なのはなユニオンニュース

2023年7月23日 No.298







OLC裁判



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 6月28日15時30分、東京高裁にて、株式会社オリエンタルランドを「安全配慮義務違反」で2018年7月19日に千葉地裁に提訴した裁判の判決が下された。

 裁判開始1時間程前より101号室前に傍聴者が集まり始め、ほぼ満席の法廷で、15時30分、聞こえたのは裁判官の「棄却」という一言。勝訴か敗訴か、瞬時に判断がつかない状態で、原告Bの弁護団の方を見る。「負けたと思う。」の一言があり、敗訴だと分かったが、何が起きているのか茫然自失。高裁前にて弁護団から「敗訴」と言われるまで実感はわかなかった。

 17時15分から厚生労働省記者クラブで行われた記者会見で、判決はパワハラの違法認定を全否定し、2022年3月29日の千葉地裁判決で認められた仕事内容調整義務、職場環境調整義務を否定し、敗訴したとの説明が弁護団からあった。原告B は「本裁判をおこしたことであからさまなパワハラは無くなり裁判を起こした意義はあったと思う。しかし、判決文に何回も出てくる。『社会通念上認められない』という意味は何か。教えていただきたい。」と気丈に言い切った。この時点では最高裁への上告は未定であったが、7月11日最高裁に上告した。更なる挑戦が始まった。引き続きご支援をお願いします。




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 理由が一切わからない逆転敗訴
これからも闘います。

 多くの皆様にご支援いただきました裁判、残念ながら応援に添えない結果となってしまいました。高裁での口頭弁論では、審議も無く、新たな証拠の提出もありませんでした。理由が一切分からない逆転敗訴に、一切納得することが出来ず、言葉に表せない悔しさです。

「どんなに正義を唱えても、司法は平等ではない」と、身をもって感じました。

 地裁判決での、最低限の被害者救済の手を差し伸べてもらえた手が跳ねのけられて本当に悲しいです。今回の判決は、パワハラ被害者がどんなに司法に助けを求めても報われる事は無いと突き付けられたようで、がっかりしました。

 判決文の一例の「金もらってるんだから我慢しろよ、我慢できねーなら辞めちまえ」

 これらの発言も、ゆっくりと自虐を含めた言い方なので社会通念上認められない。

 口調の問題ではなく、その発言自体が問題ではないですか?

 判決文のいたるところに書かれている、「社会通念上認められない」の言葉。

 社会通念上とは?と何よりも疑問に感じています。どの程度の酷い行為なら社会通念上認められるのでしょうか?むしろこの文言は、パワハラを無罪放免にする免罪符になっていると感じます。

 心を壊す人の増加・心療内科の予約の取りづらさ。この現状は、日本のパワハラ認識の遅れや企業寄りの思考である司法も原因だと思います。

 裁判当初は「中に人なんていない」「出演者が公に出て夢を壊された」「我慢できないならやめればよかった」と、多くの同僚やディズニーファンから批判を受けました。しかし、世間に伝えたい出演者の現状や自分の想いを、中途半端な告発ではなく、裁判という正々堂々と表立って発言できる場で闘い続けました。その結果、私の行動に対し多くの方の理解を得ることが出来て、判決後の世間のコメントのほとんどが、判決に疑問を持ち、私自身が伝えたかった裁判の意味に理解を示して下さり、批判は一切目に入りませんでした。同僚からも沢山の労いの言葉と共に感謝の言葉が送られてきました。

 沢山の温かい言葉を受け、「社内の膿を出すことによって、会社に強制的に変化を促したことに意味がある裁判だった」私自身は、試合に負けて勝負に勝ったと思っています。

 そして、暗闇の閉鎖空間で過ごしてきた自分にとって、どこかで「自分には関係ない」「誰かが変えてくれる」と他人任せで他力本願だった人権や差別など、この5年間の経験で自身に照らし合わせることで様々な問題に目を向けるきっかけになり、大きく成長出来ました。

