なのはなユニオンニュース

2022年7月5日 No.287



 4.おしらせ




「パワハラ」裁判の早期解決を株主に求める!



 6月29日幕張メッセにて、株式会社オリエンタルランドの第62期提示株主総会が行われました。

 3月29日に千葉地裁がオリエンタルランドに下した安全配慮義務違反での88万円の支払い命令を、被告は控訴したので、株主に一刻も早い裁判の終結を求めるアクションを行いました。コロナ禍により、株主総会の参加者は抽選で、当選者以外はZOOMでの参加だった為、会場に足を運んだ株主の人数は少なかったですが、それでも去年よりは現地参加者は少し多かった印象です。

写真2 海浜幕張駅集合の8時50分には汗が滴り落ちる高気温でした。東京ユニオン、シニアユニオン、なのはなの仲間達が参集し、200枚以上あったチラシをほぼ配り終えました。

 判決の翌日3月30日、従業員に宛てた貼り紙が2枚、掲示板に貼り出されました。1枚目は会社より「原告の主張するパワーハラスメントに該当する発言は認められませんでした。当方の主張が一部認められず誠に遺憾です」との内容。2枚目はOFSのメッセージ「原告の主張するパワーハラスメントに該当する発言は認められなかったと会社よりメンバーの皆さんにお知らせがございました」と言う内容。

 今回の判例は、ハラスメントが無かったのではなく、一つ一つのハラスメントの内容に対し認められなかっただけで、全体的にハラスメントが渦巻いている環境である事が安全配慮義務違反として認められたと言える判決だと受け取っています。都合よくハラスメントは無かったと切り取ったその2枚の貼り紙により、現在は「会社が公認した、いじめても差し支えないターゲット」として同僚に認識され、第2のいじめに移行しました。その貼り紙に、会社はパワハラやいじめを防止する気持ちが無いと感じています。そして、OFSに対しても、会社と共に新たないじめを助長する行動に憤りを感じます。

 今回のアクションも、社内関係者は隠れて監視していましたが、その中にいつもOLC交渉に出ている人事2名がボイスレコーダーを取りながら監視している姿を鴨委員長が発見し、颯爽と挨拶に行っていましたので、きっとあのレコーダーの中には委員長の爽やかな挨拶も録音されていると思われます。逆に、OFSの方々からは、遠慮無しに写真を撮られました。本来労働者に寄り添うはずの労働組合であるはずが、ハラスメントを防止するのではなく、会社の為に行動している姿を見て、誰の為の労働組合なのか疑問に感じます。

 原告からすると、監視や撮影されることはとても恐怖です。それでも、本人の口から発せられる言葉は、何よりも通行人に耳を傾けてもらえますが、そのような行動をされると、恐怖に怯え話せなくなり、アクション自体に参加できなくなってしまう人も多いと聞きます。しかし、そんな心配はご無用で、様々なステージに立ち、沢山のカメラを向けられていた職業故、観客が多ければ多いほど燃えてしまいますし、むしろ社内関係者に現場の声を直接聞いてもらえるいい機会なのです。

写真3 4年間非公開で行われていた裁判だったので、株主の皆様に直接裁判での様子を伝えました。「出演者なら人間関係くらい我慢するべきだ」「原告はおごってもらうためにスカート履いて女一人で飲みに行っている」「うつ病なのに外出して外食している」このような時代錯誤の考えが未だに蔓延する社内環境をどう思った事でしょう?原告が夢を壊したと言っていますが、夢を壊している真因は何でしょう?

 裁判が長引けば長引く程、原告の精神的負担は大きいです。
 そして、高裁に進むと、非公開と言う言葉では収まらない部分もあるかと思います。これ以上、被告にはディズニーブランドを汚さないで欲しい、夢の価値を落とさないで欲しいと願い、一刻も早い裁判の終結を求めるアクションでした。

 酷暑の中、ご参集いただいた仲間たち、ありがとうございました!



 参議院選挙真っただ中、投開票は7月10日です。

 コロナ禍が落ち着きを見せて、ようやく日常をとりもどし始めた矢先、ロシアのウクライナ侵攻が…。終息のめどが立たず、世界中が「戦争」という不安に覆われています。

 国内では様々な物不足による物価高騰、エネルギー不安など生活不安が募っています。私たちにとって、最低賃金の引上げ、最低賃金1500円以上の実現は切実な要求となっています。最低賃金をめぐる各政党の主張

 岸田内閣は「新しい資本主義」を掲げ、その実行計画で最低賃金の引き上げを柱の一つに位置付けていますが、5月の会議では「引き上げ額については、甲労使三者構成の最低」賃金審議会において、しっかりと議論いただきたい」と述べる等、審議会への配慮を強調しています。

 その一方で、ウクライナ情勢にかこつけて「軍備拡大」などの議論が沸騰。防衛費は現在より11%も多い6兆円規模に増額するとの提言をまとめました。

 憲法改正を声高に叫ぶ政党や人も現れ、日本は「戦争ができる」国へと傾いています。

 今回の参議院選挙は、これからの社会のあり方を決める大事な選挙です。大事な1票です。必ず投票に行きましょう。

期日前投票もあります!

