちながら気づかず迷い悩む。妄想と執着で感情が流れる。妄想は真実でないのに真実と誤解させる。執着は心が捕らわれ利害に密着し正当な動きを奪う。この二つ程、精神を沈滞させ腐敗させ精神活動を浪費させるものはなく、心を病にさせる。健康にするには自分にしがみつく心を解く努力に正しい「知恵」が要請される。だが現代社会は科学や利益を推進する知恵は高く評価する。

 しかし、人間が人間に成る為に妄想や執着から解く原動力の「知恵」の持ち主は軽視される傾向が強い。人間の心中は、欲望と感情の自我と、それに呼びかける本質的な自己の二人がいる。自己を見失い自我が自分だと思い込み、それに固執つまり執着する自我中毒者が多い。中毒は病、真の心の自由を得られず病むはずのない「知恵」までもが病んでしまう。

 「社会人の友よ」上司や経営者に洗脳され、自己を心中深く埋没させられ、顔色を窺うことなかれ。人間が人間に成る。つまり自己に目覚めた本来の自分になる。正しい「知恵」を駆使して立ち上がる。「今から・ここから」考える葦・愛する心・狂わぬ磁針・自我から自己への知恵。「人間が人間に成る」それは「会社が会社」に成ることを意味する。唯一、自己の知恵の駆使だけが良い労使関係を築くのである。
(侍)
ライン