 最初の頃はピーピー泣いて何を話すにも怯えていた私は、今では組合アクションでもマイクを持ち、臆せず堂々と話せるまでになりました。

 この先もまだまだ闘いは続きますが、一人孤独だった過去の自分と違い、背景には多くの仲間がいると自信をもって復職に臨みます。

 この先も成長を見守って頂き、引き続きご支援頂けましたら幸いです。

原告B



OLC高裁判決に寄せられたメッセージ
出演者・キャストから


Bが拳を上げ、頑張って闘ったことは、それ自体にとても意味があり、今に繋がっていると思います。負けた、という事実は決して決して納得いくことではないけれど、様々な事柄を明るみに出してくれたこと、会社に対して半ば強制的に変化を促したこと。私にとってはとても意義があり、Bに誇って欲しいと思います。
もしかしたらBにとって勝たなければ意味が無いのかもしれません。でも、私にとっては、裁判自体に意味があり、意義があったと思っています。
しんどいことが本当に沢山あったと思います。頑張ってくれてありがとう。


結果については、ほんと何で?って思う。でもBの勇気は本当に尊敬だし、声を上げてくれたことによって会社も話を聞いてくれたりするようになったと思う。


本当に信じられないし、怒りが込み上げてくる。Bが心を擦り減らして何年も頑張っているのに司法は真実より大きい企業の味方ばかりで、本当日本終わっていると思う。平等平等とか言って、大きいものに巻かれている裁判官も終わってると思うよ。


正直地裁判決より悪くなることはないと思っていたけど、理解してくれる人、Bさんの味方は沢山いる。本当にBさんは尊敬できる。


キラキラ宣伝している場所が実は伏魔殿と世間に知れたのは功績です。社会通念上って何なの?と外野からしても不服申し立てたかったです。


キャラクターキャプテン時代、あまりに意地悪な方が多いのが衝撃的で、先輩やキャラクターさんにも酷い言われ方をして辞めました。あそこは今でも意地悪な方が残っており、優しい方は辞めてしまっていると思います。遊びに行くと当時意地悪してきた先輩がまだ楽しそうに働いていて、凄く不快で悲しいです。優しいキャラクターさんもいたので、あなたはその中の一人だと思いました。このように優しい方だけが働ける環境のオリエンタルランドになってほしいと強く願っています。何年も職場環境を変えるために頑張って頑張ってとてもお辛いと思います。無力な私ですが、何か出来る事があれば力になりたいです。


Bさんの勇気や行動力本当に心が動かされました。これからもBさんを応援する気持ちは変わりません。


お疲れ様でした。よく頑張ったと思います。だからこそ、簡単に慰められたくない気持ちはとてもよく分かる気がします。私も正義は認められると思っていましたし、また、そうあるべきではならないと。それが、あたかも企業や世論を慮ったような判決だったのですから悔しくないはずがないです。でも、何が正義だったのか?今回の判決が何を意味しているのかは、冷静な人はよく分かると思いますし、そういった印象を持つ人は多いと思います。


以前ショーに関わる仕事をしていました。高度なうつ病診断され、ドクターストップにより退職しました。実際見たのはパワハラを超えたイジメの世界。私は退職した時に思いました。「やりたい仕事に就けたのに、いじめをしてくる人のせいでなんで私がやめなきゃいけないの?主犯はそのまま?」でも、私はあなたのように行動を起こしたりする気力も無く泣き寝入りをしてしまいました。結果はどうであっても、今回あなたが行った行動はこの先誰かの将来を救ってくれると思います。未来や勇気や気力、時間やお金がかかる大きなこと。それが出来たあなたはとても強く勇敢で素晴らしい人だと私は誇りに思います。私もあなたと一緒に歩めていたら・・と思います。あなたを応援する人は沢山います。いつか心の底からハピネスを感じられる日が来ることをお祈りします。


以前キャストをしていました。出演者と2人きりになる時間もあり、一般キャストよりはエンターの方と近い位置だったと思います。エンターの方もキャストも、プロ意識が高いのは本当に素晴らしいのですが、それが曲がった方向に行ってしまっている方も多かったと思います。出演者の方で、楽屋の空気は酷い、辛いから辞める等話してくれた方もいらっしゃいました。私自身も上司から嫌われ、解雇する為のミス待ちのような粗探しに耐えかね、大好きな場所を嫌いになる前に退職しました。一般企業でもパワハラ等の告発は難しいのに、あのオリエンタルランドを相手に声を上げた事、そして今後も続けていかれるとの事、本当に尊敬です。好きだからこそ声を上げたんですよね。味方は沢山います


守秘義務があるため具体的には書けませんが、原告Bも内部情報も知っているものです。それ以降現場は変わりましたよ。よく言えば平和、悪く言えば放置。とりあえず原告Bには「お疲れ様。ありがとう」と言いたい。


