演劇企画「二人の会」20周年記念公演
「宮城野」: 作 / 矢代静一 演出 / 横山仁一(東京オレンジ)
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CAST
宮城野 / 濱崎けい子 …………… 濱崎けい子
矢太郎 / 堺 雅人 ……………… 堺 雅人
ギター演奏 ……………………… 染谷ひろし
全て目撃する女(ビデオ撮影) … 濱崎由加里
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舞台
会場中央にプロレスのリングの様に正方形の舞台。
周りを取り囲む様に一段低めの段があり、その一面ずつに舞台を向いてイスが置いてある。
入場口より反対側のイスにはマイクが設置されていて、ギター演奏の染谷氏の席の様子。
会場2面にはスクリーンが設置されており、何かを映し出す様子。
舞台上には「二人の会20周年記念誌」が貼ってあり、真ん中の一部分は空いている。
舞台上には反物や和柄の布が散らしてあり、一部は舞台下まで垂れている。
四隅には同じ和柄の布で作ったランプが吊り下げてあり、ほんのりとした薄明かりで
「宮城野」の勤める「竹の家」の遊郭の座敷を表現。
入場口側の一面には男物の茶系の着物をかけた衣紋かけが上から吊り下げてある。
首にスカーフの様に黒のフワッとした感じの帯がかけてある。
観客席は両スクリーン下に横に長く10列弱。舞台角の四隅に3列ずつ。全部で300席ほど。
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開演前
会場内のスタッフの方達が席の案内をしてくださり、ほぼ席が埋まってくると「公演は1時間半を予定しております。
まだ開演まで時間がありますので、一番いい時に席を立つ事のない様
今のうちにトイレに行かれるなり、メールをされるなり、開演までごゆっくりご歓談ください」
と、思ったより舞台に近い会場で緊張するお客さんの緊張をほぐしてくださり、皆から笑いがこぼれる。
するとしばらくして突然ベルが鳴り、まだ会場内が明るい状態で
入場口横の入り口より濱崎さんと娘の由加里さんが登場。
濱崎さんはピンク色の派手で安っぽい着物。女郎風にかなり着くずしている。
髪は地毛をそのまままとめた感じで、手には小道具の紫系の手ぬぐい(?)をかぶせた膳を持っている。
由加里さんは、全身黒の衣装でかわいいワンピース姿。髪は一つにまとめアップにしている。
手にはビデオカメラを持ち、撮影しながらの登場。
撮影された映像は、会場内の2つのスクリーンに映し出される様になっている。
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濱崎さんが舞台に上がる階段に足をかけた所で「開演前の注意」のアナウンスが流れる。
濱崎さんは膳を手に持ったまま「あら〜(笑)またやっちゃった?」とバツが悪そう。
どうやら出を間違えて、本来出るべきタイミングより早く出てしまった様子。
カメラマンの由加里さんも笑っている。
「公演中は演出の妨げになりますので、携帯電話や時計のアラームなど音の鳴るものは…」
とアナウンスが流れると、ウンウンと頷き「そうなのよ(笑)お願いしますね!」と舞台に上がる。
まだ会場が明るいまま濱崎さんが舞台中央に座り、小道具である膳を整えながら
(女郎宿の一室なので膳の上には徳利やお猪口、お箸などが並ぶ。二人分乗っている様子)
「いや〜私よくやるんですよ。いっつも間違えちゃって…。
このお膳も本当は私が用意するハズだったんですが、ちょっと楽屋で話しこんじゃって…」
と失敗談を語り出す。
*どの回も出を間違えたみたいなので、どうやらそういう演出だった様です。
「朗読劇で舞台に上がって、さぁ読もうと思ったら台本を忘れて
『あら?ちょっとスイマセン…(苦笑)』とかね〜(笑)」や、メガネを忘れて袖に取りに戻った話などなど。
そしてご主人・濱崎辰夫氏(濱崎さんご自身は「相棒」と表現されていました)と立ち上げた
「二人の会」や、旗揚げ作品でもある「宮城野」という芝居の誕生のお話。
「私はこの『宮城野』というお芝居が好きでね〜」とホントに愛おしそうに話される。
「今回の舞台はステキなゲストを2人お迎えしています。まずはギター演奏の染谷さ〜ん!!」
と、入場口より反対の入り口よりギター演奏の染谷ひろし氏が登場。
*楽日の最終公演では染谷さんギターを忘れて登場。
濱崎さんに「染谷さん、アレッ?ギターは?」とツッコまれる。
すぐに気づき、照れ笑いをしながらとりに戻る。
その間濱崎さんが染谷さんとの出会いなど話し出すが、止まらなくなり
由加里さんに「染谷さんそろそろ出してあげたら?」と言われ、笑いながら染谷さんを呼ぶ。
「皆さん染谷さんのギターを聞かれた事はありますか?
