まずは未だ眠りに落ちたままの姫をその他大勢のナイトキッズたちに協力を仰ぎつつコッソリと避難させてから、また変なのが来たら知らせろと偉そうに言い付け、姫と自分以外の仲間を小屋の外に追い出しました。 そして今、慎吾の目の前にあるのは愛しい黒雷姫の唇です。 (たまんねぇ…) もしもオレがどっかの国の王子なら… と、妄想の世界に入り込んだその瞬間。 『……王子様!』 またもや頭の奥から聞こえる声が。そして更には… 『慎吾様!いい加減にして下さい!』 何者かが自分を叱りつけるような声まで聞こえてきます。 そうして慎吾は気付いたのです。まさに自分がその“どっかの国の王子”である事に。 (もしもお前に、本当に愛する者が現れたその時に、その呪いは解けるであろう…) 激しい抵抗も難なく抑え付けられ、せめてもと最凶の面構えで睨み付けてやった魔法使いの最後の言葉までをも思い出し、自分の恰好を見てニンマリ微笑みました。 (オレ…元に戻ってる…!) 慎吾のテンションは急上昇です。さっきまではただの妄想だったのが、真実に成り代わったのですから当然です。 「じゃあ早速…」 と、それは姫の唇まであと数ミリというところでした。 「テメェ誰だコノヤロー!そいつはオレのもんだ!触んじゃねぇ!」 白い(?)馬(??)に乗ったヒヨコ王子が勢い良く小屋に乗り込んできたのでした。外を見れば見張りにと追い払ったナイトキッズたちは全て気絶させられています。 (チッ、役立たずめが…!) そういう自分も次の瞬間にはヒヨコ王子によってあっさり伸されてしまいました。長いブランクが祟ってしまったようです。 (クソッ…“愛する相手がどうの…”っつう約束はどうなってんだ!) 何故かそこにいないはずの魔法使いと会話が出来る慎吾。これは精神修行の賜物でしょうか? しかしっ…!悔しくて睨み上げたそんな彼の目前で… ちゅっ…vvv (あぁーッ!!!) ちゅ…vvv (よりによってべろちゅーかよ!) そして… あと数ミリというところで一番美味しい所を奪われたショックから覚めぬ内に、その変化はやってきました。 「…っうんん…ッ」 幾分苦しげにした後、黒雷姫のよく見れば長くて美しい睫毛が震え、ゆっくりと瞼が開かれてゆきます。 「…れ?ここは…」 パッチリした黒目がちの瞳は、目覚めたてでぼんやりしている姫の表情と相俟って、それはそれはそそってくる、もとい、可愛いらしいものでした。加えてキスに濡れた唇…! 「好きだーッ!!vvv毅っ、結婚しよーぜッvvv」 啓介は勢いついでにちゃっかりプロポーズなんかしちゃったりしてます。 「ん…」 覚醒したての姫は、何を言われているのか解らずに首を傾げただけだったのですが、勢いづいた啓介にとってはそれで充分でした。 「よっしゃぁー!!そーと決まりゃぁ早速vvv」 未だ意識が朦朧としている姫の意志などは遥か彼方に追いやられ、ヒヨコ王子は婚約者をゲットしたのでした♪ ……………終わり?
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ぎゃあああ(≧∇≦)//可愛いエンディングありがとうございます!!
慎吾王子様だったんですね(笑) 愛する毅のために覚醒しながら
ちゃっかり啓介に全て奪われているところこそが慎吾だと!!
イイ!慎吾イイ!!啓介もグッジョブすぎます(笑)vvv
毅さんをお嫁さんにできても、多分涼介様が色々ちょっかいを
かけてくるのは確定ですね。そんな王国の日常とかも募集中です(〃∇〃)
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