ゲストから

Bさんがこのように勇気を出して声を上げてくださったことは何事にも変え難いくらい素晴らしく、大きなことだと思っています。個人的な意見ですが声を上げるということは恐ろしい気持ちで満たされてしまいますが、同時にそれは誰かにとって勇気づけるものになると捉えております。東京ディズニーリゾートで将来働こうと思っている私にとって、このように出演者の方が訴えを起こして下さったのはすごく大きなことで、自分がもし同じ逆境に立たされたとしても、このように立ち上がっている勇敢な先駆者がいるのだなと自信を持てる出来事でした。今回このように声を上げて下さったBさんはとても勇敢で素晴らしい方だなと私はいつも思っています。Bさんがステージに立たれていた時、知らないだけで私はあなたの姿を見ていたのかなとよく考えます。本当の夢と魔法の国にする為に戦って下さっているあなたの存在も、そしてきっとあなたのパフォーマンスにも私は勇気をもらっています。


Twitter やニュースのコメントはBさんの味方のコメントばかりです。日本の法律は正義が勝つとは限らないのが悔しい。ゲストの為に出演者としてきちんとお仕事をしてくれた。犯人を捕まえるべきだったのは社員、倒れそうな労働環境を改善するべきは会社。Bさんは何も悪くない。


今日の判決により、それってありなの?と思う人がより一層増えたり、世間の人が労働環境についての意識が高くなるきっかけになった。オリエンタルランドは勝ったつもりでも、世間の評判がさらに悪くなったというところが今回は大きいと思ったので、Bさんは負けてなんかいないと思います。


裁判はとても意義があったと思います。Yahoo! コメントにもTwitter にも、沢山の常識ある言葉が溢れました。Bさんが実行されたことは誇りです。


判決に納得がいかずモヤモヤしています。私の職場なら一発アウトなのにと今でも納得がいきません。悔しいですが、仰っていた通り、試合に負けて勝負に勝ったはずです。Bさんの行動によって社内の労働環境がよくなっているはずです。本当にお疲れ様でした


改めて本当にお疲れ様でした。沢山の勇気をもらい、励まされました。本当にありがとうございます。裁判の結果は期待していたものとは違うかもしれませんが、裁判をやる前→裁判を始めてから→裁判が終わった後で、世論がどんどん変わっていったなと感じています。この事実こそ本当に意味があるんだと思い、裁判をやらなければ永遠に何も変わらず過ごす事になっていたと思います。


涙が止まらないくらい悔しいし悲しいです。でも、この裁判のニュースのコメントを見てほとんどの方がBさんの味方でした。これこそが世論の意見なんだ、世論的にはBさんの勝利だと思いました。変な上司や意地悪な先輩たち、よく分からない他人などに邪魔されたり意見をされたりする必要はありません。堂々と復帰してお仕事楽しんでください。Bさんの味方は沢山います。本当にお疲れ様でした。こんな大きな企業と闘ったBさん、滅茶苦茶カッコ良かったです


長い裁判での闘い、お疲れ様でした。残念な結果になってしまったけれど、実質勝ったと思っています。世間のコメントを見てもBさんの味方は沢山いて、この結果がおかしいと感じる方ばかりなんだなと不謹慎ながら安心しました。これも全部Bさんが勇気を出して声を上げてくれたおかげです。とてもかっこいいです。復職して大変な事もあると思いますが、味方は沢山いる事を忘れないで下さい。


Bさんの事を良く思い応援する人が沢山いる事も忘れないでください。自分もその一人です。人に夢を与える、笑顔にするなんて簡単な事ではありません。そのようなことを環境が酷い中でも頑張ろうと思うBさんが素敵で格好良くていつも心を打たれます。今回このような結果になって残念ですが、全て無駄ではないと思います。自分はこれからもパークに行くし、キャラクターにも沢山会います。しかし「中に人はいない」のではなく「いる」お陰で自分は今幸せです。夢がある・ないの問題ではないと思います。


巨大企業且つ観光地の雄(世間のイメージ)を相手に声を上げることは色んなプレッシャーがあると思いますけど、ディズニーで働く方々、様々な会社で働く人たちにその姿勢が今後も影響を与え続けますよ。ここまで頑張った方なら何でもできます。間違いない!


