実写版涼中
COME BACK! チョコレート
涼介にとって夜の赤城でFCを走らせている時は何よりの息抜きで、例え用のある奴からの電話であろうとあまり邪魔されたくはない。 しかし涼介は画面に出た名前に一もニもなく応じる。日曜の夜更け、こんな時間に珍しい中里からの電話だった。 『涼介、そっちは何時に終わる?』 中里の側から合おうと誘われることは少ない。それにも増して、こんなに急に夜の呼び出しと言うのは今までになかったことだ。 別段中里の声が元気ないとか、何か切羽詰った感じがすると言う訳ではないのだが、嬉しい反面何かあったのだろうかと心配にさえなってくる。 「何かあったのか?」 電話の向こうから困ったような、照れたような中里の気配。携帯電話越しのそれを感じられるのも恋人となった自分ならではだろう。 『じゃあ待ってる』 そう言うと電話は切れた。中里との約束が出来た涼介がいつまでも赤城に残るはずが無い。 「今日はもう解散するぞ!」 一言だけ言い置いて涼介はさっさとFCへと乗り込み赤城を下っていくのだった。
ダウンヒルバトルのスタート地点に車を止め、妙義からやってくる分当然時間のかかる中里を楽しみに待った。 映画の撮影時には毎晩のように通った峠。しかし今は中里と逢瀬を重ねる時くらいにしか走ることは無くなった。 ここに立つといつも思い出すのは中里のことばかり。 放射冷却か。 見上げる空は満天の星。こんな雲ひとつ無い夜には地表の熱が宇宙へ放射されるのを遮るものがなく、結果として気温が下がるのだと言う。その漆黒の宙に輝く星達が中里の瞳みたいだと、涼介は彼らしいことを思い笑った。
だから勝手に待っていただけ。中里が車を降りてくる前に、涼介はその運転席側に回って微笑む。 「お前からの急な呼び出しなんて、驚いたぜ」 にこにこした涼介は本当にそう思っているようで、中里はちょっと照れる。 「それよりお前の方こそ明日会社だってのに」 すると中里は車を降りながら、何かを手にしてきた。それを涼介の前に突き出す。 言葉はなかったがそれは確かに贈り物用のラッピングがされたもので、金のシールにはSt、Valentine’s Dayの文字。 「――まさか、これを渡すために?」 滅多なことでは驚きを表に出さない涼介の顔にこの時ばかりはありありと驚きが浮かぶ。 「日付け、変わったぜ。今日はバレンタインだろ。お前ってこういうの、絶対俺から欲しいとか思ってそうだし、どうせやるなら義理でも他のヤツラからの受け取る前にやっちまいたかったし・・」 こんなに嬉しいバレンタインを、今まで受け取った事が無い。 「嬉しいぜ」 涼介はラッピングされた小箱を手にしたまま、目の前の中里を抱き寄せた。
「ん、んん・・っ」 キスが終わらない。 それはまるで情事の開始の時のような・・・ 「・・・!!」 ような、ではない。涼介はその気なのだと思い当たった。 逃げられないように腰に回した手ががっちりと細い腰を押さえ込んでいる。よろりとよろめいた時、背中に固いRのルーフが当たった。 「―――っ、りょう・・!」 服ごしに、涼介の手が股間へ伸びてきた。
やがてズボン越しの愛撫に焦れて、涼介は手を差し入れてきた。直にそこを扱われ、流石に中里のものが膨らみ始める。 「――やめろ、こんな屋外でなに考えてんだっ」 激しく抵抗する腕をなんなく抑えられてしまうのは体格差か。 涼介がくるりと中里の体を反転させた。愛車に押し付けられるような姿勢でズボンを引き降ろされ、外気の冷たさに肌が粟立つ。 「や・・めろっ・・涼介っ!!」 よほど我慢が出来ないのか、そこへ突きつけられた涼介の物からは既に先走りが漏れていたようだ。それを直接固く乾いた門へ擦りつけ、涼介は侵入の時を伺う。 「―――涼介・・ッ!!」
「中里・・」 いつもの行為の後と変わらず、涼介は優しく肩を抱いてくる。しかし今の中里にはその気持ちを受け止める気はさらさら無かった。 「・・お前が喜ぶと思ってこうしてチョコなんか渡しに来たのに・・。こんな酷ぇことしやがって・・」 中里はRのルーフに置き去りにされたプレゼントをさっと手を伸ばして掴み取る。 「このチョコレートは無かったことにさせてもらうぜ。――お前なんか、絶交だ!」 奇しくもそこはGTRの運転席側。 「中里!」 ドアを開けようとする涼介の動きなんて読めたもの。 ギャアァッ!!しかし中里は急バック。そのまま距離を取ると勢いよくスピンターンして遠ざかってく。 慌てた涼介がFCに飛び乗り後を追ったが、中里の自宅へたどり着く前に追いつくことはどうしても出来なかったと言う。
|
わあああ!可愛いお話ありがとうございます!!
中里さんの可愛さに愛が暴走してしまった涼介には罪は無いです!(笑)
チョコの行方はいったい〜
チョコもらえなくて、毎晩ジタジタしているであろう涼介さんを思うと
ニヤニヤが止まらないです!!くは〜vvv
また可愛い中里さんをよろしく御願いいたしますvvv
←topへ