染谷さんはね〜実はとっても有名な方で、宝塚の作曲とかもされてるんですよ!!
染谷さんとの出会いは東京で、フラメンコのマヤさんて方を通じてなんです。
東京で舞台をやるのに誰かいい方いませんか?って言ったら染谷さんを紹介してくれて…」
今日はせっかくですから何か一曲お願いしましょう!!(拍手)」
と濱崎さんがお願いして、染谷さんは一曲演奏 (曲目は公演毎に違っていた様です)
「それからもう一人のゲスト、堺 雅人くんです! 堺く〜ん!!」と大声で呼ぶ濱崎さん。
ニコニコ笑顔で手を振りながら、染谷さんとは逆の入場口横の入り口より堺さん登場。
衣装は着物ではなく、チャコールグレーのVネックTシャツに
くるぶしが見えるくらい短めの、麻の様な感じのベージュ(薄茶色?)のパンツ姿。
足は裸足で、舞台まではサンダルを履いて登場。舞台下でサンダルを揃えて脱いで舞台に上がる。
髪も素のままで、カツラ等は付けていない。パンツの左後ろのポケットにマイクの無線が入ってる様子。
舞台に上がってまず「いや〜染谷さん、素晴らしい!!!」と拍手をしながら近づく。
舞台上の濱崎さんの前に置かれてある膳の前に正座し、笑顔で「20周年おめでとうございます!!」
「イヤイヤイヤ…。ありがとうございます」と照れつつ、嬉しそうな濱崎さん。
「ついでに還暦もおめでとうございます!!」と、さらに笑顔で身を乗り出しお祝いを言う堺さん。
「そうなんです。先月還暦を迎えたんです」と、さらに照れつつ ウケる濱崎さん。
楽日には濱崎さんが「それにしても堺くんも毎晩毎晩大変ね〜お酒が(笑)」とツッコみ
「そうなんですよ〜(笑)それにしてもどうしてあんなに芋焼酎って旨いんでしょうねぇ?」と堺さん。
どうやら毎晩お酒を飲んでいる様子を濱崎さんにバラされ、照れながら笑顔で返す。
「宮城野」もお酒を飲みながら口説かれたそうで、堺さんも酔った状態でOKされたそうです(笑)
堺さんが「それにしても20周年ってスゴイですよね!!」と「二人の会」20周年について語り出し
濱崎さんに「相棒・濱崎辰夫氏」との出会いや「宮城野」初演の頃の話を堀り下げる。
(その間、小道具として持ってきた膳の上のハクセンコウを食べながら話す二人)
*会話そのままには書けないので箇条書きで失礼します(カッコ内は発言した人)
(濱崎さん)元々2人とも「地元に帰ってやりたい」という思いがあったので
2人の子供も生まれた40代に、宮崎に帰ってきて「二人の会」を立ち上げた時は嬉しかった。
(濱崎さん)「宮城野」初演の時は、辰夫さんが胃がんで余命が1年とわかってから
本人に告知をして(告知した方が頑張れると思ったから)初演を迎えた。
ご主人亡き後は一人芝居で「宮城野」を演じ続けてきた。
去年東京で「宮城野」の一人芝居をした時に、堺くんが観に来てくれた。
他の方との共演の話もあったが、自分の中の宮城野のイメージが決まっていて
なかなかそれを超えるものがなかった為、二人芝居を一人でやっていた。
「え!?二人芝居を一人芝居にしちゃったんですか!?どうやるんです?