Bさんが職場復帰してくれるのを楽しみにしています。本当に本当にお疲れ様でした。Bさんの望んでいるような本当の意味の夢と魔法の王国になればいいな、と心から思います。


今はまだ過渡期な側面もあると思いますが、10年前.20年前と比べたらはるかにハラスメント的な事象への世間の目の厳しさ、声の上げやすさなどが変わってきていると信じています。今回Bさんが動かれた事により、間違いなく取り巻く環境に大きな変化が生まれているはずです。いつか後進の方を含め、皆様が働き易いパークになるといいなと一ファンとして応援しております。私は今回の件で、中の人の存在が顕になったことがゲストの夢を壊したとは全く思っていません。いい大人がファンタジーを盾に思考停止するのは違うと思います。そういった心無い言葉を聞き、不快なこともあるとは思いますが気になさらずBさんが元気にパークに復帰されることを楽しみにしております。


少しずつでも労働環境が良くなっていくことを願う世間の目や空気感がOLCにプレッシャーを与えている事は間違いないです。




柏市議会議員選挙 鈴木清丞さん立候補予定


 組合員鈴木清丞さんが、柏市議会選挙に社民党から立候補を予定している。鈴木さんの選挙事務所開きが7月2日に行われた。柏市の現市長である太田和美市長も駆けつけて、「鈴木氏は現市議会議員の中では具体的数字で政策について鋭く問うてくるので大変勉強になる。反対されたときは怖いが市政をよくするために必要な人である。」と激励のご挨拶があった。鈴木さんからは2期目の市議会選挙を何としても勝ち抜きたいという強い立候補への意思表示がされた。選挙は7月30日告示で、8月6日が投票日。柏市在住の組合員及び柏市在住の知人・友人がいる方は、鈴木清丞さんへの投票依頼をお願いしたい。




イラスト(うちわ)
暑中お見舞い申し上げます。
厳しい暑さに負けず、頑張る仲間にご支援を

Sさん(正社員男性) 共働きで3歳児を育児中。子どもの保育所の迎えを担当しているので、育児・介護休業法に則って子どもが3歳になるまで時差出勤(出・退勤を30分早く繰り上げて8時30分〜17時)をしていた。子どもが3歳になったとき、このまま就学前までの継続を求めたが、法的には3歳〜就学前は努力義務であるということで、会社は時差出勤を認めないとなった。S氏が何回か会社と話しても、「家庭のことを会社に持ち込むな」と言われたりで埒があかず、ユニオンに加入し交渉を開始。

 第1回の交渉で、会社からの回答は@時差出勤は認めないが、短時間勤務(30分)ならば認める。Aただし30分は賃金カットということであった。この回答をのむかどうか迷ったが、小学校前の子を養育する労働者に関する事業主の努力義務には、短時間勤務だけではなく時差出勤も選択肢に入っている。会社が3歳までは時差出勤を認めて3歳以降は認めないという根拠が具体性を欠くので、交渉を継続することとなる。


Iさん 児童発達支援&放課後等のディサービスのO社にハローワークの求人票をみて正社員に応募したが、当面はパートでということで、パートで就労。1年以上経ったので、何回か上司に正社員化のお願いをして来て、今年の1月に2月から正社員にしようと思うと言われた。その際、「ありがとうございます。正社員の条件について教えて下さい。」と言うと、後で連絡するとのことであったが、何もなく、1月末にどうなっていますかと聞くと、社長のOKは出ているが書類を交わしていないからということで5月から正社員にとなった。5月はパートのままでシフト減があり、賃金5万円の減額で生活できないと思い、本部に正社員にしてくださいと連絡した。しかし、対応した方から「Iは正社員の話を断ったと聞いている。断った者に正社員の話はない。」と言われる。

 団体交渉を申し込むと、会社は電話で「回答は正社員化拒否なので、交渉はやらない」と通告。組合から再度、団体交渉の申入れを行い、交渉を設定中。




イラスト
セキサン 2023“一人春闘”

 正社員Kさんが毎年、取り組んでいる恒例の一人春闘”が7月3日に行われた。今年の要求の柱は、@昨年「2.5ヵ月」(年5ヵ月)であった賞与を「3ヵ月」(年6ヵ月)とする、A昇給を基本給の「2%」とする、B熱中症対策であった。