 6月22日公示日の翌日から投票日の前日まで「期日前投票」も始まっています。8時30分から20時まで間、市町村の役所などで投票することができます。

 参議院選挙は各都道府県の区域を選挙区の単位とした「選挙区」と全国を単位とした「比例代表」があります。投票用紙2枚目に記入していただく全国比例区は政党名だけではなく「個人名」を書くことができます。

有楽町イトシア前での街宣。
鴨委員長が応援トーク
 なのはなユニオンは、全国ユニオンが推薦した全国比例で立候補した社民党福島みずほさんを応援しています。
 組合員の皆様のご支援をよろしくお願いします。

 福島さんは東海→関西→東北→九州→北海道・・・と全国を駆け回っています。土・日は首都圏です。福島さんの訴えに立ち止まり、涙ぐむ若い女性が増えています。初マイクでLGBTであるがゆえの生苦しさを訴えた大学4年生。一緒に写真撮って下さいという若い男性。若い女性・男性に共感が拡がっていると、街宣の場で実感しています。
(鴨)



帰れない!エレベーターに乗れない!意思を伝えあう大切さについて
2022/06/08 By Q

【目次】
今月号

次月号

きっかけ
晴天の霹靂
落胆
結果のまとめ
 ■
動く
体験後の声
 

働きかけを終えて
 

最後に



【きっかけ】
    イラスト1■数年前、大雪になった夜。
      頑張ったご褒美で、屋上駐車場に車を駐車してからビル2階の飲食店で一人食事をした。
      会計をして21時過ぎに店から出たら、エレベーターに乗れなかった。屋上駐車場に一人で行けなかった。
      (守衛)「どうしましょうか?」
      (私) 「どうしましょうかね?どうやって外に出してくださいますか?」
      (守衛)「私達が持ち上げて外へ運びます!」
      (私) 「車いすを触った事は?持ち上げた事は?持ち上げ方は?」
      (守衛)「・・・・・」
      (私)「夜で雪ですよ。床ぐちゃぐちゃで滑りやすいのに出来ますか?危ない事を言ってますよ。臨機応変のつもりかもしれませんけど、力づくで出来る事じゃないんです。
      交番の警察官を呼んでくださいませんか?」
      (守衛)「交番?」
      (私)「はい。警察官なら車いす素人でも安心出来ますから。」
      3人の警察官に助けてもらい、店員と守衛に改善を要望した。

    ■それから数年経った夜。
      雪だった。全く同じ目に遭った。改善を懇願した。
      後日、飲食店の本社に抗議した後「これ以上口を出したら迷惑な客と思われてしまうし、一所懸命やったし。」と働きかける事を終わりにした。
      <一人で出られなかった理由>
      . 私は車いすユーザー
      . 飲食店は2階。エレベーターは飲食店の向かいにある書店の中の一基だけ。
      . 書店は飲食店より早くシャッターを降ろして閉店する。
      . 書店閉店後の出入口は、エスカレーターが付いている階段だけで1階にしか行けない。
      また、エスカレーターは止まって動かない。
      . 私が退店したのは21時以降で書店は閉店していた。
      . 飲食店員も守衛も、書店のシャッターを開ける権限とエスカレーターを動かす権限もなくて、外に出る手段は階段しかなかった。

【落胆:えっ?! 変わってないじゃん. !? なんで!?】
      2021年12月21日ビルへ買い物に行った。
      「あれからどうなったのかなぁ?」と飲食店へ電話したら、何も変わっていなかった。
      「店舗と本社・テナントとテナント・テナントとビル運営会社、情報共有の意識が欠落してて機能していないんだな。車いすユーザーも夜に外食するよ。仲間外れにされたくないよ。身体不自由な人だって社会で生きているよ。高齢者だって、べビーカーを押している人だっている。誰もが足腰弱くなっていくのに。駅前でたくさんの人が利用しているのに。ポテンシャルが高いビルなのに。
       気付いてないなんて勿体ない。
       良い新年を迎えたいなぁ。嫌だなぁ、誰かが同じ経験するの。不便で危険で放って置けないなぁ。
       でもな、声掛けして働きかけるのは大変なんだよな〜。でもなぁ〜。」と考え込んでしまった。
【動く:やるっきゃない!】
    ■2021年12月23日 活動1日目
       ビル運営会社の連絡先が分からなかった。ビル運営会社の何処の誰に話をすればいいのかな?
       手当たり次第に調べてやっとビルのオーナー代行(以下「オ代」)にたどり着き電話を掛けた。
      (私)「ご多忙でもあるでしょうから無理は申しませんが、出来るなら関係者を集めてください。ここは駅前にあるビルです。関係者の皆さんに直接話をしなければいけない程の事だと思っています。実地体験もしてもらいたい位です。教訓にして欲しいので起きた事をあまり責めるつもりはありません。これから先の未来の話をしませんか?」
      (オ代)「わかりました。お約束は出来ませんが、出来るだけの調整をします。」
    ■2022年1月7日 会議室
       ビルに行って対面して話が出来る事になった。初めての事で緊張して気が張っていた。
      「何人集まってくれたんだろ?こんな機会は二度とないから話し合いになるようにとにかく一所懸命丁寧にやろう。」と自分を鼓舞した。
       会議室に入って驚いた。関係者が6人もいたから。既に決まっていた「エレベーター内に書店閉店後の経路案内の掲示をする事」についての説明を聞いた。あとの殆どの時間は、私が「どうしよう。意見が上がってこない。反応がわからない。どうしよう。」と焦って空回りしたまま話し続けた。
       休憩を挟んで、私が持ってきた松葉杖・歩行補助具を使って実地体験をした。体験は時間に都合がついた人だけでやる事になっていたから何人残るか不安だったけど、なんと全員が残ってくれていた。
      (私)「足腰が弱い人になりきって、介護補助者になりきって私について来てください。よろしくお願いいたします。」
      イラスト2 全てが終わって私が駐車場から出るまでの30分位の間、一人の方が最後まで見送ってくれた。「気負い過ぎて空回りして大失敗したな。馬鹿だなぁ」と落ち込み始めていたから、寒空の下で立っている姿に優しさを感じて泣きそうになってしまった。






