ヴァン幸せルート小説 22
「んっ…うっ……ンンッ」
いきなり深く貪られ、ガイはベンチからずり落ちそうになった。
それをヴァンの片腕が腰を強く引き寄せ、別の腕を背中に回され囲われてしまうと、ガイの身体はヴァンの厚い胸板にぎゅうぎゅうと押しつけられる。
顔だけは仰向かされ、ヴァンの舌を受け入れさせられて。
「ンっ…くっ」
いきなり過ぎて息を整えられないまま、息はどんどんあがっていく。
身体を胸板に押しつけられ上手く呼吸ができなくて苦しい。
どんどんと籠もった熱で体温が上がっていくようで、上せて目眩もしそうなのに。
ヴァンは痛いくらいに舌を吸って、吐息をからめてくる。
ガイは為す術無く、力の入らない手で何とかヴァンの背中を叩いた。
一度それで呼吸をすることが許されて、
ホっとする間もなく、
「…ぅあッ」
今度は耳を噛まれた。 少し痛みを伴うくらいに、柔らかく弱いガイの耳を、唇で揉むように噛まれる。
そこから首筋にかけて舌も這わせるように動かされると、ガイはびくびくと身体を震わせて、高い喘ぎ声を短くだが出してしまった。
(って! ここ庭なのにっ!)
ガイは何とか声を堪えようするけれど、そんなガイの努力などヴァンは見向きもせずに。
白いシャツに上着を羽織った軽装のガイの、その白いシャツのボタンを手早く外して、何の迷いもなく手を忍びこませる。
ガイの滑らかな胸元から腰骨にかけてを、早急に触れていく。
どこが感じてしまうのか、ヴァンには分かり尽くされている。
じわじわと胸元全体に触れたかと思うと、
「!!ヒ!ッ………く」
いきなり胸の飾りを摘まれ、後はもうそこを好きなようにいじられた。
「やっ…ヤッ……やめっ」
ヴァンとの身体の間に何とか両腕を入れて、ヴァンを引きはがそうとガイは頑張ったが
「………」
ヴァンは言葉もなく、その腕をそのまま抱きつぶす形で背中に回した腕に力を込めると、またガイの唇を再び塞ぎにかかる。
そうして抵抗する言葉も奪ったまま、ヴァンはガイの胸の先端を、一番感じるように、酷く丁寧にけれど強引に弄んだ。
その度にヴァンの口の中に、ガイ悲鳴が漏れ、抱いている細い腰がひくりと反応して。
そのうちにガイの腕は抵抗する力も失って。
それを感じてヴァンがようやく少しガイを解放すると、力なく息をつくガイは身体に力が入らないようで、
「ぁ……」
ベンチからまたずり落ちそうになり。
ヴァンはその腕を引くと、立ち上がってそのフラツく肩を抱き支えた。
「部屋に戻りましょうかガイラルディア様」
「ぁ…」
「今日は貴公を独占させていただけるお約束でしたな」
ふらつくガイが焦って背を強ばらせる前に、ほとんど脇に抱えるようなかっこうで、共に並んで部屋へと向かった。
公爵家の構造は知り尽くしている。
見張りの兵の死角になるように、熟れたガイラルディアを隠しながら、ヴァンは有無を言わせない勢いで部屋へと向かった。
「!?…ァ」
ヴァンの部屋へと連れ込まれたガイは、部屋の中央のベッドに、ほとんど投げ出されるような勢いで転がされた。
ベッドの上で何とか体勢を整えようと、半身を起きあがらせる途中で目にしたのは、謡将の面倒そうな外装を乱雑に脱ぎ捨てるヴァンの姿だった。
そのままの勢いでベッドにのし掛かられると、
「!ア…」
起き上がりかけていた半身を、片手だけでベッドに沈められた。
「ヴァっ…んっ」
焦るガイにヴァンは反応せずに、空いている片手で残っている自身の衣服を淡々と脱ぎ捨てていく。
そしてあらかた脱ぎ終えると、押さえ込んでいたガイのシャツのボタンを全て、丁寧かつ迅速にはずしてゆく。
てきぱきとした指の動きは無駄がなく。シャツのボタンを全て外すと、ボトムとブーツは腰が浮くほどの勢いで、手加減なくはぎ取られた。
「痛っ…ヴァ…」
露わになった素肌の、首筋から胸元にかけて、ほとんど噛みつくように肌をはまれた。
今までも強引に事を進められることはあったけれど、今日のヴァンは今までとは違う勢いがあるように感じて、ガイは本気で怖いと感じていた。
一方のヴァンも、着々とガイの身体を絡めとりながら、頭の片隅で
(これは不味い……)
と考えていた。
手加減をするとか、そういった方向に頭が回らない。
ただ目の前の旨そうな芳香を放つ身体を貪りたい…と、そんな衝動ばかりが身体を巡る。
二日寝ていないとか、ここがファブレの屋敷であるとか、愛しい主の口から漏れる名への嫉妬やら、庭園での逢瀬で長年溜め込んだ欲求やら、あるいはこれまでの、経験のないガイラルディアを案じての我慢の連続や……。
そうして何より
「やっ……ヴァっ…んっっ! まっ待っ……待って…」
上気した身体で逃げを打とうとする主の、上擦った声に、涙の滲んだ空色の瞳…それを飾る金の睫が震えるのは。
「それは聞けません…ガイラルディア様…」
ヴァンは重々しく、どこか切な気に、ガイラルディアに告げる。
「ァ………」
本気しか感じさせないヴァンの声音に、ガイは拒みようのない圧倒的な熱ばかりを感じて。
怯む身体に容赦なく、ヴァンは身体中に舌を這わせ、感じる部分に噛みついていく。
「あっ…ヴァっ!」
大きく足を開かされ、腰を引き寄せられると、
「うあっ!…ァっア!」
自身を口に含まれると同時に激しく愛撫され、ガイは泣きながら、腰を跳ねさせた。
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