【賞与】会社内組合が年間0.4ヵ月プラスで妥結したということで、Kさんも「2.7ヵ月(年間5.4ヵ月)」とするとの回答を受けて了承した。

【昇給】「2%」4800アップという回答だったので了承した。

【熱中症対策】Kさんはほぼ毎年、熱中症になり、足がしびれる、つる、痛みが強く、吐き気をもよおす、等でとても辛い。入院したこともあり、休まなければならなく、賃金評価に響くので、今年は罹りたくないとの強い思いで、今年一番力を入れた要求であった。

 Kさんが従事する業務は熱いコンクリートの型を製造する所である。以前は、Kさんだけが熱中症になると見られていたが、春闘交渉を重ねる中で、熱中症に対する会社の認識も変化があり、抜本的対策(工場全体を夏でも一定の温度で管理する)はお金がかかりできないということは変わらないが、年毎に実施する対策は増えて来た。従事する部署に冷蔵庫を設置、飲み物や塩飴を用意する。昨年はKさんが買った扇風機付の作業着がよいということで、同じ物を全従業員に配布する。Kさんの近くに小型扇風機が置かれ、業務中に風が当たるようにする、等々の対策をして来た。

 昨夏はKさん以外の方も熱中症に罹った。Kさんが昨年の7月から毎日の温度を測って記録したところ、30度越えは2022年7月・9日間(平均32.31度)、8月・16日(平均33.55度)、9月・12日(平均30.29度)、2023年6月・8日(平均28 ・9度)であったので今夏の暑さに向けて不安は大きく、熱中症対策について話し合う。

 現在、会社が実施している対策は、●大型送風機を全部署ではないが導入、●塩飴、チューペット、スポーツドリンクの用意、●週一で午後の休憩時に高額アイスを用意、●食堂は終日、冷房を入れ休める状態にしておく、●温度・湿度を記録する、などなどであった。

 組合は抜本的対策の実施は無理としても、会社には安全配慮義務が課せられ、熱中症対策は厚労省からも求められていることなので、個人の体質の問題にしないという観点で、以下のことを提案した。

@夏場は休憩を昼60分だけではなく、午前・午後に短時間休憩を入れる、A熱中症に罹った者が出た場合、掲示板、朝礼などで、全従業員に注意喚起を促す、B熱中症で休んだ場合、有給休暇で処理となっているが、特別休暇扱いとする、C本人が望めば夏休みを長く取れるようにする、などを提案。

 会社は@については実施を検討中。休憩よりも早く帰りたいという人もいるので、各人によって早出も検討中。A注意喚起はやっていく。B現状は却下。診断書提出などしてもらえば、傷病手当、労働災害の休業扱いなどはできる。C夏休みは10日間ほど取得可能、と回答。
なお、Kさんが具合が悪くなったとき、Kさんが就いている業務は止められないので、具合悪いと言えば替わってもらえるように、代替者は用意してあるとのことであった。

 交渉は終了。Kさんは、今年も会社と話せて、少しずつであるが良くなっている実感が持ててよかったと、感想を述べた。



「勤続12年目。配属8年目の今春に場長に見せたメモ」
ByQ

 松葉づえを多用することにしました。そうすれば、会社ルール(規範)の基準により添えることができますから。

●工場内で行けるところが限定されている車イスから、ほとんど動けないので受付机なので、構内放送を使う事もせずいちいち探し回っていた?苦労が激変しますね。●(動けなくなるので、また、かがむことも大変難しくなるので)今まで自主的にしていた周囲及び周りの美化作業もやれなくなります。キレイか汚いかの判断は上司達なので、私からもう「汚いから何とかしてください」と文句言われたり、個人攻撃発言されたり、提言(ずっと「やらなくていい」だの言われていました。「勝手」「余計」も言う回数も激変します)●何度もなじらなきゃいけないのを我慢する心労が減ると思います。●私も、今の課長に「〜じゃん!」「だって」「だからさぁ〜」「〜だよね!」等々、聞かなきゃいけない苦情が減ると思っています。ゴミ拾いしただけでなじられる・日報に書いてある作業をしているのになじられる・メモに書いて口に出して離籍して作業しているのになじられる・自分が知らない事をやっていたとなじられる等、今までの数々の理不尽な注意叱咤が激変すると思っています。受付以外の作業で美化を維持し続けていると言ってもなじられる。

 会社ルール(規範)の基準と受付業務により添える事になります。部下管理(私の作業を管理する)キャパが減って、楽になって、人事評価もしやすくなりますね。ご希望に答えられる最大限です。