☆☆おしらせ☆☆

2022年


 7月14日(木)16時
首都圏幹事会

 7月16日(土)13時
労働運動研究会

 7月22日(金)18時
全国委員会

 8月20日(土)18時
執行委員会

 9月10日(土)13時
労働運動研究会「前連合・神津会長」

10月 1日(土)11時
執行委員会


7月16日(土)13時 労働運動研究会 文京区民会館

シンポジウム



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なのはなトーク ウクライナ戦争をめぐる「報道」の変化

 2月24日にロシア軍がウクライナ領に侵攻して開始されたウクライナ侵略戦争。連日あれほど喧しく、かつ生々しく、メディアをあげて行われていた戦争報道が、このところ萎んでいるかのようだ。ロシア軍が攻撃の手を緩めた? 決してそんなことはない。ウクライナの東部、南部では激しい戦闘が続き、NATO同盟諸国の兵器・弾薬(さらには戦闘要員も)のウクライナへの搬入は綿々と続けられ、事実上はウクライナ全土が戦場と化している現実はちっとも変わってはいない。ウクライナの諸都市・諸地域では、両軍兵士たちの夥しい血が流れ、民衆が戦禍に喘ぎ続けているという現実はまったく変わらないにもかかわらず、戦争報道は不思議なほど下火になっているというのは、なぜなのか。それはいわゆる戦況が膠着状態に陥っているから、というような簡単なものではないようだ。

新しい世界的危機の深まりへの各国権力者の対応
 5月末にアメリカのバイデン大統領が、ロシア・プーチン体制に打撃を与えるために、意図的に戦争を長引かせるという気はない≠ニいう趣旨の演説を行い、それ以降には外交的解決について、さまざまな動きが報道されている。ウクライナの戦火そのものと、ロシア軍の侵略にたいする「西側」諸国の「制裁」をも一因として全世界的に、エネルギー・食糧問題を中心とする経済的な危機が深まりつつあることへの対応−−中間選挙を前にしたアメリカの金利引き上げに象徴されるようなそれ−−に「西側」諸国そのものが追われていることと、報道の沈静♂サは関係していると思われる。

 このような「西側」諸国の政治的対応の変化にみあって、日本での報道も変貌してきたと思われる。

戦争<ードの煽りたてと沈静化
 2月24日以前には、そしてまたロシア軍の侵攻開始直後にも、バイデンのアメリカをはじめとする、そして日本をも含む「西側」諸国では、「ロシアはウクライナ侵攻を決定した」・「数日でキエフ(キーウ)は陥落」というロシア軍の侵攻を心待ちにするかのような、戦争ムードを煽りたて、戦争準備を促す報道に満ち満ちていた。これまでのウクライナへの大量の武器の供与、その供与を受けたウクライナ軍の大健闘≠フ報道は、「西側」諸国の新鋭兵器の見本市ともみまがうほどであった。このような西側諸国の思惑に見合った報道がこれまで活発に行われてきたといえる。ロシア軍が、「西側」の武器供与にささえられたウクライナ軍の抵抗によって甚大な損害を被り、その進軍が停滞している、という報道がそれである。もちろん、キーウ近郊やマリウポリでロシア軍が「戦争犯罪」に該当する大規模な「非人道的行為」を繰り返している、という「西側」諸国のウクライナへの「武器供与」を正当化する報道や、ロシアの侵略をやめさせるためには、経済制裁をもっと厳しく≠ニいうような報道とともに。

 このような報道そのものの経緯から、ロシア国内での報道がプーチン政権の思惑を貫くためのものとなっているだけではなく、「西側」諸国でのウクライナ報道もまた、アメリカのバイデン政権を中心とする「西側」同盟諸国の、そのときどきの政治的策略にそって行われてきたことが浮かびあがる。私たちは、戦争報道そのものに貫かれた権力者たちの思惑をも見ぬいておかないと、報道に踊らされてしまうことになるのではないか。
(橘) 

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