(体の中心に手を当て半分に割る感じのジェスチャーをして)
こっからこっちが宮城野で、こっちが矢太郎…みたいな??」と堺さん。
「そうそう(笑)」と濱崎さん。
(濱崎さん)堺さんには以前から
「ね〜堺くん。『宮城野』っていう素敵な二人芝居があるんだけどやらない?」
と誘っていて、3年前に一緒にやる約束をしたのだが
去年ブレイクしてしまったので、もうダメかも…と実現を危ぶんだ。
(濱崎さん)堺さんとは高校演劇の講習会で初めて会い
その当時70人くらいいた生徒の中で一番印象に残っている。
八重歯がカワイクて、どんな課題を出しても「ハイ! 僕やります!」と元気よく手をあげていた。
もう自分の役が決まっていても、やる人がいないと「僕が!!」と言ってきて
「あなたもうやったでしょうって(笑)」
(堺さん)以前「T&T(表記不明)」という喫茶店で朗読会をやっていたのだが
その頃はまだ小さかった由加里ちゃんが受付などをしていてカワイかった。
(堺)「由加里ちゃんが店内でビービー泣いてたの覚えてますよ。
(由加里さんの方を向き)あれ?今は何やってるんだっけ?」
(由加里)「東京で役者の修行をしています」
(濱崎)「スタッフとしてこき使ってます(笑)」
(堺)「何か… お母さんに高校卒業できなくてもいいから舞台手伝えって言われたんだって!?」
(由加里)「はい(笑)」
(濱崎)「舞台のときにちょうどテストが重なって人が足らないと困るから高校卒業しなくてもいいから!!って。
そしたら娘が『お母さん私高校くらい卒業したい!!』って泣いて言われて…(笑)」
(堺)「(あきれたように笑いながら)普通逆ですよ〜!!!
親が泣いて頼むもんでしょう…。由加里ちゃんよくこんな素直に育ったねぇ」
(濱崎)「親がダメだと子が育つようで…(笑)」
(堺)「何言ってるんですか!!(笑)」
…と、ここで濱崎さんが
「20周年の記念誌を作るのに写真を整理していたら面白い写真が出てきたのでカラーコピーしてきた」
と、丁寧に折り畳んだA3サイズ大の紙を懐から大事そうに出してくる。
ホッペがほんのり赤い高校生の堺さんが、まだ小さい由加里ちゃんを膝に抱っこした写真。
それを由加里さんがビデオに写し、スクリーンに大映しされると会場から笑いが漏れる。
堺さんは「うわ〜何スか、それ!?しかもカラーコピーで拡大までして!!」と恥ずかしそう。
*楽日の夜の公演ではさらに、濱崎さんの朗読会でのエピソードも堺さんが披露してくれました。
「羅生門」の朗読会だったそうで、皆が今かと待っていると濱崎さんが出てきて
「羅生〜門っ!!」とスゴイ声で叫んで始まるのかと思ったら
「あっ、ゴメンナサイ!眼鏡忘れた…」と恥ずかしそうにそそくさと袖に眼鏡を取りに行き
戻ってきたと思ったらまた大きなスゴイ声で「羅生〜門っ!!!」と何事もなかった様に始めたので
「スゴイ女優だなぁ〜(笑)」と思ったとか。
その時の濱崎さんの真似をして、スゴイ声量でツバまで飛ばして叫んだ堺さんが
眼鏡を忘れて恥ずかしそうに袖まで取りに行く濱崎さんも演じわけておられて
その時の様子が目に浮かぶ様で見ていてとてもオモシロかったです。
その後、堺さんが
「結局ね〜濱崎辰夫とけい子で完成されていて、二人の間には入れない。
だから今日僕は『濱崎けい子体験ツアー』という感じで観てますから(笑)
ちょっと一人芝居でさわりだけでもやってもらえませんか?」
と舞台を降り、舞台下に設置されたイスに座り(客席に背を向けた感じになり)
舞台に腕を置き、その上にアゴを乗せて頬杖をつく様な感じで濱崎さんの一人芝居を鑑賞する。
(照明が落ち、会場が暗くなる。舞台の宮城野を演じる濱崎さんを、客と堺さんが見つめる)