 入社初日、車いすトイレは倉庫状態で鍵が付いていなかった。誰も気付いていなかった。その無関心さ・合理的配慮の無さにとても怖くなり深い溜息がでた。感動ポルノを好むマスコミ業界の影響だろうか?「この人は何ができるの?大丈夫なの?障がい者なのだから何もできないんでしょ?どうすればいいわけ?まぁ、とりあえずいい人全面に出して手伝ってあげればいいんでしょ?」と思われていた筈。私はまるで会社にやってきた宇宙人。当時正社員になりたかった私は、対等で渡り合いたかった。障がい者に対する関心と理解を広げていかなければならない。「何もできない可哀そうな人像」に苦しくなっても甘んじるつもりはなかった(打ち破りながら食らいついていかないと人間としての尊厳を持って前に歩めないと思っているから)。職場環境を0から作る必要があった。障がい者像やなめられる立場(役割)を強要されているかのような無意識からの無言の圧力等々、見えない強固な牙城をずっと切り崩す取り組みをしていかなければいけない。思っていた障がい者像通りの人ではないことが周囲にとっては面白くなかったのも要因の一つでしょう。4年間在籍した最初の部署では嫌がらせの数々。言葉の暴力以外に身の危険を感じることも何度もあってやりきれなかった。2年間労基に通い現状を訴えた。私に対する行為は「虐待」だった。「個別労働紛争解決制度」を使い1人で会社と対峙した。その後異動になって8年目。役職者から歩み寄る意思が全く感じ取れない。圏外の干された人扱い。「差別」ではないかもしれないが「区別」でもない。意図的な仲間外れ行為。パワハラの常用。投げたボール(問いかけ)は(返ってきたとしても)まともに返ってこない。牙城はやってもやっても切り崩せない。年中いつも春闘。指導監督する立場の面々なのに「掃除が全ての基本」がわからない。気づいてもらいたくて、過小評価されたくなくて、至るところの掃除に精励した。要求以上にキレイにして維持してきた。その場しのぎの適当な返答をする又は口先だけの面々にここまで畜生扱いされる筋合いは全くない。そして、昨年4月、こともあろうか6年間ストレスの元凶(上司)が場長になったのである。9月、内部通報する。今年3月、やっとのことで取締役に会って調査した結果を聞く。そしたら…。場長は上に従う宇宙人。現上司は場長に従う宇宙人。蛙の子は蛙。4月、場長同席での三者面談した翌日、場長にメモ(写真)を見せた(すぐに回収した)。やれることもやれそうなこともやり尽くした。今までやってないことは「黙っていること・動かないこと・心ここにあらずと無関心を決め込むこと」。それが会社が望み教育してきた従業員の心得。指示待ちロボット製造企業。朱に交わることも出来ない圏外扱いではあるけれど、今も染まっていない自らが凄いと思っている。悲しくてやりきれないから自己満足で自分自身を保とうとしている。起き上がれる機会はまた来る。合理的配慮は企業努力から義務になるしな。




【《昭和〜平成》:レトロとヴィンテージ、その狭間の中で】第2話

 《例の「全仏オープン」を観て》 テニスのルール云々は申しませんが、テニスというスポーツは「紳士・淑女のスポーツ」ではなく、始まりは「白人富裕層の娯楽」だったと思うのです。そこに本質がある、と申しましょうか。

 あの場面を観ますと、海外にいた時の自分を想い出しました。それは何か、と申しますと『外人』――大袈裟に聞こえるかも分かりませんが、日本人とその他の少数派ではなく、多数派の人達――は、粗あんな感じです。

「あんな感じ」と言いますのは、大きくは:@相手選手2名からの抗議 A15分以上も泣き続けたボールガール B審判を含めた大会側の判定。以上の3点でして。

 つまり、多くの文化圏では「言ったもの勝ち」「大きな感情表現」「絶対正義主義」の世界に生きている住人なのだ、と私は思っているからです。

 私が海外で生活していた時に、同じような(と言って良いのでしょうか?)、兎に角『悔しい思い』を何度も経験しました。 理不尽で不条理、文化と価値観の相違。

 言葉も「ままならない」時期には、言い返せない時が多々ありましたね。

 流石に今回は、相手側のあの2名の選手に非難の声が上がっているようですが、私はスポーツマン精神に反するとか、そういった次元以前に、彼らの主張の「そもそも論」的な世界観に、改めて日本人的精神じゃ、矢張りマイノリティーなのだな、と感じています。

 決して日本人が優れているのではなく、諸外国の人々の「アクの強さ」が勝っている、という。日本を「極東」というのと同じ目線(立ち位置)と思うのです。昭和の「東西冷戦時代」に於いても尚「極東」という、なんとも皮肉な言い方でしたが、要するに、西側が偉く・東側が劣る、的な感覚ですか。欧米列強精神は未だに存在し、其々が正義を主張しています。

 世知辛い世の中になった、と言う人もあるかと思いますが、そもそも世界(世間も?)が本質的に世知辛く、何も今に始まった事ではないのです。

 ウクライナでの戦争も同じなのではないか、と私は一人、疑問視しています。果たして、ウクライナ=善、ロシア=悪、なのでしょうか?(私はロシア側でもありませんが)

 旧ソ連時代の武器を世界中に売りまくったウクライナでもあると思うのです。間接的ではありますが、結果的には中国に「空母ワリヤーグ」を売却しましたし。大統領のゼレンスキー氏、支援を得る為に世界中で演説し、あっちでは「真珠湾、カミカゼ……」こっちでは「広島・長崎……」と、言葉巧みに相手の感情に訴えておりましたけど。

 故に、どっちも・どっち、的な自分もいます。あの2人の選手と同じ感情の選手同士が戦っている、と想像したら解りやすいでしょうか? どちらも始まりは「良かれ」という名の正義だった、とは思います。 今回の全仏オープンでの出来事も、泣いたボールガールを出汁に使って、自分たちが有利に事を運べればラッキー、的な発想だったと思うのです。 そんなディベートやネゴシエイトに長けた世界と、日本も上手く立ち回れれば良いのですが。

イラスト(すいか) 守るのも必死に、取り返すのも必死に。それが世界。その事を再認識させられた気がします。

それでは皆様「今月も、御安全に!」

HK





☆☆おしらせ☆☆

2023年


 7月28日(金)
全国委員会

 7月29日(土)
全国ユニオン大会&懇親会
文京区民センター
13時大会開会・15時30分交流会

 8月26日(土)18:00
なのはな執行委員会

 9月 9日(土)
プレカリアートユニオン大会

 9月12日(火)15:00
首都圏幹事会

 9月30日(土)11:00

13:00 
なのはなユニオン執行委員会

なのはなユニオン第36回大会
※組合員全員参加対象です。
 予定に入れて下さい!






なのはなトーク
 すべては疑いうる!

 今世の中は、「石が流れて木の葉が沈む」現象があちこちで起きている。日本の賃金が高かったのは遥か昔のことで、今や世界の先進国の中でも下から数えた方が早いくらいで、最低賃金など韓国やタイにも及ばない。賃金が低いばかりではない。日本勤労国民の税金その他の負担、いわゆる国民負担率は48パーセントとなっている。食うや食わずと言われた江戸時代の農民の税負担は当初4公6民、その後5公5民である。江戸時代とほとんど変わらない税負担を強いられているのである。なぜこのような現実となっているのか?日本は私たちが知らないうちにとんでもなく酷い国になってしまったのである。私たちは毎日ボウ〜としていてはいけない。チコちゃんに叱られる。まずはものの見方をきちんとしなくてはいけない。

 私は森永卓郎の「ザイム真理教」という本を読むことをお勧めする。日本がこのような国になったのは自然現象ではない。ザイム真理教を勧める「大蔵省」財務省官僚の恣意的な国家運営により、今の状況になったのである。ザイム真理教は強力で民主党の菅直人、野田佳彦もその熱烈な信徒である。自公政権が倒れても、それに代わる民主党政権が政策的にはまったく変わらないのであれば、勤労国民の生活が良くなる訳がないではないか!ちなみに岸田首相もザイム真理教の信者である。

図1 要は政治の中枢の人達があまりに経済に疎い、経済学を知らないということに尽きるのである。

 みなさんの中に、「借金をこども達に残さない政治が良い政治」と思っていたり、「公共施設の統廃合は行うべき」、「赤字国債は良くない」、「プライマリーバランスは必要」と思っていたりするとすれば、既に相当ザイム真理教に侵されていると言っても過言ではない。

 次のグラフを見ていただきたい。日本の債務超過金額と総資産の比率は95%ですが世界一の経済大国であるアメリカは610%です。日本の6倍以上の借金がありますがビクともしません。経済学的には赤字はまったく悪ではありません。経済が好循環をしていれば何の問題もありません。
(哲)